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( ・∀・) と 从'ー'从さん -梅雨のある日-


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




( ・∀・)「……雨かよ」

昇降口を出ると雨が降っていた。
折りたたみの傘を開き、てくてくと帰っていく生徒達の後姿が見える。

( ・∀・)「……これからバイトだってのに。俺の前髪をひん曲げる気かね」

実に不快だ。今朝もアイロンで必死で伸ばしてきたと言うのに。
昼はくそ暑い中、あほの渡辺にホットチョコレートを飲まされた上授業に遅刻するし……まったく今日は散々だ。

( ・∀・)「っと、折りたたみ、っと」

鞄の中に入っているはずの折り畳み傘を探す。

(;・∀・)「……あれ?」

ない?傘がない?

(;・∀・)「まじ勘弁してくれよ……」

鞄を置いて、もう一度中をよく探してみるが、やはり無い。

(;・∀・)「あー」

なんてこったい。これから濡れて帰らないといけないのか。
そんなことを毒づいていると、不意に背後に気配を感じた。

誰だ?ドクオあたりだったらアンブレラシェアリングを強要して……。

「あれれ~、モララー君、傘ないの~?」

振り返る前に声が聞こえた。女の声だ。
僕は返事をしながら慌てて振り返る。

(;・∀・)「ん?ああ。そうだけ………っ!!」

振り向いた先。そこに居たのは……

从'ー'从「大変だねー」



20070604032000.jpg




……渡辺だった。

昼に俺にホットチョコレートを飲ませた上、5次限目に遅刻する原因を作った奴。
またこいつに会うとは……ついてない。


从'ー'从「ん~?じゃああたしといっしょに帰る~?入れてくよ?方向同じだよね」

(;・∀・)「はい?」

いっしょに帰ろう?入れていく?
つまるところ相合傘じゃないですか?
なんでこいつはこう……恥ずかしげもなくそんなことを。

しかし、入れてくれるならそれにこしたことは―――

( ^ω^)「お?モララーかお。どうしたんだお?」

(;・∀・)「あ、ブーン」

僕と渡辺の間にブーンが割り込んできた。
手には傘を持っている。

( ^ω^)「あ、もしかして傘ないのかお?フヒヒ、思い知るがいいお。
      ……なーんて、ブーンも鬼じゃないお。よかったらいれていくけどどうするお?」

(;・∀・)「あ、入れていってくれるなr……」

そこで強烈な視線を感じた。

从'ー'从「……」

渡辺が、無言で僕を見詰めていた。心なしか、泣き出しそうな顔。
断れよ、そう目で訴えられているような感じ。

(;・∀・)「……あ、あーー、ブーン。いいよ、別に。ブーンに悪いし。
     それに、さっきツンが呼んでたよ」

(;^ω^)「ツンが?げっ……まずいお。待たせたら殺されるお……
      じ、じゃあ、僕はこれで。バイビーだお」

手を振って、ブーンはかけていく。
それといっしょに、傘が去っていく。

つまり、僕には渡辺といっしょに帰るしか道が残されていないわけだ。

从'ー'从「ん。じゃあちょっと待っててね。今傘出すから…」

君の中では僕と帰るのはもう決定事項なのね。

从'ー'从「……あれ」

渡辺の手が止まる。

……おい。お前まさか……

从;'ー'从「お、おっかしいなぁ~ここに確かに入れてたはずなのに……」

……渡辺さん?僕、ブーンの誘い断っちゃったんですよ?

从;'ー'从「ごめん。ないみたい……」

(;・∀・)「……あぁ」

从;'ー'从「ごめんね」


まぁ、本当に申し訳なく思ってそうだから、仕方ない、許しておこう。

でも、どうするよ?もうまわりには僕ら以外誰もいないよ?

(;・∀・)「……」

从;'ー'从「……」

(;・∀・)「……」

从;'ー'从「……」

嫌な沈黙が流れる。

(;・∀・)「……止むまで、待とうか」

从;'ー'从「……うん」

こくり、と渡辺は頷いた。


昇降口の段差の部分に二人で並んで座った。
途中、渡辺が勉強がわからない、といってきたので教えることにした。

( ・∀・)「だから、常用対数ってのは、底が10の対数関数のこと。わかる?」

从;'ー'从「……対数関数?」

(;・∀・)「……じゃあ、指数関数ってわかる?」

从;'ー'从「全然」

駄目だ、こいつ早くなんとかしないと……

手に持った自分のノートと、僕の書いたノートを必死で見比べている。
それでもわからないらしい。頭から汗のマークが出ているのが見える。

从;'ー'从「……あの、また今度教えてほしいんだけど……」

今度、だけで済めばいいけどな。
僕は軽く頷いた。

と、ここで渡辺が不意に顔を上げた。


从'ー'从「あれ、雨止んだみたいだよ?モララー君」

ノートを置いて外に駆け出していく。

(;・∀・)「あ、おい」


僕も後を追って外に出る。
雨は止んでおり、空の隙間からは太陽が顔を覗かせていた。

从'ー'从「うああ、晴れたぁ。待っててよかったね~」

渡辺は本当に嬉しそうに振り返って笑う。

( ・∀・)「……」

その笑顔がなんだかとても可愛くて、僕は返事をするのを忘れてしまった。

从'ー'从「あ、カタツムリがいるよ~。おらおら、殻にこもってみろよ~」

見つけたカタツムリを指でつつきながら、渡辺はまた笑う。

( ・∀・)「おいおい、逃がしてやりなよ」

从'ー'从「だってカタツムリかわいいんだもん」


雨が止んだのだからすぐに帰ればよかったのに、結局僕らはそこでずっと話していた。

从'ー'从「カタツムリは可愛いけどナメクジは駄目。見かけたら即効で塩かけるもん、あたし」

(;・∀・)「わざわざ塩かけなくても……」


いちいちつっこみを入れたくなる。

でも僕はこう思っていた。

渡辺、いいかも知れない。こいつのマイペース具合には、どこか惹かれる。


話しすぎて、気づいた頃には日が落ちかけていた。
帰るときも、二人で話しながら帰った。

从'ー'从「じゃあね、モララー君」

( ・∀・)「ああ。またあした」

途中で分かれて、それぞれの家路へ。途中、
振り返ってみると渡辺がまだこっちを見ていたので、僕は手を振り返した。


……家に着いたところで、今日はバイトだったのを思い出した。




~Fin






この小説は2007年5月26日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:5YT2MqEn0 氏



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/30 20:41 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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