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( ・∀・) は ( ^ω^) に伝えるようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ

※本文中に性的描写があります。注意





20070608031352.jpg



( ^ω^)「超能力ですかお?」

( ・∀・)「そう超能力」

沸騰した湯の入った急須の側面を手で掴み、博士が飲むお茶を入れる。
普通の人間ならば熱さという電気信号が脳に伝わってくるのだろうが、僕の場合はそうはいかない。

僕は博士に作られた生命、人造人間なのだ。
身体の半分近くが機械で構成されており、人間で言う脳に該当する部分も生身ではない。
唯一、股間いわゆるペニス周辺だけが完全に生身であり、
以前博士にその訳を訪ねた所「子を産む機械があってもいいだろう?」との事だった。

( ・∀・)「駄目だよブーン君、ちゃんと取っ手があるだろう?」

( ^ω^)「おっ、そうだったおね………熱くないもんだからつい」

( ・∀・)「痛みという感覚もインプットするべきだね、そうすれば人間により近付く」

博士は時々『人間』という言葉を使う。

博士は『人間』で、僕は『人間』じゃない。
決められたデータしかない僕だがそれは理解出来る。股間だけが生命を持つ物体など人間であるものか。

( ・∀・)「話を戻そうか、超能力について君はどう思う?」

( ^ω^)「超能力とかwwwファンタジーやメルヘン乙www」


ふと博士の白衣が揺らめいたと思うと、僕の視界は180度回転した。

どうやら博士の上段回し蹴りが頭部に炸裂したらしい。
いつもの事だ、しばしば僕が反抗するとこの行動に出る。
尤も、首が回っても痛みもなく行動に支障がない様に作ったのは博士自身であり、それを知ってて尚、こうやって僕と野性的なコミュニケーションをとるのは博士の優しい所でもあり鬼畜な所でもある。

( ・∀・)「アラレちゃんの様に首と胴体がおさらばしたくなければ真面目に話すんだ」

( ^ω^)「全力をもって把握」

自らの手で首を元に戻し、再度視界内に博士を納める。
女性の様に綺麗な顔、だが僕はそれをデータとしか認識しない。
粋な台詞も誉め言葉も出てこない、そしてそれを悔やむプログラムもない。

( ^ω^)「超能力、人間の願望が生み出した架空の産物とも言えるお。存在する訳がない」

( ・∀・)「そうかな? 過去にもちゃんとした事例も存在してるよ?」

( ^ω^)「非科学的過ぎるお、そんな人物がいるなら科学が発展した意味がないですお」

( ・∀・)「60点だね、あまりにも夢がない」

口の端を歪ませ、博士はその青白い顔を微笑させる。

そして、その口から発せられるあまりにも力のない言葉。
僕の耳には博士の心臓の鼓動が日に日に弱まっていくのが聞こえ、
僕の頭はその鼓動が停止する時間を正確に計算してしまっていた。

博士はもう長くない。あと一年もつか、もたないかだろう。
そう知っても、僕の中に悲しみというデータは生まれなかった。
当然と言えば当然だ、発生したらそれはバグ以外の何物でもないのだから。

( ・∀・)「………ブーン? どーした?」

( ^ω^)「おっ………ちょいと考え事を」

( ・∀・)「いいね、考え事をするロボット。優秀じゃないか」

( ^ω^)「………」

自分で言うのも何だが僕は優秀だ。博士が作ったのだから当然だが。
AI、即ち人工知能を有し多少の事は考え、行動する事が出来る。
尤も、それは作り物の域を出る事なく人間に比べたら屑の様なものなのだ。

僕は機械で、博士もそれを念頭に置いて話し、僕もそれを認識している。
それに僕は不満を抱く事は一切なく、童話の様に人間になりたいなどと考えた事もない。
博士は僕を人間に近付けたいと思っているようだが、完璧に人間にしようと思ってないだろう。

( ・∀・)「でもねブーン、超能力は極日常的に発生しているものなんだよ」

( ^ω^)「ブーンのデータ内にはその様な事例は登録されておりませんお」

( ・∀・)「…………それは愛さ、ブーン」

( ^ω^)「ロマンチックですおね、しかし同意しかねる事項ですお」

( ・∀・)「愛といっても種類は豊富だ、親子にも、同性同士にも、勿論恋人同士にも」

( ^ω^)「何をおっしゃりたいのか把握しかねますお」

( ・∀・)「でも、そのいずれにも共通する事がある」

金属製の床と擦れる音を響かせながら、車輪付きの椅子を一回転させる。
そして、まるでそういう役を演じているかのように両手を頭上に掲げる。

( ・∀・)「それは言わなくても知り、そして伝わるという事さ! 友情しかり愛しかりね」

( ^ω^)「なるほど。そして、それはまるで………」

( ・∀・)「そう、俗に言うテレパシーのようだね。まさに超能力だ」

( ^ω^)「まさに人間が持つ超能力と言えるますおね」

( ・∀・)「だろう? ククク、人間とは大したもんだね」

博士は椅子から立ち上がり、僕に近付いてくる。
そういう命令をされてない僕はそこから逃げる事なく、ただ近付いてくる博士を見つめる。

( ^ω^)「ですが博士」

( ・∀・)「何が言いたいのかわからない………だろう?」

( ^ω^)「…………」

博士は今のようにしばしば遠回しな言い方をする。
前置きが長くて、本題に入るまで時間がかかるのだ。

( ・∀・)「以前、君を拾った時の話はしたよね?」

( ^ω^)「データにありますお」

( ・∀・)「君を見た時は嬉しかったよ、何せ自分以外の生き残りを見つけたのだからね」

博士が歩を止めた。博士との距離は10cmもなかった。
殆ど密着しているかのような距離。博士の息遣いまでもが聞こえてくる。

( ^ω^)「かの大戦で生き残ったのは運良く生き残った僕と」

( ・∀・)「自家製のシェルターに入ってた僕だけだ……尤も君は半分死んでたけどね」

博士の細い腕が僕の首に巻かれた。まるで恋人に抱かれているかのように。

( ・∀・)「その時僕が何を思ったのかわかるかい?」

( ^ω^)「いえ、わかり………」

それ以上、僕の人工声帯から声が発せられる事はなかった。
博士の唇によって、僕の口に当たる部分が遮られたからだ。

( ・∀・)「愛……さ、君に一目惚れしちゃったよ」

( ^ω^)「うほっ。とでも言って欲しいですかお? 博士が同性愛者だったとは意外ですお」

不意に、博士の白衣が床に落ちた。
僕は無限にあるデータ内から同性愛についてのデータを検索していた。

( ・∀・)「かつて人間自身の手によって人間は滅んだ。今や生き残りは僕だけだ」

博士が上着を脱ぎ、そこらに放った。
冷房がきいた部屋の中だ。博士の体温が少し下がったのを僕の目は感知する。

( ・∀・)「そこで君が現われた、私は君を改造し生き延びさせたよ」

( ^ω^)「一回死んだ僕を機械として甦らせたんだおね。生殖能力を残して」

( ・∀・)「人間は途絶えさせちゃいけない、アダムとイヴになるのさ」

ボタンが一つ、また一つと取られていき、博士の白い肌が露出していく。

( ^ω^)「無理ですお、アダムとイヴは異性同士。同性では子供は作れない」


そして、博士の上半身を覆っていた布が完全に身体から離れた。
機械である僕が思わず目を疑ったのは、そこに豊満な膨みがあったからだ。

( ・∀・)「気付かなかったかい? 今の今まで薬で女性の特徴を抑えていたのさ」

( ^ω^)「………綺麗ですお、博士」

( ・∀・)「おっ、お世辞も言うようになったか。学習しているね」

( ・∀・)「それとブーン……博士じゃなくてモララーと言ってくれないかな」

博士の細い手が僕の着ていたズボンの中に滑りこみ、皮が被ったペニスを指で弾いた。

(*^ω^)「おふぅう」

僕の中に稲妻が走ったかのようだった。快感が身体中を駆け巡る。
だが、おかしい。僕は機械で、快感はおろか感覚を感じる事はない筈なのに。

( ・∀・)「気持ちいいかい?」

(*^ω^)「理解……できませんお……何故………」

( ・∀・)「改造の時にね、性的感覚だけは感じるようにしておいた」

今度は包み混む様に優しくペニスを掴んできた。
先程の指で弾かれた時のようなのとは違い、暖かい快感で無い筈の脳が痺れるようだった。

( ・∀・)「尤も、君がこの時までそれを知る事が出来ない様にロックをしておいたがね」

(*^ω^)「何の………為に………だお………っ!」

今度は優しく玉を握られた、痛みは感じずただ鈍い快感のみが訪れる。

( ・∀・)「女の子の恥じらいといった所かな? 何てね………ククク」

そして、少し置いて一際強い快感。手でペニスを撫でるように擦られているのだと知った。
最早、二人とも衣服の類を身に着けてはいなかった。僕も人工皮膚を露出させてしまっている。

( ・∀・)「さてね、挿れさせて貰うよ……心配しなくていい今日は危険日だ」

(*^ω^)「うぐ………待つ………お」

彼、いや彼女の秘部に僕のペニスが埋まっていこうとしたまさにその瞬間だった。
僕は彼女の肩を手で抑え、彼女の動きを停止させる。
先端が入り込んでしまっていて、快感に身体を痺れさせながらで力は入っていないのだが。

( ・∀・)「んン………何だい? 君に拒否権はないよ? いざとなればこのスイッチで」

今度は僕が彼女の言葉を遮った。
彼女の柔らかい唇と、僕の作り物の唇が触れ合う。
唇を離すと彼女の唾が僕の唇を赤い糸の様に繋いでいた。

( ・∀・)「随分と積極的なロボットだ…………」

(*^ω^)「さっきの話………僕は人間じゃないもんで……超能力はないんお」

僕は上体を起こし、彼女を両手で抱く。
そのお陰で僕のペニスはより深く入り込んでしまったようだ、彼女は甘美な悲鳴をあげる。

(*・∀・)「あ…アグゥ……っ!」

( ^ω^)「僕は言わずして愛を伝える事が出来ないお、だから……言うお」

( ^ω^)「愛してるお、モララー」

( ・∀・)「卑怯だねブーン………女性をオトすブログラムは組み込んでない筈だが」

そして、僕と彼女は口付けをする。より深くより長く愛を確かめるように。
唇を合わせながら僕は確かに愛という感情を感じていた。そう、言わずとしてだ。
その時に僕は人間になったのかもしれない、愛という感情を持つ人間という存在に。

博士は僕に愛という超能力があるという事を教えてくれた。
だから、僕は伝えよう。これから生まれてくる彼女と僕の子供に伝えよう。


人間が持つ愛という超能力を。








( ^ω^)「あれから十年。早いものだお」

施設を離れ、裏にある山の奥底の崖の端。景色が見渡せる場所に博士は埋めてある。
頻繁に心地良い風が吹き、まるで別世界のように空気は澄み渡っている。
彼女もきっと喜んでいる事だろう。そしてこの子達も。

ノハ ゚⊿゚)「ここにお母さんがいるのか!?」

川 ゚ -゚)「母上、クーは寂しいぞ。物心がついてから一目でも会いたかった」

( ^ω^)「そうだおね………クー、ヒート」

彼女はこの子供達を出産して間も無く息を引き取った。
その時の僕には悲しみというバグが発生していて、酷く戸惑ったものだ。

そしてこれは喜ばしい事なのだが、おそらく僕の生命力が強かったのか。
産まれたのはヒートとクーの双子、そして。

( ^ω^)「ドクオ………」

('A`)「カーチャン」

このドクオだ。何と彼女は三つ子をこさえたのだ。
流石、アダムとイヴ。生命力も半端じゃない。
その血を受け継いでいる子供達であるこの三人も、きっと沢山の子を産んでくれるだろう。
そして文明を築き、人間という存在を復活させてくれる。それが彼女の願いだった。

勿論、それにあたって困難も待ち受けているだろう。
近親相姦という愚を侵すのだ。問題は山のようにある。
だが、機械という無限に生きる権利を持つ僕が、出来る限りのサポートはしていきたい。

( ^ω^)「モララー………」

悲しみというバグは依然として僕の中に蠢いている。
彼女の事を考えると、バグが増えていくのを感じるのだ。

ノハ ゚⊿゚)「おとぉおおサァァン!! 」

川 ゚ -゚)「父上は………母上の事を愛していたか?」

( ^ω^)「………おっ、勿論だお。世界で一番愛していたお」

('A`)「トーチャン、ソンデナ、オレライイタイコトガアルンダ」

( ^ω^)「………何だお?」

膝の関節を曲げ屈み、子供達と視線の高さになる。
まるで黒真珠の様に彼らの瞳は純粋さに満ち輝いていた。

川 ゚ -゚)「私達は父上と母上を心底愛しているぞ」

ノハ ゚⊿゚)「お母さんとお父さんとの愛に負けないぐらいにぃぃいい!!!」

('A`)「トーチャンとカーチャンガスキダヨ」

口を揃えて子供達は言う。「だから泣かないでくれ」と。

( ;ω;)「おっ………」

頬を冷たいものが伝っていく。それは紛れもない涙だった。
機械の身体となって流す事もないと思っていたのに、僕の身体は人間になりつつあるのか。
奇跡でなどというものではない、彼女がそう作ってくれたのだろう。
最終的に彼女は僕を機械である僕を人間として、恋人として接してくれた。

( ;ω;)「モララーは……僕の大切な人だったお」

('A`)「ウン」

( ;ω;)「機械に過ぎない僕を愛し、愛するという事を教えてくれたお」

ノハ ゚⊿゚)「とぉおおちゃあぁあぁあん!!!」

( ;ω;)「モララー………愛してるお、ずっと。いつまでも」

川 ゚ -゚)「………幸せ者だ母上は。こんなにも愛してくれる人がいる」

( ;ω;)「モララー見てるかお………君の言う通り。子供達にも愛は伝わっていたお」

モララーは、彼女は教えてくれた。愛という言葉を。
それは人と人の間に伝わっていき、人を嬉しい気持ちにも悲しい気持ちにもさせてくれる。

モララー、君は言ったね。愛は言わずとも伝わっていくと。
でも、果たしてそれが遠く離れた所でも伝わるのだろうか?

―――いや、きっと伝わるのだろう。
現に君の愛のテレパシーは僕に、そして子供達にも伝わっているのだから。

朝に小鳥の囀りと共に起動を開始した時に、子供達にオヤスミのキスをして夜に自らの電源を切る時に。
毎日欠かさず僕は愛の言葉を呟くのだ。無論、天国にいる君にテレパシーで届くように。




( ・∀・) は ( ^ω^) に伝えるようです  ~fin






この小説は2007年5月13日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:bV2+VDTwO 氏
作者が共通のお題で各々小説を書くという形式のものです

お題は超能力



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/30 20:32 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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