スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

( ^ω^)は超能力者のようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




「――熱き心が業火を生む! エスパー……レッド!」

「清き心が風に乗る! エスパー……ブルー!」

「澄んだ心は全を知る! エスパー……イエロー!」『弱きを助け、悪を挫く! 我等、エスパーレンジャー!』

「前回までの三行粗筋。
 超能力を活用し、世界の平和を守るエスパーレンジャー。リーダーは炎を操る熱血漢、エスパーレッド。
 奮闘の末に怪人『シンジーン』を倒したエスパーレンジャー。だが、お決まりのように『シンジーン』は異空間へと逃げ込んだ。
 決着をつけるべく、レッドの力で火の玉に変身し、異空間へと追いかけるレンジャー達。しかし、そこには何と……!」

――この世には、変わらないものが幾つか、必ず存在する。そしておそらく、これもその1つだろう。
日曜日の朝、中途半端な時間に放送される、戦隊物特撮テレビドラマ。
そして、大型テレビの画面に映し出されるそれに、釘付けになっている一人の青年がいた。



20070901225711.jpg



( ^ω^)「おっおっ、 やっと始まったお! 展開にwktkだお!」

この青年、世間一般の常識で考えれば、もうこんな子供騙しの番組を見ている年齢ではない。
だが、それでも彼は、この番組が大好きだった。

――ピンポーン。

だから、家中に響き渡ったインターホンの音が、酷く煩わしく感じた。

(#^ω^)「こんな時に一体誰が……。開いてますおー!」

苛立ちを隠しきれずに、彼は叫ぶ。
その声を聞いて、2人の人間がドアを開け、彼の部屋を訪れた。

('A`)「ようブーン。相変わらず元気そうだな」

(´・ω・`)「久しぶりだね、ブーン」

入ってきたのは、覇気の無い顔をした小柄な男と、その男とは対象に、聡明で大人しげな顔つきをした、これまた男だった。
口ぶりから推するに、おそらくは彼、ブーンと呼ばれた男の友人だろう。

( ^ω^)「あぁ……、ドクオ、それにショボン、よく来たおね」

('A`)「暇だったからな。……お前、まだそんなの見てたのか? もう15だぜ、俺ら」

(´・ω・`)「ドクオ、そんなのってのは流石に失礼だよ……」

ブーンも多少のイラつきは感じたが、彼がそう言うのも尤もなことだ。
そう思い、その感情を顕にするのは抑えた。

( ^ω^)「でも面白いお?」

('A`)「まぁ、確かに演出は凝ってるけどさ。やっぱり子供騙しなんだよな」

( ^ω^)「……」

ドクオが一旦言葉を切る。切っただけで、まだ続きはある。
そしてブーンには、次に出てくる言葉が分かっていた。
少しだけ、心が痛む。


('A`)「本物の超能力者から見れば、な」

( ^ω^)「……だろうおね」

重い沈黙が部屋を包んだ。
ドクオは、本物から見れば、子供騙しと言った。そしてブーンは、それを面白いと言った。
それらが意味する事は、ただ1つだった。

(  ω )「僕みたいな無能者には、分からん感覚だお」

更に言えば、世間一般から見ても子供騙しだと言う事は、
つまり、ブーンの様な力無き者、彼本人の言葉を借りるなら『無能者』。
その方が、圧倒的に少数だと言う事だ。

(´・ω・`)「ブーン……、今日、暇かい? 久しぶりに、遊びに行こうと思っただけどさ……」

沈黙に耐え切れず、ショボンが口を開いた。

( ^ω^)「残念だけど、今日はサポートセンター……、脳外科に行くんだお。
       ……『能力発現の兆し』が、あるかも知れないから」

極稀ではあるが、無能者とは違い、後天的に超能力を発現させる人間もいる。
ブーンは、それに賭けているのだ。
縋っていると言った方が、より正確なのかもしれない。

(´・ω・`)「そっか、残念だよ……」

( ^ω^)「……そうだお。もしよければ、2人にも付いて来てほしいお! 
       もし発現の兆しがあったら、2人にはいち早く知ってほしいんだお!」

ブーンが笑顔で言った。その笑顔は、決して偽りの物ではない。
無能者は、一昔前で言う、「身体障害者」も同然の存在だった。今や、殆どの仕事には、超能力が活用されているからだ。
そんなブーンと、彼等はいつまでも友達でいてくれた。ブーンと同じだけの蔑みや苛めを受け、更にはそれを跳ね除けてくれた。

あの時の嬉しさは、今でも忘れない。

申し訳なさはある。惨めな気持ちになった事もある。
だがそれでも、彼等はブーンの親友だ。だから、偽る事など何もない。

(´・ω・`)「……じゃぁ、ご一緒させてもらうよ。ドクオも来るよね?」

('A`)「たりめーだ」

( ^ω^)「じゃぁ早速行くお」

ブーン達は市街に出て、1kmほど離れた所にある超能力サポートセンターへと向かった。
そこでは、超能力による市民への援助が行われている。
その中の1つに、医師による診断があると言う訳だ。

とは言え、当たり前のように物が空を飛び、人が消え、また現れる市街。
自然とブーンは、伏せ目がちになる。
その結果どうなるか――突然のアクシデントに対し、反応が遅れる。

例えば、頭上からお決まりのように、鉢植えが降ってきた事とかに。

(´・ω・`)「……っ!? ブーン、上!」

( ^ω^)「おっ? って、アッー!?」

ショボンの声に、ブーンが上を向き、鉢植えを視認するも、もう遅い。
ブーンに出来た事は、ただ目を瞑るだけだった。

(;-ω-)「……っ、……あれ?」

ブーンの中で凄まじい体感時間が流れ、結局、鉢植えがブーンにぶつかる事は無かった。

('A`;)「あっぶね……、助かったな、ブーン」

鉢植えがブーンに激突する一瞬前に、ドクオはブーンの襟首を掴み、引っ張り下げていた。
結果、鉢植えは地面と衝突して、粉々に砕け散った。

(;^ω^)「助かったお、ドクオ。ありがとうだお」

('A`)「キニスンナ。それよりさっさと行こうぜ。
    こういう時は早く場所を離れた方がいいってバーチャンが言ってた」

( ^ω^)「把握したお」

ブーンは襟元を正すと、再び歩みを始める。
そしてその後で、ドクオとショボンが、声を潜め話をしていた。

(´・ω・`)「ドクオ……、もっと前から分かってたでしょ」

('A`)「……いや、アイツの周りじゃ、力は使わないようにしてる」

(´・ω・`)「あ、そうなの」

('A`)「お前だって、力使わなかっただろ?」

(´・ω・`)「……」

それっきり、2人は口を閉ざした。
後は適当に、世間話で盛り上がる事にした。
もちろん3人で。

暫く歩いて、ブーン達は目的地、サポートセンターへと辿り着いた。
自動ドアをくぐり、ブーンが2人を顧みる。

( ^ω^)「やっと着いたお。受付してくるから待ってて欲しいお」

それだけ言うと、ブーンは受付へと駆けていった。
ものの数秒もしない内に、激しい注意を受ける羽目になったが。
脳外科は比較的空いているらしく、すぐに通してもらえた。

( ^ω^)「この機械だけは、何度やっても慣れないお……」

ブーンの頭には、何本ものコードが繋がったヘルメットが被らされていた。
昔の医療機器らしいが、脳波を測定する機能があるため、今では超能力測定機器として使われている。
それと言うのも、

(゚、゚トソン 「ブーン君……、超能力は、特殊な脳波によって発現、発動している。
      それは知ってるわよね?」

( ^ω^)「はい。……もうずっと昔に聞かされましたお」

(゚、゚トソン 「残念だけど……、脳波は殆ど変化無し。発現の兆しは見られないわ」

( ^ω^)「……そう、ですかお」

それは、もう何度も言われてきた言葉。
それでも、慣れる事は決して無い。
十数年間、ずっとブーンの心を抉ってきた。

(  ω )「じゃぁ……、ありがとうございましたお。トソンさん」

フラフラと立ち上がり、ブーンは部屋を出た。
ドクオとショボンは、そのまま部屋に残る。掛ける言葉が無かったから。

('A`)「やっぱりアイツ、無能者なのかな……」

(´・ω・`)「……」

ドクオが呟き、ショボンが言葉を返しかねる。
だから、

(゚、゚トソン「彼は無能者じゃありませんよ」

トソンと呼ばれた女医、彼女が返した。
当然、2人がはそれに食いつく

('A`)「ちょ、それって、どういう意味ですか!?」

(゚、゚トソン 「言ったとおりですよ。言いましたよね。「殆ど」って。
      超能力の脳波は、彼にも見られます。ただそれが発現の兆しとまでは、至らないだけです」

(´・ω・`)「……じゃぁ、発現にはどうすれば?」

そこで会話が止まる。
トソンが一度、窓へと目を逸らして、それから口を開いた。

(゚、゚トソン 「色々ありますが……、一番確実な方法は――」


――月曜日。学校が始まった。
それは無能者のブーンとて、例外ではない。

( ^ω^)「兆し、また無かったお……。
       ……また来週、予約取っとくかお」

ブーンは肩を落としながら上履きを履き、教室を目指す。

( ^ω^)「おいすー」

ドアを開け朝の挨拶をする。
ドクオやショボン、それに他の友人が挨拶を返し、ホームルームまで他愛も無い戯言を楽しむ――筈だった。ブーンはそう思っていた。
それが『いつも通り』だったから。
だが現実は違った。誰一人として、挨拶を返しはしない。それどころか、目を向ける事さえも。

(;^ω^)「え……、えっと? 皆どうしたんだお?」

ブーンがもう一度、動揺しながらも口を開く。
今度は背を向けていたショボンが、ブーンを顧みた。
酷く煩わしそうに。

(´・ω・`)「ねぇ、ブーン」

(;^ω^)「な、なんだお?」

普段から下がっている眉が、更に深く下がった。最早顰めたと言った方が適切だろう。
ため息をつき、ショボンが告げる。

(´・ω・`)「言い難いけどさ、……そろそろ迷惑なんだ」

(;^ω^)「え?」

(´・ω・`)「知らない訳じゃないだろ?
       君と付き合ってるってだけで、僕とドクオが、どれだけ面倒を被ってきたか。
       どれだけ気を使ってきたか」

ブーンがドクオを見る。縋るような、信じられないといった様子の目つきで。
だが、ドクオはブーンを一瞥すると、すぐに目線を読んでいた雑誌へと戻した。

(´・ω・`)「クラスの皆だってそうだよ?
       君が超能力を使えない分、皺寄せを食らってるんだ。内藤ホライゾン君?」

内藤ホライゾン。それは彼の本名。
愛称であるブーンを彼が使わなくなった。
その理由は――言わずもがな、だろう。

(  ω )「……」

(´・ω・`)「ともかく、もう僕達も限界なんだ。昨日の診断で、もう望み薄だって分かったしね。
       悔しかったら、超能力でも使って僕を打ちのめせばいい。まぁ無理だろうけど」

最後を一気にまくし立てると、ショボンは再びブーンに背を向け、ドクオ達クラスメイトと雑談を始めた。
そして、ブーンはと言うと、暫く俯いていたかと思うと、身を翻し、教室を出ていった。
どうするつもりなのか、おそらくは、彼自身分かっていないだろう。

('A`)「……チクショウが!」

ブーンが教室を去った後、ドクオが唐突に机を叩き、怒気を孕んだ声を上げた。
周りにいたクラスメイトが驚き萎縮し、それから申し訳無さそうな表情をした。

(´・ω・`)「……ゴメンよ、ブーン。こうでもしなければ、君の『感情による暴発』は起こせないんだ」

感情の起伏による、超能力の暴発。
それこそが、医者トソンの示した、能力発現の方法だった。
超能力は、脳波により発現する。
そして、大きな感情のブレは脳波を乱す。それにより、非意図的に超能力が発動してしまう。
それが感情による暴発だ。

('A`)「たしかに、それなら発現させれるかもしれないけどよ……」

(´・ω・`)「……全て、彼の為なんだよ」

ショボンの言葉にドクオが、そして皆がうな垂れざるを得なかった。
この方法は、決して後腐れのいい物ではない。もしかしたら、関係を崩してしまうかもしれない。
それでも2人が決行したのはやはり、彼を親友だと思っているからだろう。だからこそ、2人は辛いのだが。

ともかくその日から、ブーンはクラスから疎外された。
親友だった筈のドクオとショボンからも、

ξ ゚⊿゚)ξ「寄らないで、アタシまで目を付けられたらどうしてくれるのよ!」

川 ゚ -゚)「近寄るな」

親しくしていた女の子からも、皆から無視され、拒絶された。
そして、やがてブーンの頭の片隅に、ある思想が生まれる。
あまり喜ばしい事では無いが、ショボン達の計画通りの思想が。

(  ω )「何で僕が……、そうだお、超能力、超能力さえあれば、あんな事言われずに済むんだお。
       絶対に……絶対に手に入れてやるんだお……! ……それで、またドクオ達と……」

呟くブーン。そして、そのブーンを、物陰から見つめる3つの影があった。
それは、ドクオとショボン、そして……、

ξ ゚⊿゚)ξ「……」
(´・ω・`)「どうだいツン? 彼の心境は」

ξ ゚⊿゚)ξ「……うん、力を欲するような気持ちは生まれたみたい」

2人と同じく彼の友人だった、ツンという名の女の子と、

川 ゚ -゚)「つまり、経過は良好、と」

('A`)「……クー、何もアニメみたいな覗き方しなくていいから」

クーと言う名の、同じく女の子だった。

(´・ω・`)「悪いね。こんな最悪の茶番に巻き込んで、その上覗き見までさせてしまって」

ξ ゚⊿゚)ξ「いいわ。テレパシーなんて元々そんな物だし、ブーンのため……、なんでしょ?」

そう言ったツンの表情は、やはり芳しくないものだった。
ショボンも、ただでさえ下がり気味の眉を更に下げて頷く。

ともかくこれで彼は、力を求め、いずれ激昂か悲哀を溢れさせる筈だ。
そう、筈だった。

爪'ー`)y‐「やぁ、少年。少しお時間を頂けるかな?」
( ^ω^)「……あなたは?」

その感情のベクトルを、真逆の方向へ捻じ曲げる者さえ現れなければ。

爪'ー`)y‐「そんな事はどうでもいいんだよ。それより、君の事を少し調べさせてもらった。
       ……君も、無能者のようだね」

電柱の影から、突如現れた老人。その気配を、ブーンは全く感じ取る事が出来なかった。
だが、そんな事はどうでもいい。問題は、彼がブーンを激しく貶めた事だ。

( ^ω^)「……っ! うるさいお! 見ず知らずのアンタにまで馬鹿にされる筋合いはないお!」

初対面の人間に傷を抉られ、ブーンは怒りを抑えようとさえしない。
掴み掛からんほどの勢いで怒鳴る。

爪'ー`)y‐「落ち着きたまえよ。私はね、「君も」と言ったんだよ?」

( ^ω^)「え……? じゃぁ、あなたも?」

爪'ー`)y‐「まぁ、世間が言う無能者、だね。もっとも私はその呼び方を使ってはいないが」

初めての同族と言う救いが、ブーンの心のガードを下げた。
男の話は尚も続く。

爪'ー`)y‐「私はね、10年前、軍の近接格闘の権威だった。それがどうだ。
       くだらない超能力者共のために……、私と師匠、彼女が作り上げた格闘術は蔑ろにされた!
       ……それから私は、1つの集団を作った。力無き者達の、力無き者のための軍隊をね」

( ^ω^)「無能者の……軍隊」

爪'ー`)y‐「無能者ではない。……真人類だ」

( ^ω^)「新人類?」

爪'ー`)y‐「違う。真人類、真の人類だ。考えてもみたまえ。
       悠久の時を過ごして来た、人類と呼ぶに値するのはどちらだね?
       我々だ。我々こそが人、奴らはそれを逸脱した獣なのだよ」

( ^ω^)「僕が……真の……人類?」

無能として、人間以下として蔑まれてきたブーンの頭に、新たな価値観が埋め込まれる。
あまりに魅力的で、この上なく都合のいい価値観が。

爪'ー`)y‐「内藤君。我々の軍隊に入りたまえ。真人類には、私のような初老の者が多い。
       だがだからこそ、君のような若い力が必要なのだよ。
       「アンタにまでと」、言った所を見るに、君も酷い目にあってきたのだろう?」

『必要』、そして『力』。ブーンの心は、完全に落ちた。落とされた。

( ^ω^)「……分かりましたお。是非、入られせて下さいですお」

爪'ー`)y‐「ありがとう内藤君。……では明日の夜、町外れのラウンジ工場跡へと来てくれ。
       そこで、ちょっとした顔合わせをしよう。無論、全員とはいかないが。
       何せ、我々は世界中に根を張っているからね」

( ^ω^)「世界中……凄いですお!」

爪'ー`)y‐「それでは、また会おう。……そうそう、我々は君が入り次第、この町を叩き潰す。
       ここを去る準備はしておきたまえ」

そう言うと、男は背を向け、去っていった。
数秒後、ブーンは名前を聞かなかった事を少し後悔し、彼とは別方向へと歩き出した。

そして、彼らから少し離れた物陰から、4つの生首が生え出る。

('A`)「……ずいぶん長く話してたが……、何だったんだ?」

(´・ω・`)「少なくとも、僕達は知らない人だったね」

ξ ゚⊿゚)ξ「それに、心も読めなかったわ。何だか知らないけど、固く閉ざされてた」

川 ゚ -゚)「……とにかく、今日はもう帰ろう。見たところ、彼も帰路へ就いたようだ」

そうして彼らも、別れ、各々の家を目指した。
酷く捻じ曲がった現実に気づかないまま。



――次の日


('A`;)「……どういうこった?」

(´・ω・`)「分からない。……だけど、ちょっと、いや、凄く予想外だね……」

川 ゚ -゚)「ついでに言えば、凄くマズイな」

そう言う3人の表情は、とてつもなく重い。
最後にツンが、信じられないといった様子で呟いた。

ξ ゚⊿゚)ξ「何で、何で『力』への欲求が消えてるのよ……! ブーン……」

ともかく、4人は話し合った。
このままでは能力の発現はおろか、関係の修復さえもが厳しくなってくる。
そのどちらもが、既にブーンにとってはどうでもいい事だったのだが。

( ^ω^)「……」

そう、どうでもいい筈なのだが、それでも彼は4人を目で追っていた。
意識的か無意識的にかは、彼以外が知る由も無いが。

(´・ω・`)「とにかく、なんとかするしかない」

('A`)「だけど……どうやってだ?」

(´・ω・`)「別に……、手はあるよ。ブーンは、ほんの一日で全ての考えを覆すほど、
       愚かじゃない筈だからね」

川 ゚ -゚)「ほう、聞かせてもらえるか?」

しばしの沈黙。そして、

(´・ω・`)「……ダメだね。言ったら意味がなくなっちゃうよ」

明確な拒絶の言葉。
一同が訝しむも――結局は、ショボンを信用するしかないと言う事で収まった。

皆が席に就いた後で、ショボンは誰にも聞こえないように呟く。

(´・ω・`)「ツン……、ゴメンよ」

クラスの全員が立ち上がる。一限目は体育。
それはつまり、全員が外へ出ることを余儀なくされる訳で――

(´・ω・`)「ドクオ、クー、話がある」

ショボンが2人を呼び止める。その中にツンはいない。

('A`)「おー、何だ?」

川 ゚ -゚)「手とやらについて話す気になったか?」

(´・ω・`)「うん……。ドクオ、この前ブーンに鉢植えが降ってきたよね?」

突然、全く関係の無い、無いと思われる話題を振るショボン。
ドクオは困惑し、クーに至っては「そうなのか?」としか言えなかった。

('A`)「……それがどうかしたのか?」

(´・ω・`)「実はね、あれの犯人は僕なんだ。
       テレポートで、その辺の鉢植えをブーンの頭上に移したんだよ」

('A`)「……何で」

(´・ω・`)「僕もね、ブーンについては多少考えてたんだ。
       で、結論があれ。僕は、ブーンの防衛本能に賭けてみた。結果は大負けだったけどね。
       僕達が守ってきた事の代償なのかもわからんね」

川 ゚ -゚)「回りくどいな。つまり、どう言う事なんだ?」

その問いに、ショボンが一度口を閉ざす。
目を瞑り、大きく息を吐いて、めいいっぱい間を取って――新たな結論を、早口に告げた。

(´・ω・`)「彼が駄目なら、彼の大事な人を狙うまでさ。そもそも彼はそう言う人間だからね」



――外という事はつまり、空がある。頭上は、がら空きだ。

ショボンの力が発現する。
その力は空間を、物理法則を捻じ曲げ、彼の策を現実の物へと変えた。
ベランダに放置されていた鉢植えは、重量に則り、ツンの頭へと降り注ぐ。

(´・ω・`)「さて……どうなるやら。……ツン、危ない!」

ショボンが叫ぶ。

ξ ゚⊿゚)ξ「え?」

それを聞き、ツンが立ち止まる。頭上の鉢植えに気づかぬままで。

川;゚ -゚)「なっ!? 何を馬鹿な事を!」

クーがその表情を崩し、慌しく鉢植えへと腕を向ける。
力の発現を試み、

(´・ω・`)「何やってるんだい? 君が止めたら意味が無いじゃないか」

ショボンの力により、遥か遠くのグラウンドへと飛ばされた。

ξ ゚⊿゚)ξ「……?」

ようやく、ツンが上を見た。
だが、もうどうしようもない所まで、鉢植えは迫っていた。

ξ ゚⊿゚)ξ「ひっ……!」

もはや、テレパスの彼女が出来る事は、2つしかない。
しゃがみ込み、未来を先延ばしにして、

ξ ;⊿;)ξ「――助けて……ブーン!」

ただ、思いを込めた言葉を放つ事のみ。


――ツンの頭へと降り注ぐ鉢植え。
叫ぶショボン。
それら全てを、ブーンはただ眺めていた。

( ^ω^)(ざまぁみろだお……)

助けを求めるツンの声。
その言葉の最後には、自分の名前があった。

(  ω )(ふざけてるお。近寄るなっていったのは……そっちだお。
       ツンなんか、頭に鉢植えをぶつけて……)

ぶつけて、どうなる?
気絶? 保健室? 入院?
いや、違う。

死だ。

(  ω )(ざまぁ……)

本当に良いのか? 彼女を放っておいて。
ブーンが自問し、

(  ω )「よく……無いお。仮に愛想を尽かされたとしても、今までの時は……消えちゃいないお!」

自答する。たかだか数分の説得と、十数年に渡る思い出。そもそも比べる方が間違っていた。

ブーンは地面を蹴り、走り出す。
でも、

(´・ω・`)「それじゃぁ間に合わないよ? ブーン」

('A`)「おいショボン、止めろよ! ふざけんな!」

( ^ω^)「力が……力が欲しいお! 皆に頼らなくてもいい、皆を守れるだけの力が!」

他へ向けられた、だけど確かな防衛の本能。
無力な現実に対する、巨大な憤り、自己への激昂。
そして、自分の過ちと、万が一の未来への、深い悲哀。

一同に揃ったそれらは呼んだ。15年間、眠り続けた物の目醒めを。

( ^ω^)「うおぉぉぉぉ!」

指を『銃』の形に握り、腕を突き出す。
その指先は、鉢植えへと。

何故そうしたのかは分からない。
ただ、鹿は生まれた瞬間から走り方を知っている。親無き鳥もいつかは空を飛ぶ。
彼は目醒めた。故に、どうすべきか知った。それだけだ。
『銃』の周りの空気が膨れ上がり、激しく湾曲した。
その正体は、


( ^ω^)「消し飛ぶおっ!」


手の平大の火球だった。
太陽を髣髴とさせるそれは、ブーンの掛声と共に、放たれる。
終着点は、ツンの頭上、あと一秒もしない内に彼女の頭を粉砕するであろう鉢植え。

皆が目を瞑る。
そして、放たれた火球は、忠実にブーンの言葉を遂行した。
材質など関係ない。絶対的な熱エネルギーは鉢植えを炭素と変え、空気と成す。

皆に沈黙が流れ、

(´・ω・`)「……おめでとう、ブーン」

ショボンが、あくまで空気を読みつつ沈黙を破り、

ξ ゚⊿゚)ξ「アタシ……、生きてるの? 生きてるわよね?」

ツンが目を開き、生を実感し、

('A`)「ショボン、お前なぁ……」

ドクオがあきれ果てた、けれど嬉しそうな声を紡ぎ、

川#゚ -゚)「ショボン! 貴様覚えていろよ! ツン、無事か!?」

クーが無表情をベースに青筋を浮かべながら帰ってきて、

( ^ω^)「お……? ……や、やったおぉぉぉぉ!」

歓喜の雄叫びが響いた。
それからは、色々と凄かった。
まずはドクオとクーが、瞬間移動で逃げ回るショボンをフルボッコにした。

ξ ゚⊿゚)ξ「ありがとブーン。……それと、ゴメンね?」

( ^ω^)「うっ……、べ、別にツンの為じゃないお! 
       ただ試し撃ちがしたかったけど、手頃な的が無かっただけだお!」

ξ ゚⊿゚)ξ「はいはい、ツンデレ乙」

そして、どこかシュールな展開を交わす2人。
そこに、更に3人が駆け寄る。
彼らは事情を話し、それから自分達の愚行を心から詫びた。

( ^ω^)「そう言う事だったのかお。
       いいお。もう気にしてないお」

('A`)「悪かった。……けど、スゲェな。炎を出すなんて聞いた事無いぞ」

(´#)ω・`)「痛い……。けど確かに聞いた事無いね」

世界には多くの超能力があるが、炎を生む能力なんてものは確認されていない。
つまり、この能力が使えるのは、世界でブーンだけという事になる。

川 ゚ -゚)「まぁ15年間待ったんだ。多少のサービスがあっても悪くは無いさ」

ξ ゚⊿゚)ξ「そうだ! 今夜、皆でパーティーを開きましょうよ! ショボンの家で!
     べ、別に祝ってあげたいとかそんなんじゃないんだから!」

(´#)ω・`)「何故僕の家で?」

('A`)「罰じゃね? それにお前んち親いないし」

(´#)ω・`)「この右目の腫れは何なんだい? と言うかツン、物凄い申し訳なさげな顔してるけど、
       うちの親は存命だよ? ただ仕事で帰ってこないだけさ」

ξ ゚⊿゚)ξ「なっ……べ、別にそんな事思ってなんか……」

皆がその素直じゃない態度に呆れながらも、パーティーのプランは現実のものとなりました。
かくしてブーンは、望んだものを手に入れ、友人に祝ってもらい、幸せそのものでしたとさ。






めでたしめでたし。














と、なれば良いのだが、そこまで現実は甘くない。




( ^ω^)「――ちょっと、トイレに行ってくるお……」

('A`)「おう、何だ? 食いすぎたか?」

( ^ω^)「そう……みたいだお」

例えば、目の前に瀕死の重傷人がいたならば、早急に救急車を呼ぶ事が普通なように。

知ってしまったならば、それを放っておく事は許されない。
ブーンはトイレに入り鍵を掛けると、窓を開けた。
金属の柵が何本か見られたが、全て炎で溶かす。

( ^ω^)「すぐ……帰ってくるお」

キツイ窓を何とか潜り、ブーンは町外れへと走り出した。
窓に足を掛ける前に、滑って便器に突っ込んだのは彼だけの秘密だ。

ξ ゚⊿゚)ξ「ブーン、遅いなぁ……」

(´・ω・`)「どうしたんだろうね。嵌っちゃったとか?」

皆が疑問に思い始めた頃だった。
ピンポーンと、場に相応しくない、つまりは間の抜けたインターホンが響く。
ツンが小走りでドアに駆け寄り、鍵を開けた。

ξ ゚⊿゚)ξ「どちらさ……」

( ゚д゚ )「内藤ホライゾン君はいるかな?」

( ・∀・)「はいちょっと失礼するよー」

外には、スーツを着た2人の男が立っていた。
その2人はドアを開けるなり、ズカズカと家に上がり込む。
その非常識さに、当然ツンは怒りを示した。

ξ ゚⊿゚)ξ「ちょっと! 人の家にイキナリ入ってきて、どういうつもりよ!」

(´・ω・`)「まるで我が家みたいな口ぶりだね。で、内藤君がどうかしたんですか?」

ツンの怒鳴り声を聞いて、奥から3人が出てきた。
人が増えた事を煩わしく感じながらも、スーツの男は話を続ける。

( ゚д゚ )「あぁ、彼はな……、無能者によるテロ集団と接触した疑いが掛かってる」

( ・∀・)「で、こうして出向いてきたと言う訳だ。
      ここに来るのは分かってたし、別に出向いたってほどでもないが
      あ、そうそう、もう分かってるだろうけど一応……、俺達こう言う者だから」

口早に告げて、2人は胸ポケットから黒い長方形を取り出す。
それは所謂、警察手帳と呼ばれる物だった。

(´・ω・`)「ミルナさんにモララーさんですか」

( ゚д゚ )「あぁ。とにかく、内藤君の……」

ξ ゚⊿゚)ξ「嘘よ! だって、だってブーンはもう、無能者じゃないもの!」

頭を振りながらツンが叫ぶ。
その言葉を、ミルナは聞き逃さなかった。

( ゚д゚ )「……どういう意味だ?」

('A`)「……アイツは今日、能力が発現したんです」

ξ ゚⊿゚)ξ「そうよ!だから……」

( ・∀・)「だが、昨日までは無能者だったんだろ?」

モララーが突きつけるように言う。

川 ゚ -゚)「……ショボン」

そしてクーも、何かを悟ったようにショボンの名を呼んだ。

(´・ω・`)「……あの時、だったのかもしれないね」

( ・∀・)「心当たりがあるなら話は早い。とりあえず内藤君に会わせてもらおうか。
      なに、ちょっとした事情聴取だけだよ」

そう言ってモララーは、ツンの肩に手を置いた。
そして、

( ・∀・)「……なるほど、便器に嵌ってる訳ね」

読み取った。

ξ ゚⊿゚)ξ「サイコメトリー……っ!」

ツンが驚いてる隙に、モララーは脇を抜け、トイレを目指した。
迷わずに歩いているところを見ると、どうやら間取りもついでに読み取ったようだ。

( ゚д゚ )「トイレ?」

(´・ω・`)「……? どうかしました?」

ミルナの呟きをショボンが捕らえ、皆が彼を見た。
そして、彼は告げる。
彼だけが見えた現実を。

( ゚д゚ )「誰も……いないぞ?」

彼らにとって信じがたい真実を。

('A`)(´・ω・`)「……え?」ξ ゚⊿゚)ξ川 ゚ -゚)

それからしばらくの沈黙を経て、

( ・∀・)「……おい、トイレの窓と柵、ぶっ壊れてんぞ」

その「信じがたい」は「信じられない」に変わった。

( ・∀・)「それよりまずいぞ。……内藤とやら、1人で奴等んとこ行っちまったらしい
      泣かせるねぇ。お友達の平穏の為だとよ」

( ゚д゚ )「……本当か?」

( ・∀・)「便器に手ェ突っ込んで読み取った情報だ。本当だよ」

見ると彼のスーツは、袖口が微妙に濡れていた。
少しだけそれに同情しながらも、ショボンは彼に問いかける。

(´・ω・`)「彼は……、どこへ行ったんですか?」

( ・∀・)「悪いがそれは言えないね。言ったら俺等が首に……」

ξ ゚⊿゚)ξ「町外れ……」

モララーの言葉を遮って、ツンが呟いた。
まさかと思い、モララーの額に冷や汗が浮かぶ。

(;・∀・)「え?」(´・ω・`)

もう一度、今度は大声でツンが叫ぶ。

ξ ゚⊿゚)ξ「町外れの、ラウンジ工場跡よ!」

(;・∀・)「こ、このガキ、犯罪だぞ!?」

ξ ゚⊿゚)ξ「何よ! アンタだって読んだでしょ!? お返しよ!」

すさまじいツンの剣幕。
それは、警察の2人さえもをたじろがせる。

(;・∀・)「お、俺はちゃんと許可を……」

ξ ゚⊿゚)ξ「知るか! ショボン、急いで」

(´・ω・`)「了解」

ショボンがそれだけ言って、4人は、消えた。
次の瞬間、彼等は家の上空へと現る。
そしてまた消え、現われる。それを繰り返し、彼等はラウンジ工場跡へと近づいていった。

( ・∀・)「あ、あんのクソガキ!」

( ゚д゚ )「何やってんだお前は……! 急ぐぞ!」

( ・∀・)「分かってるよ! あんの糞課長! 何が「無能者相手にテレポーターもいるまい」だ!
      差別表現でマスコミに垂れ込んでやるから、首を洗って待ってやがれ!」


町外れのラウンジ工場跡。
町から遠すぎるため、子供の遊び場にさえならないその場所に、ブーンは足を踏み入れた。

爪'ー`)y‐「……やぁ、よく来たね。待ってたよ、少年」

暗闇の中、あの男が佇んでいた。
よく見ると、奥の壁際にも多くの人間が並んでいた。

( ^ω^)「……」

爪'ー`)y‐「皆に紹介しよう。彼が新しい同士、内藤ホライゾンく……」

( ^ω^)「違いますお」

ブーンの言葉が、男の言葉を無理矢理切った。
「おかしいな」と、男はぼやく。

爪'ー`)y‐「名前が違ったかね? 調べた限りでは……」

( ^ω^)「僕の名は、ブーン……」

そこまで言って、彼はうつむき、目を瞑る。
もう、後戻りは許されない。

( ^ω^)「あんた達を、壊滅させる男の名だお!」

その言葉に、いち早く反応したのは、リーダーである、あの老人だった。
ブーンの言葉が終わるよりも早く、腰に手を伸ばし、銃を抜く。
そしてその銃口がブーンを捕らえ――紅蓮の炎に包まれた。

爪'ー`)y‐「何っ!? 君は我々と同じだった筈……」

バレルをまとっていた炎が消える。
だが既に、そこにあるものはバレルでは無くなっていた。

( ^ω^)「……」

爪'ー`)y‐「なるほどな……。総員、撃てぇ!」

壁際にいた男達が銃を構え、老人の前に駆け並ぶ。
そして引き金を引こうとして――それよりも早く、彼等の銃が銃ではなくなった。

( ^ω^)「ちょっと眠ってもらうお」

並んだ男達を、ブーンの炎が囲う。
その炎は急速に酸素を略奪し、彼等を昏倒へと陥れた。

( ^ω^)「残るはアンタと……アンタ達だお」

炎が消えた後に立っていたのは、ブーンと老人。
それと、老人の後ろで足を止めていた4人だけだった。
その1人が一歩前に出た。

( ФωФ)「残るはアンタ達だけ?」

その男は、猫のような顔をしていた。
服装はと言うと、映画に出てくるようなカウボーイの様な格好をしている。

( ^ω^)「そうだ……」

( ФωФ)「違う」

間違っていない筈の言葉を切られる。
それは、ブーンの興味を少なからず惹いて、

( ФωФ)「お前だけだ」

( ^ω^)「……っ!」

結果、反応を遅れさせる。
男が平時でも見切れないほどの速さで拳銃が抜き、弾丸が放たれた。

(;^ω^)「ヤバ……」

急ぎ炎の壁を作る。いや、作ろうとする。
しかし、壁が作られる早さは、即ちブーンの反応速度だ。
彼に弾丸が見切れないでもしない限り、彼の壁が弾丸を止めることは、無い。

( ФωФ)「そして、すぐに貴様もいなくなる」

指で銃を回す、所謂ガンアクションを嗜みながら、男が言った。
ブーンが目を瞑り、

川 ゚ -゚)「やれやれ、随分と無茶をするな」

聞きなれた声。思わず目を開ける。弾丸は、目の前で動きを止めていた。

( ФωФ)「サイコキネシス……?」

ブーンの後ろには、腕を前に突き出したクーがいた。それに、

('A`)「つーかこの人達……、死んでないよな?」

呆れた表情のドクオが、

ξ#゚⊿゚)ξ「アンタね! 1人でこんな真似して、馬鹿じゃないの!?」

もの凄い形相で怒るツンが、

(´・ω・`)「やぁ、この増援はサービスだからまず落ち着いて欲しい。
       うん、またなんだ。すまない。だが、僕達は誓ってるんだ。
       君に力があろうとなかろうと、君を絶対に助けるってね」

そしてショボンが、不敵な笑みを浮かべて立っていた。

( ФωФ)「貴様等は……?」

爪'ー`)y‐「引くぞ、ロマネスク。これだけの化け物共を、正攻法で殺るのは面倒だ」

( ФωФ)「……仰せのままに、フォックス」

ロマネスクと呼ばれた男がバックステップを踏み、残る男達と足並みを揃えた。
「誰が化け物よ!」と叫んだツンを華麗にスルーしつつ、それを確認して、老人、フォックスが叫んだ。

爪'ー`)y‐「各自、状況に応じ敵を迎撃しつつポイントHへ向かえ! ……散!」

5人が身を翻し、工場奥へと走りだした。
ショボンが一歩前に出て腕を伸ばす。

(´・ω・`)「逃がすと……」

そこまで言って、彼は見た。
回転しながら宙を舞う、やけに複雑な形の缶を。

(´・ω・`)「あ」

爆発音が響いた。
目を瞑る暇さえ与えられなかった彼等の視界は、真っ白だった。

( ^ω^)「って、真っ白?」

('A`)「……煙幕、だな」

解き放たれた煙は、5人をドームの様に囲みながら漂っていた。

川 ゚ -゚)「なるほど、これでは防壁も意味がないな」

そう呟くと、クーは腕を小さく振るった。
念力の風が吹き、煙は四散する。

ξ ゚⊿゚)ξ「逃げたわね……」

当然の事だが開けた視界の中に、5人は存在しなかった。
視界がホワイトアウトする前、彼等が走り去った方向を見る。

( ^ω^)「道は4つ……」

('A`)「なんというご都合主義」

(´・ω・`)「見ただけで分かれるべきだと分かってしまった」

川 ゚ -゚)「どうみても厄介です」

ξ ゚⊿゚)ξ「本当にありがとうございました」

やり取りを終え、残されたのは沈黙のみ。
それに耐え切れず、ブーンが口を開いた。

( ^ω^)「で、どうするお?」

(´・ω・`)「分かれるしかないでしょ。ポイントHとやらが分からない以上」

急いで話しをつけ、各々が進み道を決めた。

川 ゚ -゚)「ツンは私と行こう。テレパシーだけじゃ勝ち目はないだろう」

ξ ゚⊿゚)ξ「分かったわ」

('A`)「……俺もか弱い男の子なんだけど」

川 ゚ -゚)「捻り潰すぞ」

('A`)「サーセン」


( ^ω^)「最後に1つだけ……、絶対に負けないで、殺されないで欲しいお!」




その言葉を最後に、彼らは別れ、走り出す。
そして、対峙した。



('A`)「うぇ……、何でアンタ待ってんの?」
/ ゚、。 /「……死ね」



(´・ω・`)「テレポーターから逃げ切れるとでも?」
(´・_ゝ・`)「まさか。……だが、勝てるとは思っているよ」



ξ ゚⊿゚)ξ「……何そのファッション? バッカじゃないの?」
川 ゚ -゚)「時代錯誤もいいとこだな」
( ФωФ)「これだからメスは……まぁいい。貴様等にはここで死んでもらう」


過去と今の、軍人と一般人の、人と獣の死闘が始まった。




――ドクオが対峙する男、彼はたった一言呟くと、ホルスターから銃を抜いた。
三連射、どれも急所を狙っての射撃だった。

だが、弾丸は全て虚空を突き抜けるに終わった。
見れば、ドクオはその場にしゃがみ込んでいる。

/ ゚、。 /「……?」

もう一度三連射。目的は2つある。
1つは当然殺害。もう1つは、違和感の正体。
彼の抜銃は、素人が見切れるような速さではなかった。だが、現にドクオは避けている。

それは何故か。
次なる弾丸も、ドクオは全て回避していた。

/ ゚、。 /「……予知か」

('A`)「お、正解。まぁこれも分かってたがね。
   ところでアンタ、名前何て言うの?」

/ ゚、。 /「こと……」

('A`)「まぁ「断る」。だろうけど」

自分で聞いておきながら自分で結論を出す。
これにイラつきを覚えない人間は少ないだろう。
そして、そうなると、相手の予想を裏切ってやりたくなるのが人間だ。

/ ゚、。#/「……ダイオードだ」

('A`)「んじゃダイオードさん。何でアンタは戦ってるんだ?」

/ ゚、。 /「……私は、戦うために作られた。それだけだ」

('A`)「作られた? 一体どうい……っ!」

そこまで言って、ドクオはその場を飛び退く。
絶対に回避すべき未来が、そこにあったから。
直後、ドクオのいた空間を紫電が裂いた。

('A`)「ナイフ……?」

ダイオードの右手には、小刀と呼んだ方が相応そうな、大振りのナイフが握られていた。
天井から差し込む月明かりを浴びて、それは無機質な光を放った。

/ ゚、。 /「分かっていようがいまいが関係ない」

('A`;)「ヤッベ……」

襲い来る白刃。
ドクオにはそれが見えなかった。ただ視界に白い筋を残すだけ。
走って逃げ回るも、パイプやら機材やらが邪魔をしてうまく距離がとれない。

/ ゚、。 /「見えなければ、いずれは見えてくるだろう。貴様の死と言う未来がな」

('A`)「詩人乙。普通に小説家でもやったらどう……どわっ!?」

それは、ドクオが後ろに飛び退いた時の事だった。
地面を這うパイプの1つに、彼は足を引っ掛けてしまった。
ドクオの体が後ろに倒れる。

/ ゚、。 /「貰った!」

ナイフが振り下ろされ――それは甲高い音を立て、床に突き立てられた。

/ ゚、。;/「なっ!? どこに……?」

ダイオードが辺りを見回し、そして見つけた。
地面スレスレを這うパイプの隙間。
人1人がギリギリで這い込めそうな空間を。

/ ゚、。 /「こんな場所が……、しかし、何故アイツがこんな所を?
      前に来た事があるのか?」

('A`)「いーや、それはないね。ここは遠過ぎるせいで、ガキの遊び場にすらならないんだ」

背後で声が響く。
そこには、埃にまみれたドクオが立っていた。
迷路の様なパイプの間を這って、あそこへたどり着いたとでも言うのだろうか。

('A`)「いや、分かってたけどさ、これはやっぱ酷いわ」

/ ゚、。 /「……今から血にまみれる者が、埃を気にしている場合か!?」

ダイオードが走り出す。
狙うは、その喉元。
ナイフを握る手に力を込め、持ちうる最高の速度で突き出した。

('A`)「残念、それ無理」

ドクオが、すぐ隣のレバーを下ろす。
それにより、配線が繋がり、電流が流れ、錆を物ともせず、機械が息を吹き返した。

/ ゚、。 /「何!?」

そう、プレス機が。
プレス機は任務を遂行すべく、その鈍重な体を高速で動かす。
そして、叩き割った。ダイオードの握る白刃を。

/ ゚、。 /「馬鹿な……。そんな動くかどうかも分からない機械に頼るなど……」

('A`)「残念ながら分かるんだな、これが。
    ……アンタ、俺と何回戦った?」

/ ゚、。 /「……? 一回の筈だ」

当然だ。初対面の人間、それも一般人と軍人だ。
これまで戦った事などある訳が無い。

('A`)「だろうな。だが俺はな、もう100回以上アンタと戦ってるんだ。
    それで、その9割方を負けてきた」

/ ゚、。 /「……?」

('A`)「つまるところシミュレーションだよ。俺がこう動くと未来はどう動くか。
    途方も無い回数のそれを繰り返して、俺はこの未来を選んだ。だから今生きてる」

/ ゚、。 /「……化け物が。くたば……」

そこまで言って、彼は言葉を切った。いや、切らざるを得なかった。
フック付きの太い鎖が、自分に向けて飛来していたから。

/ ゚、。メ/「くぁっ!」

根元が少し残るばかりのナイフでそれを弾く。
フックの先端が額を掻き、鮮血が視界を赤く染めた。

そうして生まれた一瞬の隙、予め見えていたその隙を、ドクオが逃がす事はない。
パイプを踏み台に飛び上がり、頭部に蹴りを繰り出す。
ダイオードが回避行動を取るが、

('A`)「避けらんねぇよ! アンタは!」

当たらない蹴りを繰り出すドクオではない。
倒れこんだダイオードにもう一発パンチを見舞って、彼は再び距離をとった。

/ ゚、。メ/「貴様ァ……殺してやる!」

ダイオードの手が再びホルスターへと伸び――その手は空を掴んだ。

('A`)「探し物はこいつかい?」

ドクオの手には、ツヤの無いプラスチック製のオートマチックが握られていた。
先ほどのパンチ、あの時に奪ったのだ。
銃口をまっすぐにダイオードの足に向けられる。

('A`)「終わりだ」

そう、終わりだった。
引き金を引き、銃弾が放たれる。
ここまでだった。

彼がシミュレートした未来は。

/ ゚、。メ/「……っ!」

5cmあるか無いかの刃渡り、もはや役立たずの筈のそのナイフ。
ダイオードはそれを振るった。
一閃の後、弾は遠くの壁に命中した。

('A`)「なっ!? 弾いた!?」

驚愕する。そしてそれは紛れも無い隙。
それを突き、ダイオードは、

/ ゚、。メ/「ここで負ける事は最大の不忠……」

逃げた。

('A`)「あ、くそ、待ちやがれ!」

ドクオがすぐに追いかける。
2人は工場の闇へと消えていった。




(´・ω・`)「――勝てる、ね。その自信は一体どこから? えっと……」

(´・_ゝ・`)「デミタスだ。それに簡単の事だろう。人はライオンに勝てる。銃さえ持てばね」

しばらくの沈黙が場を包み、

(´・ω・`)「僕は、『人間』だ」

(´・_ゝ・`)「黙れ」

デミタスが背中の銃を取る。
カーボン製の、高速高威力、低反動のアサルトライフルだ。
そして無言の連射。

(´・ω・`)「当たると思うかい?」

ショボンが消え、デミタスの後方へと現れ、

(´・_ゝ・`)「当たるさ」

(´・ω・`)「……っ!」

既に背後へと向けられていた銃口が目に映る。
殺意が解き放たれた。

(´・ω・`)「くそ!」

またショボンが消え、現れ、銃口はショボンを捕らえていた。
放たれる銃弾を回避して、また追い討ちがショボンを狙う。
その繰り返しだった。
このままではいずれ疲弊し、仕留められる。
そう思いショボンは、一度機材の影へとテレポートした。

(´・_ゝ・`)「気分はどうだい?」

(´・ω・`)「最悪だね。……よっぽどよく研究してらっしゃるようで」

(´・_ゝ・`)「あぁ。テレポーターの瞬間移動は、所謂『どこで○ドア』だろう?
       空間を捻じ曲げ、線分ABを、円にする。
       結果、A地点とB地点の距離は0となり、瞬間移動が完成すると言うわけだ」

手品のタネを、完全に明かされたマジシャン。
今のショボンの心境を例えるなら、まさにそんな感じだった。

(´・ω・`)「下手なテレポーターより詳しいんじゃないんですか?」

(´・_ゝ・`)「俺は人間だからな。ともかく、そこまで分かっているのなら後は簡単だ。
       空間の歪みを見切り、その始点をみつければいい」

(´・ω・`)「はは……、学者になれるよ。あな……」

カランと音がした。自分の真横で。
慌ててそちらを見る。
そこには、あの缶があった。

(´・_ゝ・`)「今度は本物だぞ」

(´・ω・`;)「あーもう!」

その缶が轟音と共に破裂するのと、ショボンがそこから消えたのは、まったくの同時だった。
ショボンの姿が現れ、それを銃口が完璧に捕らえた。

(´・_ゝ・`)「終わりだ」

ぱらららと、タイプライターの様な音が響いた。
細長の銃弾がショボンを襲う。
テレポートをする時間は、無い。

(´・ω・`;)「うわぁぁぁぁ!!」

デミタスの口がほくそえみ、

(´・ω・`)「なんちて」

銃弾は全て、ショボンの目の前で止まっていた。
そう、まるでクーが防壁を張った時のように。

(;´・_ゝ・`)「……どういう事だ……? 力を、隠してたとでも?」

(´・ω・`)「まさか、僕はそこまで器用じゃないよ。ただ瞬間移動の力を応用しただけさ」

驚くデミタスに、事も無げにショボンは答える。

(´・_ゝ・`)「……?」

当然、訳が分からない。
人は理屈は理解できても、鳥の飛び方など理解出来るものではない。

(´・ω・`)「空間を曲げるって事はさ、空間を操るって事だよね。
       ……僕の前の空間を、『固定』して、壁を作った。ただそれだけだよ」

(´・_ゝ・`)「……壁か。ならば、その壁を砕くまでだ!」

マガジンを交換し、新たに30の殺意がショボンを襲う。
だが、それらは全て、彼の眼前で動きを止める。
壁が敗れる様子は、まったく見られない。

(´・_ゝ・`)「くそぉ!」

再び缶が放られる。
やはりそれもショボンの眼前で静止して、爆発した。

(´・_ゝ・`)「やったか……?」

(´・ω・`)「無駄無駄。この壁は破れないよ」

そう言うショボンは、ちょっと誇らしげだった。

(´・ω・`)「この壁とクーの防壁には、決定的な違いがあるんだよ。
       つまり、クーはエネルギーで弾丸を止めるけど、僕は空間単位で弾丸を止めてるんだ」

(´・_ゝ・`)「だから……どういう事だ?」

(´・ω・`)「空間を突き破れる弾丸や爆弾なんてない。そう言う事さ」

(´・_ゝ・`)「……だが、それだけでは俺を捕らえる事は……」

(´・ω・`)「あぁそうそう。クーの防壁と違う点はもう1つあるんだ。
       あれは運動エネルギーを奪って止めてるよね。でもこっちは違う。
       弾丸の運動エネルギーは、ちゃんと残されてる」

「つまり、こう言う事だよ」。そう言って、ショボンは指を鳴らす。
刹那、固定された壁が、湾曲を始めた。
それは細く長く湾曲して、『レール』を作る。

弾丸と爆風を、持ち主の元へと導くためのレールを。

(´・ω・`)「こんな手品だって可能なんだ」

ゆっくりと、弾丸が向きを反転し、爆風が1点に収縮されていく。

(;´・_ゝ・`)「あ……うぁ……」

殺意は、放たれた。
ある物は弧を描き、ある物は一直線に、40余りの銃弾と爆風がデミタスを襲う。

(;´・_ゝ・`)「うわぁぁぁぁ!!」

デミタスの悲鳴は工場に木霊して、やがて何も聞こえなくなった。




ξ#゚⊿゚)ξ「――誰がメスですって?」

川 ゚ -゚)「無能云々以前に腐ってるようだな」

( ФωФ)「ふん……、遺言はそれか」

言い終わるが否や、ロマネスクが抜銃する。
ツンもクーも、その右手を視認する事は出来なかった。
視認出来ないと言う事はつまり、反応して防壁を張る事も出来ないと言う事だ。

6連発式リボルバー、その全弾が、クーとツンを襲う。

川 ゚ -゚)「下らん」

その全てが、空中で失速し、地面に落ちた。

( ФωФ)「何?」

川 ゚ -゚)「不意打ちしか能が無いのか? お前は。防壁を張り続けておいて正解だったな」

( ФωФ)「なるほど。……下らんな」

ロマネスクが左手にも銃を取った。
今度は早撃ちなどではなく、ゆっくりと。
そしてそれをあさっての方向へ向けて――撃った。

川 ゚ -゚)「一体何の……?」

見えなくなった弾丸は、音によって、どこかの金属に命中した事を示す。
そして、更にもう一度、その音が響いた。
続けて更に2回、鳴り響く。
音は、段々とクー達に近づいてきていた。

( ФωФ)「いいのか? 防壁は前方だけで」

川;゚ -゚)「……まさか!」

慌ててクーが手を左右に手を広げる。
それと同時に、防壁は壁からドーム状の物へと変化し、

その直後、後方に弾丸が命中した。

川 ゚ -゚)「跳弾……。ツン、もっと近くに……」

クーがツンを抱き寄せた。
防壁の範囲と強度は反比例する。
全方位を守らざるを得ないこの状況では、少しでも範囲を小さくする事が必要だ。

( ФωФ)「無駄な足掻きだな」

ロマネスクが右手の銃のリロードを終えた。
二丁の拳銃を明後日、明々後日の方向に構え、引き金を引いた。

( ФωФ)「いつまで持つかな!?」

弾が跳ねている間にロマネスクはリロードをする。
クーも、最初はリロードの隙を突こうとしたが、どうやらそれは不可能のようだ。

川 ゚ -゚)「……っ!」

防壁に被弾する。
1発、2発、3発と。喰らう度に防壁は悲鳴を上げ、縮小していく。

ツンのすぐ真横に弾丸が飛来し、激しい衝撃音を立てた。

ξ ゚⊿゚)ξ「ひっ!」

それを見たロマネスクが少し考え、それから口をいやらしく歪めた。

( ФωФ)「……そうだな。おい、サイコキノ。……次は全弾、その女を狙おう」

ロマネスクは銃口でツンを指す。
そして構えて、

ξ ゚⊿゚)ξ「えっ!?」

川 ゚ -゚)「なっ……」

クーが何かを言うよりも早く、ロマネスクのリボルバーが火を噴いた。
計11回の轟音が響く。
その全てが一点に着弾したら、どうなるか。

防壁は、耐えてくれるのだろうか。

川 ゚ -゚)「くそっ!」

防壁が凝縮され、ツンを完全に囲う。
11発の弾丸は全て弾き飛ばされ、

( ФωФ)「終わりだ」

12発目の弾丸が、クーに眉間に向けて放たれた。

川 ゚ -゚)「……っ!」

クーに残された力と時間では、ほんの小さな防壁を張る事しか出来なかった。
当然、弾丸を防ぐことなど出来はしない。
だが、

( ФωФ)「……額を狙ったのは、失敗だったな」

出来なくてもいい。
逸らしさえすれば。

弾丸はクーの髪を一束散らし、虚空へと消えていった。
ロマネスクは、悠々とリロードをしている。

( ФωФ)「さて、次もその女だ。今度は全弾を叩き込む」

リロードが終わり、ロマネスクがゆっくりと銃を構える。
銃口は相変わらず暗闇を捉えていた。

ξ ゚⊿゚)ξ(アタシは……何も出来ないの? クーが必死になって守ってくれてるのに、アタシは……)

弾丸が放たれた。
12発全て。それらは跳弾を繰り返しながら、着実に2人へと近づいていく。

川 ゚ -゚)「……せめて、どこに弾丸が来るかさえ分かれば……」

( ФωФ)「無駄だよ。
         弾丸の気持ちを理解して、跳弾の行く末が分かるのは、この世で俺しかいないさ」

ξ ゚⊿゚)ξ(……気持ちが、分かる? ……弾丸の気持ち?)

音が限界まで高まり、

川 ゚ -゚)「……ツン」

クーの腕がツンへと向けられ、

ξ ゚⊿゚)ξ「……違う! アイツの狙いは……クー、アンタよ!」

川 ゚ -゚)「何!?」(ФωФ )

ツンが叫んだ。
咄嗟にクーが、自分を防壁に包む。
音を立てて、12発の弾丸全てが弾かれた。

(;ФωФ)「なっ……何故だ!? 何故貴様が跳弾を……!」

ξ ゚⊿゚)ξ「アンタみたいな変態と一緒にしないでくれる? 弾丸の気持ち? 何寒い事言ってんのよ。
      ……アタシはね、アンタの気持ちを読み取ったの」

( ФωФ)「俺の……? 貴様、テレパスか。……ならば、やはり貴様から殺すまで!」

急ぎリロードを終えた弾丸を、ツンに向けて解き放つ。

川 ゚ -゚)「やらせると……思うか?」

それらは全て、クーの防壁に塞き止められた。

今度はクーの腕が、ゆっくりと、ロマネスクへと向けられる。
ロマネスクの腕には、空っぽのリボルバーが2つ。

( ФωФ)「しまっ……」

激音。

念力、即ち思いの力。
それにより構成された鉄鎚が、ロマネスクの腹部を穿った。

( ФωФ)「か……はっ……」

ツンとクーが勝利を確信し、

( ФωФ)「……まだだ! ここで倒れる訳には!」

それを裏切り、ロマネスクが背を向け、よろけながらも逃走を始めた。

川 ゚ -゚)「な……逃が……っ!?」

ξ ゚⊿゚)ξ「ちょ……クー? 大丈夫!?」

走り出そうとして、クーはつんのめり、倒れこんだ。
それをツンが急いで介抱する。

川;゚ -゚)「スマン……。ちょっと力を使いすぎたらしい……」

見れば彼女は、夥しい汗を流していた。
力の酷使と緊張感が、彼女を蝕んでいたのだろう。

ロマネスクは、既に見えなくなっていた。




――工場の最奥地、屋根の取り除かれた、開けた空間。
そこに彼らはいた。

おそらく世界最強の無能と、それを突っぱねた雛が。

爪'ー`)y‐「君は……本当に獣の様な男だな」

葉巻に火をつけ、一息つきながらフォックスが吐き捨てるように言った。

( ^ω^)「どういう意味だお?」

爪'ー`)y‐「ちょっと上手い事を言われれば此方へフラフラと。
       そしてちょっと力が手に入ったと思えば、今度は我々に牙をむく。
       そう言う者を何と言うか知っているかね? コウモリ、と言うのだよ」

( ^ω^)「……関係ないお」

爪'ー`)y‐「何がどう関係ないのだね?」

( ^ω^)「アンタは……僕の育った町を、友達を傷つけるお。
       だったら、僕は仮に力が無かったとしても、アンタをぶん殴るに決まってるお」

深いため息が、煙と共に吐き出される。

爪'ー`)y‐「まぁいい。いずれにせよ君は目覚めてしまった。もはや後戻りは出来ない」

フォックスが葉巻を落とし、踏みにじり――ナイフと銃を構えた。

( ^ω^)「戻れないのは……、アンタだけだお」



ブーンは深く息を吸い、吐き出し――手の平に太陽を生んだ。


爪#'ー`)y=「「うおぉぉぉぉぉ!!」」(^ω^#)







ID:GebEDmYH0の次回作は期待してもするだけ損です。
オワリ








この小説は2007年5月13日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:GebEDmYH0 氏
作者が共通のお題で各々小説を書くという形式のものです

お題は超能力



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/30 20:31 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿


更新は止まっていますがコメントはご自由にどうぞ
修正・削除依頼等、何かしらの連絡はコメントもしくはメルフォよりお願いします
拍手だと高確率で長期間気づきません

スパム対策のため"http"と"@"を禁止ワードに設定しています
URLを書き込む際は"h"を抜いて投稿してください













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/tb.php/3026-a0628399


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。