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( ^ω^)ブーン達はただそのまま、しかしそれでいいようです 大富豪編


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




20070531020543.jpg



(; ゚ω゚)「おいすー。あ、ぽこたんINしたオバァー!!」

部室の扉を開け、内藤は中に広がっていた光景に絶叫する。
そこには、天井に設置されたロープで首を括る、知り合いの姿があった。

(;^ω^)「あああああっ!!」

内藤は持っていた鞄を放り投げると、すぐさま吊られた人物の足を抱えた。
伸びて締まっていたロープが緩み、わずかながら呼吸の音が聞こえる。

(;^ω^)「ドクオ! ドクオ! レスキューYES!? レスキューYES!?」
('A`)「ノ、NO……レスキューNO……」
(;^ω^)「NO!! レスキューYES!!」

よくわからないやりとりをしつつ、内藤は片足で器用に近くの椅子を持ってくる。
そうして吊られた人物をその椅子に立たせると、急いで首のロープを外した。

('A`)「ゲッホッゴホ! ガッハァウェ! マクベ!」
(;^ω^)「あーもう! 何回自殺しようとすれば気が済むんだお!!」

内藤の言う通り、このようなことはこれが初めてではなかった。彼の名はドクオ。
二十歳の大学二年生で、内藤とは同期生になる。

彼はあまりいい青春を過ごしてこなかったせいか、非常にメンタル面が弱く、コンビニ感覚で自殺を行う。
今回の動機は、街頭で美容室のチラシを配るお姉さんが自分にだけくれなかったというものであった。

非常に傍迷惑な話である。サークル内で救助役になってしまっている内藤には特に、だ。
だが、首吊りという他人に目立つやり方、いつも場所が部室でということから、ただ構って欲しいだけなのかもしれない。

その方法が自殺というのも、実に困ったことではあるが。

(;^ω^)「またかお! 毎度助けるこっちの身にもなって欲しいお!」
('A`)「まあ、そう言うなって」

毎度毎度のことなれど、目の前で人が首を吊っているという光景は慣れるものではない。
しかし、毎回図ったように彼が来るタイミングで自殺が行われているのだ。
彼も何か気付けばいいのだが、どうにも人がいいせいで疑うことを知らなかった。

('A`)「だけどさー、ひどいと思わねえ? 確かに俺は美容院なんか行ったことないけどさぁ」
( ^ω^)「そういや床屋はヴァーヴァーだけど、美容院はなんなんだお?」
ξ ゚⊿゚)ξ「……ヘアサロンよ」

内藤のやけに発音のいい疑問に対し、部室の入り口の方から答えが返ってきた。
見ると、そこには金髪のツインテールが眩しい美女が呆れ顔で立っている。

彼女の名はツンデレ。歳は二十歳で二人と同じく二年生。この“VIP”に二人しかいない女性メンバーの一人だ。
誰もが振り向くような美貌の持ち主で、もう一人の女性メンバーである素直クールとはよくミスコンでトップを争っている。
どうしてそんな美女二人がこんなサークルに所属しているのか、大学で七不思議になるほどだ。

だが、彼女は少々棘のある言動が多いため、大学内の男子からは高嶺の花として扱われていることがほとんどだった。
彼女の恥ずかしがりな性格から来るものだろうが、時折本当に辛辣なことを言ってのけることもある。
「だがそれがいい」と、痛みに快感を覚える方々からは大好評な彼女だった。

( ^ω^)「おっ、今日はテニスの方は休みかお?」
ξ ゚⊿゚)ξ「なんかしぃ部長がデートだから今日は休みなんだって。どういうサークルよ……」

彼女はこの“VIP”とは別にテニスサークルにも所属している。
その腕前もかなりのもので、別大学との交流試合でも彼女は負けたことがない。
それ故、本格的な部に所属し、テニスに専念するように言われることも日常茶飯事だった。

もっとも、彼女はテニスをただの暇つぶしとして考えているため、その誘いを受けるつもりはなかった。

( ^ω^)「お? なんか今日はいつもよりツンの髪がふわふわしてないかお?」
('A`)「柔軟材使った?」
ξ ゚⊿゚)ξ「ただのパーマよ」

ツンというのは彼女のあだ名である。
これは内藤が付けたもので、そもそも二人は家が近所の幼馴染なのである。
内藤のあだ名であるブーンというのも、元々は二人の間で使われているものだった。

彼らは他愛のない世間話をして過ごしたが、その後も他のメンバーが来る様子はなかった。

三人はそれぞれの部活内での定位置に座り、早速会議を始める。
たまたま近くにあったということで、議案まとめノートはツンが手にしていた。

( ^ω^)「この前はビリヤードだったから……今日は屋外にするかお?」
('A`)「でも、今日は特に暑いらしいぜ。そう、車のバンパーで目玉焼きができるほどに」
ξ ゚⊿゚)ξ「どんな赤道直下よ。アンタはただ外に出たくないだけでしょ」

ツンの言うことは図星だったが、今日の気温は本当に高かった。
もしかすれば、熊○辺りでは本当に目玉焼きが作れそうである。
窓は全開にされ、備えつきの扇風機も最大風力で稼動しているが、それでも暑さがひしひしと伝わっていた。

( ^ω^)「じゃあ、これはどうだお?」

そう言って、内藤は席から立ち上がり、近くにある棚の一番上の引き出しを開ける。
中から取り出されたのは、小さなプラスチックのケースだった。

内藤は二人に見えるようにケースを長机の上に置き、自分の席に戻る。
透明のふたから覗くのは、真っ赤なハートとアルファベットのAが描かれたカード。


そう、トランプである。


ξ ゚⊿゚)ξ「トランプか……あたしはいいわよ」
('A`)「私も一向に構わん!」
( ^ω^)「じゃあ決まりだお。やるのは大富豪でいいお?」

内藤の問いかけに、二人は無言でこくりと頷く。
そうして、内藤の手の中で五十三枚のカードがシャッフルされた。

大富豪とは、カードを参加者に全て配り、手持ちのカードを順番に場に出して早く手札をなくすことを競うゲームである。
地方によって名前やルールが異なり、「大富豪」かもしくは「大貧民」と呼ばれることが多い。
出されるカードには強弱があり、特別な意味を持ったカードも存在する。

非常にポピュラーながら、様々な駆け引きを必要とする奥の深いゲームだ。

( ^ω^)「三人しかいないんだし、カード交換は一枚だけにしないかお?」
('A`)「あんまり差が開いてもつまらないしな。把握した」
ξ ゚⊿゚)ξ「わかったわ」
( ^ω^)「じゃあ、カード配るお」

内藤の言うカード交換や、その他のルールについては大富豪のウィキペディアを参照して欲しい。
しかし、流石に大富豪の遊び方ぐらい知っているものではないのだろうか。
思うに、ゆとり教育の本当の弊害とは知識ではなく、常識を知らないということなのであろう。

自らに配られたカードを見つめ、三人は数多の戦略を脳裏に張り巡らせる。
大富豪に重要なのは「先見の明」、そして「運」である。このどちらが欠けても、戦いに勝利することはできない。

この日、部室において数々の激戦が行われることとなったが、残念ながら全てを紹介すれば長編になってしまう。
なので、今回はその中でも特に濃かった一戦を紹介しよう。



まずはその状況から説明しよう。
その時点での大富豪はツン、平民はドクオ、そして最下位の大貧民は内藤だった。
上の階級が優遇されて、場にカードを出す順番もこの流れである。

ξ ゚⊿゚)ξ「さあカード交換よ。アンタにはこのクラブの3がお似合いだわ」
(;^ω^)「何気にひどいですNE!」

内藤がカードを受け取り、自らも手札からハートの2をツンに手渡す。
だが、プレイヤーが三人しかいないので、それぞれが持つ手札の数も多い。
最強のカードを手渡したからといって、戦力はほぼイーブンといって問題はなかった。

ξ ゚⊿゚)ξ「じゃあ、始めるわよ」

そう言って、ツンが手札からスペードの4を場に出す。
続くドクオや内藤も手札の中から手ごろなカードを出していき、何事もなく一巡目は終了した。

何せ数が多いので、初めはこのような展開になるのは必然である。
その後も強いカードが温存され、必要のなさそうなカードを消費していく退屈な展開がしばらく続いた。

そうして、場が動いたのは五巡目の終了間際である。

ξ ゚⊿゚)ξ「Aよ」
('A`)「せっかくだから俺はこの赤い(ダイヤの)2を選ぶぜ」
( ^ω^)(おっ、仕掛けるのかお……)

大富豪における最上位の強さを誇る「2」のカード。
それを出すことは即ち、自らを親とすること――攻勢を仕掛けることを意味する。

('A`)「さあ……リズムに乗るぜ!」
('A`)「ダブルスでいくよ」

そう言って、ドクオはジャックのペアを場に出す。
このぐらいのものならば、超えるカードが二枚あってもおかしくない。

しかし、二人は共にパスすることになった。
その理由は、ジャックのカードに秘められた特別な意味――そう、イレブンバックである。
これはいわゆる地方ルールというものだが、説明が面倒くさいのでウィキペディアを参照して欲しい。

最初の流れで不必要と思われるカードをどんどん消費していったため、二人は適当なカードを出すことができなかったのだ。

('A`)「俺のペアは108式まであるぞ」

そして、次に出されたのがキングのペア。
これを超える組み合わせは数えるほどしかない。

ドクオはそのまま場を流そうとするが……二枚のエースがそれを阻止した。

( ^ω^)「そうはいかんざき、だお」
('A`)「……んふっ」

カードを出したのは内藤だった。
ドクオは攻勢の手を休めることになるも、その表情に不適な笑みを浮かべる。
続くツンもパスし、親の権利が内藤の下に移った。

( ^ω^)「俺のターン、ドロー!」

ドローと言いながらも、場に出されたのは意外にも平凡な6のカードだった。
何故ならば、その時の内藤はドクオの攻勢を止めることだけが目的だったからだ。
初めの時と同じように、その流れは特に何事もなく進んでいった。

ξ ゚⊿゚)ξ「クイーンよ」
('A`)「パスだな」
( ^ω^)「ま、パスしとくお」
ξ ゚ー゚)ξ「……そう、パスなの」

その時、ツンは初めて表情に笑みを浮かべた。

その、何気なく出された一枚のクイーン……それは、単にルールに乗っ取って出されたものではない。
この場にいる中で、本当の意味での“クイーン”は誰なのか。
それを再認識させるため、そのカードは出されたのだ。

ξ ゚⊿゚)ξ「10よ」
('A`)「!」
( ^ω^)(数が……跳ね上がったお……!)

親であるツンが出すカード。それは、新たな流れを創るカード。
そして、これよりの流れが今までのどれとも違うことは誰の目にも明らかだった。

('A`)「ッ! イレブンだ!」
( ^ω^)「4だお!」
ξ ゚ー゚)ξ「……そう。じゃあ、あたしは3」
(;'A`)(;^ω^)「な、なんだってー!?」

その危険を感じた二人は、すぐさまその流れを止めようとする。
しかし、果たしてそれを嘲笑うかのように、ツンは最強に転じた最低のカードを場に送る。
二人は苦い顔をしながらパスを宣言し、再び親の権利がツンへと戻った。

我ニ死角ナシ――その時のツンの表情は、二人にそう物語っているように見えていた。

ξ ゚⊿゚)ξ「粉砕! 玉砕! 大喝采!」

ツンの攻撃は止まらない。
5のトリプル、エース、キングのダブルと、ツンはその力を如何なく発揮していく。
既に終盤でそれぞれ手札は少なかったが、その中でツンの手札だけが凄まじい勢いで消費されていった。

ξ ゚ー゚)ξ「ふぅん。2のダブルよ」
(;'A`)「……パスだ」
(;^ω^)「……パスだお」

今までにない、正に極めつきと言える2のダブル。
そして、二人がパスを宣言した時、ツンの手札は既にあと三枚になっていた。

(;'A`)「……もう、ダメだな」

そう言って、ドクオは徐に手元で広げられたカードをまとめ、長机の上に力なく置く。
そして、ゆっくりと椅子から立ち上がった。

(;^ω^)「ド、ドクオ……!?」
ξ ゚ー゚)ξ「どこへ行くの……知らなかった? 大富豪からは逃げられない」
(;'∀`)「フヒヒ、の、喉が渇いただけですサーセンwwww」

ドクオがツンに向けた笑顔は、思いの外キモかった。
それもそのはず、このサークルに所属するまで、彼が女性と話したのはコンビニの店員かカーチャンぐらいなほどなのだ。
既に大学生である彼だが、本当に暗い青春時代を過ごしてきたため、異性との付き合いは皆無に等しかった。

ξ ゚⊿゚)ξ「じゃあ、あたし十六茶」
(;'∀`)「はい喜んで! お、おいブーン、お前は?」
( ^ω^)「……じゃあ、僕はマックスコーヒー頼むお」
('A`)「把握した。確かマックスコーヒーは……一番上、だったかな」


(;'∀`)「へ、へいお待ち! な、なんつっ亭……」
ξ ゚⊿゚)ξ「ありがと」

ドクオから紙コップに入った十六茶を受け取り、こくこくと喉へ運ぶ。
果たして女王の貫禄というものなのか、その様も実に優雅に見えていた。

('A`)「ほらよ、ブーン」
( ^ω^)「……ありがとだお、ドクオ」

内藤も缶コーヒーを受け取り、まだ封は開けずに机の上に置いた。

ξ ゚ー゚)ξ「……せめて、お茶のお礼に反撃のチャンスは与えてあげようかな」

これが女王の余裕だとでも言うかのように、ツンは3のカードを場に出す。
続けてドクオが9、内藤が10のカードを場に出した。
しかし、次に出されたツンのカードは……初めに内藤が渡した、ハートの2。

ξ ゚ー゚)ξ「さあ、どうする?」
('A`)「……パスだ」
( ^ω^)「……」
ξ ゚ー゚)ξ「あれ、いいのかしら?」

そうして、ツンは場を流そうと手を伸ばす。この手が伸びきった時……それは、戦いが終わる時だ。
反乱は成らず、再びこの世に女王による専制君主制、ドミナートゥスが敷かれることとなる。
人々はまた、憎しみを込めた目で空を、山上の神殿を見なければならない……。

ξ ゚⊿゚)ξ「それじゃ、これで終わ……」


( ^ω^)「何勘違いしてるんDA……! まだ俺のバトルフェイズは終了してないZE!!」

――しかし、それを反対から伸びた腕が阻んだ。


ξ;゚⊿゚)ξ「なっ!?」
( ^ω^)「さあ行くぜ! まずは一枚目!!」

その声を上げたのは内藤だった。
内藤はツンの手を遮り、手札の中から一枚のカードを場に出す。
それは、最高位を誇る2のカードを超える、正しく最強にして最凶のイレギュラー。

ξ;゚⊿゚)ξ「ジョーカー!?」
( ^ω^)「待ってたんだお、この時を……ツンの手札が二枚になるこの時を!」

もちろん、ツンの手元にジョーカーに勝てるカードなど存在しない。
いや、この条件下において、このカードに優るカードなどあり得はしない。

( ^ω^)「速攻魔法! 八流れ!!」

親の権利を得た内藤が次に出したのは、8のカード。このカードにも、特別な意味が込められている。
その効果とは、強制的に場を流すというある意味卑怯ともいえるものだ。
当然ながら、続けてカードを出せる者はいない。

( ^ω^)「ドロー! モンスターカード! ドロー! モンスターカード! ドロー! モンスターカード!」
ξ;゚⊿゚)ξ「うあああああっ!?」

場に出されたのは7のトリプル。ラッキーセブン、ラッキーセブーンである。ラッキーセ「ブーン」である。
ツンに残った手札は二枚。そう、反撃のカードは出せないのだ。
それにしてもこの二人、ノリノリである。

( ^ω^)「これで……終わりだお」

そして、内藤の最後のカードが場に出される。
ツンが持っていたクイーンのカードが、ぽとりとその場に落ちていった。


( ^ω^)「勝った、お……」


内藤はふう、と一息を吐く。しかし、それは溜め息ながら勝ち鬨に他ならない。
大貧民の内藤が勝ったことにより、大富豪のツンは都落ち、一気に最下層まで落ちるのだ。
反乱は成った。新たなる時代が今、幕を開けるのである。

ξ;゚⊿゚)ξ「ま、まさかあそこから逆転されるなんて……」
( ^ω^)「奇跡的に、条件が揃ったんだお」
ξ;゚⊿゚)ξ「じょ、条件? どういうことよ!?」

内藤の言う条件、それは二つ。
一つは、ツンのカードを二枚にまで追い込む、もしくは三枚がトリプルでないか確認すること。
そして、もう一つはその状況から親の権利を奪えること。

ξ;゚⊿゚)ξ「二つ目の条件……ジョーカーのことね」
( ^ω^)「そうだお、本当ならそれは達成されるはずがない条件だったお」
ξ;゚⊿゚)ξ「え……、っ! そ、そうだわ! 大貧民のあんたがジョーカーなんて!?」

そうなのだ。大富豪のルール上、内藤がジョーカーを持てるはずがない。
大貧民である内藤は、ゲームを始める前に一番強いカードを大富豪に献上しなければならないのだから。
ジョーカーは、別の場所にあったのである。

ξ;゚⊿゚)ξ「……ジョーカーを持っていたのはドクオね。でも、どうやって……」
( ^ω^)「ツンがお茶を飲んだお? あの時に取ったんだお」

ツンの気が抜けた唯一の瞬間、それが十六茶を飲んだ時であった。
その目を盗んで、内藤は机の上に置かれたドクオのカードからジョーカーを掠め取ったのだ。

ξ;゚⊿゚)ξ「で、でも! そんなジョーカーだけを正確に!」
(;'∀`)「フヒヒ、そ、それが、できたんだっちゃ★」
(;'∀`)「あの時、俺はブーンにサインを送ったんス。ジョーカーの場所を示すサインを」
ξ;゚⊿゚)ξ「……っ! 一番上のカード……っ!」
( ^ω^)「そうだお。あんな形でドクオが勝負を捨てるなんて、おかしいと思ったんだお」

ドクオが内藤に飲み物を聞いた後の言葉……あれがそのままサインになっていたのである。

しかし、だからといって瞬時に気付けるものではない。
これも、二人の長年の付き合いから来るものだと言えた。

(;'∀`)「ま、まあ、俺の手札じゃ勝てそうになかったんで……て、てへっ★」
( ^ω^)「あ、あとツンが3のカードを置いてくれなかったら勝てなかったお」

ツンが二人にも反撃のチャンスを、と場に出した3のカード。
実はこれにも意味はあった。あれで内藤の手札の中にあった余計なカードが全て消費されたのだ。

女王の心に生まれたわずかな隙。それは、このような形でも現れていたのかもしれない。

(;^ω^)「いやー、でも気付かれるんじゃないかとヒヤヒヤしたお!」
ξ ゚⊿゚)ξ「そう……」

内藤とドクオは安堵の溜め息を吐きながら、お互いを労う。
口では簡単に説明できても、いざ実行するのはとてつもない緊張感に包まれていたはずである。
二人は大きな戦いを生き抜いた戦友のように、勝利の喜びをマックスコーヒーで分かち合った。

その時、その場の空気が変わりつつあったことには気付かずに。


ξ ゚⊿゚)ξ「でも、それってイカサマよね?」


( ^ω^)('A`)「えっ」


そして、空気が凍てついた。

ξ#゚⊿゚)ξ「要するに、不正をしたってことよね? あんた達は」

ツンの前髪の奥から、青筋のようなものが垣間見える。
まさしくMK5。マジでキレちゃう五秒前であった。

(;^ω^)「い、いやでも! イカサマはその場で気付けないとダメって言うお!?」
ξ#゚⊿゚)ξ「そんなのはアカギや麻雀放浪記でやってりゃいいのよ」
(;'A`)「じ、実はこれブーンの独断なんです! 俺は関係ないんです!」
(;^ω^)「あっ! ず、ずっこいお!」
ξ#゚⊿゚)ξ「屋上へ行こうか……久し振りに……キレちまったよ」

その日、プレハブ小屋にて怒れる金色夜叉によって惨劇が巻き起こったことは言うまでもない。
実にその怒りは七時間にも及んだため、後にこの事件は「火の七時間」として語り継がれることになる。

しかし、不正をしたとはいえ、これはただのトランプである。
言ってしまえば、たかが遊びなのだ。ここまで本気になることもないと考える人もいるだろう。

だが、彼らにとってはこれが「正解」なのだ。
何故なら、彼らはいつ何時どんなことにも、常に全力で挑むのだから。




終わり





この小説は2007年5月29日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:7dIRE63j0 氏



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[ 2009/12/30 19:46 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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