スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

ブーンはセイウチで(ry のようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




とある小学校の校庭に、巨大なプールが置かれていた。
簡易型の座席と一緒に設置されたその中で、三匹のセイウチが踊っている。


( ^ω^)「おっ! おおっ! おっおっおっ!」

('A`)「マーンドークセー……」

(´・ω・`)「えーいやっと」

ぶよぶよとした巨体に似合わない軽やかな動き。
そしてイルカさながらの跳躍に、観客の小学生たちは感動の声をあげた。

「さーて、お次はセイウチさんたちとのふれあいタイムでーす!
 誰かセイウチさんと、握手してみたいお友達はいるかなー?」

はいはいはーいと元気良く手が上がる。
その様子を見ていたセイウチの一匹――ブーンは楽しそうに笑っていた。



20070901212245.jpg


 
( ^ω^)「人間の子供は元気があって楽しいお!」

('A`)「俺にはちょっとテンション高すぎて合わねぇ……」

(´・ω・`)「僕も出来れば、水族館で暮らしたいなぁ」

三者三様の、この三匹のセイウチは水族館で飼われている観賞用のセイウチだ。
いつもは水族館から外に出ることは無いのだが、今日は特別だった。
創立十周年を迎えたこの小学校に、特別ゲストとして招かれたのだ。

非日常な生き物に出会ってますます元気が良くなる子供たち。
ブーンは一緒になって騒ぎ、他の二匹――ドクオとショボンは飽きられない程度に動いていた。



しばらくした後。

「今日は、みんな楽しんでくれたかなー? セイウチさんとはこれでお別れです!
 みんなで最後にさようならをしましょー!」

大音量で告げられる別れの言葉を聞きながら、三匹は輸送用トラックへと運ばれる。


生き物というのは総じてデリケートである。
水族館の職員は経験からそれを知っているため、輸送の前準備は時間をかけて行われるのだ。

その時間を、ブーンたちはいつも雑談でつぶしていた。


(´・ω・`)「今日は大変だったね。順番無視して喧嘩する子供もいたし」

('A`)「……疲れた」

( ^ω^)「ブーンは楽しかったお! また明日も来たいくらいだお!」


何度も繰り返してたなごやかな時間。
でも、今日だけは少し違っていた。


( ^ω^)「ブーン、人間の子供になって一緒に遊びたいお!」


本当ならただ流されるだけの冗談だった。
だけど、今日だけは少し違っていた。

(´・ω・`)「へぇ。じゃあブーン、人間なってみる?」


少しだけ、違っていたのだ。



*******************************************************



( ^ω^)「人間に? ……なれるならなってみたいお」

(´・ω・`)「まあ、ブーンの勇気しだいだけどね」

言いながら、ショボンは口を大きく開ける。

大きく伸びた牙の裏側に何か。
何か金属質のものが垣間見えた。

(´・ω・`)「これはね、陸奥守吉行っていう名刀なんだ。
      坂本竜馬が持っていた刀なんだけどそこらへんはどうでも良い。
      重要なのは、これで斬られると人間になるってことなんだよ」

('A`)「うーわ、うさんくせぇ」

(´・ω・`)「だまらっしゃい。
      傷はすぐふさがるし、痛みもほとんど無い。……ブーンが動かなければね」

まるで脅すようなショボンの言葉に、少しだけたじろぐ。

( ^ω^)「え……もし動いたらどうなるお?」

(´・ω・`)「普通に斬れるね。ほぼ即死確実間違いナッシン」

冗談めかして話すショボンだが、牙に装着された刀とマッチしておらず逆に恐怖を煽っている。
刃物をほとんど見たことがないセイウチのブーンも、本能的に陸奥守吉行を怖がっていた。

(´・ω・`)「……要するにだ、ブーンが僕を信じられるかどうかってことだよ」

( ^ω^)「お?」

(´・ω・`)「信じあえる友人が大丈夫だって言うんだ。
      刀で斬られても、大丈夫だとは思わないかい?」

('A`)「いや無理あるだろ」

(´・ω・`)「だまらっしゃい。
      さ、どうなんだいブーン? 人間になってみたくないかい?」

ショボンの言葉に、ブーンは少しだけ考え込む。
人間にはなってみたい。でも、刀は怖い。
しかし信じあえる友ってことは事実だし……。

( ^ω^)「……うん、お願いするお」

一分ほど悩んだ末、ブーンは斬られることを覚悟した。

('A`)「え、ちょ、おま!」

(´・ω・`)「よーし、じゃあいっくよー」

ずんばらりと刀が振り下ろされる。



******************************************************



( ^ω^)「ありがとうだお! じゃあ、遊びに行ってくるお!」

水槽から出て、ブーンはお礼を言いながら走り去っていった。

('A`)「……マジだったんだな」

(´・ω・`)「ん? 僕が嘘を言ったことがあるかい?」

('A`)「いや、ねぇけどさ……」





( ^ω^)「おーい! みんなー! また僕と遊ぶおー!」





('A`)「しかし、ブーンがいなくなると寂しくなるな。三匹だけのセイウチだったのに」

(´・ω・`)「心配はいらないよ。きっとすぐに戻ってくる」





「あ? なんだよこのデブ。誰の友達だよ」

「私しらなーい。デブじゃないもん」

( ^ω^)「お? お?」

('A`)「何でだよ? 念願の人間だぜ。楽しくて戻りたくないのが普通だろ」

(´・ω・`)「……僕たちはね、人間になろうと、元はセイウチなんだ。
      当然体型もそれに見合ったものになってくる」





( ^ω^)「み、みんな! 僕だお! さっき遊んだブーンだお!」



「ばっかでーこいつ。ブーンはセイウチなんだぜー」

「ばかだばかだー! こいつばかだー!」





(´・ω・`)「セイウチなら正常でも、人間では正常じゃない。
       そしてね。人間は正常じゃないものを排除する癖があるのさ」





「石投げてやろーぜー!」

「やーい! デーブデーブ!」

( ^ω^)「いたっ!? や、やめてお!」










(´・ω・`)「人間になったピノキオは幸せになれたと思うかい?
       答えはNO。ピノキオは、ピノキオのままでしか幸せにはなれないのさ」










この小説は2007年5月5日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:03QzJwiD0 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです


お題
・跳躍
・セイウチ
・校庭
・信じ合える友
・(´・ω・`)「人間になったピノキオは幸せになれたと思うかい?」
・陸奥守吉行


ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/29 22:21 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿


更新は止まっていますがコメントはご自由にどうぞ
修正・削除依頼等、何かしらの連絡はコメントもしくはメルフォよりお願いします
拍手だと高確率で長期間気づきません

スパム対策のため"http"と"@"を禁止ワードに設定しています
URLを書き込む際は"h"を抜いて投稿してください













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/tb.php/2997-1479273b


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。