はじめてブーン系小説を読む方は
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街灯が道を照らす。
その灯りはどことなく悲しく見えた。
今日は新月だろうか。
星は見えるのに夜空のどこにも月が見あたらない。
そんな空を見ていると何故か溜め息が出てしまう。
('A`)「はぁ……」
家へと向かう足取りが重い。
いつもならすぐ着くはずの我が家がまだ見えない。
今日は僅かな距離がずっと遠く感じた。
('A`)「ただいまー」
誰もいない部屋に声が響く。
いつもの癖でついつい言ってしまう。
家に帰る度に過去のことを思い出してしまい、虚しさが俺を包み込む。
今日は早く寝よう。
自然とそう考えてしまう。
('A`)「あ……」
ズボンから出した携帯が光っている。
着信を知らせるライトだ。
マナーモードにしてあったから気づかなかった。
今は夜の2時。
こんな時間から誰だろう。
そう思いながら俺は携帯を開いた。
('A`)「ん……なんだ。ショボンからか」
俺は送り主の名前を見ると、メールの内容を見ないまま電源を切った。
今日は疲れたから明日返事をすれば良い。
そう思ったからだ。
携帯を閉じるとそのまま布団の中に入る。
そして風呂にも入らないまま眠りへとついた。
※
眩しい。
カーテンの隙間から差し込む太陽が目に入る。
今は何時だろうか。
俺は枕元に置いてある時計に目をやる。
('A`)「なんだ……まだ8時じゃん」
俺はあくびをしながら携帯を開く。
そして電源を入れる。
('A`)「なんだこれ……」
携帯に表示されたのはもの凄い数の着信履歴。
その数は100件を越えていた。
('A`)「ショボン……ツン……ブーン……」
何故か胸騒ぎがする。
俺は慌てながら適当にブーンに電話を掛ける。
('A`)「…………」
出ない。
呼び鈴の音だけが耳に入る。
そして留守電に繋がる。
('A`)「くそっ……」
苛立ちながら携帯を閉じる。
俺は深く溜め息をつく。
最近溜め息ばかりついてる気がする。
お腹が全く空かない。
それに何故か胃が痛い。
胸元がぎゅっと締め付けられた気がする。
('A`)「コーヒーでも飲むか」
冷蔵庫からコーヒーの缶を取り出す。
これがどうやら最後の一本だ。
プシュ、という音とともに缶の蓋が開く。
そしてコーヒー飲もうとした時だった。
('A`)「電話だ……」
発信者はショボンだ。
恐らく俺からの着信を見て折り返し電話をしたのだろう。
俺はそう考えながら慌てて電話に出る。
('A`)「もしもし……?」
(´・ω・`)『やぁ』
('A`)「どうした…?」
(´・ω・`)『今から家に来てよ』
('A`)「だが断る」
(´・ω・`)『そうか』
('A`)「じゃあねー」
俺は電話を切ると、床に携帯を叩きつけた。
そして踏みつぶす。
だが携帯は壊れない。
('A`)「くそっ!やるなこいつ!」
俺は跳んだ。
('A`)「くらえ!」
携帯めがけて足を振り下ろす。
しかし、数センチ右にずれてしまい足を強打。
その衝撃で俺はガラスの様に散らばってしまった。
('A`)「がっ…ハ…俺が…負ける…わけが…」
開ききった窓から風が吹き込む。
風に吹かれたドクオの欠片が、窓を飛び出し空を舞った。
その瞬間に彼は星になった。
夜の一面の空を埋め尽くす星になったのだ。
-Fin- ('∀`)
この小説は2007年5月6日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:jW+ZbgRlO 氏
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