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(,,゚Д゚)ギコは時代を駆け抜けるようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




時代は中世。
絶対王政が敷かれ、民衆は奴隷のように扱われた。
このお話は、そんな時代を生きる少年の物語。



1_20091229220313.jpg



ここはVIP国。この国も他の国と同様に王政である。
王は民のスズメの泪にすら満たないような富を吸い上げ、裕福な生活を送っている。
当然、民は、一日の食費すら事欠く状態であった。
その国のスラム街の更に奥。腐敗臭漂う荒んだ町の中にある、一つの家。
そこに一人の男と、一人の少年の姿があった。

(,,゚Д゚)「で、どうするんだよモララー」

( ・∀・)「んー、どうしようかギコ君」

アハハと暢気に笑う男を尻目に、ギコはため息を吐いた。

モララーと呼ばれた、こののほほんとした男。実は”ボス”なのである。
しかも、VIP国最大のレジスタンス『ヌクモリティ』を立ち上げ、ここまで成長させた人物だ。
一見、ただの優男に見えるが、実の所かなりの切れ者で、その手段は冷酷無慈悲。
しかし、困った人を見ると放っておけない、かなりのお人よしでもあるので、部下からの信頼は厚い。

にしてもだ。なぜここまで悠長なのだろうか。
あと二日後には、革命を起こそうとしているというのに。

ギコは痛む頭を抑えて、もう一度ため息を吐いた。
すると、モララーは首をかしげ、心配そうにギコを見る。

( ・∀・)「大丈夫かい?休んだ方がいいんじゃないのかね?」

お前のせいだよ馬鹿野郎。
そう言ってやりたいのを我慢しながら、ギコはその申し出を断った。

( ・∀・)「まぁ、無理は禁物だよ。明日は君にも頑張ってもらいたいからね
      ギコ=ハニャーン=ヴィップ君?」

モララーはふんわりとした笑みを口元に浮かべ、柔らかい声でそう言った。
しかし、目が笑っていない。冷たい、硬質な光が灯っている。
ギコは背筋に冷たいものが流れるのを感じた。

(,,゚Д゚)「あ……当たり前だろ。無実なのに俺を捨てた王家を……許せねぇからな」

( ・∀・)「クスッ、でもさっきも言ったけど、無理しちゃいけないからね。
      君は感情で行動しちゃう節があるから。分かったね?」

先ほどの眼が嘘のように、温かい光が眼に宿る。
ギコはふっと体の力が抜けるのを感じた。

(,,゚Д゚)「ハイハイハイハイ、わぁーかぁーりぃーまぁーしぃーたっ」

( ・∀・)「はいが多い。一回でいいんですよ、一回で」

(,,゚Д゚)「はいはい」

( ・∀・)「全くもう……」

二人はそんな会話を繰り広げた後、各自の部屋に戻った。

(,,゚Д゚)「ふぅ……相変わらず口うるさい」

ギコは頭をガシガシと掻くと、ベッドに座り、窓の外を眺めた。
雨が荒廃した町を包む。
そういえば、あの日も雨が降っていた。
モララーがギコを拾った、十年前のあの日も……。




・・
・・・


(,,メ-Д-)「痛いよ……寒いよ……」

当時、7歳だった俺は濡れ衣を着せられ、城から放り出された。
雨が天から止め処なく降ってくる。そして、容赦なく俺を濡らしていく。
俺は空腹と寒さで意識が遠のいていくのを感じた。
幼心ながら、死がひたひたと迫ってくるのが分った。
その時……一人の男が俺の前に立っていたのに気づいた。

( ・∀・)「少年……捨て子、ですか?」

(,,メ-Д-)「…………」

俺はコクリとうなずく。すると、男は俺を抱き上げて、自分の家へと連れて帰った。
それから、十年間、ずっと俺を育ててくれた。
俺に戦い方や生活の知恵、昔話など、いろんな事を教えてくれた。
だから、俺はこの男に教える事にしたんだ。俺が、レジスタンスと敵対している王家の血縁者である事を。

(,,゚Д゚)「モララー、実は、俺……ヴィップ国の第三王子、だったんだ」

( ・∀・)「……そうなん、ですか……?」

(,,゚Д゚)「あの……憎かったら、殺してくれて一向に構わないからな」

( ・∀・)「……馬鹿ですね。本当貴方は馬鹿です。大馬鹿者ですね」

(,,#゚Д゚)「馬鹿馬鹿言うんじゃねぇよ、ゴルァ!!」

( ・∀・)「何処の世に自分の”息子”を憎む父親がいるのでしょうか。疑問ですね」

(,,゚Д゚)「……モララー」

俺はその言葉に、不覚にもじーんとしてしまった。
その刹那、頭にモララーのチョップが炸裂する。
地味な攻撃だが、かなり痛い。

(,,゚Д;)「何するんだよ!!!」

( ・∀・)「いや、馬鹿面してたんで思わず……」

(,,゚Д;)「だからってチョップはねぇだろ、痛ぇな!何処の世に暴力を振るう親がいるんだよ!」

俺は痛さのあまりに涙目になりながら、モララーを上目で睨む。
するとモララーは不敵に微笑んで言った。

( ・∀・ )「はい、ここに」


・・




(,,゚Д゚)「はっ、変な事まで思い出しちまった……」

ギコははーっとため息を吐き、頭をガシガシと掻いた。
それから、いよいよ明日に迫った『革命』について思いを馳せた。
といっても俺の役割は、一つ。
―――城内への潜入だ。
そして、締め切られている門を開けるという役割を同時にこなす事になっている。
その後の行動は、自由、だそうだ。
ギコはまたため息を吐いて、鉛色の空を延々と見つめ続けた。



翌日。
昨日とは打って変わって、朝から快晴。
春らしい、薄い色の青空が広がっている。
モララーが壇上に上がる。ゆっくりと、この日のために集まった仲間たちを見渡した。
誰一人とて物音立てず、モララーに注目している。
不意にモララーが微笑んだ。そして、高らかに宣言する。

( ・∀・)「さて、始めようか。――――革命を」

モララーが高々と右手を上げ、パチンと指を鳴らした。
その音と共に、革命軍はVIP城へ進軍を始める。
ギコはそれを見届けると、裏路地の闇の中へ姿を消した。
ギコの姿はVIP城内にあった。既に門は開け放った後である。
もうすぐ仲間たちがこの城に攻め込むのだろう。

昔育った城を懐かしむように見渡しながら、彼は目的の部屋を目指した。
ひたすら階段を上り、廊下を歩いていく。
時々、見回りの兵士と鉢合わせしそうになり、近くの部屋に飛び込んでやり過ごしたりした。
潜入してから一刻。ようやく目的の部屋にたどり着いた。

軽く扉をノックする。なかから「はーい」と言う返事が聞こえた。
彼はふーっと一度深呼吸し、扉を開けた。
そこには、十年前に比べて、大人びた同い年の異母妹の姿があった。

(*゚ー゚)「ギコ……君?」

(,,゚Д゚)「……しぃ……久しぶりだな」


2_20091229220313.jpg






二人が感動の再会を果たしている時、モララーは騎士団長と対峙していた。


川 ゚ -゚)「久しいな、モララー」

銀の鎧を纏い、長い黒髪を風にたなびかせる、この端正な顔立ちの女性。
彼女の名はクール=スナ。VIP国最強の剣士にして、騎士団長だ。
その美しい風貌と、光沢のある銀の鎧から、白銀の女神と呼ばれている。
もっとも本人はこの通名を、快く思っていないようだが……。

( ・∀・)「お久しゅうございます、クー騎士団長」

ニヤニヤと不敵な笑みを浮かべて、恭しく頭を垂れるモララー。
クーはそれを見て、苛立った表情を見せる。

川 ゚ -゚)「裏切り者のお前が一体この城に何用だ?」

( ・∀・)「いやだな、クー騎士団長。この民衆たちをみてくだされば、お分かりいただけると思うのですが」

川 ゚ -゚)「……国王様に楯突く、とう言うわけか?」

( ・∀・)「そういうことになりますね」

川 ゚ -゚)「それならこちらとて容赦はせん。勇敢なる兵士たちよ、この騒動を全力で静めるぞ!」


3_20091229220313.jpg





こうして、VIP国の中心である、VIP城下町にて戦闘が始まった。




(*゚ー゚)「ギコ君は今までどこにいたの?」

無邪気に笑って尋ねるしぃに、ギコは言葉を詰まらせる。
自分の今の所属している所、そして今起こっている事を彼女に言えば、どんな表情をするだろうか。
やはり悲しむだろうか。怒るだろうか。絶望するだろうか。
ギコの葛藤が分ったのだろうか、しぃは首を傾げて、ギコを見つめる。

(*゚ー゚)「言いたくないかったら……別に言わなくていいよ!元気でなによりだし」

ふわりと笑うしぃ。ギコは救われた気持ちになりつつ、申し訳ない気持ちになった。
あと数時間後には、この子も処刑されてしまうのかもしれない。
そう思うと、胸がいっぱいになって……モララーたちを見捨てて、彼女と二人逃げ出したい気持ちになった。
頭を振って、その気持ちを捨て去る。
俺の居場所はここじゃなく、みんなのいる所なんだ、と言い聞かせながら。

(,,゚Д゚)「今日は、お別れを言いにきた。今生の別れだ、しぃ」

(*゚ー゚)「……どうして、そんな事言うの?」

しぃが縋りつくような目でギコを見つめる。
ギコは唇を一文字に結び、眉をひそめ、目を閉じる。
それから、苦しそうに呟いた。

(,,゚Д゚)「事実、だからだよ、ゴルァ」

(*;ー;)「やだよ、私、ギコ君とお別れなんてしたくないよ」

とうとう我慢できなくなったらしい。
しぃは泣きながら、ギコの元に走りより、バッと抱きしめた。
柔らかく、脆い体にギコは驚いた表情を浮かべる。

(,,゚Д゚)「…………ゴルァ」

(*;ー;)「あのね、ギコ君。私、ギコ君の事が……ずっと好きだった。兄妹としてじゃなくて
     だから、ギコ君がお城からいなくなった時、悲しくて悲しくてしょうがなかった
     ねぇ、ここにいてよ。ずっと一緒にいて……」

綺麗な雫を目から零しながら、しぃはギコを見上げる。
その桜色の唇から紡がれる切実な言葉に、ギコは何も言えなくなった。

(,,゚Д゚)「しぃ…………」

ギコは思わず、その愛らしい唇に自分のを重ねた。
時間が止まる。静かで、甘い空気が流れる。
やがて、ギコがゆっくりと顔と体を離し、しぃを見つめる。

(,,゚Д゚)「俺はもうここの人間じゃない。俺には……いるべき場所があるんだ。やるべき事があるんだ。
    だから、しぃ、さよならだ」

(*;ー;)「待って、ギコ君!ギコ君!!」

くるりと後ろを向き、扉へ向かって歩き始めたギコの背に、しぃの悲痛な叫びが
扉を開け、ギコは部屋の外に出た。閉まる刹那、ギコは呟いた。

(,,゚Д゚)「……俺も、お前の事が……」



―――好きだった。

その重要な単語が、しぃの耳に届くことはなかった。

ギコは駆け出す。その先には、自由を賭けた戦場。




川 ゚ -゚)「貴様だけは……貴様だけは許さんッ!」

( ・∀・)「別に貴方に許していただこうなどとは思っていませんけどね、騎士団長殿」

互いの剣がぶつかり合い、火花を散らす。拮抗状態が続く。
モララーは拮抗状態の剣を、横に流し、開いたボディめがけて蹴りをいれる。
咄嗟にクーはしゃがみこみ、モララーの軸足に足払いをかけた。
足払いは想定の範囲外だったのだろう。
モララーはバランスを崩し、地面に転がった。


(;・∀・)「しまっ 川 ゚ー゚)「チェックメイトだな?」


ニヤリと不敵に笑ったクーが、モララーの喉元に剣先を突きつける。
そして、その剣を振り上げた。
モララーが死を覚悟を決めた、その時――


キィンっと言う金属同士がぶつかり合う音がして、モララーは目を開けた。
そこには、自分が息子のように育ててきた少年の背中があった。


(,,゚Д゚)「何やってんだゴルァ!お前はそんなに弱かったのか」

( ・∀・)「あはは、ちょっと油断しちゃっただけですよ。美人さん相手だったもので」

(,,゚Д゚)「ったく、相変わらず減らず口だな、っと!」

ギコが力任せに剣を弾く。クーは思わず一歩下がった。
そこをすかさず、ギコが剣を振り下ろす。
クーは剣を頭の上にかざし、受け止めた。


川;゚ -゚)「くっ……私が、押されてるだと?」

クーは今まで英雄と詠われる豪傑たちを打ち倒してきた。
その誇りがあった。信頼があった。そして、期待があった。
背負ったもののためにも、負けられない。否、負けたくない。


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クーは剣を払い、バックステップでギコから距離を取る。
二人はしばし、剣を構えたまま向き合った。
周りの喧騒すら、遠くに聞こえるほど二人は集中していた。

ポタリと互いの汗が流れた、刹那。
二人が同時に駆け出し、剣を振りかぶった。

そして―――――すれ違いざまにぶつかる。


ギコは左腕を少し切られ、血を流している。
クーは胴部分にある鎧の結合部付近からおびただしい血を流し、倒れた。
モララーがクーに駆け寄って、膝をついて彼女を抱きしめる。
すると、クーが微笑んで、モララーを見つめた。


川 ゚ -゚)「モララー……お前は、相変わらず、育てるのが、上手いな」

( ・∀・)「褒めても何も出ませんよ、騎士団長」

川 ゚ -゚)「その、呼び方を、止めて欲しかったな……」

悲しそうにクーが目を伏せた。
すると、モララーがはーっとため息を吐き出し、口を開く。


( ・∀・)「…………クー、分かったから、もう喋るな」

それから、ゆっくりとモララーが頬にキスを落とした。
すると、クーがニコリと微笑みながら、蚊の鳴くような声で言った。


川 ゚ー゚)「……さよ、なら……愛してた……ぞ」

それだけを言うと、満足そうな笑みを浮かべたまま、彼女は息を引き取った。
千人もの犠牲がでたこの革命は、革命軍の勝利という形で戦いに幕が閉じられた。
王族はみな、どこかに亡命したか、捕まって処刑された。
ギコは処刑者リスト、亡命者リスト共に漁ったが、そこにしぃの名前を確認する事はできなかった。




そして時は流れ、半年後。

( ・∀・)「今更ですが、ようやく終わりましたねー、ギコ君」

(,,゚Д゚)「……本当に、のんきなやつだよな、お前は」

( ・∀・)「年上に向かってその口の利き方はいけないと、何度言えば分かってくれるんですか、
      あなたは」

(,,゚Д゚)「はいはいはいはいはい、それよりもさっさと作業に戻ってください、大統領様」

( ・∀・)「……全く、はいは一回でいいと再三注意しているのに」


ぐすんと涙ぐみながら、モララーは作業に戻る。今は憲法の作成をしているらしい。
色々な国の法律の本が所狭しとおいてある。
あの革命の後、モララーは周りからの推薦で、渋々大統領と言う座についた。
その時、モララーから、自分の秘書になるようにと言われたので、仕方なく、それを引き受けた。


いつかみんなが自由で楽しく暮らせるような世界にしたい。
それが現在のモララーの口癖である。
この国の人々も、それを夢見ながら、一生懸命生きてる。

ギコは頭を掻いて、窓の外から空を見上げた。
いつか、しぃと一緒に暮らせるような、作り上げたい。
そんな密かな願いに思いを馳せながら。



Fin





この小説は2007年5月15日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:wNaRVh2v0 氏
AA作者はID:HRrnIe980 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです


お題
・革命
・千人もの犠牲
・奴隷
・眼光
・ヌクモリティ


ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/29 22:04 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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