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川 ゚ -゚)は大人なようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ





20070721230518.jpg



暖かな春の陽射しが窓から降り注ぐ、いつもと変わらぬ穏やかな午後。
しかし、彼女の心中は決して穏やかでは無かった。

川 ゚ -゚)「……はい、すぐに処理致しますので。失礼します」

機械のような冷徹な態度で通話を切り、ため息をつく。
また部下のとるに足らないようなミスの尻拭いだ。
何故、私が。

川 ゚ -゚)「むう……いかんな、気持ちを切り替えねば」

沸々と募る苛立ちを抑えるため、彼女はコーヒーを飲むことにした。
自宅から持参しているコーヒーメイカーが、コポコポと音を立て始める。

川 ゚ -゚)「よし、出来た……いただきます」

給湯室に備え付けられている椅子に腰かけ、コーヒーに口をつける。
ブラックコーヒー特有の苦味が頭の中まで染み渡るようだ。

川 ゚ -゚)「……苦い、な」

ぼそり、とコーヒーの感想を呟く。
実は、本来彼女はブラックコーヒーを好まない。
職場でなければミルクと砂糖を入れるのだが、では何故職場ではブラックを、と考えて――

川 ゚ -゚)(――やはり私が『大人』だから、か)

という結論に至った。

( ´∀`)「クーさん、ここにいたモナか」

川 ゚ -゚)「ん……ああ、モナーじゃないか。何か用か?」

( ´∀`)「いや、簡単な用事モナ。ブーン君のことで」

川 ゚ -゚)「……また呼び出し、か?」

( ´∀`)「……ニダー部長がお怒りモナ」

川 ゚ -゚)「分かった、すぐに行く」

部長の顔はなるべくなら見たくなかったが……
彼女の部下であるブーンがまた問題を起こした、とあらば仕方ない。

俗にいうキャリアウーマンとしてめざましい活躍をしている彼女だが、周囲には恵まれなかったようだ。
『大人』である彼女はカップに残っていたコーヒーを飲み干し、そして給湯室を後にした。

<#ヽ`∀´>「――何がプライドニダ!だからお前はダメなんニダ!」

(#^ω^)(……黙れおチョン)

<#ヽ`∀´>「ん?!何か言ったニダ?!」

(#^ω^)「いいえ、なんでもないですお」

――ああ、目眩がする。
呼び出された第三会議室には、ニダー部長がつけている香水の不快な匂いが充満していた。
もちろんこの目眩は悪臭のためだけではなく、部下のふて腐れた態度も相まってのものである。

<#ヽ`∀´>「本当に使えない……どういう教育をしたニダ?クー」

(;^ω^)「く、クーさん……」

川 ゚ -゚)「……申し訳ございませんでした」

(;^ω^)「ちょ、クーさんが頭を下げる必要なんて無いお!」

<#ヽ`∀´>「クーはお前の直属の上司ニダ!謝罪して当然ニダ!」

川 ゚ -゚)「……ブーンは私が責任をもって指導致します」

(#^ω^)「指導がいるのは部長の方だお、この腐れんぐぐ」

川 ゚ -゚)「では、失礼致します」

なおも部長に刃向かおうとするブーンを無理矢理抑え、給湯室に連行する。
クーはブーンが怒っている理由を薄々察知していた。
今日の彼の商談相手は、悪どいことで有名な801カンパニーだったからである。
純粋で正義感の強い彼の事だ、おそらく商談相手に説教でもしたのだろう。

( ^ω^)「クーさん、801の奴等は裏金を使ってるんだお!悪い奴等だお!」

川 ゚ -゚)「ああ、悪い奴等だ。だがな、そんな事を言っていては商談など――」

( ^ω^)「分かってるお。でも、頭では分かってても心では……」

頭では理解出来ても、心では理解出来ない。

何故、悪人に気に入られなければならないのか。
何故、不条理な説教を受けなければならないのか。

ブーンの気持ちも分かる。
しかし、そのような悩みを断ち切らなければ大人とは呼べない。
農家も、キャリアウーマンも、ニートの両親も、総理大臣も、おそらく皆が悩んでいる。
悩みながらも、日々を生きていくために――

川 ゚ -゚)「生きていくために、割り切るしか無いこともあるんだ」

( ^ω^)「……でも、僕は間違ってないお……」

川 ゚ -゚)「確かにお前は間違ってはいない」

( ^ω^)「なら……!」

川 ゚ -゚)「間違っていなくても、割り切るしかないんだ」

( ;ω;)「うう……僕には、分からないですお……」

川;゚ -゚)「ぶ、ブーン?どうした、なんで泣いているんだ?」

突然泣き出したブーンに、彼女は珍しく動揺した。
とりあえずティッシュを数枚差し出すが、ブーンはティッシュを握りしめて泣き続ける。

川;゚ -゚)「ああもう、本当に手のかかる奴だ」

仕方がないのでクーがティッシュでブーンの顔を拭いてやる。
まるで子供とその母親のようだ、と思わず苦笑が漏れた。

( ;ω;)「ず、ずびばぜんお……」

川 ゚ -゚)「謝る前に泣き止んでくれ……」

( ;ω;)「だって……く、悔しいお……」

川 ゚ -゚)「……っ、自分の意思をコントロール出来るのが大人というものだ」

今のブーンを見ていると、まだ社会人に成りたての頃の自分を思い出す。
理不尽な社会に翻弄され、『大人』を装うことで己を殺した、自分を。

( ;ω;)「違う……それこそ子供と同じだお」

川 ゚ -゚)「……?」

( ;ω;)「他人の意思に従って、コントロールされるがまま……
それこそ幼い子供と一緒じゃないかお。
本当の大人は、自分の正しいと信じる道を進むものだと、僕は、思うお!」


川 ゚ -゚)「!……ブーン……」

( ;ω;)「……生意気なこと言って、すみませんでしたお……」

川 ゚ -゚)「いや……ありがとう。おかげで目が覚めた」

( ;ω;)「……?」

そして、それから暫く時は経ち……
クーは、キャリアウーマンではなくなった。

(;^ω^)「またこんなところに……商談、今回も破綻したのかお?」

川 ゚ -゚)「ああ。私は奴等のやり口が気に食わないからな」

( ^ω^)「……よく僕達、クビにならないおね」

川 ゚ -゚)「ははは、そろそろ危ういがな……うん、美味い」

(;^ω^)「またいつものお子さまカフェオレかお?」

川 ゚ -゚)「私の趣味にケチをつけるな。ほら、そんなことより始末書を――」



(完)






この小説は2007年4月10日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:HDGrr1MuO 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです


お題
・コーヒー
・キャリアウーマン
・ニートの両親


ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/29 19:41 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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