スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

三丁目の('A`)ドクオ達のようです 第二十話


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




( ´_ゝ`)「──……何で」

(#`_ゝ´)「何で俺がここにいるの!? 何故にワッツ!? ナオミワッツ!?」
(´<_` )「おい兄者、キレたいのはむしろこっちなんだが」

(#´_ゝ`)「何でなん!? 夜の西区とかドキュソのすくつじゃん! アホちゃうのん!?」
(´<_` )「死語を使うな恥ずかしい」

(#´_ゝ`)「不服だねあああ不服だよ! もし俺に何かあったらアレだし! えーと……酷いよ!?」


('A`)「うるっせえなぁ……」

( ^ω^)「おっおっ」


俺はブーン、そして流石兄弟と共に西区の裏路地をひた歩いていた。
表側から漏れ聞こえる人間達の喧噪と、やかましい空調の音に苛立たしげに耳を掻く。

何故、こんな時にこのメンツで西区に居るのか?
理由は当然、一つしかない。


('A`)「悪いけど協力してくれや。お前らのボスを助ける為なんだから」




1_20091229114734.jpg

  
第二十話 六月十八日・夜


('A`)「いつも西区の探り入れてるのお前なんだろう。道案内が要るんだよ、さっきも言ったろ」

自分が西区を出たのは随分前だ。幾つかの抗争を経て猫の通る道も変化しているだろうし、
区画を形作る建物自体が変わっている場所も多いだろう。現役でこの土地に詳しい猫が必要だったのだ。

(´<_` )「しかも兄者一匹じゃ不安だからって、東区担当なのに俺も無理やり連れて来られたんだろうg」
(#´_ゝ`)「んなこたどうでも良いわ、俺らが居ないでしぃちゃんは一体誰が守ってやるんだいジョンソン?!」
(´<_` )「…………」

('A`)「だからお前、その為にわざわざフサを呼び戻したって言ってんだろ話聞いてなかったのかジェニファー?」

( ´_ゝ`)「チッ、埒が開かねーな。ギコを助けなきゃ話にならねぇって事か」
(;^ω^)「話聞けおジェニファー」

('A`)「言ってる事は間違ってないけども。奴を引っ張り戻さなきゃ話にならん」


(´<_` )「──……なあ」
(´<_` )「……ギコさんは、生きているのか?」

弟者の一言で、しんと静まり返る。
ギコが西区に乗り込んでから、既に丸一日以上経過していた。
この状況だ、平穏無事とはいかないだろう。

( ´_ゝ`)「え、生きてんじゃねーの?」

固まりかけた空気を、兄者があっさりと打ち崩す。
弟者は胡散臭げな視線を惜しみなく彼に送る。

(´<_` )「兄者……一応聞くが」
(´<_` )「根拠は」

( ´_ゝ`)「無い」
(´<_` )「よな」

俺とブーンの少し先を進みながら、テンポ良く会話を交わす兄弟。

──他人事というか何というか、なるほどな。
この適度な距離感が奴には有り難かったのかもしれない。

('A`)「……生きててもらわなきゃ困るんだ」

独り言のように呟く。
それは半ば、願望に近いものだった。

('A`)「もし本当に西区が壊滅してたのだとしたら、物凄まじく面倒な事になる。
    奴までやられちまったら、三丁目はまた暗黒時代に突入だよ」

細長く切り取られた空は梅雨時には珍しく、雲に覆われてはいなかった。
夜でも明るいこの場所では、星が見える訳でもないのだが。


( ^ω^)「……」

( ´_ゝ`)「面倒なのは嫌だな、面倒だし」
(´<_` )「お前が言うのかそれを」

('A`)「でも、良い情報もある」
(´<_` )「……それは?」

('A`)「しぃが、ギコは生きてる気がするって言ってた。単なる勘だそうだが」
(´<_` )「何とも心許ないな」

('A`)「そうか? あいつの勘は当たるんだ、昔から」


狭い路地を連なって進み、塀を、時には用水路の脇を通過していく。
ゴウンゴウンとやかましい空調の排気音。

両側から天へと伸びる汚らしい壁。
漂う排水、排気ガスの臭い。
表側から聞こえる人間達の喧騒。

否応無しに西区で過ごしていた頃の風景が脳裏に浮かんだ。

('A`)(変わってないような……変わったような)

チラつく頭の中の景色は最早セピア色どころではないくらい曖昧になっていた。
記憶の風化っぷりに自分でもびっくりだ。


十分程経った頃だろうか。
俺のペースに合わせて傍らを歩くブーンがぽつりと漏らす。

( ^ω^)「ここ、昔からこんな感じなのかお」

('A`)「ん? そうだけど」

( ^ω^)「……あんまり住みやすそうな場所には思えんお」

( ´_ゝ`)「チッチッチ、甘いぜよ小僧。
       こっちにはメシ屋も多いからな、食料確保の面においちゃ東区をも凌ぐんだぜ。
       立地的に橋を通らにゃ外部の連中も入ってこれんから、その辺りの管理がし易いのもポイント」

(´<_` )「何でさりげなく率先して会話に参加するの? 友達なの?」

(;^ω^)「そ、そうだったのかお」

( ´_ゝ`)「そう、要するに見た目だけで判断したら駄目だろうっていう、そんな話よ。
       最近の雌にはそういうこう、何て言うの、見る目?
       それが足りないって思うね。実に足りない。そりゃあ確かにアレよ?
       俺は弟者に似て顔はアレかもしれんけど、何だろうな、こう……ほら、分かるっしょ?」


('A`)「ああ。確かにまぁ、劣悪な環境ではあったんだけどさ」

( ^ω^)(あ、全部スルーしたお)
(´<_` )(兄が弟に顔似るっておかしいだろ。普通逆だろ)


('A`)「くせーしきたねーし、ひだまり広場みたいな場所もねーし、夜の方が人間共うっせーんだけどさ」

間を置いて、目を細める。

('A`)「慣れれば悪くはなかったんだよ。住めば都ってのは、モナーがよく言ってたが」

( ´_ゝ`)「懐古に走るといよいよ爺の仲間入りだぞ」

('A`)「ほっとけ死ねチンカス。さっきからうるせーんだよ黙ってろダボが」

( ^ω^)(爺はやっぱり傷つくのかお……)

( ´_ゝ`)「お、弟者……チンカスって言われたんだけど……」

(´<_` )「俺はチンカスの弟に生まれて恥ずかしいよ」
(´<_` )「しかし、聞いてはいたが……ギコさんやしぃさん、お前がモナーの下にいたとは、とても考えられんな」

('A`)「お前らは今のモナーの評判しか知らないからそう思うんだよ。昔のあいつは愛嬌のある馬鹿だった」

今やモナーと言えば西区を完全に掌握した支配者だ。
西区の帝王だの何だのと、畏怖なのかイジメなのか分からん通称なんぞ付けられている。

('A`)「色々あったんだよ。駆除やら何やらでグループバラバラになって、俺達も解散して。
    もっかい縄張りを整えるうちにやさぐれちまったんだろうな」

俺は西区を出てから一度もモナーと顔を合わせた事が無い。
生きているとしたら奴は今、一体どんな面をしているのだろう。

( ^ω^)「……どうして、ドクオはここを離れたんだお?」

('A`)「…………」

(;^ω^)「あ、何かマズかったかお? 悪かったお」

('A`)「いや」

言葉少なに否定する。
途切れた右腕で頬を擦りつつ、髭をひくつかせた。

('A`)「モララーが……話したっけ。俺を拾った頭の良い馬鹿なんだけど……死んじまってな。
    怖くなって、逃げたんだ」

( ^ω^)「怖くなって?」

('A`)「ああ。……怖かった」

今でも思い出せる。
車道の脇に転がった、奴の亡骸。
あれほど驚異的な頭脳を見せ付けた猫ですら、あまりに呆気なくその生涯に幕を降ろした。

それが恐ろしかった。

奴から半ば強制的に押し付けられた言葉の数々に怯え、仲間を捨てて西区を出奔した。
ただそれだけの事だった。


('A`)「ギコみたいに、独立しようと思っていた訳でもないのにな。
    当時の俺は……いや、今も大差ないけど……どうしようもない奴だった」

いつの話だったか、ギコが将来の夢について語った事があった。
いつか野良が狭苦しい路地裏で生活しなくて済む、自由な居場所を作ってやると。

そのセリフを聞いた時、初めて自分が先の事なんて全く考えていなかったのだと思い知らされた。

何てことはない、俺は怖がっていたのだ。

モララーの話を聞き流していたのも、
将来を考えなかったのも、
後先考えず西区を飛び出したのも、
東区の中を居場所も決めずにふらふらしていたのも、
ギコからの誘いを断り続けたのも、
つーに結局気持ちを打ち明けなかったのも、全て。


結局の所、怖がっていただけなのだ。


('A`)「俺は、臆病者だった」


( ´_ゝ`)「だったって、今は違うのか?」

('A`)「さあな、知らん。各自判断してくれ」

(´<_` )「臆病ではなくなった代わりに無謀になったように見受けられるが」

('A`)「言ってくれるなチンカスの弟」

( ^ω^)「……ドクオにも怖いものはあるんだおね」

('A`)「当たり前だろ、俺を誰だと思ってんだ」

( ^ω^)「おっおw僕も頑張るお」

ブーンは何故か、少し嬉しげに呟く。
いや今のどこに喜ぶポイントがあったんだ、真面目に教えて欲しいぞ。


( ´_ゝ`)「──……っと。本格的に連中の庭に入ったぞと」

('A`)「何か食い物見かけても喰うなよ、危ないから」

(;^ω^)「流石に食欲わかんお」

兄者の後を追って、西区の奥地を進む。
徐々に景色は俺の記憶とさして変わらぬものに移り変わりつつあった。
区画を形成する建物にテナントなんかが多いせいかもしれない。


( ´_ゝ`)「はい、ストーッぴ」

兄者が尻尾を立てて、後続の俺達を制止する。
足を止めつつ、此方に振り向いた。
尻尾で周囲をぴっぴっと指し示しながら偉そうに口を開く。

( ´_ゝ`)「俺はこの辺で、内通者ってか中をいつも調べてくれる奴と会って、
       情報をやり取りーのダベりーのしてた訳だがぁ」

(´<_` )「聞いてはいたが、全く気配が無いな」

( ´_ゝ`)「そうよ。いつも西区は表側がうっせえ以外は静かなんだけど、これは何つうか、異常だね!」

( ^ω^)「…………」

流石兄弟が言う通り、モナー傘下の猫達の縄張りであるはずのこの場所も、同じく静まり返っていた。
むしろ表側から離れた分、更にそれが顕著に感じられる。

( ^ω^)「何か……変な臭いするお」

('A`)「ん?」

( ^ω^)「何かが腐ったような……」

俺はいまいちよく分からなかったが、ブーンの鼻は何か異臭を嗅ぎつけたらしい。
確かに憶測が正しければ、そこらに死体がごろごろ転がっていても不思議ではないのだが。

('A`)「ともかく、行こう。慎重に」

( ´_ゝ`)「わーってるよ、ついて来いや」
(´<_` )「兄者、この先も分かるのか?」

( ´_ゝ`)b「お兄ちゃんナメんなよ、可愛い娘が捕らわれてるかもしれんと思って潜入した経験アリです!」

(´<_` )「流石だなチンカス」
('A`)「チンカス流石だな」

( ;_ゝ;)「もう良いだろそれ……止めろよそういうの……そんなノリからイジメになるんだよ……分かるでしょ?」

(;^ω^)「そげんべそかくなお」

( う_ゝ;)「う……じゃあ、その角を右に……」

兄者が角を曲がる。
それに伴い弟者やブーンも曲がり、続く俺も曲がろうとした所で──

('A`)「え?」

無意識に、足を止めてしまった。
視界の隅に引っ掛かった何かに、髭を引っ張られるようにそちらへと顔を向ける。

( ^ω^)「どしたお、ドクオ」

警戒の気配を漂わせながら、振り向いたブーンが囁き掛けてくる。

('A`)「あ、いや……今あの辺りに何か見えたような……」

通りの向こうを手持ち無沙汰な右腕で指し示す。
もっとも、今そこには誰も居ないのだが。

( ´_ゝ`)「んー? 何もいないじゃん。気のせいじゃね? ボケた?」

('A`)「……多分見間違いだ、すまん。行こう」

頭を軽く振り、頬を叩く。
西区は空気も若干悪い。体調の方に影響が出てるのかもしれない。

再び歩き出すと、隣のブーンが心配げな視線を送ってきた。

( ^ω^)「大丈夫かお?」

('A`)「うん」

( ^ω^)「……何か居たのかお?」

('A`)「いや、見えたような気がしただけなんだ。気にしないでくれ」

ブーンの不安そうな笑顔は変わらなかったが、それ以上聞いてこようとはしなかった。


言える訳が無い。
モララーが、此方を見ていたような気がするなどと。


※    ※    ※

( ^Д^)「そろそろ連中、着いてる頃合いかね」

(-_-)「うん……大丈夫かな」

( ^Д^)「信じて待つしかねーだろよ。ギコはいけ好かねぇけど、東区の治安の為にゃ必要だ」

(-_-)「そう……だね」

( ^Д^)「俺らは俺らの仕事をやんなきゃな。進み具合はどうなんだ?」

(-_-)「今は……多分まだ微妙かな。
     夜だし、ギコの名前を出しても縄張りが違う僕らじゃ、なかなか皆動いてくれないよ。
     やっぱり無茶なんじゃないかな……」

( ^Д^)「無茶でも何でもやるしかねー。皆奴らには痛い目見てるんだ、
      テメーが死なずに済むと分かればちったぁ団結してくれるだろ」

(-_-)「……だと、良いんだけど」

( ^Д^)「お前なぁ、もうちょい良い感じの返答出来ねぇの? しゃんとしろよしゃんと」

(-_-)「そ、そんな事言われてもな……僕は前からこんな感じでしょ……」

( ^Д^)「前からそーなら良いってんじゃねぇだろ、ちょっと立てよお前久しぶりに稽古つけてやっから」

(-_-)「そ、それもやだって言ってるじゃんいつも……ビロードとやってよ……というか今休憩してるとこなのn」

( ^Д^)「うるせーうるせーうるせー! 行くぞオラ、まずはスパーからだ!!」

(;-_-)「嫌だってば! 一匹でやってよ!!」


ミ,,゚Д゚彡「あのー……」

( ^Д^)「うお、誰だ!?」

(-_-)「あ、話聞いてきてくれたの? ごめんね、ちょうど今どこのボスも居ないから、
     ちょっと待ってて欲しいんだけど……」

ミ,,゚Д゚彡「いや、あの。俺フサギコです。親父の代理が要るって呼ばれて来たんで……」

( ^Д^)「え? あ、お前さんがフサギコ?」

(;-_-)「ご、ごめんなさい! 顔知らなかったんでうっかり……!」

ミ,,゚Д゚彡「あ、いや構いませんから。流石兄弟も居ないんですよね? 母さんは何処に……」

(-_-)「しぃさんなら……奥の建物に、他の母親猫や子供達と一緒に」

ミ,,゚Д゚彡「有難う御座います、ちょっと顔見てきますね。事情は分かってるんですけど、
       こんな事でもないとなかなか帰れないもんだから……
       あ、何か済みませんね、親離れ出来てないみたいで」

( ^Д^)「…………」
(-_-)「…………」

ミ,,゚Д゚彡「……な、何か?」


( ^Д^)「ヒソヒソ……何だよコイツ……親よりずっとマトモじゃん……」
(-_-)「ヒソヒソ……彼が東区治めてたら僕らあんなフルボッコされなくて済んだのにね……何なんだろうね……」


ミ,,゚Д゚彡「あの、丸聞こえなんですけど」

2_20091229114733.jpg


※    ※    ※

毛皮を全部ひっぺがしたくなる、そんなとある夏の日。
俺は、そいつと出会った。

(,,゚Д゚)「──おい、その食い物寄越せやゴルァ」

( ´∀`)「おお、どうした少年。腹が減ったモナ?」

(,,゚Д゚)「良いから寄越せっつってんだゴルァ、さもねーと痛い目見んぞ、ぁあ?」

( ´∀`)「残念ながら商店街で何故かねーちゃんが踊りながらビタンビタン叩いてぶっちぎったのを
       こっそりかっぱらってきたこのデカい魚は僕にもご馳走だモナ、欲しければ力づくd」

(,,゚Д゚)⊃)`∀`);;;.「ひだぅぶッ!?」


(#)∀`)「……ふふ、何のこれs」

.;:;(#)∀`(⊂(゚Д゚,,)「ちゅにゃッ!!!?」


(#)∀`(#)「…まd」

ザシュ(,,゚Д゚)o彡(#)ミ∀(#)「あべぶぁ!!!!?」


(#)ミ∀(#)「…………」
(,,゚Д゚)「…………」


∩(,,゚Д゚)(#)ミ∀(#)「ストップストップストップ! 食べて良いから!! 存分に食べて良いから!!」


(,,゚Д゚)「んじゃあ、貰ってくぜ」

(#)ミ∀(#)「ちょっと待った! この場で食べてくモナ!」

(,,゚Д゚)「ハァ? 何でテメェの指図受けなきゃならんの」

(#)ミ∀(#)「あ、いや、骨だけでも欲しいモナ~……なんて」

(,,゚Д゚)「……」
(#)ミ∀(#)「モナモナ」

(,,゚Д゚)「ッチ、うるせぇ奴だな。マジで骨しかやらねーからな」

(#)ミ∀(#)「助かるモナ! 恩に着るモナ!」

(,,゚Д゚)「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!!」
(#)ミ∀(#)「…………」

(,,゚Д゚)「ハ、ハフハフハフッ、ハムッ!!」
(#)ミ∀(#)「…………」

(,,゚Д゚)「ハムッ、ハh」
(,,#゚Д゚)「ちけぇぇぇぇよ! 鼻先でガン見すんなゴルァぶっ飛ばすぞ!!」

(#)ミ∀(#)「……君、名前は何て言うモナ? あ、食べながらで良いモナよ」
(,,゚Д゚)「あ゛ぁ?」


当時は小さな縄張りを預かるだけの猫だったはずだが、
天性の物だったのだろう、モナーは妙に口が上手かった。
というよりは、自分のペースに持ち込むのが上手かった、というべきか。

(#)ミ∀(#)「良いから良いから。ささ」

(,,゚Д゚)「……。俺は……っんぐ、ギコってんだゴルァ」

(#)ミ∀(#)「ギコ、なかなか良い名前だモナ。親はどうしたモナ?」

(,,゚Д゚)「親……ハムッ……育児放棄されちまったよ、今頃はどっかで野垂れ死んでんじゃねぇの?ハフハフ」

(#)ミ∀(#)「そうモナか……」

(#)ミ∀(#)「よし! 君、モナーのトコに来るモナ!! 面倒見ちゃるモナ!!」

(,,゚Д゚)「…………」
(#)ミ∀(#)「…………」

(,,゚Д゚)「嫌だ」
∑(#)ミ∀(#)「モナッ!? え、何で!?」

(,,゚Д゚)「何でって……行く理由ねぇし。何よりお前んトコってのが最悪」

∑(#)ミ∀(#)「うわお!! こいつは参ったモナ!!」

(#)ミ∀(#)「で、今モナー達は西区を平和にするために縄張りを広めようと思ってるモナ」
(,,゚Д゚)「おい何でOK出したみたいな体で話し始めてんだ殺すぞゴルァ」

(#)ミ∀(#)「それで、優秀な猫材や君みたいな子供達を沢山募ってるんだモナ。
        ギコの強さなら前途有望モナ!」

(,,゚Д゚)「いや、だからやだっつってんだろ。ホラもう残りやるから帰れよ」

(#)ミ∀(#)「…………」

(#)ミ∀(#)「……今はこうやって出会い頭に強引に奪っていれば何とかなるかもしれない。
        けど、いつまでも続けられる生き方ではないモナよ」

(,,゚Д゚)「!」

(#)ミ∀(#)「君だって分かってるモナ? これから西区は、派閥争いが更に激しくなるモナ。
        群れるのが嫌いでも、やらなきゃいけない事もあるモナ」

(,,゚Д゚)「……」

(#)ミ∀(#)「君は強いけど、幼い。知るべき事が沢山あるモナ。
        ……気が向いたら、屑鉄広場って所に来てくれモナ」

(,,゚Д゚)「…………、俺h」

(*゚ー゚)「モナーさぁん、どうしたのー?」

(,,゚Д゚)「!?」

(#)ミ∀(#)「おお、しぃちゃんモナ? ごめんモナ、ちょっと立て込んでたモナ」

(*;゚ー゚)「わぁ!? そ、その顔どしたの!? 原型よく分かんないよ!?」

(#)ミ∀(#)「ははは、いやちょっとした青春のぶつかり合いモナ。
        それよりもこの魚持ってくモナ、食べかけだけどご馳走モナ」

(*゚ー゚)「うおー、凄ーい!? けど……これとこの顔って……」

(,,゚Д゚)「……う」
(*゚ー゚)「…………」

(,,゚Д゚)「な、何見てんだゴルァ」
(*゚ー゚)「……。最ッ低」

(,,゚Д゚)「!!!!」

(*゚ー゚)「モナーさーん、早く行こ。モララーさんやショボンくんもそろそろ帰ってると思うよ」
(#)ミ∀(#)「え、あ、その前n」

(*゚ー゚)「それに傷の手当しなくちゃ、早くしないと治らないよ!」
(#)ミ∀(#)「も、モナ……分かったモナ」


(,, Д )「…………」

今でも思い出す。
鼻にこびりついた魚の臭いが、ひたすら生臭かった。


※    ※    ※

生臭い。
いや違う、生臭いというよりは、純粋に猛烈な悪臭。
分かっている。
これは腐臭というやつだ。


(メ,,メ Дナ)「──…………」

(メ,,メ゚Дナ)「…………」

目を開く。
左目は開かない。
瞼をやられたのか眼球自体を潰されたのかは知らないが、ともかく開かない。

それはまぁ良い。

目の前。
目の前に猫の死骸がある。何とも残念な顔だ。生前はもっとマシだったのかもしれないが、
苦痛に歪んで見るに堪えない面構えと化している。

腐臭の主はこいつか。まさか俺ではあるまい。
まだ現役の俺が腐り始めている訳ではあるまい。

(メ,,メ゚Дナ)「…………」

恐る恐る、身体を捩る。
死骸の山の上に積み重なっていたらしい俺の身体は、バランスを崩してごろごろと地に転がり落ちた。


(メ,,メ゚Дナ)「──ぐッッ!!」

アスファルトに背中から落ち、苦痛に顔を歪ませる。
落ちた痛みだけではない激痛が身体のあちこちに走った。
しかし同時に、その痛みが俺がまだ五体満足である事を教えてくれる。
この痛みを感じたのは、何回目だ。

覚えていない、覚えていないが──


(メ,,メ゚Дナ)「……っが…………」

口の端から涎を零しながらも、ガタガタと全身を震わせて足を地に降ろす。
生まれたての赤子のような挙動で、身体を起こす。

(メ,,メ゚Дナ)「…………」

視線の先には、広場の中央で丸くなっている、かつての同志。

<ヽメ ∀ >「…………」
<ヽメ ∀ >「ヴォ……ミ゛ャアアアア゛ア゛……ッ!」

(メ,,メ゚Дナ)「まだ……か」

力を込めて、爪を伸ばす。
膝を畳んで、身体を引き絞る。


(メ,,メ゚Дナ)「ォォオオオオオオオオ!!」
<ヽメ ∀ >「アアアアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛!!!!」



こんな状況だというのに、頭の中を巡るのは、西区での思い出ばかりだった。

走馬灯ではないだろう。
走馬灯だとしたら、俺はとうに何回も死んでいるはずだ。


3_20091229114733.jpg



第二十話 終





この小説は2009年2月8日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:f6v9q4H9O 氏

続きはこちら



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/29 11:51 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿


更新は止まっていますがコメントはご自由にどうぞ
修正・削除依頼等、何かしらの連絡はコメントもしくはメルフォよりお願いします
拍手だと高確率で長期間気づきません

スパム対策のため"http"と"@"を禁止ワードに設定しています
URLを書き込む際は"h"を抜いて投稿してください













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/tb.php/2938-b52e143a


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。