スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

三丁目の('A`)ドクオ達のようです 第十四話

はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




( ^Д^)「へ、あんだって?」

( ^ω^)「だから、ボスになる秘訣だお」
( ^Д^)「ねーよwwwンなもんあったら俺がボスになっとるわwwwwww」

(;^ω^)「じゃあ何でも良いから、強くなるアドバイスみたいな物は無いのかお?」
( ^Д^)「アドバイス……ああ、それなら……」


( ^Д^)「やっぱねーよwwwwwwスマソwwwwwwww」
( ^ω^)(聞く相手間違ったかもしれんお……)

僕はプギャーを誘い、今北川の川原を二匹連なって歩いていた。
パトロールと銘打ってはいたが、実際は体を動かしていないと落ち着かなかったので出て来ただけだった。
プギャーに少し話を聞きたかったというのもある。そっちの目的は、大した収穫になりそうもないけど。

( ^Д^)「www……ふぅ。
      んだが実際こないだの戦い見てりゃ、ケンカでお前に教えられるような事ももう無さそーだしなぁ」

( ^Д^)「いきなりどうしたんだよ。独立でもする気か?」

(;^ω^)「え?いや、そういう訳ではないんだお。でも、えーと」

( ^Д^)「…………」



新規キャンバスl40


第十四話 六月十七日・その三


( ^Д^)「ま、そうだな。お前にゃそろそろそういう事も考えてもらっとくべきか」

(;^ω^)「……」

( ^Д^)「おいおい、気負うなよ?どーせこんなモンなるようになる、
      どっしり構えとけ」

プギャーはやたらと軽い笑い声を無遠慮に響かせながら、僕の先を歩いていく。
昼間降っていた小雨によってまだ濡れたままの芝生が、プギャーの足跡を所々残している。
水分の多い草の感触は、あまり気持ちのいいものじゃない。

( ^Д^)「とりあえず、必要最低限。お前も野良なんだからいい加減、
      いつでも死ぬ覚悟くらいはしておけ」

(;^ω^)「いやいやいやいや、いきなり重いお。何言っちょっと」

( ^Д^)「お前が何言ってんだ、大前提だぜ?いつまでもビビんなよww」


振り返りながら、こちらを見てゲラゲラ笑うプギャー。
特に何か思い詰めているようにも見えない、
普段と何ら変わらないいつもの彼だった。
そのいつもと変わらない彼が、不意に足を止める。
川原を見渡しながら、ぼそりと呟く。


( ^Д^)「……ああ。あとは、死なれる覚悟ってのもあるなー」

( ^ω^)「死なれる……?」
( ^Д^)「お前、ここがどこか分かるか?」

プギャーの言葉につられ、辺りを見渡す。
改めて言うまでもなく、ここは今北川だ。東区と西区を縦断するように流れている、
野良にとっては水飲み場でもある長大な川。
近くには今北橋が架かっており、この時間でも自動車が我が物顔で行き来している。

( ^ω^)「今北川の川原、だお。それが何か……」

( ^Д^)「その通り。ここはな、ヒッキーの生まれ故郷なんだよ」

( ^ω^)「……」

( ^Д^)「見ての通り、ここは広いからな。幾つか住み着いてるグループもいた。
      野営組になっても、ヒッキーはそいつらと付き合いがあったみてーだな」

( ^ω^)「……その猫たちは?」
( ^Д^)「さあな。あのゴーグル共が暴れだしてから、どいつも行方不明だよ」

( ^ω^)「…………」

思い出していた。
あの地獄絵図と化していた広場で、ミルナの最後の抵抗を受けて逃げていった二人組。
その時、確か片方がこう言っていた気がする。


『どうした。今日は川に投げたりしないのか』

──と。


( ^Д^)「ヒッキーには悪いが、やられちまったんだろうな。あいつも口には出さねえが分かってんだろ。
      ドクオがビロードとミルナを捜索に当たらせてたみてーだが、結局見つからずじまいだったし」

( ^ω^)「ビロードと……ミルナが」
( ^Д^)「ああ」

( ^Д^)「……まぁ、何が言いたいかっつーとだな。どいつも馬鹿面ぶら下げて馬鹿話ばっかしてはいるがな、
      そういう覚悟はしてるってこった。いや、せざるをえねーんだな」

そう言って、やはりプギャーは笑う。

彼の台詞を聞いて、僕はぼんやりとだが、何かが分かってきたような気がした。
彼らと自分の違い。
野良の世界に渦巻いている、僕にはまだ掴みきれない得体の知れない物。

それは多分、仕方の無いことで、彼らにとっては生きる為には必要不可欠なものなのかもしれないけど。

僕には、どうしても納得できそうになかった。


( ^ω^)「……嫌だお」

( ^Д^)「?」

( ^ω^)「嫌だお。何か、そういうのは」
( ^Д^)「何がだよ」

( ^ω^)「僕は、野良猫じゃないから。そういうのは把握できないお」
( ^Д^)「……いや、野良猫じゃん」

( ^ω^)「死ぬ覚悟や、死なれる覚悟なんて意地でもしたかねーお」
( ^Д^)「あれ、シカト?」


( ^ω^)「僕が、覚悟するのは」
( ^ω^)「──生きる覚悟と、守る覚悟だけだお」


( ^Д^)「……」

( ^Д^)「…………」

( ^Д^)「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


プギャーはたっぷり間を置いた後、地面をべしゃべしゃ叩きながら大爆笑し始めた。
そのままゴロゴロと辺りを転がり始める。
いや、うん。薄々分かってはいたんだ。


( ^ω^)「……帰るお」

( ^Д^)「wwwwちょwwww待てwwww悪かったwwwwwwww」


プギャーはひーひー言いながら身体を起こし、ぶるぶる毛並を震わせて水気を飛ばす。

( ^Д^)「ww……ああ、すまんすまん。あんまりマジだったモンだから」

( ^ω^)「謝ってんのか煽ってんのかどっちだお」

( ^Д^)「待てって待てって。まーしかし、
      やっぱお前は気持ちいい馬鹿だわ」
( ^ω^)「煽ってんのかお」

( ^Д^)「ちげーよ馬鹿、褒めてんだよ。真面目にな」

( ^Д^)「そう言ったからには、やってみ。
      この先お前の周りがどうなっていこうが、その気持ち、忘れんなよ。雄に二言はねーぞ」

( ^ω^)「……分かってるお」

( ^Д^)「だけども、やっぱもう少し経験積んでからじゃねーとカッコつかねーなーさっきのセリフはwwwwwwww」


プギャーは僕の傍らに立ち、背中をばしばし叩き始める。
まるで人間の酔っ払いか何かのようだ。

( ^Д^)「真っ当に戦えるようになったのもつい最近だしよー?」
(;^ω^)「う、うるせーお。ほっとけお」

( ^Д^)「せめて童貞の一つくれー捨てないとなーwwいやバキ的な意味じゃなくwwww」
( ^ω^)「あ、それはもう……」

( ^Д^)「え?」

( ^ω^)ニコヤカ

( ^Д^)「…………」


※    ※    ※

( ><)「え、しぃさんって目が見えないんですか?」

(*゚ー゚)「うん。まぁ、慣れたら何とかなるよ?」

(-_-)「兄者さんと弟者さんの声、区別がつきにくそうですけど……」

(*゚ー゚)「全然?マリオとルイージ並に分かりやすいかなー」


( ´_ゝ`)「弟者、お前ルイージだってよ」
(´<_` )「良いよ別に。ルイージの方が好きだし」

(*゚ー゚)「目が駄目になったら、やっぱり他の所が頑張ってくれるんだよね。
     耳とかの使い方も分かってくるもの」

( ><)「使い方?」

(*゚ー゚)「そう。こうやって、耳を動かして、周りの音を必要なものだけ選んで……」
(*゚ー゚)「……あら?」

(´<_` )「どうかしましたか、しぃさん」
(*゚ー゚)「あ、ううん、警戒するような事じゃないわ。安心して」

(*゚ー゚)「ふふ。ヒッキー君、ビロード君。君たちのボスが、やっと帰ってきたみたいよ?」


( ><)「!」(-_-)

从 ∀从「……」
从 ゚∀从


('A`)「……た」
('A`)「たでーま」

1_20091229112242.jpg


無事に今沖田工場跡地の入り口、昼間の雨で床が濡れていない辺りまで辿り着いた俺は、
突っ伏すようによろけてその場に倒れ込む。
同時に埃が舞い上がり、俺の鼻をむずむずさせた。

('A`)「何日もカゴん中はやっぱキツかったな」

体調の方はまだ大丈夫なのだが、どうにも足に力が上手く入らない。
まるで宇宙帰りの宇宙飛行士のようだ。
そういや宇宙に行った猫っているんだろうか。犬や猿は行ってるけど。


( ><)「ドクオさーん!」
(-_-)「……」


奥の方の部屋から、ビロードとヒッキーが走り寄ってくる。
会ってないのは数日程度のはずだが、数ヶ月ぶりに会ったかのような錯覚を覚えた。

('A`)「おお、久しぶり。すまんなほっぽらかして」

( ><)「こんな時に何油売ってたんですか! ばか!」
('A`)「……えーと、アレだ。爺さんとカーリングとかしててだな色々と」
(-_-)「……何、それ」

('A`)「まぁんなこたいい、皆は無事か?」
(-_-)「大丈夫だよ。今の所、特に問題も起きてないし」

('A`)「そか……良かった」

('A`)「んじゃ、他のメンツは?」

( ><)「ブーンとプギャーは見回りに、ショボンは餌探しからまだ帰ってないんです。
      というより、餌を運び終えた後また街に出たみたいです!」

('A`)「見回りはともかく……餌探しをこんな時間までか?危ねーなおい」

(-_-)「餌探しなら……ハインと一緒に行ってて……彼女は、もう帰って来てるんだけど」

('A`)「ハインか……ん?」

ふと視線を感じて、身体を起こす。
辺りに目を向け、程なくして視線の主を発見した。
噂をすれば何とやら、件のハインだった。

壁|゚∀从

('A`)ノシ「よう、ハイン。久しぶり」

壁に隠れてるのか隠れてないのか微妙な位置に突っ立っている彼女に向けて、適当に尻尾を振る。
ハインは俯いてそわそわとらしからぬ素振りをしばらく見せた後、決心したのか勢い良く顔を上げた。


壁|゚∀从「ドクオ、ちょっと面貸せ」

('A`)「……何よ」

また何か面倒事とかじゃないだろうな。



从 ゚∀从「率直に言おう」
('A`)「そうしてくれ」

从 ゚∀从「ショボと喧嘩した」
('A`)「いつもしてんじゃん」

从 ゚∀从「ぶたれた」
('A`)「あ?」

从 ゚∀从「頭突きされた」
('A`)「ああ……」

跡地の隅、母親達から少し離れた場所でぼそぼそ語り始めたハイン。
足下には、じゃれあうチビ共。

('A`)「何をしたのよ、おじさんに話してみ」
从 ゚∀从「実は……かくかくしかじかで」

('A`)「まるまるうまうま、か」

('A`)「それは仕方ないなー。お前だって一概に悪いとは言えんが、犬はマジこえーもん」
从 ゚∀从「そんなの、分かってるよ。……」

('A`)「んん。続けて」


从 ゚∀从「いや、あいつ帰ってこねーから。俺だけ勝手に帰ったの怒ってんのかなーって」
('A`)「まさか。ギコじゃあるまいし、んな事じゃそうそう怒んねーよあいつは」

从 ゚∀从「そう、だよな。でも……謝った方がいいかな」
('A`)「お前がそうした方が良いと思うんなら、そうしてみて損は無いだろうぜ」

从 ゚∀从「……。つーか、そもそもお前がさっさと帰って来ないのが悪いんだよ!」
('A`)「え」

从 ゚∀从「せっかく久々に二匹で餌探しやってたのによー、何かずっと無駄に難しい顔してよー。
      絶対お前の事考えてたってアレ」
('A`)「止めろその言い方。気持ち悪い」

从 ゚∀从「いーや止めないね! だって絶対考えてたもん! 考えてたもん!
     憎いねこの! モテモテだね!」
(#'A`)「テメーこの野郎、こっちが大人しくノロケ聞いてりゃ調子乗りやがってコラァ!」

从 ゚∀从「何だァ?! やんのか!」
(#'A`)「それは止めとく!」

(*゚ー゚)「あれ?ドクオ君、そちら……奥さんか誰か?」

喚きあいになりかけていた俺達に割って入るように、しぃが歩み寄ってきた。
耳をハインの方に動かしながら、首を傾げている。

('A`)「いや、違う。こいつはショボンの女房だ」
从 ゚∀从「ハインリッヒってんだぜ、宜しくなおばt
(#'A`)「ぐあああああああ持病の奇声上げたい病がに゛ゃあああああああああおおおぅ!!」

(*゚ー゚)「そう、ハインちゃんね。私はしぃって言うの、宜しく」
从 ゚∀从「おう! ほれチビ共、挨拶しな」


('A`)「ッ……ぜ、はぁ」

息切れで肩を上下させている俺を尻目に、仲良く子猫たちと挨拶を交わすしぃ。
何だよ、俺の配慮はスルーか。

(*゚ー゚)「でも良かったー、ドクオ君の奥さんじゃなくて」
('A`)「何でだよ」

(*゚ー゚)「だって……何か……嫌じゃない。奥さんのいるドクオ君なんて」
('A`)「何かって何だよ」

从 ゚∀从「あー、分かる分かるー」
('A`)「お前ら俺をどんな目で見てんの?」

(*゚ー゚)「えー?ドクオ君は、皆のドクオ君だもの。ねえ?」
从 ゚∀从「そうそう、愛してるぜドクオー」

('A`)「わーいどうしよう、全然嬉しくない」


('A`)「って……あれ?しぃさん、あんた部屋から出て来て平気なのか?ギコが怒るぞ」
(*゚ー゚)「今、ギコ君いないの。鬼の居ぬ間に何とやら……ミンナニナイショダヨ」

('A`)「居ないって、どこ行ったんだよ」

(*゚ー゚)「西区。モナーさんに二人組退治の協力を頼みに行ったの。
     相手してもらえるかは、正直分からないけどね。詳しい事は流石くん達に聞いて?」

('A`)「…………」


(´<_` )「──かくかくしかじか、という訳です」
('A`)「まるまるうまうま……だと?あのアホ、一匹で行きやがったのか!」
( ´_ゝ`)「俺も止めたんだけどね、何か相手方を警戒させちゃなんめぇよみたいな感じでさ」


('A`)「くそっ」

左手で頬をぴしりと叩きながら、頭の中で少しずつ情報を整理していく。
何か知らんが、かなり不味い気がする。

('A`)「おい、西区でモナー傘下の連中を本当に全く見なかったのか?ただの一匹も?」
(;´_ゝ`)「う、うん。時間がわりーかなって思ってたんだけど」
('A`)「それもあるかもしれんが、それにしたって妙だ。あっち側からこちらへのコンタクトは一切無いんだろ?」
(´<_` )「ええ。見回りでも見かけませんね」


('A`)「……おかしいぞ、それは」


パズルのピースが組み上がっていくように、
俺の嫌な予感という名の憶測が徐々に形を成していく。

('A`)「仮にも繁殖期の今、あの連中を警戒するにせよ、こっちの様子を全く気にしないなんてあり得るのか」

(´<_` )「二人組への対応で混乱する事を見越していたのでは?」

('A`)「あの馬鹿共がここまでやるって最初から予想していたと?それは無いだろ、多分」
('A`)「あいつが──モナーが一番恐れていたのは、東区から猫が流入して、西区の統率が乱れる事だ。
    二人組の動き次第で東区から猫が逃げ込んでくるかもしれないこの状況で、何のアクションも起こさないはずが無い」

(´<_` )「なら、これは一体どういう……」

( ´_ゝ`)「連中、西区を先に潰してたとか?」

(´<_` )「……」
('A`)「……」

( ´_ゝ`)「な、なーんちゃって」


('A`)「いや。今一番ありえるのはそれだ」

( ´_ゝ`)「マジでか」
(´<_`;)「馬鹿な! 総数は東区に及ばないとはいえ、西区を我々に気づかれないまま壊滅させるなんて真似が──」

('A`)「……」
('A`)「確かに、エアガンぶっ放しまくるだけじゃ、西区の連中は潰せそうもない」

('A`)「じゃ、違う方法を選んだとしたら?」

(´<_` )「違う……」
( ´_ゝ`)「方法?」

('A`)「ああ」


思い出せ。
最初に掴んだ奴らの痕跡は、ヒッキーが川原から持ってきた空き缶だ。

今北川は東西区域を分断する一級河川、位置的には東区と西区どちらでも活動していてもおかしくはなかった。

しかし、歓楽街である西区は当然ながら夜の方が賑わっている。
連中が大っぴらに銃を乱射するには都合の悪い場所だから、東区だけで暴れていると当初は考えていた。

それが間違いだとしたら。
最初に何らかの方法で西区を楽に壊滅させ、つまらないから銃を用い始めたのだとしたら。


('A`)「──恐らく、毒か何かだ」


(´<_`;)「毒!?」
( ´_ゝ`)「確かに、あそこ餌管理徹底してんもんな。上手く仕込めば数関係なく一網打尽かも」

('A`)「……胸騒ぎがする。奴を連れ戻さねーと」


踵を返し、入り口へと足を進める。
背後から引き留めるように流石弟が声を掛けてくる。

(´<_` )「しかし、今頃は西区の最奥部に到達しているはず、今から追うには時間が……」

('A`)「だからって、のんびり待ってなんか──」
('A`)「!!」

糸を垂らした釣り竿がびくりと浮きを揺らすかの如く、俺の耳が微かな音に反応する。
最近やたらと耳にする頻度が高い気がする、不吉極まりない、
あまりに軽薄な破裂音。

('A`)「しぃさん!」
(*゚ー゚)「うん、聴こえた」

(*゚ー゚)「これは……東区からだよ」


※    ※    ※

いつの間にかすっかり夜も更けてしまった。
軒下から夜空を見上げ、軽く手をかざす。
掌に水滴が落ちないことを確認してから、髭を揺らして頷く。

(´・ω・`)「よし、雨も降ってないし行こうか。立てるかい?」
ξ ゚⊿゚)ξ「大丈夫……これ位は平気」

▼ーェー▼「無駄な意地はんなよ?うぜーから」
ξ ゚⊿゚)ξ「もぅ、いちいちるっさいわね」

(*‘ω‘ *)「ぽー?」
(´・ω・`)「この子は僕が……よっと」

ツンの傍らにいたちんぽっぽをくわえ上げて、軒下から門の方へと進む。
多少遠回りになるが、塀を迂回して路地裏を進むルートを選んだ方が無難だろう。
今のツンに塀を飛び越えさせるのは避けた方がいい。

(´・ω・`)「さあ、出発だ」

(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」
ξ ゚⊿゚)ξ「うん」
▼ーェー▼「……」


空き家を後にし、辺りを警戒しながら乾きかけのアスファルトの上を黙々と進む。
口元のちんぽっぽはしばらく手足をばたつかせていたが、やがて飽きたのか大人しくなった。

目的地まで、そこまで遠い訳でもない。
彼女の体調にさえ気を配れば、ビーグル(彼はそう名乗っているらしいが、あまりに安直な気もする)が一緒にいる今、
特に問題は無いと考えていた。

結論から言えば、その認識は甘かった事になる。


▼ーェー▼「……」

▼・ェ・▼「待った」

ξ ゚⊿゚)ξ「?」
(´・ω・`)「どうしたんだい?」

▼・ェ・▼「臭うぞ、何か妙な臭いが」

(´・ω・`)「…………」

耳に意識を集中させて、慎重に辺りの音を拾っていく。
溝を流れる排水の音、周囲の民家から聞こえる空調の音、公道を走るトラックの音、
様々な音がすべからく僕の耳へと吸い込まれていく。
それら雑多な音を掻き分けて、僕はようやく、そいつを見つけ出した。

人間の足音だ。
まだ遠いが、表側を通るそれではない。

(´・ω・`)「……こっちへ」

皆を連れて元来た路地に戻り、塀の影からしばし向こうの様子を窺う。
足音は少しずつ、だが確実に近づいている。

ξ ゚⊿゚)ξ「……どうしたの?」

▼・ェ・▼「待て、黙ってろ」

(*‘ω‘ *)「ちn」
(´・ω・`)「ちょっと静かに、ね」


足音が近づくにつれて、僕の鼓動は早まっていく。願わくば、人違いであって欲しい。
それから更に数十秒後、路地の角から人影がゆっくり姿を現した。


▼・ェ・▼(……来た)


2_20091229112242.jpg



以前と同じ靴。
以前と同じジーンズ。
以前と同じゴーグル。
唯一以前と違ったのは、手に携えた大型の銃だけだった。

( ⊆⊇)『……』

(´・ω・`)(ちっ)


口には出さず舌打ちしながら、一歩退いて振り向く。
奴はまだこちらに気づいていない、どこかやり過ごせる場所を探さないと。

ξ;゚⊿゚)ξ「……あ、あれ、は」
(´・ω・`)「慌てないで。戻ろう」

男に聞こえないよう努めて声を小さく抑えながら、皆を促して更に道を引き返す。


▼・ェ・▼「おい、この辺りに隠れる場所なんかねぇぞ。少なくとも俺の図体を隠せるようなトコは」

確かに西区と違って住宅地の多い東区の路地裏は、
狭い割に隠れられるような場所はほとんど無かった。
本気で僕らが隠れようと思ったら塀を越えて民家に入り込む以外に無い。

(´・ω・`)「……どこかの家にお邪魔するしか無いか。ツンちゃん、いい?」
ξ ゚⊿゚)ξ「うん、行けると思う」

▼・ェ・▼「ちょっと待ってろ、この家なら」

ビーグルがそう言って塀に飛び乗った瞬間、
けたたましい喚き声が路地裏に響き渡った。


 「──ああ゛!?何やゴラァ! 自分誰やねん! 自分誰やねん!!」

▼;・ェ・▼「何ッ!?」


 「こんな時間に喧嘩売っとんのかコラ! ひょっとして自分野良か?! いてまうぞ畜生が!!」

▼;・ェ・▼「クソ、新参か!」


どうやら最近飼われ始めたらしいその犬は、ひたすらビーグルに向けて吠えたてる。


( ⊆⊇)『んァ?っせーなァおい』

(´・ω・`)「! マズい!! こっちへ」


犬の鳴き声につられて、男の足音が急速に近づいてくる。
路地裏の見通しは悪くない。このままでは確実に狙い撃ちされてしまう。

ξ;゚⊿゚)ξ「ビーグル、早く!」

▼#・ェ・▼「テメェ後でぶっ殺すからな! 覚えてろ!!」

 「何や怖じ気づいたんか!? 来るなら今来んかい今!!」

(*;ω;*)「ぽ……ぽー! ちんぽっぽー!!」
(;´・ω・`)「こら、ちょっと」

犬の声に怯えたちんぽっぽが、口元でばたばた暴れ始める。
逃がさないようしっかりくわえ直した瞬間、
目の前のセメント床が粉々に弾け飛んだ。


( ⊆⊇)『おぉ』


顔を上げ、路地の向こうに立っていた男と一瞬だけ視線が絡み合う。
男は銃を肩に乗せながら唇を大きく歪めて、凶々しい笑みを浮かべてみせた。


( ⊆⊇)『何か、見覚えあんなァ。うん?』


※    ※    ※

('A`)「くそ……どこか全然分からんぞ!」

東区に向けて、走る。
銃声は確かに聞こえてはいるが、まだ正確な位置は掴めない。
相変わらず嫌な予感と焦りばかりが先行する。

(-_-)「……手分けしよう」

('A`)「!」

( ><)「三手に別れて探せばすぐ見つかるんです!」

('A`)「だけど──」

(-_-)「大丈夫」
( ><)「無茶は、しないんです!」

('A`)「お前ら……」
('A`)「分かった、だがこれだけは言っとく」
('A`)「下手打つなよ! ミルナみたいな目に遭うのはもう沢山だからな!!」

(-_-)「了解」
( ><)「分かってます!!」


ちょうど路地裏に入れる区画に差し掛かり、方々に散開する。
あるいはこれが最悪の結果を生み、俺は新たな後悔を背負う事になるのかもしれない。
だがそれ以上に、
こいつらを信じてみたいとも思った。

時刻は既に丑三つ時を過ぎている。
夜明けは、近い。



第十四話 終





この小説は2008年4月10日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:dxOyTiziO 氏

続きはこちら



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/29 11:24 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿


更新は止まっていますがコメントはご自由にどうぞ
修正・削除依頼等、何かしらの連絡はコメントもしくはメルフォよりお願いします
拍手だと高確率で長期間気づきません

スパム対策のため"http"と"@"を禁止ワードに設定しています
URLを書き込む際は"h"を抜いて投稿してください













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/tb.php/2932-a7ce8bc4


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。