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三丁目の('A`)ドクオ達のようです 第十三話


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




俺達の食事の席は、だいたい会話の順番が決まっていた。
全員一堂に会して餌をつついていた、かなり最初の頃の話だが。

( ・∀・)「……やはり私は、早朝を基礎にした生活サイクルを築くべきだと思ってるんだよ。
      サーカディアンリズムを調整して」

まず、餌を一口含みだす辺りで、モララーがよく分からない事を言う。

(,,゚Д゚)「?」
(*゚ー゚)「?」
( ´∀`)「?」
(´・ω・`)「?」
('A`)「……」

餌を咀嚼しながら、皆で顔を見合わせる。
しばらくして、誰も理解していない事を察し、
ドクオがおずおずと口を開く。
俺達は食事を続行する。

('A`)「……いや、普通に人間と同じで良いんじゃないスか?」

ドクオが無難な返答をすると、モララーは大抵眼を瞑って頭を振り、深々と溜息をつく。

( ・∀・)「そう思っていたら、僕がわざわざ口になぞ出す訳ないだろう?ドクオ。
      もう少し考えてから口を開け。でも無視しないでくれて有難う」

('A`)「はぁ……、サーセン」

ドクオが気のない返事をし、会話が行き詰まる。
俺はあくまで餌を飲み込む事に集中している。


( ´∀`)「つまり、何モナ?僕にも分かるように頼むモナ」
(´・ω・`)「僕からもお願いします」
(*゚ー゚)「私もー」

するとモララーは嬉々として、再び語り始める。

( ・∀・)「ああ。だがモナー、貴様はもう少し理解する努力をしろ。
      ……まぁいい、いつもの事だしな。
      ここは繁華街だ、基本的に夕方から深夜にかけて最も賑わっている。
      早朝ならば表の車通りも少ないし、人間自体の動きもあまり無い」

まず、この辺りではまだ皆理解できない。

( ´∀`)「んーと……要するに……」

('A`)「朝なら人間いねーし危なくないんじゃね?って事ですよね」
( ・∀・)「まぁ、馬鹿っぽく言えばそうだな」

ドクオがぼそりと解説して、そこでやっと全員にモララーの言いたい事が伝わる。

(´・ω・`)「ああ、なるほど」
(*゚ー゚)「確かにそうだねー」
( ´∀`)「モナモナ」

全員がひとしきり納得すると、その様子を見たドクオがまた更に呟くのだ。


('A`)「でも、餌とかどうするんスか?
    その周期にすると、人間達から餌を取れる宵の入り辺りとか、
    あんまり動けないような気がするんですけど」

ドクオの疑問に、モララーは尻尾を得意気に揺らしながら答える。

( ・∀・)「案ずるな。考えてもみたまえ、
      僕達が手に入れている餌の大半はゴミ袋やゴミ箱、そう言った類の廃棄物からだ。
      人間共から直接的に入手しているケースはほとんど無い」

( ・∀・)「そしてゴミを廃棄する時間帯も、実際は深夜から早朝にかけての方が
      多いのではないかと私は考えている。
      こればかりはデータも無いので憶測だがね。だがあながち外れていないと思うんだよ」

('A`)「ですが……他の猫達のことだってあります、連中が起きてる時間にグースカ寝てるってのは問題では」

( ・∀・)「見張りを立てるなりなんなりして、柔軟に対応すれば良いさ。
      とにかく、やってみる価値はあるんじゃないか?」

この辺りの応酬になると、俺達が口を出せる領域ではなくなる。
出そうとは爪の先ほども思わないが。



1_20091229111959.jpg



第十三話 六月十七日・その二


……で、二匹の議論がかなり白熱しだした頃、俺はようやく会話に割り込むのだ。

(,,゚Д゚)「あのー、こっちのコレ、喰っても良いっスかー?」

( ・∀・)「駄目だ。そっちのは明日の朝の分って聞く前から喰ってんじゃねェコラ殺すぞ」

(,,゚Д゚)「えー?良いじゃんよーちょっとくらいさー」

(#・∀・)「舐めてるの?ねえ僕を舐めてるの?そこの餌はちゃんと配分考えてとっといてるんだよ!
       脳味噌筋肉な貴様にゃ分からんだろーがな!!」

(,,#゚Д゚)「んだとォ?やんのかゴルァ!!」
(#・∀・)「相変わらず短絡的且つ暴力的な思考だな……! 呆れて返す言葉も無い」
(,,#゚Д゚)「テメーはウダウダ長ったらしいんだよ!!」

すると、こんな感じで喧嘩になる。


(;´・ω・`)「ちょ、モララーさん落ち着いて」

('A`)「しぃさん、ギコを何とかしてやってくれ」

(*;゚ー゚)「え、ええ?そんな、無理だよー」

( ´∀`)「…………」


(#・∀・(⊂( ´∀` )つ)゚Д゚;)「はーいはいはいはいはい、喧嘩はそこまでモナー」


そして、俺達を仲裁するのは、いつだってコイツだった。


※    ※    ※

モナーはその異常に巨大な図体を除けば、一見何の取り柄も無い猫に見えた。

実際ヘラヘラ笑っているだけで、モララーのように抜きん出た頭脳を持っていた訳でも、
俺のように先陣切って戦っていくような好戦的な性格でもなかった。

だが、モナーは常にグループのリーダーだった。何事にも揺るがない度量と、猫を惹きつける妙な愛嬌があった。
癖のある仲間を纏め上げ、西区を完全に傘下に収めた事からも、それが本物だった事が分かる。

モララーが死に俺達が離散した後は西区の統率を更に強め、いわゆる独裁体制となる。

西区の猫どもから漏れ聞くモナーの人となりは、以前とはまるで違っていた。
昔と一番変わってしまったのは、恐らくこいつだろう。

いや、

俺達が変えてしまったのだ。きっと。



<ヽ ∀ >「ヴミ゛ァアアアアアアアアアアアアオオオォォォ!!」

(,,メ#゚Д゚)「モナァアアアアアアアアア!!!!」



(,,メ゚Д゚)「ーーっらァ!!」

後ろ足に渾身の力を込め、全体重をかけてモナーのどてっ腹に頭を叩き込む。


<ヽ ∀ >「グゴ……ッ!?」
(,,メ#゚Д゚)「うぅおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


頭を突っ込んだまま、更にありったけの力を捻り出す。普段ならまず出さない、正真正銘の全力だ。
ミリミリと鈍い音を立てて、モナーの身体が傾いでいく。

<ヽ ∀ >「ナ゛……」
<ヽ ∀ >「ォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

だが、それだけだった。
倒れない。
それどころか一歩後退させることすらままならない。

(,,メ゚Д゚)「ッ冗談……キツいぜ……!」

噛み締めた歯の隙間から滲み出るように、間抜けな台詞を吐く。

並の猫ならば、吹っ飛んで昏倒するレベルの衝撃だ。
それが通用しないなら、俺の力はまるで──

(,,メ゚Д゚)「!」

耳が空気の微細な動きを察知する。考えるより早く身体が動く。
コンマ数秒前までいた場所に、鎚のような腕が振り下ろされ、地面に転がっていた骨を粉々に粉砕した。

飛び散った骨片が頬を叩く。


(,,メ゚Д゚)「くっ……!」
<ヽ ∀ >「オオオオオオオオ!!」

俺が体勢を整える前に、モナーはこちらへと飛びかかってくる。
間に合わない。受け止めるしかない。
反射的に腕を構える。

(,,メ゚Д゚)「糞──」

(,,メ Д )「ッ!!!!」


丸太で思い切り殴られたような桁違いの衝撃が全身を襲い、
俺の身体は為す術も無く、ゴム鞠よろしく宙を舞う。
ガラクタに身体の端々をぶつけながら、猫の亡骸の山に突っ込んだ。

(,,メ Д゚)「ッが……ぐ……っ!!」

骨の随まで響く痛みと鼻を突く強烈な悪臭、そして不気味な死肉の感触に身震いしながら、
夢中で猫の山から這い出す。

モナーの追撃は終わらない。
口の端から涎を散らして、腕を滅茶苦茶に振り回してくる。
震える膝を気合いで動かし、眼前で飛び交う爪をかわしながら、俺は考えていた。

今目の前にいるこの猫は、モナーであってモナーでない。
俺の言葉に耳を貸さないどころか、まともな台詞もしゃべらない。

先刻遭遇した妙な猫、そいつと全く同じだった。


(,,メ゚Д゚)「うおおおおおおおお!!」
<ヽ ∀ >「ガァアアアアアアアアアアア!!!!」


何があったのかは分からない。
恐らくは例の二人組が何かやったのだろうが、一体どんな真似をしたのか想像もつかない。

だが、これだけは理解できた。


<ヽ ∀ >「ウォァアアアアアアアアアア゛ア゛ア゛!!!」

モナーは苦しんでいる。
一心不乱に何かを追い詰めて……いや、あるいは、その何かから逃げ出そうとしている。


(,,メ゚Д゚)「くっ……!!」

戦いの中にありながら、俺は再び奇妙な感情に襲われつつあった。
同情。憐れみ。もしくは罪の意識、だろうか。

ひょっとしたら、モナーを苦しめているのは俺達なのかもしれない。

馬鹿げた感傷にも似た思いが、心中を支配し始めていた。



<ヽ ∀ >「ナ゛ァアアアアアアアアアアアア」

(,,メ゚Д゚)「聞こえるか、モナー!! いや、聞こえなくてもいい──」


無駄なことだと知りつつ、俺は声を張り上げていた。
自己満足でも良い、とにかく伝えたいと思った。


(,,メ゚Д゚)「──すまなかった!! 本当に……申し訳ないと思ってる!!」

いつぞやのモナーは、皆の居るここが好きだと、そう言っていた覚えがある。
では、皆のいなくなった後、こいつは一体何を思って生きてきたのか。
今となっては分かりようも無い。

(,,メ゚Д゚)「あんたの苦労、今なら、少しだけ分かる!! あんたの重荷は俺が背負う!! だから──」

過ぎた時間は戻らない。
俺に今、出来ること。やらねばならないこと。
それは。



(,,メ゚Д゚)「俺は今から、あんたを殺す!!」

2_20091229111959.jpg



モナーを楽にしてやること。



※    ※    ※

野良犬に案内された場所は、住宅地の一角、取り壊されないまま放置された空き家だった。
廃屋とは言わないまでも、扉などには板が打ち付けられていて、
人間が住むという本来の機能はとうに喪失しているように見える。

庭も当然、荒れ放題だ。水溜まりと生い茂る雑草の向こうに、朽ちた犬小屋らしき何かが見える。

(´・ω・`)「……」

何とはなしに、それの入り口の上の辺りに打ち付けられた表札……
と、呼べる物かは分からないが、便宜上そう呼んでおくその物体に目を向けた。
その板切れには、掠れてはいたが確かに文字が書かれていた。
簡単な人間の文字なら、僕にも一応読める。

(´・ω・`)「シャ……イ、ロ?」
▼・ェ・▼「止めろ」

何気なく文字を口に出すと、野良犬が一言呟く。
板切れに書かれた文字と同じく、掠れた声音で。
しかしはっきりと、その言葉には怒りが込められていた。

(´・ω・`)「すまない」
▼・ェ・▼「……」

素直に頭を下げると、野良犬は無言で床下へと潜り込んでいった。

僕は犬小屋を一瞥して、そのまま彼の後を追う。


ξ  ⊿ )ξ「ううう……、あ、お帰り。何か遅かっ……」
ξ  ⊿゚)ξ「……。誰?」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽー!」

(´・ω・`)「…………」


床下の奥、光の届かないひんやりとした地面に横たわりながら、
こちらを見つめる猫と子猫。
子猫の方に見覚えは無かったが、間違いない。
一方はブーンの思い猫、ツンだ。

そして彼女の腹は、確かに膨らんでいる。
おk、大体の状況は把握した。

(´・ω・`)「初めまして、かな。僕はショボン。名前は聞いたことがあるだろう?」
ξ ゚⊿゚)ξ「ショ、ボン……あんたが、あの……ろくでなしの?」


あのピザ、何を吹き込みやがった。


(´・ω・`)「……まぁ、ろくでなしでも二番目に偉くても良いさ。
       ツンさん。君がどうしてここに?」

▼ーェー▼「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「ええと……変な人間からこの子を助けようとして……そしたら道に迷っちゃって……」

(*‘ω‘ *)「ぽー!」

ξ ゚⊿゚)ξ「そしたら……その、こうなって」

(´・ω・`)「ふむ。なるほど」

僕は溜め息とまではいかない程度の吐息を漏らし、思いを巡らせる。
また奴らか。もうね、いい加減にしろと。アホかと、バカかと。

(´・ω・`)「ここは、君の家からはだいぶ離れてるね。今の君にはちょっと酷な距離だ」

ξ ゚⊿゚)ξ「そう……なんだ」

彼女を観察する。
具合が悪いようだが、妊娠が理由ではないように見える。環境の急激な変化によるストレスか、
雨に打たれた事による体調不良か。もしくはそれら全てか。

何にせよ、今の彼女は衰弱していた。このままにしてはおけない。

(´・ω・`)「ひとまず、君の体調が落ち着き次第、場所を移そう。
       アテはある。君の家やブーン達の場所ではないけれど」

ξ ゚⊿゚)ξ「そ、そう……」

ツンは複雑な表情を浮かべる。
それは本当に色々な感情がないまぜになった呟きだったが、
彼女が何を考えているか、何となく分かる気がした。


(´・ω・`)「……大丈夫、何とかなるよ。してみせる」
ξ ゚⊿゚)ξ「…………」

珍しく、大口を叩いてみた。叩いてみたくなったのだ。
今、彼女の中に宿っているのはあの真性の馬鹿の子供。

ならば、その母親には何が何でも生き延びてもらわねば困る。

ξ ゚⊿゚)ξ「……あ」
ξ ゚⊿゚)ξ「あり……がとう」

彼女の返事に僕は満足して、
傍らで寝たふりをしている野良犬へと向き直った。

(´・ω・`)「君の手助けもあると有り難いんだが。
       ここは君の縄張りだろう?彼女達が場所を移すのは君も望んでいることのはずだ」

▼ーェー▼「…………」
▼ーェー▼ノシ「わーったよ。手伝えばいいんだろ」

こちらには目もくれず、尻尾を投げやりに振って反応する野良犬。
別にそれが悪意から来る訳ではなく、単に素の反応であることに気付いていた僕は、やはり満足して頷く。

(*‘ω‘ *)「ぽっぽ♪」

近寄ってきた子猫の額を舐めてやりながら、顔を上げる。

すまない、ドクオ。
君のことは後回しになりそうだが……しかし君が今ここに居たら、
やはり僕と同じことをするだろう?


※    ※    ※

川 ゚ -゚)『さあクロ助、久しぶりの我が家だぞ』

クーがカゴの鍵を開き、中でうずくまっていた俺の身体を引っ張り出す。
両脇を抱えた体勢で視線の高さまで持ち上げ、鼻と鼻をくっつけ合わせる。くすぐったい。

('A`)「……」
川 ゚ -゚)『元気になって……良かった。本当に』

クーはしみじみと呟き、大事な物を抱え込むように俺を胸元に抱き寄せる。
漂ってくる、部屋干しトップの匂い。

クーは頭に頬を寄せながら、ソファにゆっくりと腰を下ろした。

川 ゚ -゚)『私は……、やっぱり、飼い主失格だ。外飼いなんてするべきじゃなかった』
('A`)「んなこたねーよ」

少なくとも俺は、クーに拾われて良かったと思っている。
世間的にどうだとか、そんな事は知った事じゃない。
クーは俺に再びやって行ける場所をくれた、最高の飼い主だ。

('A`)「……そうだよな。やっぱ、あんたな訳がねぇ」

そんな事は最初から分かっていた。
ならあの女は何なんだって話になるが、もうこの際どうでも良い。
クーじゃないんなら気にしたところで何の意味も無い。

俺はちょっぴり名残惜しいと感じながらもクーの腕から降り、馴染んだフローリングの床に着地した。
鈍りに鈍った身体を背伸びして引き伸ばす。

足は三本。分かっている。
身体は動くか?問題無い。
頭はどうだ?もちろん冴えてる。
覚悟はできたか?

とうの昔に完了済みだ。


('A`)「うし。行くか」

あくびをかみ殺しながらベランダの方に向かう。
あっちの窓なら、その気になりゃ鍵も開けられ──

川 ゚ -゚)『待った』
('A`)「オウフ」

いきなり首根っこをむんずと掴まれ、抵うことも出来ず持ち上げられる俺。
身体をぶらんぶらんさせたまま、クーの冷ややかな視線に曝された。

川 ゚ -゚)『どこに行く?』
('A`)「ちぇ……カッコイイ流れで行けば大丈夫かと思ってたのに」

川 ゚ -゚)『残念ながら、もうお前を外へはやれないんだ』

クーは俺を再び抱え、ベランダの窓や扉の鍵を念入りに締め直した。手をブルブル震わせるくらい全力で。
まずい、あんなに力入れられたら流石に外せないぞ。

('A`)「……」
川 ゚ -゚)『よしよし、良い子だ』

クーに下ろしてもらった俺は大人しくソファに座り込み、寝たふりを始める。
まだ他に手はある、気ばかり急いても仕方ない。
じっくり行くか。

('A`)「……」
川 ゚ -゚)『ん。久しぶりにゲームでもやるか』

('A`)「…………」
川 ゚ -゚)『ワラヘーイ、ファッキューダーイ』

('A`)「………………」
川 ゚ -゚)『ストロベリーオンザショートケーキーはっはー』



ピン、ポーン


('A`)「!」

数時間ほど経っただろうか。
俺がそろそろ本気で眠りそうになりかけていた頃、
そんな間抜けな音が鳴り響いた。
無意識に耳が反応するが、俺は努めて寝こけていることを装う。

川 ゚ -゚)『ん、尼か。……』

微妙な間。恐らく俺の方を見ているのだろう。
だが俺は無反応だ。だって、熟睡中だもん。

川 ゚ -゚)『……』

クーは静かに立ち上がると、俺の脇を通って玄関へと向かう。
途中の戸も音を立てないように慎重に開いているようだ。

川 ゚ -゚)『……』
川 ゚ -゚)『いやーすいません、いつも有難うございますー』

これはフェイクだ。
扉なんか開けていない、玄関に通じる廊下で呟いているだけだ。
お前気合い入れすぎだろ。

川 ゚ -゚)『……よし』

鍵を開け、ガチャリと扉を開く音がする。
外にいるであろう配達員が、荷物を差し出しながら『サインお願いします』と言っている。


3、2、1─────Go。


(#'A`)(ぅおらあああああああああああああああ!!)

ソファから飛び降り、一目散に駆け出す。ギリギリまで感づかれぬよう、あくまで声は上げずに。
戸の隙間を通り抜け、廊下に躍り出る。

視界に二人の足が見える。もう扉の向こうは目前だ。

('A`)(やったッ! 第十三話完ッ──)



川 ゚ -゚)『そうは問屋が卸さん!!』
(;'A`)「ッな、何だとォ!?」


【 荷物】ゞ゚;)『あ痛ッ!?痛い痛い痛い痛いって!!!!』

クーは荷物を抱えている配達員ごと、強引に扉を閉めた。
お前それは流石に酷いだろう。

('A`)「くそっ……!」

しかし、行く手を見事に阻まれた。
挟まれた足や身体が邪魔で、このままでは扉を通り抜けられそうもない。
どうする。
どうする。

四半秒にも満たない一瞬、俺は思考を巡らせて──そして、諦めた。


(#'A`)「強行突破じゃああああああああああああ!!!!」
川 ゚ -゚)『!!』


既に駆け出していた身体を更に加速させて、クーの足下をくぐり抜ける。
配達員のおっちゃんに飛びつき、強引に登り始める。
爪は全開。どーせ人間には病気感染らねーし。

【 荷物】ゞ゚;)『痛ててててて!?何!?何なの!?』

痛みに悶えるおっちゃんをガン無視して、クライミングを続ける俺。
脇腹まで到達した、もうすぐで──

川 ゚ -゚)『クロ助!!』

背後から伸びる、クーの手。
回避に失敗し、あまりに呆気なく身体を掴まれる。


川 ゚ -゚)『捕まえ……』

外は、目前。
絶好機だ。
これを逃せば、恐らく次は無い。
もう外には出られない。
それ自体は、もう構わない。

だが、
今はまだ。
俺にはやるべき事がある。
だから──


('A`)「すまん!!」
川;゚ -゚)『痛ッ──!?』


クーの白い指先に噛みつき、怯んだ隙にそこを足場に飛び上がる。
おっちゃんの顔を踏んづけて、扉の外へするりと身体を投げ出した。

身体が落下し始める直前、肩越しに背後を見やる。
クーの双眸が、俺の瞳を射抜く。
血の滲んだ指先を握り締めながら、信じられないとでも言いたげに目を見開いていた。


ああ、そうか。
爪とか立てたこと無かったもんな、俺。
そう思った瞬間、無意識の内に口を開いていた。


('A`)「帰って来るから!!」

('A`)「必ず! ここに帰って来る!!」

だから、そんなに怯えなくていい。
安心してくれ。
俺はお前の、飼い猫だから。


(#'A`)「──だらっしゃああああああああああああ!!」
川 ゚ -゚)『クロ助!!!!』

3_20091229111959.jpg



通路にそつなく着地した俺は、テンションに任せた叫びを上げながら走り出す。
路地裏へと逃げ込むまで、後ろは一度も振り向かなかった。


川 ゚ -゚)『クロ助…………』
川 ゚ -゚)『……。馬鹿』


【 荷物】ゞメ)『あの……今のは一体……』

川 ゚ -゚)つ!『あ、すいません。サイン書きましたんで、ペン返します』

【 荷物】ゞメ;)『あ……あざーす』


※    ※    ※

( ´_ゝ`)「っつーワケでよー、ウチのギコって本当しょーもねーのよ」

(-_-)「へえ……」

( ><)「なんか意外なんです!!」

( ´_ゝ`)「こないだお前らに負けた時だってさ、何か凹んでてさー、
      俺ボスの器じゃねーわとか言い出してさー」

(-_-)「……今更だね」

( ><)「ヒッキー身も蓋も無いんです!」

( ´_ゝ`)「いやいやいや実際そうだし?
      今更そんな間抜け面してやめるわとかほざかれてもこっちとしては困惑フェイスっつーか──」

(´<_` )「お前のその腐ったフェイスを血に染めてやろうか」

(;´_ゝ`)「ぅお!?びっくりしたなーもー。どしたの弟者、閣下みたいなフレーズ出して」

(´<_` )「お前がどうしたよ、よその猫達と和やかにしゃべくってんじゃねーよ」

( ´_ゝ`)「良いじゃん、そんな堅いこと言うなよ。ねー?」

(-_-)「……まぁ、悪い人ではないようですし」
( ><)「縄張りとかそんなの関係ねぇ! んです!」

(´<_` )「…………」

( ´_ゝ`)「ほらほらー、ギコだって居ないんだし好きにやろうぜー?」
(*゚ー゚)「兄者君の言う通りよ、たまには羽伸ばしてみたら?」

(´<_`;)「し、しぃさんまで……って何で出てきてるんスか貴方!」

(*゚ー゚)「だって……ねー?」
( ´_ゝ`)「ねー?」

(´<_`;)「……後で怒られても知りませんからね」

(*゚ー゚)「はーい」
( ´_ゝ`)「はーいwwww」

(´<_`#)「お前ちょっと来い! 表出ろ!!」

(-_-)「……弟者さん、だっけ」

(´<_` )「ん、あ、ああ」

(-_-)「大変そうだね。……あんまり、肩肘張らない方が良いよ?色々と」

(´<_` )「……ふん、有難うよ」

( ´_ゝ`)「wwwwwwwwツwwwwンwwwwデwwwレwwwwwww」
(´<_`#)「黙れ!! 死ね!! 殺す!!」

(*゚ー゚)「あらあらまぁまぁ」
( ><)「暴れたら駄目なんです!」


从 ∀从「バーカ。ショボのバーカ」



第十三話 終





この小説は2008年3月28日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:muXB90WiO 氏

続きはこちら



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[ 2009/12/29 11:22 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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