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三丁目の('A`)ドクオ達のようです 第十一話


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




ξ ゚⊿゚)ξ「ねえ、あんた」

▼ーェー▼「…………」

(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽー」

ξ ゚⊿゚)ξ「ねえってば」

▼ーェ・▼「何だよ」

(*‘ω‘ *)「ぽ?」

ξ ゚⊿゚)ξ「何か言わないの?出て行けとか」

▼ーェ・▼「言ったら出て行くのか?」

(*‘ω‘ *)「ぽっぽぽぽっぽー」

ξ ゚⊿゚)ξ「いや、それは……」

▼ーェー▼「じゃあ話しかけんな。ウザい」

(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ~」

ξ#゚⊿゚)ξ「あ、あんたねぇ!! こっちが遠慮して話しかけてあげてんのに──」

▼ーェー▼「なら、一つ良いか」

(*‘ω‘ *)「ぽっぽちんぽっぽ」

ξ ゚⊿゚)ξ「っ、何よ」



▼ ェ ▼σ(*‘ω‘ *)「このガキを尻尾から離s「ちんぽっぽちんぽっぽー!!」



1_20091229111343.jpg



第十一話 六月十六日


ナベちゃんの家にたどり着けないまま、数日が経過した。

私はいまだ、妙な野良犬の縄張りらしい空き家の床下に居座っている。
本当は犬がいる場所になんて居たくもないのだが、ちんぽっぽが妙にこの野良犬に懐いてしまった。
他に寝泊まりできる場所も見つからない上にちんぽっぽが失踪する心配もないので、
やむを得ずこの場所に陣取っている訳だが……

ξ ゚⊿゚)ξ(なんだかなぁ……やりにくいのよね、この犬)

明らかに好意的ではないのに、追い出そうとしてくる訳でもない。
ただ床下の奥で腹ばいになったまま、時おり片目で私を睨みつけてくるだけだ。
何故かちんぽっぽは完全スルーだが。

ξ ゚⊿゚)ξ(まあ犬の考えることなんて分かるはずも無いけど)

そんなことより、食料を探さねば。
いい加減雨水だけでは辛くなってきた。
ていうか辛い。

ξ ゚⊿゚)ξ「何か食べ物を探さなくちゃ」


ξ ゚⊿゚)ξ「行くわよ、ちーちゃん。ご飯探しに」
(*‘ω‘ *)「ぽ?ぽ~……」

ちんぽっぽは犬の懐がよほど気に入ったのか、名残惜しそうに頭を振る。
いや、お腹が減って動くのも辛いのかもしれない。心なしか声にも元気が無くなりつつある。

ξ ゚⊿゚)ξ(早く何か持ってきてあげないと……)

▼ーェー▼「行ってくれば?」
ξ ゚⊿゚)ξ「え?」

▼ーェー▼「こいつは動きたくねえって言ってんだろ。
       お前一匹で行ってこいって」
ξ ゚⊿゚)ξ「な、何言ってんのよ、置いてなんか……」

▼ーェー▼「そうか。じゃあ連れてけ」

犬は素っ気なく呟きそれきり黙り込む。
確かにそれが一番良いとは思うが、ほぼ初対面の犬の元に放置は危険過ぎる。相手が真意の読めないこの犬となればなおさらだ。

ひょっとしたら、自分がいなくなった隙にちんぽっぽを食べようとしているのかもしれない。
……流石にそれは無いか。無いと信じたい。

ξ ゚⊿゚)ξ「うう……」

ξ ゚⊿゚)ξ「絶対、その子に何もしないでよ!?何かやったら許さないからね!?」
▼ーェー▼「分かったから早くどっか行けや」



と、犬の元にちんぽっぽを預けて早数時間。
私はいまだにご飯どころか人間の食べかすすら見つけられずにいた。

ξ ゚⊿゚)ξ「全ッ然見つかんない……」

ドクオはゴミ集積所や惣菜屋の裏などがおすすめと言っていたが、
前者はペットボトルやビニールの塊などしか見つからず、後者に至っては発見すらしていない。
帰り道を見失うので、あまり例の床下から離れられないからだ。
今更ながら、土地勘の全く無い自分が恨めしかった。

ξ ゚⊿゚)ξ「これもダメ……あれも……」

新たに電信柱の下に置き去りにされたゴミ袋を発見し、その中を探索する。
強烈な悪臭が鼻についたが、涙目になりながらも我慢した。

ξ ゚⊿゚)ξ「ダメ。無いわ」

控えめに溜め息をついて袋から頭を出す。一緒に手も引っ込めると、爪に何かが引っかかっていた。

しわしわになったリンゴの皮だった。

ξ ゚⊿゚)ξ「……」
ξ ゚⊿゚)ξ「無いよりはマシ、かな」

剥いた人が上手かったのか、やたらと長いそれを腕に巻きつける。


ξ ゚⊿゚)ξ「とりあえず、食べ物ゲトー……ふふ」

腕に巻きつけたリンゴの皮を撫でながらその場に座り込む。
既に夕暮れを迎えつつある空を見上げて、ひとしきり笑う。
笑う度に悪臭の残り香が鼻腔を刺激した。

何が可笑しいのか分からないけど、何だか酷く可笑しかった。

ξ ゚⊿゚)ξ「はは、は──」
ξ ゚⊿゚)ξ「……辛いよ、ブーン」

塀の穴を越えただけで。
庭から一歩踏み出ただけで。
こんなにも違うものなのか。
瀕死の猫に助けられ、子猫を託されることも。
犬が居座る床下に間借りすることも。
自分がゴミを漁る羽目になることも、数日前は考えもしなかった。

ξ ゚⊿゚)ξ(あいつ……こんな場所で、なんで笑ってられるんだか)

憧憬を通り越して呆れさえ含んだ感情が心中で渦を巻く。

会いたい。
あの馬鹿面を眺めて、抱きしめて、「大丈夫」って言ってもらいたい。


|  ^o^ | いしやきいも おいしいです
| ^o^ | それは しょうゆです

ξ ゚⊿゚)ξ「!」


通りの向こうから人間の子供たちがやって来る。一瞬例の男を連想したが、そういった類の人間では無さそうだ。
急いで電信柱の影に隠れ、様子をうかがう。

|  ^o^ | かえったら ぶーんけいよみます
| ^o^ | りょうさく ざくざく わーい

ξ ゚⊿゚)ξ(手に何か持ってる?)

少年たちの手には、袋に包まれた食べ物らしき物が握られている。
見たところ芋か何かのようだ。

ξ ゚⊿゚)ξ(……)

|  ^o^ | りょうさく おしえてください
| ^o^ | 自分で探せや

少年たちは会話に集中していてこちらには気がついていないし、手元にもあまり意識を向けていない。
またとない絶好の機会だ。あれを奪えば、このリンゴの皮なんかよりずっと腹の足しになる。


ξ ゚⊿゚)ξ(ううん、でも……)


どちらを狙う?どうやって奪う?奪った後危険は無いか?
いやそれ以前に、自分に人間を襲うなんて大それた真似が出来るか?

絶好機の中にいながら、思考を堂々巡りさせることしか出来ない。頭の中を駆け巡るどの問いかけにも、答えることが出来ない。

|  ^o^ | おや ぬこです
| ^o^ | きゃわいい

ξ;゚⊿゚)ξ(げっ、気づかれた!!)

少年二人がゆっくりこちらに歩み寄ってくる。長く伸びた影ぼうしが私に覆い被さってきた。
脳裏にあの、ゴーグル男の姿がちらつく。どうしよう。逃げるなら今だ。
でも食べ物は欲しい。だけどもう気づかれたから不意を突くことも──

|  ^o^ | ぬこ のらですか?
| ^o^ | 首輪ついてんじゃん良く見ろ

もたもたしている間に二人は目の前にまでやって来てしまった。
私は後ずさりするように、電信柱の裏に身を隠す。

|  ^o^ | おーよしよし
| ^o^ | おなかがすいてるみたいです
|  ^o^ | それはたいへんですね
| ^o^ | 芋やれよ

|  ^o^ |
| ^o^ |

|  ^o^ | yes my friend.


ξ ゚⊿゚)ξ(え?)


少年の一人が身を屈め、おもむろに芋を半分ほどちぎり、
私の目の前にそっと差し出した。

|  ^o^ | ぬこよ

|  ^o^ | だいちにいきろ
| ^o^ | ぱくりおつ


2_20091229111343.jpg



ξ ゚⊿゚)ξ「へ……?」

ぼんやりする私を尻目に、少年は私の頭を数回撫でて、元いた道へと引き返していった。

|  ^o^ | でっかくいきろよおとこなら
| ^o^ | よこみちそれつつまっしぐら

変な鼻歌を歌いながら。

ξ ゚⊿゚)ξ「…………」

少年たちの姿が見えなくなるまで、私は呆然と立ち尽くしていた。

ξ ゚⊿゚)ξ「ああ……私何考えてんだろ。馬鹿みたい」

自己嫌悪に苛まれつつも、残された焼き芋をくわえ上げる。
鼻の辺りに漂ってきた独特の香りが食欲を刺激する。

少年の手によりちぎられたそれは、まだ温かかった。


※    ※    ※

( ´_ゝ`)「ただいまー」
(´<_` )「只今帰りました」

(,,゚Д゚)「遅かったな」

(´<_` )「申し訳ございません。兄者が」
( ´_ゝ`)「いや、いい娘いねーかなーってちょっと探索いっt」

(,,゚Д゚)「分かったもういい喋るな」

( ´_ゝ`)
( ´_ゝ`)b グッ

(,,゚Д゚)「それ次やったら耳の奥爪でほじるからな。弟者、報告」

(´<_` )「はい。まずは例の二人組の件ですが」

(´<_` )「今も東区のあちこちで出没している模様です。現れる時間帯は深夜から朝方にかけてで、
       最近は二人組ではなく一人一人単独で襲撃をかけているとのことです。
       死骸を回収している場合もあり、明確な殺害数は不明ですが」
(´<_` )「……相当な数がやられているようです。正直異常と言っていい」

(,,゚Д゚)「ふむ」

(´<_` )「各地の猫たちのストレスも限界に近い。
       あの二人がこれ以上活動し続けると、東区の統率が取れなくなるやもしれません。私からは以上です」

(,,゚Д゚)「……そうか。ご苦労さん」

(,,゚Д゚)「兄者。西区では何か動きがあったか?」

( ´_ゝ`)「…………」

(,,゚Д゚)「…………」

( ´_ゝ`)「…………」

(,, Д )σ;_ゝ;)「あ゛いだだだだだだだ!!!! だっで喋るなって言っだじゃん!! 言っだじゃん!!」

(,,゚Д゚)「必要なことだけ喋れ。良いな。余計なことを喋ったら肉球に爪立てて少しずつ抉るぞ」

( メ;_ゝ;)「み、右耳……もう聞こえない……」
(´<_` )「兄者それ今は色々とアレだから黙れ」

( ´_ゝ`)「西区なー。行ってみたんだけどさ。
       時間帯が時間帯だったからか事情通には会えなかったんよ」

(,,゚Д゚)「ほお」

( ´_ゝ`)「最近外から流れ着いたエグザイルな奴ばっかでさ。
       ちゃんとしたモナー傘下の奴らはもっと縄張りの奥の方に引っ込んでるのかも分からんね。
       ま、夜じゃなきゃそう出て来ないってのは分かってたんだけどさ」

( ´_ゝ`)「ちっと粘ってみたんだが、あんまり有用な事情は得られなかった訳ですよ。
       遅れたのはそういう理由。ほ、ホントだよ?嘘じゃないよ?」

(,,゚Д゚)「……まあ、例の連中のことは知っているだろうしな。わざわざ出歩く奴もいないか。
     兄者ご苦労。黙ってていいぞ」

( ´_ゝ`)(俺って損な役回りだよな……)
(´<_` )「(なんか今凄くムカつくこと考えてんなコイツ)

(,,゚Д゚)「さて…………どうしたもんかな」
(,,゚Д゚)「そのうち飽きるだろうと思ってたが、その前にこっちが全滅しかねんなこりゃ」

(,,゚Д゚)「今はまだ少数だが、ドクオ達のように逃げ延びてくる連中も更に増えるだろう。
     各地の縄張りを放置させ続ける訳にもいかない。さてさて……」

(,,゚Д゚)「…………」

(,,゚Д゚)「……お前らはどうしたら良いと思うよ?」


(´<_` )「……え、私達ですか?」

(,,゚Д゚)「他に誰がいる。何だその顔は」

(´<_` )「い、いえ」
( ´_ゝ`)「珍しいな、あんたが他の奴の意見を聞くなんて……
       と、弟者からテレパシーが」

( ;_ゝ( <_  )「「い゛や゛ぁああああ嗚呼呼呼呼!!!!
           やめでぇええええええええええ左耳やめでぇええええええええええええッッッ!!!!」

3_20091229111343.jpg



(,,゚Д゚)「そう、か。珍しいか」
(,,゚Д゚)「そうだなぁ……確かにそうだよ」

(´<_` )「ギコさん?」

(,,゚Д゚)「珍しいついでに聞くわ」
(,,゚Д゚)「お前らさぁ、俺、どう思う?」

(´<_` )「どう……と言われましても」

(,,゚Д゚)「東区にやってきてから今まで、がむしゃらにやってきたけどよ。
     本当はこんなようなことが起きる度に思うんだよ。俺にゃやっぱ無理なのかなーってさ」

(´<_` )「…………」

(,,゚Д゚)「ドクオやモララーみたいに頭が良い訳じゃねえ。
     モナーみたいに猫を惹きつけるカリスマ性がある訳でもねえ。あるのは腕っ節だけだ」


(,,゚Д゚)「それだって、さほど大したもんじゃねえし。
     ドクオんとこの連中に負けちまうし。そもそもがモナーみたいに完全に支配している訳でもないしな」

(,,゚Д゚)「お前らの報告で誰それが死んだって話を聞いても、全く気にも留めなくなっちまった。
     ドクオらみたいに縄張り争いに負けてあぶれちまった連中のこともだ」

(,,゚Д゚)「……結局俺は、しぃ以外の連中なんてどうでも良いと思ってるのかもしれないな。こんなのに──」
( ´_ゝ`)「ちょい待ち」


(,,゚Д゚)「……何だ」
( ´_ゝ`)「ギコお前、負けたのがそんなにショックだったのか?
       あっちは何匹がかりだと思ってんだよ、気にすんなってお前は強い子だって」

(,,゚Д゚)「てめ、おちょくるのもいい加減n」
(#´_ゝ`)「おちょくってないもんね! 何かきもちわるいんだよお前の弱音とかさ!」

(´<_` )(……お前の口調の方がきもちわるい)


( ´_ゝ`)「つーか今更何言ってんだよ。ボスの器じゃないとか言うのか。
       ホント今更じゃん! 東区ほとんど縄張りにしてんじゃん! いきなり辞任か! 安倍内閣か!」

(,, Д )「…………」

( ´_ゝ`)「みんな困るよ!?路頭に迷っちゃうよ!?俺たち最初から路頭だけど! もう何か冬にマッチとか売っt」
(´<_` )「もう良いか兄者、代わっても。つーか代われ馬鹿」

( ´_ゝ`)「あ、はい。どうぞ」

(´<_` )「ギコさん。私も、この私に似た馬鹿と概ね同感です。意訳すると。
       ひょっとしたらあなたはボスの器足り得ないかもしれない。ですが、そんな事は問題じゃない」

(,, Д )「…………」

(´<_` )「しぃさん以外はマジでたまに目に入ってなかったりする所とか、
       すぐ関係ない私にまで暴力を振るう所とか、ウンコしても砂をかけないとか、ゴミ漁りが下手くそだとか、
       そんな事は関係ないんです」

( ´_ゝ`)「後半割とマジで関係なくね?」


(´<_` )「誰が何と言おうと、今の東区を作ったのはあなたです。そして、あなたはその責任を自覚している。
       厳正な判断を下すために必要最低限の仲間以外とは距離を置いていることも、
       敢えてモナーのような完全独裁状態を避けていることも知っています」

( ´_ゝ`)(え、そうなの?)


(´<_` )「……ですから、これだけは言っておきます。
       今の東区にはあなたが必要だ。
       我々が明日も、明後日も、生きていくために。あなたは今まで通りにボスであり続けて欲しい」

( ´_ゝ`)「ひゅー弟者かっくいー」

(,,゚Д゚)「…………」

(,,゚Д゚)「……ふ、すまんな。お前らが気遣ってくれるなんて思わなかったよ」

(´<_` )「たまには私達も世辞の一つくらい吐きます」
( ´_ゝ`)「はっはっはっは、弟者にはかなわないな」

(,,゚Д゚)「「お前はいい加減黙ってろ」」(´<_` )

( ´_ゝ`)(俺ってホント損な役回りだよな……)


(,,゚Д゚)「ま、そうだな。今更gdgd言ってても……しょうがないか」

(,,゚Д゚)「そんじゃま再確認ついでに、行ってみるかね?明日辺りに」

(´<_` )「……どちらへ?」

(,,゚Д゚)「決まってんだろ」



(,,゚Д゚)「西区の帝王、モナーのとこへだよ」


※    ※    ※

すったもんだで何とか夕食を手に入れた私はくたくたの身体を引きずり、
今では随分見慣れた床下へと潜り込んだ。
夕暮れ間近のこの時間帯、庭からわずかに差し込んだ茜色の光が、件の犬を照らしている。
その姿はどことなく侘びしい。

ξ ゚⊿゚)ξ「たーだいまぁー……」

▼ーェー▼「ここはお前の家じゃねぇ」

吐く言葉は相変わらずだが。

ξ ゚⊿゚)ξ「……ちーちゃんは?」
▼ーェー▼「さあな」
ξ ゚⊿゚)ξ「さあなって……ちょっと!」

私は見つけてきた食べ物を放り出し、犬の眼前まで詰め寄る。

ξ#゚⊿゚)ξ「ちゃんと見てなさいよ! あの子まだ小さいのよ!?」
▼ーェー▼「そんな義理はねぇ」

私が噛みつかんばかりに凄んでも、犬は瞼を伏せたまま一向に動じる気配はない。

ξ ゚⊿゚)ξ「……あんたみたいな犬の所に置いてきた私が馬鹿だったわ」

出来うる限りの嫌味を込めて吐き捨てると、おもむろに踵を返して歩き出す。
今ならまだ夜までには見つけられるかもしれない。
そんなに遠くへは行っていないはずだ。

と、その時。

▼ーェー▼「……義理が無いのはお前も一緒じゃねえ?」

ぼそりと、一言だけ。犬が独り言のように呟いた。

ξ ゚⊿゚)ξ「え?」

思わず足を止める。

▼ーェー▼「あれ、お前のガキじゃないんだろ。何で他ん猫の世話を飼い猫がやってんだ」
ξ ゚⊿゚)ξ「な、何で……」

▼ーェ・▼「何でって、お前ら見てたら馬鹿でも分かるわな」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」

▼ーェー▼「猫の世界なんて俺もよう知らんけど、他人のガキは殺すのが普通なんじゃねーの?違った?」
ξ ゚⊿゚)ξ「どんな普通よ。……私はね、助けられて、そして頼まれたの。
       あの子の母親に、あの子の事を」

口にしただけであの甲高い金属音を思い出し、かすかに背筋が震える。

▼ーェー▼「…………」
▼・ェ・▼「なら、尚更だろうが」

犬が両の瞳を開き、しっかりと私を見据えてきた。
その目にはどこか非難の色が浮かんでいる。

ξ ゚⊿゚)ξ「意味が……分かんない、何言ってんのよ」

▼・ェ・▼「何故、親の所へ送ってやらない」

この犬は、本当に本気でこんな事を言っているのだろうか。
その声色に冗談の響きは、カケラも無い。

ξ ゚⊿゚)ξ「……。何でそんな事」
▼・ェ・▼「お前さぁ、飼い猫だろ?何でこの辺ほっつき歩いてんのか知らんが、
      飼い主んとこ帰るにしろ野良始めるにしろ、世話なんか出来ねーだろ。
      お前みたいな猫飼う奴が、野良を飼う訳ねーし」

ξ ゚⊿゚)ξ「…………」

▼・ェ・▼「お前は分からんのだろうが、野良は厳しいんだよ。
      親亡くした小さいガキはよほど運が良くなきゃ死亡確定なんだよ」

▼・ェ・▼「中途半端に放り出すつもりなら、最初から世話しようとなんかすんな。
      あのガキが苦しむだけだろっての」

ξ ゚⊿゚)ξ「も、もし私が駄目だったとしても、ブーンが……」

▼・ェ・▼「誰だよそいつ。……ああ、ひょっとして野良の知り合いか何かか?
      おいおい馬鹿言うなよ、縁もゆかりも無いガキの面倒見させるつもりか?自分達の事で精一杯だろうに」

ξ ゚⊿゚)ξ「……ッ!」


犬は一歩も身体を動かしていなかったが、私はまるで追い詰められているような錯覚を覚えていた。
同時に、いつぞやのドクオと対峙した時を思い出した。今回はあの時のような独りよがりな怒りは込み上げてこない。
ただひたすらに、怖かった。

犬の言っている事は正しいのだろう。

私が今まで考えていなかった……いや、考えまいとしていた事をことごとく突いてきた。
それに対する答えを、私は持ち合わせていない。

だから、黙っている事しか出来ない。


──だけど。


▼・ェ・▼「何とか言えよ、コラ」

ξ ゚⊿゚)ξ「……あんた……あの子に、何かしてないでしょうね……」

▼・ェ・▼「……」

毛を限界まで逆立てて、威嚇の体勢を取る。
言うまでも無く強がりだ。泣いてしまいそうになるのを、誤魔化しているに過ぎない。

ξ ゚⊿゚)ξ「野良がどうとかなんて、あんたの言う通り知らないわよ。
       ただ、あの子のお母さんはね。あの子が死ぬ事なんか……望んでなかった」

▼・ェ・▼「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「だから、最後まで足掻いてやるって決めたのよ。
       何も知らないし、出来ないかもしれないけど、死なせる事があの子の為になるなんて……私は絶対に信じない」

そうだ。
どれだけ自分が無知で無力だろうと、それだけは譲りたくない。
きっと、ブーンもそうするだろうから。


▼・ェ・▼「…………」
▼ーェー▼「……縁側の方回って、納戸行ってみ」

犬は大きな溜め息と共にそう言い捨てて、瞳を閉じて顔を背ける。
どうやらもう問答をするつもりは無いらしい。
私は言われた通りに縁側の下を急いで回り、納戸の隙間に頭を突っ込んだ。


(*‐ω‐*)「ぽ~……」

何だかよく分からないガラクタの山の上で、ちんぽっぽは幸せそうに寝こけていた。
随分遊んだのか、身体のあちこちに埃がくっ付いている。


ξ ゚⊿゚)ξ「…………はは」

私はその場に腰を降ろして、本日二回目の気の抜けた笑い声を漏らす。
それの意味するところは、それぞれ随分違ってはいたが。


ぼんやり笑っている内に、空は青みがかった黒に染まっていた。



ξ ゚⊿゚)ξ「えーと……あんた、これ食べる?」

▼ーェ・▼「あァ?んだこれ、芋か。どういうつもりだ」

ξ ゚⊿゚)ξ「あんた嫌な奴だけど、ちーちゃんには何もしなかったみたいだから。その礼よ」

▼ーェー▼「少ねえ」

ξ ゚⊿゚)ξ「当たり前よ、私達の分の残りだし」

▼ーェー▼「……」

▼ーェー▼「んじゃあ貰うわ」

ξ ゚⊿゚)ξ「はい」

▼ーェー▼「んがぐっぐ」

ξ ゚⊿゚)ξ(……何今の音)

▼ーェー▼「少ねえ」

ξ ゚⊿゚)ξ「なら自分で探しなさいよ……」
ξ ゚⊿゚)ξ「ああ、ところであんた、名前何?私ツンって言うんだけど」

▼ーェー▼「名前……名前ねえ。ビーグルで良いよ」

ξ ゚⊿゚)ξ「良いって……ビーグルね。分かった」

▼ーェー▼「……。後悔するぜ」


ξ ゚⊿゚)ξ「……?何が?」
▼ーェー▼「あのガキの事だよ」
ξ ゚⊿゚)ξ「まだあんたそんな事言っ…」

▼ーェー▼「お前その内絶対余裕無くなるってーのによ、マジで」

ξ ゚⊿゚)ξ「……?」

▼ーェ・▼「……おい。まさか、自分で気付いてねーとか無いよな……」

ξ ゚⊿゚)ξ「……??意味分かんないんだけど」

▼ーェ・▼「いや……お前、世間知らずとかそんな次元じゃねーな。腹見ろよ腹」

ξ ゚⊿゚)ξ「お腹って……あんたの?」

▼#・ェ・▼「ああああああもう! 頭悪ィなおい!!」





▼#・ェ・▼「お前妊娠してんだろーが!!!!」

ξ ゚⊿゚)ξ「…………」

ξ ゚⊿゚)ξ「嘘」



第十一話 終




この小説は2008年2月11日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:OtZzQXmIO 氏

続きはこちら



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[ 2009/12/29 11:16 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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