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三丁目の ('A`) ドクオ達のようです 第三話


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




('A`)「……目ぇ、冴えた」

現在時刻、午前五時十二分。ちょっとばかし早起きしてしまった。
ベッドから降り、台所に置いてある水を飲む。
カーテンの隙間から薄明るい外を眺め、
何となくまた寝室へと戻る。

('A`)「……」
川  - )『すぅ……すぅ……』

我が飼い主は、まだ起きそうにない。
最近通販で買ったやたら細長い抱き枕に巻き付かれ、
気持ち良さそうに眠っている。

川  - )『…………』
('A`)「多分、寝顔は可愛い部類なんだろうな。よく分からんが」

川  - )『…………』


('A`)「……暇だな……起きろ、おい」

ぺろぺろ。

川* - )『ひゃ、あんっ』
(;'A`)「ッ!?」

川* - )『ぅうん……根性無し……』

('A`)「…………………………」

('A`)「いやいやいやいやいやいやいやいやいや」




1_20091229104844.jpg



第三話 六月一日


('A`)「っあー、あぢぃ……何この暑さ、ワッケ♪ワッカ♪ラン♪のだが」

梅雨を飛ばして夏を先取りしたような真夏日が、昨日から続いている。
これも地球温暖化とかいうのの影響だろうか。
このままでは身体と頭が夏仕様になってしまいそうだ。体が!夏にな!(ry

こんな日も、向かう所はやっぱりあそこだ。
一応、縄張りの主だし。

('A`)「生きてるかあ……野郎ども……」

( ^Д^)「わりぃ、俺死んだ」
('A`)「……お前、海賊王目指せるかもな」
( ^Д^)「あ?」
( ><)「あ゛~ッづいんです!」
( ゚д゚ )「ブツブツブツブツ暑くない暑くない暑くない暑くな(ry」


『わりかし楽園』の異名を持つ日だまり広場も、蒸し暑い日ばかりは不快指数が高い。
それぞれ日陰に陣取って、干物のように伸びきっている。


俺は広場を一通り見渡して、南口の一角へ向かった。

('A`)「よう。どうよ、調子は」

从 ゚∀从「んー?順調なんじゃね?」

どっかりと寝ているハインリッヒの腹は、もう結構な大きさに膨れ上がっていた。
こりゃ、そろそろ生まれるな。

('A`)「なんじゃねって、おま」

从 ゚∀从「だーってはぢめてなんだもんよ、どうなら順調なのか分かんねっちゅーに」

('A`)「え、お前初体験なのか」

从 ゚∀从「もろちんよ」

何がもろ…もちろんなのか分からんが、どうやら本当に初めてらしい。
言われてみれば、濃い銀色の毛並みの艶具合から見ても、彼女はかなり若いようだ。

从 ゚∀从「で、どうなのよ」

('A`)「何が」

从 ゚∀从「コレよコレ。順調なの?」

('A`)「コレってお前……うーん」


俺は彼女の前に腰を降ろし、
恰幅の良くなった腹部をまじまじ眺める。


('A`)「……」
('A`)「順調なんじゃね?」

从 ゚∀从「なんだよテメ、偉そうな口利いといて同じじゃねーか!」

('A`)「俺雌じゃないし、こういうのには縁無かったしなぁ…」

从 ゚∀从「は?おいおいおっさん、その歳でガキの一匹もいねーのか。
      ちょっと貸してやろうか?まだ一席くらいは確保できると思うぜ」

('A`)「ご親切にどうも。でもいいわ、俺去勢済みっすから」

从 ゚∀从「何ッ、チンコ無いのか!!」
('A`)「あるわボケ」


ため息をこぼし、視線を横へとずらす。

('A`)「お前、本当に変なの捕まえてきたな」

(´・ω・`)「……あまり触れないでくれ」

視線の先には、所在なさげに座り込んでいるショボンの姿があった。
気のせいか、最近さらに憂いを帯びた顔つきになったような……。

ハインリッヒが来てからというもの、仲間内でのショボンの株は大暴落だ。
同情はするが、無理も無い。

彼女のように妊娠して広場で休んでいる雌や、既に出産を終えて子供を遊ばせている雌たちからも、
どことなく白い視線を向けられている。

(´・ω・`)「ねえ、ハイン。どこかに散歩にでも行かないか?」
从 ゚∀从「暑いしめんどーい、一匹で行ってくればぁ?」

(´・ω・`)「…………」

('A`)「……」

それでもこうして彼女の側にいるのは、何だかんだで心配だからなのか、
それとも更に何か暴露されるのが怖いからなのか。多分両方だろうが。

(´・ω・`)「じゃあ、喉は渇いてない?」
从 ゚∀从「ねえ」

その様子は、まるで「援交中のおっさんと調子こいた女子高生」のようで、
何だか非常に哀愁漂う光景であった。


('A`)「そういや、ブーンは?またフィアンセのとこか」

(´・ω・`)「言うほど毎回行ってる訳じゃないけどね。今の時間なら、確かに彼女の家かも」

('A`)「そうか……」

例の一件以来、俺は彼女の屋敷とは疎遠になっていた。
あの後すぐにブーンから「ありがとう」と彼女のメッセージが伝えられたが、
だからと言ってまた顔を出しに行けるほど俺は付き合い上手な訳でもない。

('A`)「……そろそろ、結論出さなきゃいけない時期だろうな」
(´・ω・`)「だね。さて、どうなるか」

とは言っても、俺にできることはもう何も無い。
言いたいことは、あの時にほぼ全て吐き出してしまっていた。
あとはあの二匹次第、か。


从 ゚∀从「なんだァ!?何の話だよ、辛気くせーツラしやがってよ!」
('A`)「ボリューム下げろ気温上がる」



※    ※    ※


(#^ω^)「うおおおおおおおっおっおおおおおおお!!!!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「……爪が無くなるわよ?」

(;^ω^)「はぁ……はぁ、これは楽しいお、癖になるお」

ブーンは息を切らし、床にごろんと寝転がる。
あとには、全力で切り刻まれた爪研ぎ器だけが残されていた。

ξ ゚⊿゚)ξ「うわちょっと、凄い毛羽立ってるんだけど」

( ^ω^)「おっおっお、すまんこ」

にたにた笑いながら尻尾を前後に振っている。
謝罪とか反省とかいう感情は、一切読み取れない。


ξ ゚⊿゚)ξ「あんたのその顔、実は凄いムカつくのよね」
(;^ω^)「おっ?それは申す訳ないお」
ξ ゚⊿゚)ξ「……」

深々とため息を吐きながら、天を仰ぐ。
雲一つ無い青空の中、ヒバリや飛行機がはるか上空を飛んでいるのが見える。
日光が眩しくて、私は少しだけ目を細めた。


( ^ω^)「よっしゃ、またトレーニングするお」

ブーンは縁側から庭に降り立つと、所狭しと駆け回り始める。
まるでゴムまりか何かのように、
石の上を跳ね、木に登り、けして小さくない池を飛び越える。

この「トレーニング」を、ブーンは毎回欠かさず行っていた。
その間私は何を言うでも無く、縦横無尽に走る彼をただ、眺めている。

ドクオが来なくなってから、しばらく経つ。
ブーンは礼は伝えてくれたそうだが、流石に気まずいのだろう。正直私も気まずい。

ξ ゚⊿゚)ξ「……」

彼の言っていたことは、癪ではあるが、確かに正しかった。
外のことなんて分からない。その危険性も。
言ってしまえば、私の憧れなど、ただの好奇心と相違ないのだろう。
それに、何より──

( ^ω^)「うおおおおおお!!」

ブーンは物凄いスピードで垣根を駆け上ると、宙返りするように飛び上がる。


( ^ω^)「今なら! 空も!! 飛べるっ──」


はずも無く、ブーンの身体はしばし宙に滞在した後、
池へと頭から突っ込んでいった。
水しぶきが盛大に舞う。


ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっとぉ! もー、何やってんのよ」
(;゚ω゚)「ぶぉおお!! 溺れるお、溺死っするおぐべらぐばらだひるでんぶるぐ」

ξ ゚⊿゚)ξ「そこ足着くから」
( ゚ω゚)「……」

( ゚ω゚ )

ξ ゚⊿゚)ξ「こっち見んな」



( ^ω^)「いやー、ちょっとしたパルプフィクションでしたお」

ξ ゚⊿゚)ξ「ハプニング。乾くまで縁側上がんないでよ」

ブーンは濡れた身体をぶるぶる震わせ、飛び石の上に寝転がる。

( ^ω^)「おっおっお、風が涼しいお」
ξ ゚⊿゚)ξ「あんた本当自由ね……」

その自由な白猫は、肉球を舐めながら首を傾げる。

( ^ω^)「お、何かツン、元気無いお。暑いの苦手かお?」

ξ ゚⊿゚)ξ「得意ではないけどね」

( ^ω^)「そうかお」

いっそのこと、こいつのように池に突っ込んでみたら、色々と楽になるかもしれない。

ξ ゚⊿゚)ξ「ねえ、ブーン。あんたさっき何て言った?」

( ^ω^)「お?」

ξ ゚⊿゚)ξ「池に落ちる前よ、何か叫んでたでしょ」


( ^ω^)「……」
( ^ω^)「うおおおおおお!! 今なら!! 空も!!飛べr」
ξ ゚⊿゚)ξ「叫ぶな」

ξ ゚⊿゚)ξ「ずっと気になってたんだけどさ、あんたのトレーニングってひょっとして」

( ^ω^)「もろちん、空を飛ぶためだお」


…………。

ξ ゚⊿゚)ξ「もろち……もちろんってあんた、さも当然のように」

( ^ω^)「何かおかしいかお?」

そりゃ、おかしい。
まさか、一片の疑いも持たず、そんなことを言っているのか?
閉ざされたこの庭で生きる私ですら、できっこないと分かっているというのに。

ξ ゚⊿゚)ξ「おかしいわよ、鳥じゃあるまいし、飛べる訳ないじゃない」

( ^ω^)「お?でもツンは鳥に憧れているんじゃなかったかお?」

ξ ゚⊿゚)ξ「それとこれとは話が別よ」

( ^ω^)「そうなのかお。でも、飛べたら凄いと思わないかお?」

ξ ゚⊿゚)ξ「それは……思うけど、そもそも私たちには羽すら無いのよ?何言ってんのよ」

ブーンは私の言葉を聞き、意気消沈するどころか、ますます笑顔を強めていく。

( ^ω^)「良いこと教えてあげるお、ツン。あれ知ってるかお?」

ブーンが尻尾で空を指し示す。おそらく、その先には……

ξ ゚⊿゚)ξ「飛行機でしょ。知ってるわよ」

人間の作った、空を飛ぶ機械。流石の私もそれぐらいは知っている。


2_20091229104843.jpg



( ^ω^)「じゃあ、あれがどうやって飛んでるのかは知ってるかお?」

ξ ゚⊿゚)ξ「そんなの…………」


ξ*゚⊿゚)ξ「っし、知ってるけど! ……ちょっとうろ覚えだから、言ってみなさい」

( ^ω^)「あの飛行機の中には『エンジン』って人がいて、
       その人が物凄い勢いで走ってるおかげで飛べるらしいお」

ξ ゚⊿゚)ξ「き、機械じゃないの?それ」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「だったかも分からんね」
ξ ゚⊿゚)ξ「………」


とりあえず、爪研ぎ器で殴りつけた。

(#)^ω^)「とにかく、『エジソン』が凄い勢いで進んでるのは間違いないお」

ξ ゚⊿゚)ξ「ふーん。エンジンね」

だからといって、猫が鍛えれば物凄い勢いで走れるとも、
それによって空を飛べるとも思わないが。

ブーンは静かに、言葉を続けた。

( ^ω^)「……ずっと昔、『飛行機』ができる前、
       人間は誰一人、人が空を飛べるなんて信じちゃいなかったそうだお」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」

( ^ω^)「でも、飛べる、飛びたいって思ってた人たちが頑張ったら、
        あんな凄い機械を造れるほどになったそうだお」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」

( ^ω^)「『人間ってすげぇよな。
       このコンクリートも、飯も、周りの建物も、車も、電線も、
       飛行機も、果ては宇宙衛星だって、全部自分らで作り上げたんだぜ?
       俺にはとても真似できんね。想像しただけでマンドクセェわ』
       って、ドクオ言ってたお」

( ^ω^)「……僕は思うんだお。人間にできて、僕らにできない訳が無いって」


ブーンの表情には、一片の曇りも無い。
迷いが無い……いや、あったとしても突き進むと言わんばかりの気概。
そんなものが感じられた。


( ^ω^)「ドクオや広場の皆はそれを聞いて馬鹿にしたけど、ショボンは面白いねって言ってたお。
       いつか空を飛べた時には、ドクオ達を笑い返してやるのが密かな野望なんだお」

彼は髭を得意げに揺らし、にっこり微笑む。
その笑顔があまりに眩しくて、
私は何故か、少しだけ悲しかった。

ξ ゚⊿゚)ξ「……でも、人間も生身じゃあ飛べないわよ」

( ^ω^)「……」
( ^ω^)「そういうケースもある」
ξ ゚⊿゚)ξ「……」


私は無言で再び爪研ぎ器を振り上げ、ブーンに飛びかかる。

( ^ω^)++キラリン

ξ;゚⊿゚)ξ「はっ!?」


( ^ω^)「一流に同じ手を使うんじゃn」
(#)゚ω゚);;.「オリバッ!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「うわっ!」

中途半端に反撃に失敗したブーンは、私と組み合った体勢のまま地面をゴロゴロと転がる。
つい最近も、似たようなことがあったような気がする。


(;^ω^)「あててて」
ξ ゚⊿゚)ξ「いったぁ……」


( ^ω^)「お」
ξ ゚⊿゚)ξ「ん?」

(*^ω^)「……良い匂いだお」
ξ ゚⊿゚)ξ「っちょ」

ブーンは私を組み伏せたまま、首筋の辺りを舐め始める。

ξ* ⊿ )ξ「あっ、やだ」
(*^ω^)「これはもう辛抱たまらんお」

駄目だ、完全にその気だ。

ξ ////)ξ「あ、あ、あ、荒っぽくしないでよ……?」
(*^ω^)「把握したお」



※    ※    ※


('A`)「あれ、何か今俺無性に死にたくなったんだけど」
(´・ω・`)「君みたいに黒いと暑さも数割増しだろうからね、無理ないよ」
('A`)「いや、何かそういうんじゃなくて……まぁいいか」

俺が意味の分からない虚しさに襲われている中、
辺りはようやく夕暮れを迎えようかという時間にさしかかった。

もうしばらくすれば、過ごしやすくなる気温になるはずだ。

('A`)「ガキや母親が増えてきたな」
(´・ω・`)「今回は結構多いみたいだね」

ほぼ解放地区状態のこの広場は、出産や子育ての時期になると、雌や子どもで毎回賑やかになる。
今回も、例に漏れず盛況だ。

('A`)「……」
(´・ω・`)「どうかしたのかい?また何か悩みが?」
('A`)「いや、そういうんじゃねーんだが」

('A`)「何か、な。何となく、嫌な予感がすんのよ」
(´・ω・`)「ふむ」

(-_-)「……ドクオ、ショボン」

('A`)「ん?おう、ヒッキー。今日はどっか行ってたのか」

(-_-)「ちょっと……良いかな」
('A`)・ω・`)「……?」





(´・ω・`)「わざわざ広場から出なきゃいけないような話題なのかい?」

(-_-)「あまり、他の猫には……」

('A`)「……」


俺たちはヒッキーに連れられ、広場から少し離れた路地裏へと場所を移していた。
ヒッキーは路傍のガラクタの中に頭を突っ込む。
顔を出した時、口に何かをくわえていた。

(-_-)「これを」

('A`)「空き缶か」

('A`)「……。!」

空き缶には、直径数センチほどの穴が開いていた。
穴は見事に缶を貫通し、全体を歪ませている。

(´・ω・`)「……これを、どこで?」
(-_-)「今北川の川原で。散歩してたら、こんなのが沢山散らばってて……」

(´・ω・`)「そうか。ドクオ、どうだい」

('A`)「ああ、こいつは弾痕だ。まず間違いなく、エアガンの類だろうが……」

('A`)「見ろ、こいつの材質。アルミじゃなくてスチールだ。
    これを既製品でこんな見事に貫通させることはできねぇ」

('A`)「十中八九、改造してやがんな。
    空き缶を狙ってくれてる内は良心的なんだが」

(´・ω・`)「……まずいな。こんな時期に」

('A`)「こんな時期だから、かもな」

(-_-)「……僕たち、大丈夫?」

ヒッキーは不安そうに空き缶を見つめている。
いつも能面のように無表情な奴だが、
この時ばかりは怯えていることが表情からも読み取れた。

('A`)「なあに、大丈夫さ。……とも、言い切れないが。少なくとも先に分かったのは幸いだな」

(´・ω・`)「夜の警戒を促そう。野営組や利用者の雄たちなら協力してくれるはずだ」

(-_-)「この事は、黙ってた方が……?」

('A`)「良いな。雌たちには知らせない方が良い。
    広場よりどっか他の屋内を使わせる手もあるが……危険が及ぶ可能性は大差無いしな。
    なら、雄の多いここの方がいくらかマシだ」


(-_-)「……実は」

('A`)「?」


(-_-)「いつも川原に寝泊まりしてる、知り合いが何匹かいたんだ。
     今日も、彼らに会いに行ってた」

(´・ω・`)「……」


(-_-)「で、でも、居なくなってた。
     皆……皆、一匹残らず、居なくなってたんだ……まさか、皆、こr」

(´・ω・`)「落ち着いて。こうして空き缶に跡があるということは、
      どこかに避難している可能性の方が高い」

(´・ω・`)「今はひとまず広場に戻ろう。いいね?」

(-_-)「う、うん……」



('A`)「……」

広場は四方を囲まれていて、外から見ただけでは存在は気づかれない。
川原などよりは安全な場所だろう。だが……

('A`)(何だか、キナ臭くなってきやがったな……)


3_20091229104843.jpg




※    ※    ※


いつの間にか、日が沈もうとしていた。
もう少しすれば、うちの人が帰ってくる。

( ^ω^)「……じゃあ、そろそろ帰るお」

ξ ゚⊿゚)ξ「う、うん」

( ^ω^)「……」
ξ ゚⊿゚)ξ「……」

( ^ω^)「ツンも、一緒に来ないかお?」

ξ ゚⊿゚)ξ「え……」

( ^ω^)「野良の世界は確かに色々あるけど、捨てたもんじゃないお。
       ここには無いものも沢山あると思うんだお」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」

分かっていた事だ。
遅かれ早かれ、必ず彼はこう申し出てくる。
ずっと前から分かっていた事だ。

そして、それに返す答えも。
もう、決めている。


ξ  ⊿ )ξ「……ごめんなさい」


( ^ω^)「お?」
(;^ω^)「……っお……」


ξ  ⊿ )ξ「ごめん、本当に。あんたのことは、好きなんだけど」

(;^ω^)「あぅあぅ……」

ごめんなさい。
貴方の笑顔を、曇らせたくなんかなかった。


ξ  ⊿ )ξ「野良の世界にも憧れてる。広い空も見てみたい。だけど……」


ξ ;⊿;)ξ「私はナベちゃんを……裏切りたくないの」
( ^ω^)「!」

そう、彼女には何の非も無いのだ。
ご飯を食べさせてくれる。
一緒に遊んでくれる。
頭を撫でてくれる。
私に向かって微笑んでくれる。

こんな事に、どうしてもっと早く気づかなかったのか。
ドクオに言われていなかったら、更にブーンを苦しめていたかもしれない。


( ^ω^)「…………そう、だおね」

ξ ;⊿;)ξ「!」


( ^ω^)「僕も、本当は」

( ^ω^)「野良になんかなりたくなかったお」

ξ ;⊿;)ξ「ぶ、ブーン?」

( ^ω^)「ツンの飼い主なら、きっと大丈夫だお。無理に誘って……済まなかったお」

ξ ;⊿;)ξ「ブーン!!」

ブーンは縁側を駆け降り、垣根から飛び出していく。
私は穴の手前まで追いかけたところで、足を止めた。
止めざるを得なかった。

ξ ;⊿;)ξ「…………!」

やっぱり、私は。
ただ怖いだけなんじゃないのか。

ξ ;⊿;)ξ「ううっ……う……」

夜の帳が下りた庭の片隅で、私は肩を震わせて泣いた。




※    ※    ※


川 ゚ -゚)『んー?なんか今日は元気無いな、クロ助』
('A`)「…………」

帰ってきてから今まで、俺は終始無言だった。
クーは首をひねりつつ湯のみを口に近づける。

川 ゚ -゚)『うん、うまい。今北崎の常黄園はやはり味わいが違うな』

湯のみから唇を離し、しみじみと呟く。
よく分からないが茶葉の銘柄らしい。

('A`)「……」
川 ゚ -゚)『……何とか言え。寂しいじゃないか』
('A`)「猫に相手してもらってる時点で寂しいと思うんだが……」
川 ゚ -゚)『お、やっとしゃべったな』

クーは満足そうに微笑み(いや、表情は変わらないけど)、俺の頭を撫でくり回す。

('A`)「皮肉言ってんだよ、本当分かんないのな」
川 ゚ -゚)『そうかそうか。よしよし』
('A`)「……」

こんな事、思ったところで栓無いのだが。
それでも呟かずにはいられなかった。


('A`)「皆が……お前みたいだったらな」



クーの指は華奢で白いが、温かかった。
また、一日が終わる。
日々蓄積された変化は再び、大きなうねりとなって俺たちを飲み込むかもしれない。
杞憂ならそれに越した事は無いが。

これが杞憂で無かったなら、俺は──



六月一日 終





この小説は2007年6月11日から2007年6月12日にニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:/pRADPBTO 氏(ID:nJFmRI5oO 氏)

続きはこちら



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[ 2009/12/29 10:51 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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