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ξ ゚⊿゚)ξツンはお預けなようです 第二話

はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




ξ ゚⊿゚)ξ「ジングルベ~ル、ジングルベ~ル鈴が鳴る~♪」


ツンは歌を歌いながら、彼女の本棚に飾りを付けていた。
もちろんクリスマス用の飾りつけである。
彼女のところにお客さんが来るまで、お預けのツンは暇過ぎる程に暇なのだ。


('A`)「うわっ! え? なになに??」


しかし飾り付けが完成するのは、もう少しだけ先のようだった。
一人の冴えない男がツンのところにやってきたからだ。


ξ ゚⊿゚)ξ「やぁ、メリクリ~」

('A`)「いや、クリスマスはまだ先だろ……」



ξ ゚⊿゚)ξ「あ、間違えた。
       やぁ、ようこそスピリチュアル・カウンセラーへ。
       まずは落ち着いて椅子に腰掛けて欲しい」


1_20091229092406.jpg



('A`)「な、なんだよ……」


客が事情を飲み込めないのはいつもの事だ。
だからツンはいつも慌てずにいつもの文句を客に聞かせる。
今までその文句に従わなかった者はいないからだ。


ξ ゚⊿゚)ξ「シャンパン飲める? さっき開けちゃって」

('A`)「あぁいいよ。別に好きじゃないけどな」


ツンはシャンパングラスを二つ用意し、ボトルから注いだ。
それを手に取り、乾杯した。


('A`)「ふぅ。何かつまみないの?」

ξ ゚⊿゚)ξ「つまみはアナタの話」


ハテナ顔をした彼をツンは可笑しそうに眺めた。


ξ ゚⊿゚)ξ「アナタにはどうしても忘れたい事がある。
       だからここに来た。
       だからアナタは何かを忘れないといけない。
       何かを忘れたらアナタはここから帰れるわ」

('A`)「ふーん、よくワカンネ」


そう言いながら彼はグラスを傾けた。
気泡が弾けた。


ξ ゚⊿゚)ξ「アナタの事教えて。
       シャンパンは私が用意した。つまみはアナタが用意する。
       それだけの話よ」

('A`)「酒が美味しくなるとは思えないけどな」


彼はそう前置きして語り始めた。


('A`)「俺はドクオ。見た目で分かると思うけど、ずっと一人身さ」

ξ ゚⊿゚)ξ「見た目に中身が引きずられてるからじゃないの?」

('A`)「はは、そうかもしんねぇな。けどアイツは見た目も中身も素敵だった。
    クーは、良い女だ。
    誰が見ても良い女だと思う」


ドクオは話しに集中しようと、目を閉じる。
まぶたの裏で、過去がよみがえった。




('A`)「もうすぐクリスマスだなぁ」

川 ゚ -゚)「あぁ、そうだな」


そんな会話を交わす相手が同性ではない、というのは一般的にはどうなんだろう。
同性なら今年も大切な人が出来なかったな、と慰め合うところなのだが。
つまりドクオとクーは付き合っていない、友達止まりの関係だった。

ドクオはこんなに綺麗なクーに男がいない事が不思議で仕方なかった。
ドクオはこんなに綺麗なクーが男と一緒にいるのを見た事がなかった。
まさか同性愛者だとかそういうのかと疑って、いつか聞いた事がある。


川 ゚ -゚)「私は普通に男が好きだぞ」


これがクーの返事。
酒の勢いを借りてようやくその質問が出来たのだから、
誰が好きなんだ、とかそういう突っ込んだ質問はドクオには到底出来ようもなかった。
誰かの中に入っていくのが苦手なドクオに彼女は出来ないが、
ドクオがクーを好きな事はずっと変わらなかった。




ξ ゚⊿゚)ξ「なら好きって言っちゃいなさいよ」

('A`)「いや~無理でしょ。女は俺を恋愛対象に見ちゃくれないよ」

ξ ゚⊿゚)ξ「でもクーは違うかもしれない」

('A`)「そんな事ねぇよ」

ξ ゚⊿゚)ξ「そうじゃなくて、アナタは少なくともそういう考えを捨てきれない」

('A`)「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「きっと、クーはアナタの事が好きね」

('A`)「何でそうなるんだよ」

ξ ゚⊿゚)ξ「言葉にして確かめ合わないと不安だってのは分かる。
       けどそれは本当に相手の事を好きだって事に繋がるのかな?」

('A`)「う~ん……」


ξ ゚⊿゚)ξ「きっとクーはそれをしなくても満足出来る強い人なのよ」

('A`)「それは、そうかもしれない……」

ξ ゚⊿゚)ξ「ま、結局はアナタから動かないとアナタは満足出来ないでしょうけど」

('A`)「そう、だな……」


ツンの言葉でドクオはある事を思い出す。
今でも後悔している、彼女との一幕を。




川 ゚ -゚)「ドクオ、私は今度遊びに行くぞ」

('A`)「あ? 隣のクラスのナントカ君とか?」

川 ゚ -゚)「いや、ナントカ君は名前も覚えてないしな」

('A`)「ふぅん?」

川 ゚ -゚)「けど、どうしても行きたいところがあってな」

('A`)「ほうほう」

川 ゚ -゚)「だけど一人で行くのは何だか忍びないんだよ」

('A`)「それってどんな場所なんだよ」

川 ゚ -゚)「どこだっていいじゃないか。
     とにかく私は誰か一緒に行ってくれる人を探してるんだ」

('A`)「へぇ」

川 ゚ -゚)「……誰か一緒に行ってくれないだろうか。あぁいないだろうか」

('A`)「お~、んじゃ」

川 ゚ -゚)「行ってくれるのか?」

('A`)「誰か暇なヤツいないか探しとくわ」

川 ゚ -゚)「……」


きっとクーはドクオの事を誘っているに違いなかった。
それを分かっていながらドクオはクーを誘う事は出来なかった。
あの時クーを誘っていれば、物語は変わっていたかもしれないのだ。




('A`)「クー……」


ξ ゚⊿゚)ξ「どうするの?」

('A`)「俺、頑張ってみようかな……」

ξ ゚⊿゚)ξ「クリスマスも近いし?」

('A`)「そうだな、クリスマスも近いしな」


ハハハ、と笑ってドクオはグラスを空けた。


('A`)「何か後押ししてもらったみたいでスマンかったな」

ξ ゚⊿゚)ξ「いーえ」

('A`)「じゃあ俺、帰るよ。クーのところに」

ξ ゚⊿゚)ξ「いいえ、まだ帰れないわ」

('A`)「え……?」

ξ ゚⊿゚)ξ「アナタはまだ何も忘れていない。だからまだ帰れない」

('A`)「そうか……そういう話だったな……
    俺はクーの事を忘れたかったのかもしれない。
    けど、それはもう止めた。
    何かを忘れないといけないのなら、
    ウジウジしてた今までの自分を忘れる事にするよ」

ξ ゚⊿゚)ξ「そ。分かったわ」



【ドクオは積極的になれない自分を忘れた】



ツンは本にそう書き加え、ドクオの物語を締めくくった。


('A`)「ありがとう」

ξ ゚⊿゚)ξ「いーえ、クリスマスプレゼントだとでも思ってくれればいいよ」

('A`)「あぁ、飾り付けの邪魔したな。それじゃぁな」


昔の自分とは違う自分になったドクオは、ツンの前から姿を消した。




その次の日、ドクオはクーと会っていた。
クーと会って大切な話をクーにした。


2_20091229092406.jpg



川 ゚ -゚)「サヨナラ、ドクオ」

('A`)「そんな……クー! どうして……!!」


けれどクーはドクオに背を向け歩き出す。
クーは確かにドクオの事が好きだった。
しかしそれも最早過去形に成り下がってしまった。
ドクオにその大切な話をされた時から、もう過去形にするしかなかった。


川 ゚ -゚)(私は私の事が好きなドクオが好きだった。
     私の事が好きなくせに、
     いつまで経っても好きだと言ってくれないドクオが好きだった。
     それなのにドクオは私の事が好きだと言う。
     それではドクオではない)


変わってしまったドクオ。
それをクーは受け入れる事が出来ずに離れる事に決めた。


('A`)「クー……クー……」


恥も外見も無くクーにアプローチしたドクオは、クーを掴む事が出来なかった。
ドクオは寒空の中、たくさんの涙を流した。
しかしそれはツンには関係の無い話だった。



ξ ゚⊿゚)ξ「ふ~、でーきた」


ツンの本棚はすっかりクリスマス色に染まった。
飾り付けが完成したのだ。
この間開けて半分ほど残っているシャンパンをグラスに注ぐ。
一度開けてしまったボトルを元に戻す事は出来ない。
例えストッパーを被せておいても、抜けた気を元の状態に戻す事は出来ない。
でもそれはツンには関係の無い話だった。



二話終わり




この小説は2007年12月24日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者は暇潰し ◆ODmtHj3GLQ 氏
第三話はこちらからどうぞ



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/29 09:25 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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