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( ><)わかんないんですが謎を解きながら旅をするようです 第十四話


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ





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第十四話『北から南』

ξ ゚⊿゚)ξ「兄貴ー、朝ご飯よー」

( ,,-Д-)「むにゃむにゃ……ゴルァ……」

ξ#゚⊿゚)ξ=つ≡つ「さっきから何べん同じ事言わすのっ! さっさと起きんか!」

( ,, Д )「……ウボァー」

ギコはツンの手荒な起こし方によって、目を覚ます所か逆に深い眠りに落ちてしまいそうになった。
その後何とか最悪の事態を回避し、二人は無事に揃って朝食を取り始めたのだった。

( ,,゚Д゚)「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」

ξ ゚⊿゚)ξ「ちょっと、食べる時に音立てないでよ。
     もっとゆっくり、しっかり噛みなさいって」

( ,,゚Д゚)「飯喰ってる時間も勿体ねえんだよ!
     早くわかを迎えに行ってやんなきゃ何ねえんだ! ハフッ!!」

ξ ゚⊿゚)ξ「……ハァ」

ツンは未だに昨日見た事が信じられないでいた。
港で二人の帰りを待っていたいたその時に、兄の船が船尾をこちらに向け、逆向きに進んでいると言う不思議な現象を目の当たりにした。
そしてその直後、ギコがわかんないんですを迎えに行くと言って再び船を出そうとした事で兄妹喧嘩が勃発してしまったのであった。

ξ ゚⊿゚)ξ「もう止めてよ、折角兄貴だけでも無事で帰ってこられたのに……」

( ,,゚Д゚)「バーロー! あいつを見捨てちゃ男が廃るってんだよ! ハムッ!」


その時はすっかり日が落ちていた為、船を出すのは危険であった。
また船が逆走したようにわかんないんですにも不思議な出来事が起こって何とか助かるかもしれないとツンがギコを必死に説得した。
そのためギコは何とか出航を留まった。
しかし朝になっても戻って来なかったら絶対に迎えに行くと言って譲らないのである。

( ,,゚Д゚)「ハフハフ! 俺はここで待っているって、ハムッハムッ!
     あいつに言ったんだよ、ハフッ!」

ξ#゚⊿゚)ξ「食べながら喋るんじゃない!」

( ,,゚Д゚)「俺は絶対に行くぞ! ハムッ ハフハフハフハフハフハフハフハフ、ハフッ!!」

ξ*゚Д゚*)ξ「キメェってんだよ! コルァ!」

ツンはギコの顔面にスプーンを投げ飛ばし、そのまま居間から去っていった。
激突したスプーンの痛みを堪え額を抑えて悶絶している兄を放って、家の外へと出て行ったのであった。

ξ ゚⊿゚)ξ「あのバカ、人の話聞いてないんだから」

そして何をするでもなく、ただ玄関先でぶらぶらと歩いて時間を潰していた。

ξ ゚⊿゚)ξ(でも本当に……わかんないんです君が戻って来なかったら……)

ツンもわかんないんですの事を気にかけていない訳ではなかった。ただ、彼女の場合はそれをはっきりと表に出せないだけなのである。

ξ ゚⊿゚)ξ(わかんないんです君を死なせたのはあたしって事になっちゃうのかな……)

何よりも今回は自分自身が二人の事を信じて出航を許したのである。
もし戻って来なかったらと考えるとその責任の重大さに潰されてしまうそうになってしまうからである。

ξ  ⊿ )ξ「やっぱり止めておけば良かっ……」


ツンの不安が自分自身を飲みこもうとしていたその時、彼女の耳に一つの声が届いた。


「ツンさーん! ツンさああああああん!」


ξ  ⊿ )ξ「えっ?」

( ><)「ツンさーん!」

ξ ゚⊿゚)ξ「わかんないんです君! 戻ってきたのね!?」

自分を呼ぶその声の主は間違いなくわかんないんですであると確信し、ツンは顔を上げた。
そしてその帰りを喜ぶよりも先に、心臓が飛び出てしまいそうなほどの驚きに襲われたのであった。

ξ;゚⊿゚)ξ「……へっ?」

(;><)「ツンさんあのっ! ごめんなさいなんです!
     僕ギコさんを置いてきちゃったなんです!」

ξ;゚⊿゚)ξ「………?」

(;><)「ずっと探したんですけど、見つからなかったんです!
     本当にごめんなさいなんです!」

ξ;゚⊿゚)ξ「いやあの……」

(;><)「ちょっと休んだらまた探しに行くんです!」

ξ;゚⊿゚)ξ「あの、その、兄貴なら平気なんだけど……そんな事より……」

ツンはわかんないんですの姿に驚きながらも、誤解を解くためにギコを玄関に連れてきて安心させた。
ギコもわかんないんですを見た瞬間に顎が外れそうなほど口を大きくあけて、その驚きを表現していた。
しかし何よりもわかんないんですが無事に戻ってきてくれた事を、ただただ喜んだのであった。



( ,,゚Д゚)「で、世界樹の実は手に入れられたか?」

( ><)「はいなんです! ちゃんと貰ってきたんです!」

( ,,^Д^)「そーかそーか、そりゃあ何よりだな! ギコハハハハ!」

ξ ゚⊿゚)ξ「まったく……無事で帰ってこれたから良いものの、もうこんな無茶はよしなさいよ」

ツンはそれだけ言うとまた家の中に戻ろうとした。それを見たわかんないんですはあっさりしたその態度に寂しいものを感じた。

( ><)「ツンさん……僕が帰ってきたのにあんまり嬉しそうじゃないんです」

ξ ゚⊿゚)ξ「え?」

( ><)「ツンさんが止めたのに僕が島に行ったから、怒っているんですか?
     もしそうだったらごめんな……」

ξ ゚⊿゚)ξ「な、何言ってんの、別にそんな……」

ツンはわかんないんですの勘違いを解こうとして本当の事を言わなくてはと思った。
しかし彼女の性格がそこから先の言葉をなかなか言わせてくれないのであった。

ξ //⊿/)ξ「べっ、別にあんたの事心配してた訳じゃないんだからね!!」

ツンは顔を真っ赤にしてそう言い放つと、ぱっと駆け出して家の中に戻っていった。


( ><)「ツンさん……僕の事嫌いなんでしょうか……」

( ,,゚Д゚)「は? んな事ねえぜ」

( ><)「だって僕の事心配してないって……」

わかんないんですが本気で悩んでいるその顔を見て、ギコは思わず噴出してしまったのであった。

( ,,^Д^)「ハッハッハッ! おまえ額面通りに受け取ってんのかあれを!
      ギコハハハハハハ!」

(;><)「何で笑うんですか? 何が可笑しいんですか? わかんないんです!」

( ,,^Д^)「まあお前は無茶苦茶素直な奴みたいだからな!
      あいつの事がわからねえのも無理はねえか!」

(;><)「えっ? えっ? どう言う事なんですか?」

( ,,^Д^)「まあ長く生きてりゃそのうちわかるようになるって!」


結局わかんないんですはギコの言う事を理解できなかったが、少なくともツンが自分を嫌っているのではないと知る事は出来た。
そしてまた泊まって休んでいって欲しいと言う二人の申し出を断り、
ちんぽっぽちゃんが待っているからと言って、ハニャーン港町を後にしたのであった。

2_20091228191655.jpg




(´<_` )「聞いたか兄者。ニダーさんが脱獄したらしいぞ」

( ´_ゝ`)「フーン」

(´<_` )「反応が薄いな」

( ´_ゝ`)「あの人なら別に珍しくない気がしてきたのでな」


フーンの町の東の屋敷では、流石兄弟が他愛もない会話を交わしていた。
ちなみにニダーは川から救出された後、窃盗・食い逃げ・詐欺などの容疑で町の警察に逮捕されていたのであった。

( ´_ゝ`)「そう言えば、わかんないんです君は元気にしているんだろうかな」

(´<_` )「あの子ならきっと無事だと思うぞ」

( ´_ゝ`)「そうだな……いやそうであって欲しいな」

兄者は椅子に座ったまま大きく伸びをして体をほぐし、背もたれに寄りかかり深い溜息をついた。

( ´_ゝ`)「なあ弟者よ」

(´<_` )「どうした兄者よ」

( ´_ゝ`)「俺は臆病者なのだろうか……」

(´<_`;)「ど、どうしたんだ。急に変な事を言い出して」


( ´_ゝ`)「お前ならよーくわかっているだろう。俺は新しい何かを知ろうとする度に、
      それについての知識を集めに集めていたと言う事を」

(´<_` )「ああ……それがこの家に大量の書物がある原因なのだからな」

( ´_ゝ`)「だが知ったら知ったで満足して、俺自身がそれを実践する事はなかった」

(´<_` )「それで……一体何が言いたいのだ?」

( ´_ゝ`)「世界樹についての研究をしたいと思ったのは、
      単に今まで誰も知りえなかった物を完全に理解したいと思ったからだ。
      そして完璧な理解の為に、実際に実物を見てみなければ判らない事もあるだろう。
      だが俺はそう言った直接的な手段を避け、
      文献や伝承を調査するなど関節的な方法を選んだ」

(´<_` )「しかし兄者、元々は実在するかどうかも判らない物を対象にしていたのだ。
      実物を調査すると言う方法を採らなかったとしても何も可笑しくないではないか」

( ´_ゝ`)「最初は確かにそうだっただろう。
      だが調査が進んで対象が実在していると判明するに連れて、
      実物を調査すると言う選択肢は確実に増えていた」

(´<_` )「まあ待て、実物を調査すると言っても、
      どんな危険があるかも判らないのに迂闊に現地へ向かうのは無謀だろう。
      しっかり情報を集めて充分に対策が取れるようになるまでは、
      安全な方法を採るのが一番だと思うぞ」

弟者は空気を読み取り、兄者が自らを徹底的に非難しようとしていると悟った。
何とかして上手く治めようとしたのだが、兄者の話は止まらなかった。


( ´_ゝ`)「相手はあの世界樹だぞ? 調査しても判らない事などいくらでもあるではないか。
      充分な対策など元より期待は出来ない。
      俺はただ臆病で、わかんないんです君のように……」



その時、玄関の呼び鈴を鳴らす音が一階から響いてきたのだった。

( ´_ゝ`)「ん? 誰だろうか」

(´<_` )「まさかニダーさんがここに逃げてきたんじゃあるまいな……」

( ´_ゝ`)「実際にありそうだから困る」

二人は揃って玄関へと向かった。万が一ニダーが訪ねてきた場合に備え、それぞれお玉と鍋を片手に持って迎える事にした。
そしてドアの前へ来た所で、来訪者を確認する為に相手に声をかけた。


(´<_` )「はい、どちら様でしょうか?」

「あの、僕なんです! あっ、間違えたんです、わかんないんです!」

( ´_ゝ`)「おお! わかんないんです君か!」

二人はほっとして武器を構えていた腕を下ろした。兄者は鍵を外して、わかんないんですを迎える為にドアを大きく開けた。


( ><)「兄者さん、弟者さん、お久しぶりなんです!」


次の瞬間、兄弟はそれぞれの武器を取り落としてしまい、玄関先で派手な音を立ててしまったのであった。


(;><)「キャーッ! 吃驚したんです!」

(;´_ゝ`)「いやその……すまなかった……ところで君……」

(´<_`;)「そ、その、前会った時より増えているな、荷物が」


わかんないんですは二人に案内されて客間へ通され、そして手厚いもてなしを受けたのであった。

( ´_ゝ`)「長旅で疲れただろう。ゆっくりしていってくれ」

( ><)「ありがとうございますなんです。でも僕急がなくちゃいけないんです」

(´<_` )「なに、今の君ならそう急がなくてもずっと早く帰れるだろう。
      それに少しくらい休まないと体がもたないぞ」

( ´_ゝ`)「ああ、所で鞄のあれは一体どうしたんだ?」

( ><)「世界樹さんが早く帰れるようにって、僕にくれたんです」

わかんないんですの何気ない一言から、二人はある重大な情報を読み取っていた。

(;´_ゝ`)「なんと……! 世界樹が『くれた』だと?!?」


「くれた」と言う言葉は「あげた」と言う動詞と対になるものである。
「くれた」と言う言葉を使うには、ものを「あげた」者がいなければならない。
そして「あげる」と言う行為はその動作を行うものが動かなければ、
いや物理的に動かなくとも「譲渡する」と言う意思を示さなければ成立しない。
二人は世界樹の方からわかんないんですに何らかの働きかけがあったのではと言う事を推測していたのだ。


(´<_`;)「そ、それはどう言う意味なのだ!? 比喩的なものなのか!?」

( ><)「えーと、僕が世界樹の島から出ようとした時にですね……」

(;´_ゝ`)「……あっ、いや待ってくれ!」

わかんないんですが説明を始めようとした時、兄者がバッと手を伸ばしてその顔の前に手の平を突きつけた。

(;><)「キャッ! 何をするんですか!?」

わかんないんですは驚いて体を固まらせ、話を止めてしまった。

( ´_ゝ`)「その話は、俺達には聞かせないでくれないか?」

(;><)「えっ? 聞きたくないんですか?」

(´<_`;)「おい兄者! 何を言っているか判っているのか?」

( ´_ゝ`)「勿論だ弟者よ」

(´<_`;)「貴重な話を聞ける機会なのだぞ? 俺たちの研究にだって大いに役立……」

うろたえる弟者に対して、兄者は首を小さく横に振って意思を示した。

( ´_ゝ`)「自ら知る努力をしようとしようとしていないのに結果だけを知る。
      俺たちは今それをしようとしていないか?」

(´<_`;)「………ああ……そうか」

( ´_ゝ`)「ここでわかんないんです君に話を訊くのは容易い。
      だがそれ俺達が最も嫌っている事だ」


二人はそっくりな顔を見合わせて、そして同じタイミングで揃ってうなずいた。

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(´<_` )「世界樹の全ては、自分達の手で解き明かしてみせる。だからそれまでは、
      その話を聞かせないでくれ」

( ><)「わかんな……わかったんです!」

わかんないんですは二人の決意を受け止め、深くうなずいて見せた。

( ´_ゝ`)「いつか俺も君のように、勇気を出して進んで見せるさ」

(* ><)「ゆ、勇気とか、僕そんなもの出してなんかないんです!」

わかんないんですは恥ずかしさと照れくささで顔を真っ赤にしていた。

(* ><)「ぼ、僕はただ……」


その日わかんないんですは屋敷に一泊した。
しかし寝静まった頃、町で何か騒ぎがあったらしく外から人々の声が聞こえて来てしばらくの間眠りを邪魔されてしまった。
やがて1時間程たった頃に騒ぎは収まり、また静けさが戻ってきた。
一体何があったのだろうと気にはなったが、わかんないんですはそれよりも明日に備えて再び眠りについた。

そして翌朝には町を出て更に南へ向かって進んでいったのであった。

尚、兄弟が後で町の人々の昨日の騒ぎについて訊いた所、とある脱獄犯をめぐる捕り物があったのだと知る事が出来たのだった。




('A`)「ありがとうござーっしたー」

モテナイ村の自転車屋毒男では、ただ一人の従業員が自転車の修理を終えて客を見送っていた。

('A`)「あー、暇だしそろそろ飯も食うかなー」

そう呟いてドクオは店の奥へ戻り、入り口に掲げる「休憩中」の札を探し始めた。
そしていつも工具を入れている棚の引出しから取り出すと、書かれている文字が薄くなって少々読みづらくなっている事に気が付いた。

('A`)「んー、書き直した方が良さそうだな。えーとインクインク」

そして更に奥の生活用の部屋へ戻り、札を書き直す為のインクを探し始めた。
散らかっている部屋の隅に置かれている机をごそごそを漁り、引出しの奥に仕舞ってあった黒インクを取り出した。

('A`)「おーあったあった。えーと……」

次にペン立てに入っている筆記具を取ろうとした時、ふと引出しから2枚の紙を見つけたのだった。

('A`)「ああ、こっちに仕舞ったんだったっけ……」

それは以前は父の残した自転車の荷台に入れられていた、鍵のありかを示した暗号が書かれた紙であった。
それと重ねられて、父の手紙もまた一緒にに仕舞われていた。

('A`)「あいつに会ってからかなり経つな……」

ドクオは倉庫から自転車がなくなった日の事を思い出していた。


('A`)「そー言えばあいつ、世界樹見つけられたんかな……」

ドクオは独り言を呟きつつ、薄くなっている札の「休憩中」の文字の上にインクを塗り重ねて読みやすいように直した。
インクが早く乾くようにと口をすぼめて息を吹きかけつつ、それを持って店先へと歩いていった。
まだ生乾きの札を入り口にかけようとした、その時の事であった。

「ドクオさーん! ドクオさーん!」

('A`)「ん?」

( ><)「ドクオさん!」

('A`)「うおおい! 噂をすれば何とやらかよ」

ドクオは正に丁度思い出していた人物の声を聞き、声のする方へと振り返った。

( ><)「約束通り自転車を返しにきたんです!」

ドクオは手を滑らせ、入り口のドアの取っ手に引っ掛ける筈だった札を地面に落としてしまった。
文字が書いてある面が下を向いて落ちなかった事に安堵する余裕すらなく、やる気のない目を見開いて驚きの表情を作っていた。

(゚A゚)「……マジかよ…………」

(;><)「キャーッ! ドクオさんの顔凄い事になっているんです!」

(゚A゚)「いやお前の方こそ色々凄い事になってんじゃねえか……」


丁度ドクオが昼食を食べようとしていたタイミングで再会したので、二人はドクオの部屋で昼食を摂る事にした。

(;><)「相変わらずドクオさんのお部屋汚いんです……」

('A`)「いいだろ、俺の部屋なんだから俺の勝手で」

(;><)「でもあんまり汚いと虫さんが出てきちゃうんです。片付けた方がいいんです」

('A`)「どうでも良いよ。どうせ中のもん全部出してスッキリさせるつもりだし」

ドクオはそこで一息ついてサンドイッチを一口かじり始めた。

( ><)「あっ、大掃除をするんですね? お部屋新しくするんですね」

('A`)「ハムッ! ひげーほ、ハフハフッ! ほえははびにへうんだよ。ハフッ!」

(;><)「飲み込んでから喋ってくださいなんです!」

ドクオは言われた通りにサンドイッチをしっかり噛んで飲み込み、わかんないんですはそれが終るのを待っていた。

('A`)「……ハフッ! 俺旅に出るから店の中のもん整理しておこうと思っててよ」

( ><)「え? 旅ってどこか旅行に行くんですか?」

('A`)「んー違う違う。ちょっくら嫁探しの旅にな」

( ><)「え、それってまさか……」

わかんないんですはドクオと初めて会った日の事を、自転車の鎖を外した時の事を思い出した。
その時に荷台の中から見つけたドクオの父からの手紙には、自分がモテナイ村での生活を止めて旅に出たと言う事が書かれていた。


( ><)「ドクオさんもお父さんと同じようにするんですね」

('A`)「いやさ、だって親父か出来たのに俺が出来ないってなんか悔しくなんね?」

(;><)「うーん、僕にはよくわかんないんです……」

('A`)「んまあとにかく、こことはしばらくお別れって事よ」

ドクオがどのくらいの年月をここで過ごした来たのかは知らなかったが、
この部屋の散らかし方や汚れ具合は一朝一夕で出来るものでなく、長い時間をかけてきたのだろうと言う事を推察できた。
同時に長年散らかし続けてきたこの部屋をなんとかしようとしたら、一体どれだけの苦労を伴うのだろうと言う事にも考えが及んだ。

( ><)「でもこの部屋をスッキリさせるとなると、大変そうですね」

('A`)「だろーなー……正直マンドクセ……
    本当だったら一生ここでだらだらしててぇくらいだよ」

( ><)「でもドクオさんが自分で決めた事なんです。ちゃんとやらなきゃ駄目なんです」

ドクオはその言葉にはすぐ返事をせず、手に持っていたサンドイッチを黙々と食べ続けた。
時々わかんないんですの方をちらちらと見つつ、どこか遠くの方へ視線を向けて何かを考えているようであった。
そしてパンを全て胃に収めきった時にふうと大きな溜息をついていた。

('A`)「はあああ……お前が鎖外さなきゃこんな事になんなかったのによお……」

( ><)「えっ?」


('A`)「だってダリーしよー、危ねーしよー、安定した生活のがいいしよー、
    どうせ俺と結婚してくれるなんて奴いる訳ねーしよー」

(;><)「え……あの……なんかものすごくやる気なさそうなんです……」

('A`)「だってまさかお前が本当に外すなんて思わなかったしよー、
    自転車やるって言ったのにマジで返しに来るしよー」

(;><)「僕がいけないんですか? 僕が悪いんですか?」

('A`)「お前がいなかったら、俺は今もだらだらやっていられたのによー」

(;><)「え、えっと、ごめんなさいなんで……」


わかんないんですはドクオが突然文句を垂れ始めた事に驚いた。
何よりだもるそうな声で淡々と述べられる愚痴がじわじわと心に刺さってくるのである。
冷静に聞いていればドクオの愚痴が的外れで、単に本人のだらけた性格に起因するものだと言う事がすぐに判るであろう。
しかし気弱なわかんないんですはそれに反論する事も出来ず、ドクオの主張を額面通りに受け取る事しか出来ないでいた。


('A`)「…………」

その余りにおどおどした態度を目にして、ドクオは思わず笑い声を上げてしまった。

('∀`)「……ははははははは」

(;><)「なっ、何なんですか!?」

('∀`)「いやお前って本当にいい奴だな。はははは」

だるそうな愚痴と力の無い笑い声と、両方を一編に聞いたわかんないんですは混乱して仕舞っていた。

(;><)「え、えーっと、ドクオさんは僕の事怒っているんですか?
     そうじゃないんですか? わかんないんです!」

('A`)「んー、それくらい自分で考えろよ」

(;><)「それは余計に困るんです!」

('A`)「んーそうだな、まあ俺が言いたいのは」

ドクオはわかんないんですの肩をぽんと叩き、笑顔を浮かべてこう言った。


('∀`)「ありがとうって事だけだよ」

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(;><)「???」

('A`)「あ、そう言えばお前あの鞄のでここまで来たんだよな?
    自転車はどうやって運んだんだ?」

(;><)「え、あ、それはロープで縛ってですね……」


それからわかんないんですは昼食を済ませた後、すぐにモテナイ村を出発した。
ドクオが自分の事をどう思っているのかは一応わかったようであったが、それでもまだ何かが引っかかっているようであった。

( ><)「怒ってないんなら何で文句を言ったんですか? わかんないんです!」




( ^Д^)「お会計 1400ウーピールーピーになりまーす」

川 ゚ -゚)「ふむ……」

クーはスナオの町の本屋で買い物をしていた。購入したのは世界樹を題材としている童話数冊であった。
店員が本に紙のカバーをかけようとしているのを見て、クーはさっと声をかけてそれを止めた。

川 ゚ -゚)「あ、カバーはかけなくて良い」

( ^Д^)「はいはーいっと……なんか世界樹の本ばかり買ってますけど、
     世界樹のお客さんこういうの好きなんですか?」

川 ゚ -゚)「好きと言うか……最近興味を持ち初めてな」

( ^Д^)「なんかこの間来た変な客思い出しちまいましたよwwww
     世界樹を探しているとか言うガキでしてさあwww」

川 ゚ -゚)「……ほう」

クーは話に相槌を打ちながら、会計金額ぴったりの代金を財布から取り出して差し出した。

( ^Д^)「んでこの町にも世界樹を見つけたとか言ってる頭の可笑しいじーさんがいるんでwww
     そいつの所に行くように教えましたよwwww
     あのガキじーさんと仲良くアホ話でもしたんだろーなwwww」

川 ゚ -゚)「祖父は既に亡くなっているから、それは叶わなかったがな」

(;^Д^)「……え?」

店員は商品を渡そうとする思わず手を止めてしまった。
クーは店員の手から黙って本を掴み取ると、それをバッグに収めてそのまま店を出て行こうとした。


(;^Д^)「お、お客さん……」

いくら無礼千万なこの店員であっても、人としてのギリギリ最低の感情は持っていた。
何処までが笑ってよくて、どれを笑ってはいけないのか。
そもそも人を指さして笑うと言う行為自体が道徳に背くものであるが、彼なりの線引きは決められていた。
そして死んだ人間をその関係者の前で馬鹿にすると言う事は、彼の引いた線から外に出ていたのであった。

(;^Д^)「ま、待って!」

死の事実を知らなかったとは言え、それを孫であるクーの前で堂々と言ってしまったのである。
店員はクーが何も言わずに黙って去っていった事に恐怖と罪悪を覚えて、思わずその後を追いかけた。

(;^Д^)「お、俺本当にじーさんの事知らなく……」

クーが店の外へ出た時、店員も一緒に外へと飛び出した。丁度その時、二人が以前に聞いた事のある声が聞こえてきたのであった。


「あっ、クーさん! こんな所にいたんですか!」


川 ゚ -゚)「おお、戻ってきたのだな」

( ^Д^)「おっ、これはあのアホガキの声wwww」

本屋の前に現れたわかんないんですの姿を見た瞬間、店員は驚きの余り顔が青ざめてしまった。

(lli^Д^)「な……そんなバカな……」

川 ゚ -゚)「久しぶりだな。元気そうで何よりだ」

( ><)「はいなんです! クーさんもお元気そうで良かったんです」


m9(li^Д^ )「こんな事ある訳………プギャー……」


店員はわかんないんですを指さしながら、引きつった表情を保ったままその場に倒れてしまった。

(;><)「あっ! しっかりしてくださいなんです!」

川 ゚ -゚)「わかんないんです君、これから私の家へ来ないか?」

( ><)「あ、はいなんです。でもこの人が……」

川 ゚ -゚)「ただ気絶しているだけだ。暫くすれば目が覚めるだろう」

クーは倒れている店員を無視し、わかんないんですの手を引いて家まで連れていったのであった。

(;><)「お店の人ごめんなさいなんです……」



そして初めて会った日と同じように、クーはわかんないんですを綺麗で豪華な応接室へと案内した。
わかんないんですの方も、あの時と同じように緊張して少し身構えてしまっていた。

(;><)「い、いつ来ても凄い所なんです……」

川 ゚ -゚)「どうした? 飲み物はいらないのか?」

(;><)「い、いただくんです」

わかんないんですは震える手でカップを取り、そっと紅茶を飲み始めた。


川 ゚ -゚)「さて、早速質問だが、君は世界樹の島へ辿り着く事は出来たのか?」

クーの言葉を聞いたわかんないんですは質問に答える為にカップを口から離し、ソーサーの上に置いた。

( ><)「はいなんです。ちゃんと行く事が出来たんです!」

川 ゚ -゚)「……それは良かったな」

( ><)「とっても大変だったんです。山の中で迷いそうになったり、
     物凄い海の中に巻き込まれそうになったりしたんです」

川 ゚ -゚)「そうか……」

クーはその話を聴くと軽く首を振ってうなずいた。

川 ゚ -゚)「そしてまたここへやってきたと言う事は、
     君は私との約束を果たしに来てくれたのだな」

( ><)「そうですそうです! クーさんにこれを返すんです」

わかんないんですは鞄の中から一枚の紙を取り出し、クーへと手渡した。
それはわかんないんですがクーから借りていた世界樹の地図であった。

( ><)「僕が世界樹まで辿り着けたのも、この地図のお陰なんです。
     クーさん本当にありがとうございますなんです」

川 ゚ -゚)「いやいや、礼には及ばないさ。それにそんな事を言われるよりも……」

クーの口元が僅かに緩み、上品な微笑みを作り出した。

川 ゚ ー゚)「私は君が戻ってきた事の方が何よりも嬉しい」


それからクーはまたすぐに表情を戻し、淡々とした口調でこう言った。

川 ゚ -゚)「さて、用も終った事だろうし、早く行くといい」

( ><)「え、でも、今来たばかりなんで……」

川 ゚ -゚)「何を言っている、君は友達を助ける為に旅をしたのだろう?
     ここで時間を潰してどうする」

(;><)「た、確かにそうなんです……でもちょっと急ぎすぎなんで……」

川 ゚ -゚)「さあ急ぐのだ。ほら鞄を背負え」


クーは先に椅子から立ち上がるとすぐさまわかんないんですの背後に回り、椅子を引いて立ち上がらせた。
そして床に置いていたかばんを持ち上げると、それを背中に押し付けた。
それからわかんないんですはクーに急かされながら玄関へ向ったのだった。

(;><)「え、えっとそれじゃあ、僕は行くんです。お邪魔しましたなんです」

川 ゚ -゚)「ああ、元気でな」

玄関のドアをくぐって外へ出て、数歩ほど歩いた所で一度立ち止まり、振り返って手を振った。


( ><)ノシ「さようならなんですー。またいつか遊びに行くんで……」

川#゚ -゚)「良いからさっさと行けっ!」

(;><)「はっ、はいいいいいい!」


わかんないんですは物凄いスピードでその場から離れ、遥かかなたへと去っていった。

5_20091228191655.jpg


それを見届けたクーは黙って玄関のドアを閉め、応接室へと戻ってった。


川 ゚ -゚)「まったく……」

そして独り言を呟きながらカップを片付け始めた。


川 ゚ -゚)「友の為に一途になっているわかんないんです君だからこそ、私は惹かれたのだぞ」

わかんないんですの使ったカップの中を見て見るとまだ飲みかけの紅茶が少し残っていた。
カップ一杯の紅茶の量はそれほど多くは無いのだが、飲みきる暇も無い程に急がされたのだから仕方がなかったのだろう。


川 ゚ -゚)「だからこそ最後までそれを貫け。余計なものには構わずに」

クーはそのカップを台所へ持っていくと、流しでそれをひっくり返して中身を捨てた。
それからまたカップを返して中を覗いたみた所、流れ切らなかった紅茶の葉がカップのそこにへばりついているのが見えた。
ぱっと見てそれは、星の形をしている様に見えた。


川 ゚ ー゚)「……それがあの子の良いところなのだがな」



第十四話 終





この小説は2007年3月02日から2007年3月12日にかけてニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:+ljZgzzb0 氏(初期ID)

最終話はこちらへどうぞ

記事元は内藤エスカルゴさんになります




ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/28 19:19 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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