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( ><)わかんないんですが謎を解きながら旅をするようです 第十三話


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




第十三話 『世界樹の島/謎解き編』
  _
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい! おっぱい!」

(;><)「ああんもう……うるさいんです!」

わかんないんですは世界樹を目覚めさせる呪文を知る為に、石板に刻まれている暗号を解こうと必死に考えていた。
しかし傍で番人が大きな声で叫び続けているため、そのやかましさで集中する事が出来なくなっているのであった。

(;><)「番人さん、ヒントはわかってますから静かにしてくださいなんです!」
  _
( ゚∀゚)「いかなる時もおっぱいへの愛は絶やさない! それが俺のジャスティス!」

(;><)「じゃすてぃすって何なんですか? わかんないんです!」
  _
(# ゚∀゚)「とにかく! 何があろうとおっぱいを妨げるものは容赦しない!」

(;><)「ううっ……よくわかんないんですけど怖いんです……」

わかんないんですは仕方なくその場から離れる事にした。
落ち着いて考える為には、番人の声の聞こえなくなる所へ行くしかなかったのであった。

 (((((( ><)「遠くに行くしかないんです……」


  _
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい! おっぱい!」


      (((((( ><)

  _
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい! おっぱい!」


               (((((( ><)

  _
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい! おっぱい!」


                      (((((( ><)

  _
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい! おっぱい!」


                            (((((( ><)

  _
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい! おっぱい!」


                                (><;)「まだうるさいんです!」




しかし大きな大きな番人の声も、少しずつではあるが遠ざかっていくに連れて小さくなっていった。

( ><)「ふう、少しうるさくなくなったんです」

  _
( ゚∀゚)o彡゜「……ぱい! お……ぱい!」


( ><)「でもまだちょっと聞こえるんです」

  _
( ゚∀゚)o彡゜「……ぱい! ……ぱい!」


( ><)「番人さんの言っている言葉が切れて聞こえるんです」

  _
( ゚∀゚)o彡゜「……ぱい!」


( ><)「…………ぱい?」

番人からかなり離れたため、声が途切れ途切れになって番人がずっと叫んでいる単語の一部のみが聞こえるようになっていた。
そして切り取られた言葉の一部を聞いた瞬間、わかんないんですの頭の中に一気に閃きが迫ってきたのであった。

( ><)「もしかして……と言う事は……なんです!」


わかんないんですは突然駆け出して、再び石板の前へと戻って行った。
元の場所に近付くに連れて番人の叫び声もまた大きく聞こえるようになってきたが、それを気にしているどころではなかった。
  _
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱ………ん? どうしたんだまた?
        おっぱいを邪魔しに来たんじゃないだろうな」

( ><)「違うんです。もしかしたら答えがわかったかもしれないんです!」
 _
(;゚∀゚)「ちょ、マジかよ!」

わかんないんですは石板の前に立つと何かを小声でぶつぶつと呟いたり、
指を折って数えるような仕草をしたり、石板の文字を指差したりしていた。
そして未だ驚きが収まらぬ番人の方を向くと、こう宣言したのであった。

( ><)「呪文がわかったんです!」
 _
(;゚∀゚)「……そ、そうか」

番人は手で汗を拭い、顔をぶんぶんと横に振って気分を落ち着かせた。そして改めてわかんないんですを見てこう言った。
  _
( ゚∀゚)「よし、それじゃあ唱えてみな!」

( ><)「はいなんです!」

わかんないんですは世界樹の方を向いて、深く行きを吸い込んで大きな声を出す準備をした。



1_20091228191340.jpg



 ( <●><●>)  これで私の解説も最後です……
  (U      )つ
    u  u



あらそいの無い世界
らいせでまた会おう
あなたもいつの日か
とけいの針を止めて
しろいかべを向いて
愛に祈りをささげる
みはてぬ夢を見よう
信じれば必ず叶うよ



( <●><●>)
これが前回出された問題 この中から8文字の言葉を抜き出すのでしたね


    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡  おっぱい!おっぱい!
  (  ⊂彡
   |   |
   し ⌒J


こちらは番人がヒントとして叫んでいた言葉



『彼の者の叫びは限りなき一文字である』


これが鍵の出したヒントでした



( <●><●>)
さてまずは番人の言う「おっぱい! おっぱい!」と言う言葉が何を意味しているのかを知らなければなりません
私の鍵の出したヒント『彼の者の叫び』はそれを指していて、これをどう解釈する為のカギになっているようですが……
『限りなき一文字』とは一体何なのでしょうか

皆さんは限りないものといえば何を思い浮かべますか?


もしかしたら……というか高確率でいたのではありませんか?

中学生のころ、溢れる好奇心と性への目覚めと、若さゆえのエネルギーとノリに駆られていたその頃に
習ったばかりの「限りないもの」を表す「記号」を女子生徒のいる場所で連呼した男子生徒が………
その言葉の響きがあるものを連想させるからと面白がって、それこそ番人のように……


( <●><●>)
限りなきもの、それは即ち「円周率」 そして円周率を表す一文字といえば「π」(パイ)

つまり番人の叫びは「π」を示していたのです



( <●><●>)え? ただの駄洒落の上に品位が無い?                  ウボァー



( <●><●>)
それでは「π」をどのように使えば謎が解けるのかを考えてみましょう

石板に書かれた文章は全部で8行です そして一行に一文字ずつ呪文が隠されていると判明しています
一行はそれぞれ9文字ずつです この中からいかに正しい一文字を特定すれば良いのでしょうか?

9文字の中から一文字を特定する これだけではとても判りませんね
しかし例えば「何番目の文字が正しい文字なのか」と言う事が判れば、解く事が出来ますよね?
その為には「何番目」を表す数字が必要な訳ですが……数字ならあるじゃありませんか?


π = 3.1415926……


( <●><●>)
円周率の最初の8桁をそれぞれの行に当て決めてみましょう


3 あらそいの無い世界
1 らいせでまた会おう
4 あなたもいつの日か
1 とけいの針を止めて
5 しろいかべを向いて
9 愛に祈りをささげる
2 みはてぬ夢を見よう
6 信じれば必ず叶うよ


そしてその数字に対応する個所にある文字を、即ち一行目ならば3番目にある文字を抜き出します
それを繋げて読んでみると……






( ><)「『空も飛べるはず』! なんです!」



わかんないんですがそう叫んだ瞬間、目の前の石版が地面に沈んで消えていった。
同時にその姿を見る事が出来るようになった世界樹を覆っていた白い光が、とても強く輝き始めたのだった。

(;><)「な、何が起こるんですか!?」
  _
( ゚∀゚)「おおっ、ついに目覚めるぞ……」

ますます光は強くなって行き、更に世界樹の表面をゆらゆらと動いてある一本の枝に向かって集まっていった。
光が集まった枝の真ん中あたりを見てみれば、そこには大きな大きなつぼみがどんどんと育って膨らんでいるのであった。

( ><)「お花が咲くんですか? でも僕が欲しいのは実なんです」
  _
( ゚∀゚)「まあ見てろって、これからだよ」

やがてつぼみは通常では考えられない程に成長し、わかんないですと同じくらいの大きさになっていた。
そして成長が止まり、ぴたりを動きを止めたかと思った次の瞬間、一気に開花したのであった。

( ><)「あっ! 咲いたんで……」

そこまで言いかけた所でわかんないんですは声は止まってしまった。余りの驚きに、一瞬声が出なくなってしまったのである。

(;><)「え、ええええええええ!? なんです!」


緑のつぼみが割れて開いていくと同時に、その内側に封じられていた白い花弁が隙間から姿を現していった。
そしてつぼみが開ききると、見事に花が咲いたのである。
しかしその花弁は通常の対称的な整った形と比べると、かなりいびつで不均等なものであった。
そして普通であればまず見られる事のない立体的な形をしていた。

更に花弁は枝から千切れて離れると、わかんないんですの前に舞い降りてきて、こう挨拶をしたのであった。



      ,-‐-.、         _.,-‐-、
     /    `` ‐。 /⌒ヽ_´     \
   // ⊂二二二( ^ω^)二⊃ ヽゝ \   「おいすー」
  / (/(/(ソソノ(/ /   ノ へ/ゝソソヽ\,\
 (/(/丿`' ⌒   ( ヽノ       .⌒''ヽ)\.)
            ノ>ノ
            レレ



(;><)「ブ、ブーンさん!?」

そこに現れたのは間違いなくわかんないんですが二度も出会い二度も助けられたブーンと言う名の男であった。
背中に大きな羽が生えてはいたが、ブーンの体型や顔や声は記憶に残されている情報と一致しており、同一人物である事は確実だった。

( ^ω^)「おっおっお久しぶりだお!」

(;><)「お久しぶりって、昨日会ったばっかりなんです………
     じゃなくて、これは一体どう言う事なんですか!?」

突然の出来事にうろたえているわかんないんですとは対照的に、ブーンは笑顔を崩す事無くその質問に答えた。

( ^ω^)「んーと、まあ簡単に言うと僕は世界樹なんだお」


ブーンの説明は本人の宣言通り非常に簡素すぎていて、わかんないんですが知りたい事を全て説明してはいなかった。

(;><)「簡単に言いすぎててわかんないんです!」

ブーンはその後ろに見える世界樹を指でさして示した。

( ^ω^)「あの樹が僕の本体だお。僕はその一部分だお」

(;><)「樹……なんですか? じゃあ今ブーンさんが喋っているのは、
     世界樹が喋っているんですか?」

( ^ω^)「そうだお。お喋りだけじゃなくて君たちみたいに色んな事を
      見たり聴いたり考えたりしているんだお」

それは驚くべき事実であった。
植物も生き物であり、人間と同じように養分を吸収し成長し死んで行くと言う事は、知識としてまた経験として知ってはいた。
しかしそれが人間と同じく思考したり感情を持ったりすると言う事があるなど、誰も思ってはいないだろう。
世界樹が人地を超えた存在だと言う事は判っていても、その本質が植物であると考えてしまうと、
意思を持つと言う事に違和感を覚えても仕方が無い事であろう。

( ^ω^)「でもお喋りがしたくても、声を出す器官が無い樹の姿ではそれは出来ないお」
  _
( ゚∀゚)「だから人間の形をした花を咲かせて、それを操って声を出すって訳さ」

(# ^ω^)「人が説明している時に勝手に横から入るなお」
  _
( ゚∀゚)「更に、花を本体から切り離す事で世界中何処へでも飛んでいって、
     世界中の様子を見て回るって事もできるんだぜ」

(# ^ω^)「僕の言う事を先に言うなお!」


それから台詞を取ったのとらないだのと言う事でブーンと番人は言い争って騒ぎ始めた。
  _
( ゚∀゚)「いいだろ少しくらい! 折角の喋り相手なんだしよ!」

(# ^ω^)「僕だってそれは同じだお!」

ブーンの正体を知ったわかんないんですには、まだ判らない事がたくさんあった。
それを知るためにはこの二人に質問しなければならなかったのだが、今はとても話し掛け辛い雰囲気になっているのであった。

(;><)「あ、あのう……」

(# ^ω^)「なにおー! このおっぱい星人があああ」

(;><)「ちょ、ちょっと聞きたいんですけど……」

( ^ω^)「ん? なんだお?」

(;><)「ブーンさん……いやあの、世界樹さんは、
     ギコさんのお友達のブーンさんって言う人を知っていますか?」

わかんないんですが疑問に思っている事の一つは、10年前になくなったと言うギコの友人ブーンと、
その人物を同じ姿をしている世界樹の花との関係であった。
そう質問した瞬間、ブーンの表情が変化し、一緒に騒いでいた番人も一瞬にして文句を言うのを止めて静かになったのだった。

( ><)「あっ、ギコさんというのは昔この島に来た事があると言っていた人なんで……」


( ^ω^)「……もう10年も前の事になるお」

二人が静かになったのは、質問の内容が理解できなくて混乱してしまった為だと思ったわかんないんですは、すぐに説明を加えようとした。
しかしそれを言い切る前にブーンはゆっくりと話し始めていた。


( ^ω^)「あの日も僕は眠っている途中だったけど、
      突然結界の一部が破られる感じがして少しだけ目を覚ましたんだお。
      どうして結界が破れたのかは今でも良くわかんないんだお。
      多分何か強い力のあるものを持っていたからだと思うお」

( ><)「あっ、それって……」

ブーンの言う『強い力のあるもの』が何なのか、わかんないんですには心当たりがあった。
それはおそらくギコ達が漁に出る前に守り神の加護をかけたというバケツの事だろうと推測した。
その事を説明しようかとも思ったが、その前に番人が割り込んで話を続けた。
  _
( ゚∀゚)「んで、俺がちょっくら浜まで様子を見に行ったら、
     二人の少年が倒れていたんだよ。その内の一人がブーンって名前の奴だったんだ」

今のブーンは番人の横入りに怒る様子は見せず、説明を任せているようであった。
  _
( ゚∀゚)「そいつは気絶していたもう一人の奴を……
     ギコって奴を担いで、世界樹の前までやってきてこう言ったんだ。
     『ギコが息をしていないお、助けてくださいお』ってな」

(;><)「ええっ!? じゃあギコさんは死んじゃっていたんですか?」
  _
( ゚∀゚)「いや、ギリギリ生きていたよ。だけど凄え危ない状態で、
     早く何とかしてやんねえと本当に死んじまうってとこだったんだ」

( ^ω^)「でも……」

ブーンの声からは力が抜けているように聞こえた。

( ^ω^)「その時の僕は一番眠りの深い時期で、力を殆ど出せない状態だったんだお。
      とてもじゃないけど、ギコ君を助ける事なんて出来なかったお」

しかしその事は、わかんないんが知っているある事実と大きく矛盾しているのであった。


( ><)「でも、ギコさんは今生きているんです。
     僕ギコさんにここまで連れてきて貰ったんです」

もしもブーンが……世界樹がギコを助けられなかったというのなら、今こうしてわかんないんですが話を聴く事も出来ない筈である。

( ´ω`)「今思えば……あんな事言うんじゃなかったんだお……」
 _
(;゚∀゚)「おい落ち着け、言ってようがいまいがどの道上手くはいかなかったんだよ」

(;><)「ど、どうしたんですか? 何があったんですか?」

ブーンの表情は明らかに元気がなく、そして喋り方もしぼんでいた。そんなブーンをフォローするように番人がその続きを話し始めた。
 _
(;゚∀゚)「そ、それでな。ブーンがどうしてもギコを助けたいって言うからよ、
     世界樹が一つ提案したんだよ」

( ><)「ていあん? どんな事を言ったんですか?」
 _
(;゚∀゚)「それは……それはな………」



『君の命の力を分け与えれば、友人は息を吹き返す』


( ´ω`)「……僕はそう言ったんだお」


わかんないんですに提案の内容を教えたのは、かつてその言葉を口にした本人であった。


( ><)「えっ……それってどう言う事なんですか? わかんないんです!」

( ´ω`)「ギコ君の命の力は尽きかけていて、
      このままでは全ての力を使い果たして死んでしまうところだったお。
      もしも僕が眠っていなかったら、命の力を作り出してそれを
      ギコ君に与える事が出来たお」
  _
( ゚∀゚)「しかしあん時は余分な力を作り出す事は出来なかった。
     もしもギコに力を与えたいなら、それは別の所から持ってくるしかなかった」

( ´ω`)「持って来られる所は一つ、
      その場にいたただ一人の生きた人間であるブーン君だけだったんだお」
  _
( ゚∀゚)「ああ………」

( ><)「それで、ブーンさんは……?」

本当は質問しなくても、わかんないんですにはこの話の結末がわかっていた。
今世界樹から聞いた話と、昨日と今日にギコから聞いた話。それ以前にハニャーン港でギコに出会った事。
それらをあわせて考えれば、ブーンが友人を助ける為に自らの命を犠牲にするという選択をしたと言う事は、簡単に推測する事が出来た。

( ´ω`)「この日の僕は、ブーンの命の力をギコ君に移すくらいの事なら出来たお。
      ブーン君は……ギコ君の為に……」

( ><)「そ、それで、助かった後にギコさんを港に帰してあげたんですね?」
  _
( ゚∀゚)「おう、俺が運んでいってな」

わかんないんですはブーンが非常に暗い顔をしていて、話の一番重い部分を話すのを躊躇ってる事に気がついた。
そこで肝心な部分を飛ばして、その先へと一気に話を飛ばしたのであった。

( ´ω`)「いつも思うんだお……もしもこの日僕が力を使える状態だったら、
      二人を引き裂いてしまう事も無かったんだろうって……」

しかしそれでもブーンは話を止める事はなく、そして表情も元には戻っていなかった。


( ´ω`)「ブーン君は本当に優しい良い子だったお……だけど僕はそんな彼を……」

ブーンはわかんないんですと番人に背を向けて、世界樹の方を向いた。
そして右手を挙げて、先ほど花が咲いた光が集まっている枝を指差した。
わかんないんですがその指に動きにつられて顔を上げると、丁度枝に変化が起こる瞬間を見る事が出来た。

( ´ω`)「だから決めたんだお。ブーン君のように正しくて強い心を持った人が
      ちゃんと報われるようにしたいと……」

わかんないんですは枝の一部分が膨らんで太くなって良く様子を見ていた。
しかし数秒後には膨らんだ部分がオレンジ色に染まっていくのを見て、それが間違いであると言う事に気がついたのだった。


( ><)「あ、あの色……」

膨らんでいるのは枝ではなく、枝から下がっていてる実であった。
やがて食べごろの大きさと色に成熟した実は枝から千切れ、ゆっくりと滑るように落下しながらブーンの手元へとやってきたのであった。

( ^ω^)「僕がブーン君になって、僕を求める人を助けてあげようと決めたんだお。
      眠っている時でも力を出せるように、呪文を作って」

再びわかんないんですの方を向いたブーンは、また生き生きとした笑顔に戻っていた。
その手の中には今採れたばかりのみかんが握られていた。

( ^ω^)「さあ、これが命の力の詰まった僕の実だお。これを君にあげるお」

ブーンの手の中には、美しい色に染まった輝くみかんが収められていた。

( ><)「あ……ありがとうございますなんです!」

わかんないんですは感激に震えている手を伸ばし、震えをなるべく抑えるようにしながらみかんを受け取った。
その小さな手の中に、長い長い旅の果てに掴み取った希望をしっかりと握り締めたのであった。

2_20091228191339.jpg



(* ><)「これで……これでちんぽっぽちゃんが助かるんです!」

わかんないんですは嬉しさの余り可笑しくなりそうな頭を落ち着かせながら、みかんを慎重に鞄の中に仕舞った。
そしてそれを担ぐと、ブーンと番人の方を向いて丁寧にお辞儀をしたのであった。

( ><)「どうもありがとうございましたなんです。僕はもう戻るんです」
  _
( ゚∀゚)「えー、もうかよ。折角来たんだからもうちょっと遊んでこーぜ」

(;><)「でも僕が早く帰らないとちんぽっぽちゃんが危ないんです」

( ^ω^)「そうだお、早く戻ってお友達に大好きなみかんを食べさせてあげるお」

( ><)「はいなんで……」

その時わかんないんですはある疑問を抱いた。
自分が知っている事をさらっと言われたのでぱっと聞いた時は違和感を感じなかったが、
良く考えればそれはブーンが知らない事であると気が付いたのである。

(;><)「世界樹さん、どうしてちんぽっぽちゃんかみかんを好きだって事知っているんですか?」

( ^ω^)「おっおっ、それは君が寝言で
      『ちんぽっぽちゃんにみかんを……』って言っているのを聞いたからだお」

(;><)「え、ええっ!?」

( ^ω^)「花を本体から離して大陸へ向かわせて、ずっと君の様子を見ていたんだお。
      でも島から離れると花はすぐ枯れてしまうから、
      水を摂り続けなくてはいけなくて大変だったお。
      水を取っていても暫くすると自然に枯れてしまうから、
      その度にまた島から花を送って……」


わかんないんですはブーンに助けられた時の事を思い出していた。
モテナイ村では食中毒で苦しんでいるその時に現れて薬草をくれ、
ハニャーン港町では酔った番人との騒ぎが大きくなりそうになった所へ現れて喧嘩を止めてくれた。
そのどちらもここぞという絶妙なタイミングで現れていたのも、ずっと見張っていればこそできる芸当である。

(;><)「ずっとって……いつから見ていたんですか?」

( ^ω^)「んーと、君がモテナイ村に着くちょっと前くらいからだお」

(;><)「は、恥ずかしいんです!」

( ^ω^)「へーきへーきだお! 用を足している所とかは見てないお」

(;><)「当たり前なんです! もうー!」

( ^ω^)「おっおっおっwwwww」

そして一つの疑問が解けると同時に、その答えによってまた新たな疑問が浮かんできたのであった。

( ><)「あのー……僕の事ずっと見張っていて、僕の事助けてくれていたんですよね?」

( ^ω^)「そうだお、今言ったばかりだお」

( ><)「僕が無事にここに辿り着けるようにしてくれていたんですよね?」

わかんないんですの旅路は楽なものではなかった。
初めての一人旅でのアクシデントは悩みを生み出し、そして立ち塞がる試練の数々には苦労させられた。
決して楽をしたかったと言う訳ではないが、もしも時間をかけずに目的を達成できるとしたら、そちらの道を選びたがるのは当然である。


( ><)「だったらなんで僕を見付けた時に案内してくれなかったんですか?
     もっと早くここに着けたら、ちんぽっぽちゃんを早く助けられたんです!」

決して不満がある訳ではなかった。寧ろ自分を見守っていてくれた世界樹には感謝を抱いている程であった。
しかし今もぽっぽ村でみかん熱に苦しんで生死の境を彷徨うちんぽっぽを思うと、
できるだけ早く救ってあげたいと言う気持ちが溢れてしまうのである。

  _
(# ゚∀゚)「おいてめコラ! こいつは眠っていて力が上手く出ないのに苦労してだなあ……」

( ^ω^)「……いいんだお、怒るのも無理はないお」

怒り出してわかんないですに食って掛かろうとする番人の前に腕を突き出して制し、ブーンは話し始めた。

( ^ω^)「確かに、僕が君を連れてここへ飛んでこようと思えば、すぐにでも出来たお」

( ><)「何で……なんで早く……」

( ^ω^)「それなら君だけじゃなく、
      僕を探している人達全てをここへ 連れてくる事が出来るお。
      でも僕は絶対にそんな事はしないお」

( ><)「どうしてなんですか? わかんないんです!」

( ^ω^)「僕を探しているのは君だけじゃないお。
      昔からたくさんの人が僕の力を手に入れようとしていたんだお。
      そしてどんな理由であれ、本気で僕の力を必要としているのなら、
      僕は力を貸す事にしたんだお」
  _
( ゚∀゚)「だけどその気持ちが半端なら力を渡す訳にはいかねえ。
     そんな奴に力を与えたら何するか判ったもんじゃねーからな」

( ^ω^)「だから君をずっと試していたんだお。
      どんな事があっても、目的の為に進み続ける覚悟があるかどうかを」

( ><)「覚悟……なんですか?」


わかんないんですは以前ウプキボン川の水を取りに行った時の事を思い出していた。
その時に出会った川の精霊も、同じように覚悟を試す為にわかんないんですと流石兄弟に謎を出していた。

( ^ω^)「そして僕が出した最後の挑戦を、君は見事に解いて見せたお。
      だから君には力を渡しても大丈夫だと判断したんだお」

( ><)「そうだったんですか……怒っちゃってごめんなさいなんです」

( ^ω^)「別に気にして何かいないお」
  _
( ゚∀゚)「でもまー、コイツも実は結構おま……」

( ^ω^)=つ≡つ「とうっ!」

番人が何かを言いかけた時、ブーンはその笑顔を崩さずに腕だけを伸ばして彼の額にチョップを喰らわせた。
  _
(  ∀ )「……ウボァー」

番人が気絶して倒れたのを確認すると、ブーンは何事もなかったかのように話を続けたのだった、

( ^ω^)「さあ、早く友達の元へ帰るんだお」

(;><)「あの、番人さんは大丈夫なんですか?」

( ^ω^)「何の事だお?www」

(;><)「あー……なんでもないんです」

わかんないんですは下手に突っ込まない方がよいと判断し、番人を気の毒には思うもののそれ以上何も言う事は出来なかった。


( ><)「それじゃあさようならなんです。お世話になりましたなんです」

わかんないんですは再び挨拶をすると、今度こそブーンに背を向けて浜へ向かって歩き始めた。
これでついに旅も終ってちんぽっぽを救う事が出来るのだと思うと、自然と足取りも軽いものになって言った。

( ^ω^)「おっおっ、待っておくれお」

しかしその足取りはブーンの呼びかけにより、数歩目にしてあっさり途切れてしまったのだった。

(;><)「なっ、なんなんですか?」

( ^ω^)「さらっと『早く帰るんだお』って言ったけど、
      良く考えたら普通に行ったらまた物凄い時間がかかるお」

(;><)「……そう言えばそうなんです」

わかんないんですは今までの旅の事を思い返してみた。
ぽっぽ村を出ていきなり野宿の危機に見舞われながらもスナオの町へ行き、地図を手に入れた。
モテナイ村で自転車を手にいれて旅路は幾分楽なものになった。
フーンの町で川の水と情報を手にいれて、ハニャーン港からこの島までやって来た。
日数を数えるのを忘れていた為正確な時間は判らなかったが、それがとてもとても長いものだと言う事は身に染みていた。

( ><)「帰る時にもきっと物凄い時間がかかるんです」

( ^ω^)「そうだお。もしかしたら間に合わなくなるかもしれないお」

(;><)「不吉な事言わないで下さいなんです!
     絶対に間に合うように急いで帰るんです!」

( ^ω^)「でも人間の足じゃどんなに急いでも無理だお」

(;><)「でも帰らなきゃならないんです! 早く帰るんです!」


口ではそう言っていても、それを実行するのは無理だと言う事は自分自身が一番よく知っていた。
睡眠時間をも削って昼夜ぶっ通して自転車で走り続ければ出来ない事もないであろうが、
まともにやっていたのでは行きにかかった時間より少しだけ短くなるだけであろう。

(;><)「うう……僕は絶対に……」

額に浮かぶ汗と弱々しくなっていく心とは反対的に、ブーンは明るい声で、そしてあっさりとこう言ったのだった。

( ^ω^)「まあ折角ここに来たんだお、僕がお手伝いしてあげるお」

ブーンは再び世界樹の方を向き、そしてを挙げて先程と同じように光が集まっている枝を指差した。
すると今度は枝からなにやら薄いものが生えてきて、それがぐんぐんと大きくなって行ったのだった。

( ><)「ええと、あれは葉っぱなんですか?」

樹にくっついている薄いひらひらした物体と言えば葉に違いないのだが、
今ブーンが生やしているものは通常では見られない変わった形状をしていた。

( ^ω^)「そうだお。僕は実らせるものの形を自由に変える事が出来るんだお」

( ><)「あの形は何かに似てるような気がするんです……」

その葉は色も通常とは大きく異なっており、そして非常に大きいものであった。
葉はある程度の大きさに成長すると、ぷつりと枝から切り離されてブーンの手元へ落ちてきたのだった。

( ^ω^)「さあ、これを使うといいお」


その葉は同じ形の物が二枚重なっていたらしく、ブーンの両手には大きな葉が一枚ずつ握られていた。

(;><)「えっ、えっ、もしかしてこれって……」

その形は、わかんないんですが昔読んだたくさんの本に度々登場しているあるものと良く似ていた。
そして本の中ではそれが何をする為に使われているのかもよく知っていた。
それを自分がやる事になるのかと思うと、好奇心が疼く反面不安も湧いてくるのであった。

( ^ω^)「えいっ、だお」

ブーンはわかんないんですの背後に回ると、二枚の葉を素早く鞄に貼り付けた。

(;><)「こ、これで帰るんですか?」

( ^ω^)「おっおっ、その通りだお。それを使えばあっという間に君の村まで辿り着けるお」

(;><)「だだだ大丈夫なんですか? それに使い方もよくわかんないんです!」

( ^ω^)「心配する事ないお、僕を信じて欲しいお。
      あと葉っぱはそのままにしておくと枯れちゃう、時々水をかけてくれお」

(;><)「わかんな……わかったんです」

3_20091228191339.jpg



それからわかんないんですはブーンから鞄につけた葉の使い方を教えて貰い、何とかうまく扱う事ができるようになった。


わかんないんですは今度こそブーンときちんと向き合うと、深々とお辞儀をした。

( ><)「世界樹さん、本当に本当にお世話になりましたなんです」

( ^ω^)「おっおっ、どう致しましてだお」

( ><)「それじゃあ、さようならなんです!」

わかんないんですは素早くその場から離れ、島を離れ、そして海へと去っていった。

( ^ω^)ノシ「ばいばいだおー!」


世界樹の島が余りに明るかった為に気が付かなかったが、外はすっかり真っ暗な夜に包まれていた。
港に向かって進んでいると、また島の周囲を覆う見えない壁と吹き荒れ続ける嵐に出くわす事になったが、
世界樹がくれた葉の力のお陰なのか、それらが障害になる事は無かった。

(;><)「あっ! そう言えばギコさんが! ギコさんが待っているんです!」

荒れる波と風を見てわかんないんですは見えない壁を破った時の事を思い出し、ギコをここに残してしまっていた事を思い出した。

(;><)「ギコさーん! 今助けに行くんですー!」



( ^ω^)「あっ、ギコ君を先に助けた事伝えるの忘れていたお」

世界樹の些細なミスのおかげで、わかんないんですはある筈のないギコの船を探し回る羽目になってしまったのであった。



第十三話 終





この小説は2007年3月02日から2007年3月12日にかけてニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:+ljZgzzb0 氏(初期ID)

第14話はこちらへどうぞ

記事元は内藤エスカルゴさんになります




ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/28 19:16 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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