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( ><)わかんないんですが謎を解きながら旅をするようです 第十話


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




第十話『ハニャーン港/謎掛け編・下』

( ><)「ふわあああ……よく寝たんです」

わかんないんですが目を覚まして布団から起き上がった途端、冷たい空気がその肌へと襲い掛かってきた。

(((;><))「ひやっ! さ、寒いんです!」

わかんないんですが毛布から出られなくなって困っているとギコが起き上がり、無理やりわかんないんですの毛布を奪い取ったのだった。

( ,,゚Д゚)「寒い日に丸まっていいのはぬこだけだゴルァ! シャキッとせんかあ!」

(((;><))「むむむ無理なんです!
       僕の村ではこんなに寒い日なんてなかったんです!」

( ,,゚Д゚)「北国を舐めんじゃねえぞゴルァ! ほらとっとと起きろ!」



1_20091228190634.jpg



わかんないんですはギコに連れられて居間へと足を運んだ。
居間では暖炉に火が灯されていた為、毛布に包まらなくても良い室温になっていた。
ツンはしきりにキッチンと居間を往復しており、テーブルの上に並べられた朝食からはまだ湯気が立っていた。

( ,,゚Д゚)「しっかり食っとけよ。今日は体力使うからな!」

( ><)「はいなんです!」

わかんないんですとギコは目の前に並べられた目玉焼きやサラダを物凄い勢いでがつがつと食べ始めた。
ツンは相変わらず一切口を利こうとせず、二人の行儀の悪さにも注意すらしようとしなかった。
ツンは自分の分を食べ終えるとさっさと皿を片付けてその場を去り、居間からいなくなってしまった。

( ,,゚Д゚)「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」

( ><)「……ツンさん、やっぱり僕達の事怒ってるんでしょうか」

( ,,゚Д゚)「あいつの事なら気にすんなって。そんな事よりもっと食え食え!」

( ><)「は、はいなんです。ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」


朝食を食べ終えた後、二人は出向に向けて準備を始めた。わかんないんですはギコに教えられながらたくさんの荷物を用意した。

( ,,゚Д゚)「あー、この雨具じゃぶかぶかになっちまうな……あいつちっちゃいからなあ」

( ><)「ギコさーん、荷物纏めたんですけどこれで良いんですか?」

( ,,゚Д゚)「おっ、OKOK! それ船まで運んでくれ!」

( ><)「船ってどこにおいてあるんですか? わかんないんです!」

( ,,゚Д゚)「あーそうだったか……じゃあ俺の準備が終わるまで待っててくれ。一緒に行くぞ」

( ><)「はいなんです!」

わかんないんですはまとめた荷物を一旦床において、ギコの作業が終るのを待つ事にした。
その時ふとツンの事が気にかかり、彼女に何か一言言わなければならないと感じたのだった。


( ><)「このまま黙って行ったらツンさんきっととても心配するんです。
     挨拶して行かなきゃなんです」

わかんないんですはツンを探して家の中を歩き回り始めた。しかしいくら探せど探せど、ツンの姿を見つける事は出来なかった。
用を足しているのではと思ってトイレのドアをノックして見たり、朝風呂と言うものをしているのかと思って浴室のドアをノックしてみたり、
寒さを堪えて庭へ出てもみたのだが、それでも見つからなかった。
庭を一回りしたところでいよいよ寒さが堪えてきたので、わかんないんですは捜索を止めて室内に戻る事にした。

( ><)「あのー、ギコさん……」

( ,,゚Д゚)「おう、こっちゃ終ったぞ」

( ><)「ツンさんが家の何処にもいないんです。どこかに行っちゃったんです」

( ,,゚Д゚)「あ? 仕事にでもいったんだろ! そんじゃ行くぞ!」

ギコは上着を着こんで荷物を背負うと、まだツンの事で頭がもやもやしているわかんないんですの手を引いて港へ向かったのだった。

( ,,゚Д゚)(あれ? でもツンの奴今日は仕事午後からだった筈だし、何処いったんだ?)


大陸最北端の漁港・ハニャーン港では寒い時期にしか獲れない海産物も多く、凍てつく冬の海でも漁に出る船が多い。
故に停泊所に泊まっている船も少なく、どれがギコの船なのか判らなくなると言う事は決してなかった。

( ,,゚Д゚)「あの真ん中あたりのあるのが俺の船だ!
     ちょっとちいせぇけどどんな荒波にだって耐えてきた根性のある奴だ!」

(((;><))「そそそそそ、それはすごっ、すごいんですねねねねねね」

( ,,゚Д゚)「何を壊れた蓄音機みてぇな喋り方してやがるんだよ」

(((;><))「ごめんなさあああいなんですうううう。
       はは歯がガチガチししししてしまうんですううう」

( ,,゚Д゚)「ったく仕方のねえやつだな……」

寒さで体を震わせるわかんないんですを横目に見ながらギコは自分の船を目指して歩いた。
しかし船に近付いていくに連れて、何かいつもと様子が違うことに気がつき始めていた。
本来ならそこにある筈の無いものが徐々に見えてくるのである。


(;,,゚Д゚)(まさか……んな訳……)

ギコは自分の見たものを信じる事が出来ず、現実を否定して自分を誤魔化そうとしていた。
しかしギコと違ってわかんないんですは素直に自分の驚きを言葉にして叫んでいた。

(;><)「ツ、ツンさん!? ツンさんがいるんです!」

ギコの船の甲板に仁王立ちしているのは間違いなく、家を探しても見つける事の出来なかった少女であった。

ξ ゚⊿゚)ξ「あんた達ー! とっとと家に戻んなさい!」

そしていきなり二人に向かってとんでもない事を言い放ったのであった。


2_20091228190634.jpg



( ,,゚Д゚)「何言ってやがんだ! お前こそとっととそこから降りろ!」

ギコは慌てつつもそれを出来るだけ顔には出さず、いつもの様に力強い声でツンに命令した。

ξ ゚⊿゚)ξ「いーえ! あたしは絶対にここから動かないんだから!」

しかしツンは一歩も引こうとはせず、船の上からギコを睨みつけた。

ξ ゚ー゚)ξ「どうしても行きたきゃあたしごと連れていけば?」

そしてふふっと鼻で笑いながらギコを挑発したのである。

(;,,゚Д゚)「畜生あいつ……何考えてやがんだ」

(;><)「このままじゃ世界樹の島にいけないんです!
     ツンさん降りてくださいなんです!」

ギコとツンは互いに睨み合い、説得し合い、時々悪態をついたり悪口を言ったりしていた。

ξ ゚⊿゚)ξ「あんた達が諦めるまで絶対動かないんだからね!」

( ,,゚Д゚)「本気か? お前仕事があるだろ!
     午後になったらそこから降りなきゃならねーだろ!」

ξ ゚⊿゚)ξ「仕事? それがどうしたの?」

( ,,゚Д゚)「んだと? サボる気かゴルァ!」

ξ ゚ー゚)ξ「今日は休むってお店に連絡してきたもんね~だ。へっへーん」

(#,,゚Д゚)「てめえ……!」


その傍らで見ている事しか出来ないわかんないんですは、寒さに震え続けていた。

(((;><))「は、早く出発したいんです……」

体にじわじわと迫ってくる寒さと、このままでは延々続いて仕舞いそうな兄弟喧嘩に痺れを切らし、わかんないんですはギコに提案した。

(;><)「ギコさん、もういっそツンさんも一緒に連れて行くというのは駄目なんですか?」

(#,,゚Д゚)「バーロー! んな真似できっか!」

しかしそれはあっさりと一蹴されてしまった。

(#,,゚Д゚)「女を船に乗せるなってのは漁師の鉄則だ!
     それに万が一事故があったらあいつも巻き込む事になっちまう!」

(;><)「わわ、わかんな……わかったんです」

ギコが物凄い剣幕でかかってきたのでわかんないんですは自分の意見を取り下げるより他になかった。
また船に女を乗せてはいけないと言う理屈はわからなかったが、妹を危険な目に遭わせたくないと言う兄の優しさは理解する事ができた。

(#,,゚Д゚)「ツンは俺が自分を連れていけないってのをわかってて居座ってんだ……
     あー畜生腹が立つ!」

しかしその優しさを逆手に取られてしまったら、いくら妹を大切に思っていても怒りを感じずにいる事など出来ないであろう。

(#,,゚Д゚)「てめえええええ! 何でこんな真似しやがんだあああああ!
     答えろおおおおお!」

ギコの余りの叫び声にわかんないんですは思わず耳を塞いでしまった。
しかしふさいだ状態にも関わらず大きく聞こえてくるツンの声も、それに負けず劣らず凄まじいものであった。

ξ ゚⊿゚)ξ「世界樹なんてある訳ないじゃない!
     それなのにわざわざ危険な海域に行くなんて! ばかみたいじゃない!」

(#,,゚Д゚)「兄貴に向かって馬鹿とはなんだああああゴルァ!」

ξ*゚Д゚*)ξ「馬鹿だから馬鹿っつったんだよ! コルァ!」


(;><)(ツンさんって怒ると顔がギコさんそっくりなんです……)

次の瞬間、わかんないんですはツンの言った言葉の中に物凄い重大な事実が含まれている事に気が付いた。

( ><)「あれ? 今ツンさん『危険な海域に行く』って言ったんです!?
     もしかして僕達危ない事しようとしているんですか?」

わかんないんですがそう言った瞬間、それまで騒いでいた二人がぴたっと声を出すのを止めた。そして嫌な静けさが流れたのであった。

( ,,゚Д゚)「いや、俺昨日『世界樹の島へ向かうのは確かに危険』だって言ったぜ?」

(;><)「で、でもどのくらい危ないのか聞いていないんです」

ξ ゚⊿゚)ξ「……危ないって言うレベルじゃないわよ」

ツンの声には、今まで聞いた事の無い悲壮な感じが、暗い感情が込められていた。

ξ ゚⊿゚)ξ「北の方……俗に世界樹の島があると言われている場所の周辺は
     年がら年中荒れていて、毎年何隻もの船が沈んでいのよ」

(;><)「ええええ! なんギコさんその事教えてくれなかったんですか!?」

(;,,゚Д゚)「あっ、いやあの、その、わざとじゃねえんだが……」

ξ ゚⊿゚)ξ「なんて事なの……」

更にツンの表情が曇り始めたかと思うと、その曇りは一気に嵐へと変化していった。

ξ#゚⊿゚)ξ「その子に何にも言わないで、黙って連れていこうとしてたの!?」

(;,,゚Д゚)「いやそんなんじゃねえって! 違えって……」

ξ#゚⊿゚)ξ「あんなに酷い目にあっておきながら、何にも学習してないの!? このばか!」

やがてツンの感情の嵐は鎮まっていき、代わりに静かな雨が降り出した。

ξ ;⊿;)ξ「お父さんや………ブーンが……しんじゃ……のに……」

ツンの足は彼女自身を支える力を失い、膝ががくんと曲がってその場に崩れた。ツンはただ顔を両手で覆って泣き続けていた。

( ,,゚Д゚)「……ツン、すまねえ」

ξ つ⊿⊂)ξ「うえっ……ひっく……」

( ,,゚Д゚)「でも俺は行く。親父とブーンを奪ったあの海から、俺だけ逃げる訳にゃいかねえ」

ξ つ⊿;)ξ「駄目! 嫌よ! この上兄貴まで奪われたらあたしはどうすればいいのよ!」

わかんないんですはただ黙って二人の会話を聞いていた。
二人が話しているのは、昨日ギコが話してくれた10年前の海難事故の事だというのは何となく推理する事が出来た。
しかしそう考えると、わかんないんですが知る事実と10年前の事故との間にひとつ矛盾が生じてしまうのである。

( ><)(でも僕……昨日確かに……)

そしてその隣では、ギコがはきはきした喋り方でツンにこう言っていた。


( ,,゚Д゚)「おしっ! 今から守り神様のとこ行ってきたらぁ! それならいいだろ!」

ξ つ⊿;)ξ「えっ?」

( ,,゚Д゚)「おい、わか! 街に戻るぞ!」

( ><)「……えっ? わかって僕なんですか?」

( ,,゚Д゚)「他にいねえだろうが。ほら行くぞ!」

(;><)「えっ、ああの、あのちょっとなんです!」

( ,,゚Д゚)「ツン、船の中から適当なもん持って降りてきてくれ!」

ギコはわかんないんですとツンの意見を無視して、いや意見など聞こうともせずに事を進めようとしていた。

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ、ちょっと待ちなさい!」

わかんないんですは困惑し、ツンは焦り始めていた。

ξ;゚⊿゚)ξ「守り神様の所に行ってどうするのよ!」

( ,,゚Д゚)「何って、ご加護を受けるに決まってんだろ」

ξ#゚⊿゚)ξ「何がご加護よ! あの時だってお父さん達を守ってくれなかったじゃない!
     その前に社の扉が開けられないじゃないの!」

( ,,゚Д゚)「扉を開ける方法なら判ってる! だから船の中のものを持って……」

ξ#゚⊿゚)ξ「一度お父さん達を見捨てた神様なんて信じないんだから!」


話がどのように進み、どのような結論に至ろうとしているのかが見えなくなっていたわかんないんですは、そろそろとギコに尋ねた。

( ><)「あの……まもりがみさまって何の事なんですか? わかんないんです」

( ,,゚Д゚)「でも神様は!………あ、そいつぁ船を守る女神様の事だ」

( ><)「神様なんですか? その人がいるところへ行くと何か良い事があるんですか?」

( ,,゚Д゚)「ああ。街の外れにその神様を祭っているお社があってよ、
     そこでお祈りしてご加護を受けると船が無事に漁から戻ってこられんだ」

( ><)「そうなんですか。わかんな……わかったんです」

わかんないんですはその説明を聞いて納得したが、ツンの方はそうではないようだった。

ξ#゚⊿゚)ξ「だけどね! それは昔の風習よ!
     第一加護の儀式を司る司祭がいなくなったらからもうそれは出来ないの!」

( ,,゚Д゚)「司祭がいなくても儀式の仕方は覚えてっぞ、何とかならぁ!」

ξ#゚⊿゚)ξ「あーもう、第一そんな半端な加護とやらで本当に守られるとでも思ってんの!」

そしてツンは怒りに身を任せたままに、こんな事を叫んだのだった!

ξ#゚⊿゚)ξ「どうせだったらご神体ごと持っていくくらいしなさいよ!」

( ,,゚Д゚)「それ良いな、貰った」

ξ ゚⊿゚)ξ「え?」

ギコが賛成した意見に対して、提案した本人が一番驚いていた。

ξ ゚⊿゚)ξ「え、あの、マジ?」

( ,,゚Д゚)「確かにあの海を抜けるにはそんくらいはやらなきゃなるめぇよ。じゃあ行ってくるぜ」

(;><)「えっ? ギコさん? わっ! うわわわっ!」

ギコは自分の持っていた荷物を下ろすとそれを船に向かって投げ、次にわかんないんですの荷物を無理やり下ろしてそれを投げた。

( ,,゚Д゚)「それ中に仕舞っておいてくれ! じゃーな!」

ξ;゚⊿゚)ξ「待ちなさ……うわっ!」

ツンが慌てて荷物をキャッチしている間に、ギコはわかんないんですの手を引いて、さっさとその場を離れてしまったのだった。

ξ;゚⊿゚)ξ「兄貴の奴、本当にやるつもりなの……」



一方、わかんないんですはギコに半ば引き摺られるようにして町へ戻されていた。

(;><)「あいたたたた! 引っ張らないで下さいなんです!」

( ,,゚Д゚)「あ? そんな強く引いちゃいねーだろ! 行くぞ!」

(;><)「あだだだだだだだ! なんです!」

(;><)(ツンさんもギコさんも引っ張る力が強いんです……)

それからわかんないんですは何とかギコに手を離して貰い、二人で肩を並べて歩く事が出来た。
そして先程から気になっていた事を、ツンがあれだけ二人の出発を止めようとしている理由を尋ねる事にした。

( ><)「あの、ギコさん……」

( ,,゚Д゚)「ああ?」

( ><)「本当はこんな事訊いちゃいけないんですけど……」

( ,,゚Д゚)「何だ? 何でも言ってみろ」

( ><)「ギコさんが昨日話してくれた、世界樹の島へ行った時の事……
     詳しく教えてくださいなんです」

それを聞くとギコは一瞬その表情を固まらせたが、ふうと溜息をつくと静かに語り始めたのであった。

( ,,゚Д゚)「あんな所見てたら仕方ねえよな……」

(;><)「あっ、で、でも嫌なら聞かせてくれなくていいんです!」

( ,,゚Д゚)「良いって良いって。やっぱりあいつの気持ちも判って欲しいからよ……」


10年前のその日、ギコと父と友人は遠くの海域にまで漁に行く事になっていた。
しかし北の海域が常に荒れていると言う事はよく知られており、またその日の天気が余りよくなかった。
そこで3人は守り神の加護を受けに行く事にしたのであった。

( ,,゚Д゚)「と言うのも、実はダチが司祭の一族の奴だったんだよな」

( ><)「え、でもお友達はギコさんのお父さんに弟子入りしていたんじゃなかったんですか?
     司祭さんなのにどうしてなんですか?」

( ,,゚Д゚)「昔は司祭の役目ってすげえ大事らしかったんだが、
     今じゃそういうのに興味ある奴なんていなくてよ……
     あいつの一族も落ちぶれていたんだよ」

また友人は幼い頃に両親を亡くしており、彼が一族最後の一人であったという。
そのためギコの家に引き取られ、その流れで父に弟子入りする事になったのだ。

( ,,゚Д゚)「まあ儀式やってるだけで食っていける訳もねえしな。
     漁の技術は必要だろうって親父が言っててな」

加護の儀式には品物が必要であり、それに捧げて司祭とともに祈る事で、物に加護が宿るのだと言う。

( ,,゚Д゚)「あん時は確かバケツを持ってったんだっけな。
     で、それを船に乗せていくと船が守られるって訳よ」

しかしその祈りも虚しく、嵐に巻き込まれて船は沈んでしまった。


( ,,゚Д゚)「後は昨日話した通り、俺は世界樹っぽいものを見たあとまた気絶して、
     気が着いたら病院にいたって訳だ。俺一人だけが……」

( ><)「それじゃあ、ギコさんのお父さんとお友達は……」

( ,,゚Д゚)「……わかんねえよ。俺だけが浜に転がってて、親父もダチも……」


( ><)「ごめんなさいなんです……」

( ,,゚Д゚)「まてまて、俺が勝手に話してんだぜ? お前がそんな顔するなって」

それ以来残されたギコはツンを支えていく為に仕事に励み、一人前の漁師になった。
ツンもまた家計を助ける為か、その数年後に酒場での仕事を始めたのだと言う。

( ,,゚Д゚)「俺だって悲しかったけどよ、ツンもショックだったんだろうよ……」

( ><)「あの、ツンさんと話していた時に言っていたブーンさんって、
     そのお友達の名前なんですか?」

( ,,゚Д゚)「ああん? まあそうだけどよ」

( ><)「お肌が白くて体が大きくて、言葉の終わりに『お』ってつけていませんでしたか?」

( ,,゚Д゚)「ああ、変な喋り方する奴だったぜ」

( ><)「そうなんですか……」

ギコが言うかつての友・ブーンとは、わかんないんですが出会った男・ブーンと同じ名前と顔と特徴を持っているようであった。

( ><)(ブーンさんは本当は死んでいなかったんですか……? わかんないんです)

話しても信じて貰えるかどうかわからなかったので、わかんないんですは今はこの事を話さないでおく事にした。


やがて二人は賑やかな町から離れて行き、進むに連れて人々の気配も民家も少なくなっていった。
細くなっていく道の上を歩いて行くと、その先に小さな白い建物が姿を表したのであった。

( ,,゚Д゚)「着いたぞ。ここが守り神様のお社だ」

そして二人は更に近付いてとうとうその目の前までやってきた。
しかし社の入り口には大きな南京錠が掛けられており、とても力ずくでは壊せそうには無かった。

( ><)「鍵がかかってるんです。これじゃ開けられないんです」

( ,,゚Д゚)「まあ見てろって」

ギコは入り口に近寄るとそこで膝を曲げてかがみ、近くにあった大きな石を掴んで持ち上げた。
するとその下から砂と土で汚れた赤い鍵が姿を現したのである。

( ><)「こ、こんな所に鍵が隠してあったんですか!? ギコさんよく判ったんです!」

( ,,゚Д゚)「ったりめえだろ。隠したのは俺なんだから」

(;><)「え? そうなんですか?」

( ,,゚Д゚)「元々鍵を持っていたのはブーンだったんだが、
     あいつが死んだ後に遺品をどうするかで迷ってよ……
     司祭の道具なんかは俺らが持ってても仕方ねえだろうと思って、
     社の中に入れて鍵をかけて、鍵は石の下に置いたって訳だ」

( ><)「成る程なんです」

ギコは鍵の表面についた汚れを払うと、それを南京錠に差し込んだ。
ガチャリと言う音と共に錠前は外れ、ギコは社の扉を大きく開ける事が出来たのである。


( ,,゚Д゚)「守り神様の姿を見るのも、かれこれ10年振りって事にになるな……」

建物の中が暗かったために最初は何があるのか全く見えなかったが、しばらくすると目が慣れて中の様子がわかるようになってきた。
空間の中央には鉄製と思われる碁盤縞状の格子が設置されており、こちら側とあちら側とを隔てていた。
格子の少し手前には低い台があり、その傍にはたくさんの箱や袋など、多くの荷物が転がっていた。

( ><)「これが守り神さまですか……」

そして鉄格子の向こう側には、大きくて豪華な装飾の施された台座があり、その上にご神体と思しき小さな像が置かれていた。

( ,,゚Д゚)「相変わらず綺麗な姿してるよな……さてとっ!」

ギコは台の――おそらく祭壇であろう――の前に立つと合唱して深く頭を下げた。

( ,,-Д-)「俺たちこれから危ねえ所に行くんです。
     だからあなた様をここから持ち出す事をお許しください……っと」

半ばいい加減な神への挨拶を済ませたギコは、先程の鍵を片手に格子へと近付いていった。

( ><)「ギコさん、ここの開け方も判っているんですか?」

( ,,゚Д゚)「おう、任せとけ!」

ギコは格子の丁度中央の辺りのある一点を指し示した。最初は光の加減でよく見えなかったが、そこには小さな鍵穴が開いていた。

( ,,゚Д゚)「最後にここに来た時にたまたま見つけたんだ。ここに鍵を差せば開く筈だぜ!」

( ><)「ギコさん凄いんです!」

ギコは自身満々の表情で鍵を鍵穴に差し込み、わかんないんですはわくわくしながらそれを眺めていた。
しかしギコは何度も何度も鍵をガチャガチャと回しているばかりで、一向に格子を開けてくれる様子は無かった。


(;,,゚Д゚)「あ……あれ?」

( ><)「どうしたんですか? 早く開けてくださいなんです」

(;,,゚Д゚)「手ごたえがねえ……開ねえ……」

(;><)「ええええええ?」

(;,,゚Д゚)「な、何でだ!? ちゃんと鍵穴に差しているんだぞ!?」

ギコが鍵をガチャガチャ言わせて悪戦苦闘し続けているその横で、わかんないんですはうなだれて格子の下の方を見つめていた。

(;><)「うう……これじゃ船を出せないんです……」

そしてその時、今自分が見つめているその視線の先にある、もうひとつの鍵穴を見つけたのであった。

(;><)「ギ、ギコさん! ここにも鍵穴があるんです!」

(;,,゚Д゚)「何だとお!?」

更に良く見てみれば、上の方にもひとつ、右の端にもひとつ、左の端にもひとつ、合計5つの鍵穴が見つかったのである。

(;><)「どれが本物なのわかんないんです!」

(;,,゚Д゚)「こうなったら一つ一つ確かめていくしかねえな……」

ギコは全ての鍵穴を試す為、右の方のある鍵穴から順に鍵を差し込んでいった。
しかしどの鍵穴からも手ごたえは無く、最後に上の鍵穴一つを残すところとなったのである。


( ,,゚Д゚)「あすこは手が届かねえな……」

( ><)「でもこれが最後だから、あそこに差せばきっと開く筈なんです」

( ,,゚Д゚)「わか、お前体重は軽いか?」

( ><)「えっ? 確かに僕は軽い方なんです……」

わかんないんですがそう答えた途端、ギコは自分の持っていた鍵をわかんないんですに渡し、しっかりと握らせた。

( ,,゚Д゚)「よしっ、じゃあ行くぞ」

そしてわかんないんですの体をひょいと持ち上げると、自分の肩の上に載せたのである。

(;><)「キャーッ! 怖いんです!」

( ,,゚Д゚)「これなら届くだろ! ほら、開けてくれ!」

(;><)「高いんです! 揺れるんです!」

( ,,゚Д゚)「じたばたすっと余計揺れるだろ! 落ち着け!」

(;><)「はいなんです……」

わかんないんですは片手で格子に捕まり、片手で鍵を握ってそれを鍵穴に差し込んで回した。

( ,,゚Д゚)「開いたか? 開いたか?」

しかしこれも回せど捻れど何の手応えもなく、ただガチャガチャという音だけが空しく響くだけであった。


(;><)「駄目なんです、開かないんです」

( ,,゚Д゚)「マジかよ………」

その知らせを聞いてギコは落胆した。
そして同時に体の力が抜けてしまい、肩に載せているわかんないんですの重さの堪えられなくなってしまったのであった。

( ,,-Д-)「どうすりゃ良いんだよ……」

(;><)「わっ! うわっ! キャアアアアアアアア!」

(;,,゚Д゚)「ってうわああああああああ!」

二人はそのまま背中から転倒してしまった。 更にわかんないんですの背中が丁度祭壇に直撃し、台をひっくり返してしまったのである。

(;,,xДx)「いてててて……おいわか! 大丈夫か?」

(;><)「背中が物凄く痛いんです……」

(;,,゚Д゚)「おいしっかりしろ!」

わかんないんですは台の上に仰向けになって倒れていた。ギコはわかんないんですの体を抱き上げて起こしてあげた。

( ,,゚Д゚)「ふう……それにしても派手にやっちまったもんだな」

そしてギコはひっくり返った祭壇を元に戻そうとして台を持ち上げた。その時であった。

(;><)「背中が~背中が~!」

( ,,゚Д゚)「……何だこれは……こんなの書いてあったのか?」


(;><)「え? 何かあったんですか?」

わかんないんですはギコが持ち上げている台を覗き込んでみた。
ギコが見ているのは格子の方に向けられていた面、つまり正面から見た時には裏になっている面であった。
そこにはこんな文字が書かれていたのである。



『えさわみにぎみあこぎさしなないがこにらぢHなびち』



( ><)「えさわみ? なんなんですかこれ? わかんないんです!」

( ,,゚Д゚)「そう言えば前にブーンが言っていたぞ……」

それを見たギコははっとした表情になり、こう語り始めた。

( ,,゚Д゚)「司祭の一族のみが知る儀式の方法とか道具の作り方とか、
     外に漏らしちゃ行けねえ秘密は暗号で書かれて伝えられるって」

( ><)「じゃあ、これもその暗号なんですか?」

( ,,゚Д゚)「おそらく間違いねえ。
     もしかしたらこれで格子が開けられるかも知れねえぞ!」

(;><)「でも何て書いてあるのか全然わかんないんです!」

( ,,゚Д゚)「暗号の解き方を知っているのも一族の奴だけだからな……
     ブーンがいなくなった今じゃ意味もねえか……」

(;><)「わかってますちゃんからは自分で先に考えてからって言われたんですけど、
     今は急いでるんです! 許してくださいなんです!」

わかんないんですはわかってますから借りた鍵を取り出そうとした。しかし大事な事を忘れていたのであった。


(;><)「アッー! そう言えば荷物を船に置いて来ちゃったんです!」

( ,,゚Д゚)「ん? どうかしたのか?」

(;><)「ギコさん、僕今すぐ船に戻るんです! 待っててくださいなんです!」

(;,,゚Д゚)「えっ? おい待て!」

わかんないんですは社を飛び出すと物凄い勢いで町の方へ向かって戻っていった。

(;><)「ゼェゼェ……こ、こんな時こそ自転車に乗れば早いのになんです……」

そして走っている間に、もうひとつ大事な事を思い出したのである。

(;><)「アッー! そう言えば自転車も昨日から酒場の前に
     停めっ放しだったんです!」

ドクオから預かった大切な自転車をなくしては堪らないと、わかんないんですは港への道からから酒場の方へ走る方向を転換した。
昨日と同じ賑やかな大通りを通りかかった時、不意に声をかけられたのであった。


/ ,' 3 「旅のお方よ。探しものはここに預かっておりますぞ」

(;><)「えっ?」

声を聞いて立ち止まり、聞こえてきた方を向いて見た。
そこには昨日と同じく露店を広げている占い師がおり、その傍らには紫の自転車が停めてあったのである。

( ><)「あっ! 僕の自転車なんです!」

/ ,' 3 「酒場の前だと盗まれる危険がありますでの、ここに動かして置きましたぞ」

( ><)「有難う御座いますなんです!」

/ ,' 3 「なあに、困ったときはお互い様ですじゃ」

( ><)「じゃあ僕急いでいるんです、失礼しますなんです」

わかんないんですはお礼もそこそこに、自転車にまたがると急いで港に向かって進み始めたのであった。

/ ,' 3 「予言士程の力は無くとも……少し近い運命くらいならばわしにも見える」

占い師はそう呟くと、テーブルの上に載せてあったカードの束を懐に仕舞ったのであった。



一方船に乗っていたツンは暇を持て余し、更には寒さを凌ぐ為に船室にこもっていた。

ξ ゚⊿゚)ξ「ふう……もう一枚何か着て来るんだった……」

自分の肩を抱いて震えていると、何処からとも無く自分を呼ぶ声が聞こえてきた。

( ><)「ツンさん! ツンさーん!」

その声を聞いたツンが船室に置いてあった上着を肩からかけて甲板に出た所、わかんないんですの姿を見つけたのであった。

ξ ゚⊿゚)ξ「あれ? あんた一人だけ? 兄貴は?」

( ><)「ツンさん! 僕の鞄の中に小さい鍵が入ってるんです!
     それを渡してくださいなんです!」

ξ ゚⊿゚)ξ「ハァ……まあ良いけど」

ツンは言われた通り船室に戻ってわかんないんですの鞄を取り、その中に入っている鍵を探した。
そして鍵を見つけ出すと甲板に戻り、それをわかんないんですに向かった投げたのである。

ξ ゚⊿゚)ξノ ⌒ 。「はい! これで良い?」

( ><)「有難うなんです! じゃあ僕は戻るんです!」

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、待って! あたしはご神体を持ってきたら出航して良いなんて一言も……」


しかしわかんないんですのツンの言葉を聞く事無く港を後にしてしまったのであった。

(;><)「うおおおおおおお! なんです!」

そして全力で自転車を漕ぎ、ギコの待つ社へ向かった。

(;><)「この時間も勿体無いんです!
     今の内にさっきの暗号を解くヒントを教えて下さいなんです!」

わかんないんですがそう叫ぶと、自転車の荷台に入れられていた鍵が光り始め、いつもの様に光の線が伸びいていった。
光の線は背後から前へ向かって伸びてきて、自転車をこぐわかんないんですの目の前に文字を書いていった。
わかんないんですは中に浮かぶ文字を見つつ、足を急いで動かした。
やがてヒントが書かれ終わって光の線が鍵から途切れても、
宙に浮かぶ文字はわかんないんですの移動する速さにあわせて一緒に移動し、ふわふわと漂っていた。



『2つで1つを表し、占い師の12番のカードのとおりにせよ』



(;><)「へっ?」

またいつもの回りくどくわかり辛いヒントを目にして、またいつもの様に呆気に取られた。

(;><)「ふたつでひとつ? なんなんですか? お箸ですか? わかんないんです!」

自転車の勢いは止まる事無く、町の外れへと突き進んでいった。



第十話 終





この小説は2007年3月02日から2007年3月12日にかけてニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:+ljZgzzb0 氏(初期ID)

第十一話はこちらへどうぞ

記事元は内藤エスカルゴさんになります





※どうしても分からないと…けど答えは知りたくない!ビクンビクン
という方は↓を反転してください
ラストヒントです



『2つで1つを表し、占い師の12番のカードのとおりにせよ』
この問題は、どう文字を変換するかがキモです
2つで1つを表す文字に変換後、占い師の12番のカードのとおりに並び変えると自ずと答えが分かるでしょう


ヒントは「タロットカード」です

頑張ってください







ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/28 19:08 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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