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( ><)はVIP荘に住むようです 第四話


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




...( ><)「~~♪」

从 ゚∀从「おーいビロードー、お帰りぃー!どっか行ってたのかー?」

( ><)「あ、ハインさん、こんにちはなんです!
      さっき大学が終わったんで、今はその帰りなんですー!」

从;゚∀从「え………!」

( ><)「?どうかしたんですか?」

从;゚∀从「お、お前…」

( ><)「はい?」

从;゚∀从「中学生じゃなかったのか…」

(;><)「し、失敬な!!」



1_20091228101757.jpg




だんっ!とコーラをテーブルの上で鳴らしながら僕はいきり立って皆に言った。

(#><)「酷いと思いませんか!?僕だってもう18ですよ18!」

从 ゚∀从「だから悪かったって…お前子供っぽいからついさぁー」

ここはVIP荘102号室、ドクオさんの部屋だ。

僕達は現在昼時ということで、皆で仲良く食事をしようという名目の元集まっている。
ドクオさんの所に実家から野菜が届いたということで皆で食事にあやかったわけだけど
調理する人がいないのでどうしようかと話し合っているところだった。

どうでもいいけど、この人たちといるとしょっちゅうご飯を食べている気がするのは僕の気のせいだろうか?

从 ゚∀从「いいじゃん別に。若く見られるんだから」

( ><)「僕は大人の男に見られたいんです!」

从 ゚∀从「そうかあ?若さは強さだと思うけどなー、年は取りたくないもんだ」

( ・∀・)「ハインちゃんが言うと重みのある言葉に聞こえるね」

从 ゚∀从「何か言ったかモララー、顎砕くぞ」

( ・∀・)「ごめんなさい」

モララーさんが軽く肩を竦めていると、部屋の主であるドクオさんが麦茶片手にやってくる。
その顔はどこか疲れがちだ。

('A`)「どうでもいいけど何で俺の部屋に集まるんですかアンタらは…」

( ・∀・)「君の部屋なら汚れてもいいからだ」

('A`)「良かねぇですよ畜生。つうか汚すなよ」

( ・∀・)「元々汚いんだからいいじゃないか」

('A`)「アンタが俺の部屋のもん壊さなきゃもうちょい綺麗なんですけどね」

楽しそうに笑うモララーさんに対して、ドクオさんはうんざり顔だ。
けどこの人たちはこれが普通なのだと最近思ってきたので特に口を挟もうとは思わない。

川 ゚ -゚)「しかし私も高校生だと思っていたからな…大学生だというのにはちょっと驚いた」

(;><)「クーさんまで!!」

そこで僕の隣に座っていたクーさんが失礼極まりない発言。
自分で作ったというクッキーをほお張り、ハムスターのように頬を膨らませながら喋る姿は
正直僕に子供っぽいとか言えるような感じじゃないってのに!


僕は抗議の声をあげるべく手をあげて発言した。

( ><)ノ「意義ありなんです!クーさんだって子供っぽいじゃないですか!
       一体クーさんは何歳なんですか!?」

川 ゚ -゚)「……………」

瞬間、クーさんの目がキラリと光り、僕はホッペを片手で握るように掴まえられた。
か、狩人の目だ…!

(;><)「はぶぅえ!?」

川 ゚ -゚)「女性の年齢は…聞かないのがマナーだ」

从 ゚∀从「そうだぞビロード、下手に聞いたら死ぬぞ」

(;><)「死ひゅんれふか!?」

('A`)「ていうか殺されるよ、まぁ三十路手前なハインさんの気持ちもわからんでも―――ファビョン!」

言い終える前にハインさんの手刀が綺麗に決まった。

(;><)「……………」

从 ゚∀从「余計な事は言うな」

(メA`)「…ち、ちなみに俺はまだ22ですけどね…はっは」

从#゚∀从「ハインさんだってまだピチピチの20代だよ!」


ケンカ ウルトハ イイドキョウダ テメェ!
ギャァアァアアアア!!


(;><)「あぁぁ…」

どうしてドクオさんはいつもああやって殴られるんだろう。
というか殴られることがわかっていそうなもんなのに、あえてああいうことを言うんだろう…。


( ・∀・)「それはねビロード!仲良しだからさ!」

相変わらず楽しそうに話すなぁこの人は。

( ><)「人の心を読まないで下さい」

( ・∀・)「喧嘩するほど仲がいいって言うだろう?」

( ><)「その理屈でいくとモララーさんとドクオさんも仲良しなんです?」

( ・∀・)「いやアレは喧嘩じゃなくて躾(しつけ)だから」

(;><)「……………」

なんというドS。
自信たっぷりにそういい切られると僕はもう何も言えなかった。
クーさんが隣でダンボールに詰められたニンジンを手に取っているのが見える。

川 ゚ -゚)「それよりもこのお野菜さんたちをどうするかが問題だ」

確かに、こんなにいい食材があってもこのままじゃ食べられない。
食べられるかもしれないけどどうせなら美味しく調理してもらいたい。
皆もそう思ったからアパート住人を集めたんだろう。

その中でハインさんが僕へと声をかけてきた。

从 ゚∀从「ビロードなんか作れよ、肉じゃが美味かったし」

(メAメ)「………おい」

( ><)「そのお言葉は嬉しいんですけど、僕肉じゃが以外は作れないんです」

( ・∀・)「君のその肉じゃがに対する執着はなんなの?肉じゃが信者?」

(メA`)「つーかそれ俺に送られてきたもんなんですけどね、聞いてる?ねえ」

( ><)「お兄ちゃんが肉じゃがさえ作れれば人の心は掴めるって教えてくれたんです!
      だから僕肉じゃがしか作れません!」


( <●><●>)『良いですかビロード…肉じゃがはお袋の味です。
        だからこれさえ作れればもう怖いものはありません
        人の心も意のままです』


目を閉じればその時のお兄ちゃんの顔が浮かんだ。

( ・∀・)「怖い人だね」

从 ゚∀从「トリッキーな兄貴だな」

川*゚ -゚)「うむ、り、略してアニッキーというやつだな!」

( ><)「…………」

( ・∀・)「…………」

从 ゚∀从「…………」

('A`)「…………」

川 ゚ -゚)(ハズした…)

д川


(;><)ビクッ

(;><)「そ、そういえばクーさんは料理上手なんです!クーさんに何か作って欲しいんです!」

川 ゚ -゚)「私か?それは構わないが…」

背後から不穏な気配を感じたので慌てて話を逸らした。
話を逸らし、かつこれからの会話につなげる!いい感じなんです!我ながらいいこと言ったんです!

そう思ったのだけど、何故かクーさん以外の面々は顔を曇らせていた。

(;・∀・)「あらら」

从;;゚∀从「おいおい」

(;'A`)「いやビロード、それはな…」

( ><)「?」

川 ゚ -゚)「どうか…したのか?」

д川


\( ・∀・)人从 ゚∀从人('A`)ノ「いや賛成です」


皆の賛成案にクーさんは頷き、ちょっとだけ嬉しそうに立ち上がった。
気のせいかもしれないけど、心なしかワクワクしてるように見える。

川*゚ -゚)「そ、そうか…じゃあちょっと部屋で作ってくるから待っててくれ
      いや嬉しいな、実は私は料理が好きでね」

( ><)「楽しみにしてるんです!」

そのままダンボールの中から野菜を物色し始めた。
ドクオさんの実家の野菜は大量に送られてきていて、食材を選ぶクーさんの顔はいつも輝いている。


川 ゚ -゚)「ドクオ、これ貰ってもいいか?」

('A`)「あ、はぁ…好きにしてください。どうせ俺も作れないし」

川 ゚ -゚)「ありがとう。頑張って作るよ」

両手一杯の野菜を抱え、軽く微笑んで、クーさんは部屋を出て行った。

僕は手を振って見送り、他の住民も笑顔で見送ったのだが
クーさんが部屋から出て行った瞬間、安堵とも脱力とも取れないため息が部屋全体を覆った。


( ><)「?皆さんどうかしたんですか?」

从 ゚∀从「ビロード…お前…」

( ><)「はい?」

( ・∀・)「君、作ってもらったからには全部食べるんだよ。残したら周りの奴らに怒られるからね」

('A`)「今日の朝飯抜いておけばよかった…」

( ><)「??どうしたんですか?」

暗い顔をしながらため息をつく3人を僕は不思議に思う。
だってこの間ご馳走になったカレーは美味しかったし
そもそも料理が好きだというのならそれなりに美味しいものを作ってくれそうなものだ。

それにあんな綺麗な人が作る手料理を食べられるのに、残念がる要素なんて見つかるわけも無い。
疑問にもっともだと言う顔で全員が頷いた。

从 ゚∀从「クーの料理は確かに美味いよ、けどなあ、あいつ今まで友達いなかったから…」

いつも元気なハインさんらしくもなく、額に手を当ててぼそぼそ呟く。

( ・∀・)「どのくらいの量を作ればいいか、とか考えないんだよねー
     常に全力で作るから」

( ><)「え」

('A`)「一度飯を作ってもらったときは腹が破裂するかと思ったよ。いや、美味いんだけどね…」

(;><)「で、でもこの間の時はそんなに量はなかったんです」

( ・∀・)「クーさんが言ってただろう、カレーは飲み物だと」

从 ゚∀从「それにアレは作り溜めのやつだろうしな。人のために作るとなったら…あいつ、本気出すぜ」

不穏な言葉に心臓がドクドクと大きな音を立て始めた。
さっきクーさんは食材をどれだけ持っていったっけ?
そういえばやけに嬉しそうに、頑張って作るよって…はりきっていたような…。


(;><)「もし、残したら…」

川д川「くふ、くふふふふふふふ………、ビロードちゃぁああああん、何か言ったかなぁぁああ?」

(;><)「ひぃ!」

冷たい手が僕の首筋に当たる。
上を見ればニタニタと笑う女幽霊、貞子さん。
付き合いが浅いからなんともいえないけれど、
この人が一番クーさんのことを大切に思っているのは僕にも理解できる。

いや、この人だけじゃない。
他の幽霊達も皆クーさんのことを大切に思っているのだ。

そんな大切にしているクーさんが作ったせっかくの手料理、もし少しでも残そうものなら…

(;><)「………!」

そこまで考えて体が震えた。
答えは想像したくない。

( ><)「…ハインさん、モララーさん、ドクオさん」


(;><)「もしかして僕…とんでもないことをしちゃったんです…?」

問いかけの答えは、乾いた笑いだった。



*――――――――――――*

目の前に並べられた料理は、豪華絢爛、あの野菜から作られた物とは思えないほどに綺麗で
料理人としての彼女の腕が見えるようだった。

情けない話だけど、僕は今までこんなご馳走見たことが無い。
あの野菜からこんなに綺麗な料理ができるだなんて、感動も一入だ。

川*゚ -゚)「こんな大勢に振舞えることなんて滅多にないからな…少々張り切ってしまった」

(*><)「す、すごいんです!クーさん料理人になれるんです!」

从 ゚∀从「おー美味そー!」

( ・∀・)「コレは中々…」

('A`)「すげーですね、流石です」

川*゚ -゚)「う、む…あ、ありがとう」


(;><)从;゚∀从(;・∀・)(;'A`)(しかし…)


しかし、並べられたその量は錚々(そうそう)たるものだった。

いくら僕が成長期の男子でも限界というものがある。
ドクオさんはいかにも食が細そうだし、モララーさんだってそんなに食べそうなイメージはない。
ハインさんに至っては女性だから、大食いでもない限りそんなに食べれないだろう。


この、ざっと20人分の料理を。


( ><)(ひ、1人4人分食べれば食べつくせるんです…!)

('A`)(いや、俺せいぜい2人分が限界…ていうかクーさんもそんな食わないだろ)

从 ゚∀从(情けねーこと言ってんじゃねーよ!バカ!)

( ・∀・)(それに、やってみるしかないようだぜ)

( ><)(え…?)

д川川*゚ -゚)「いや、嬉しいな、こんなこと言うとあれなんだが、私はあまり人に料理を振舞う機会がなくて…
        さ、遠慮せず食べてくれ。その際には是非感想も聞かせて欲しい」

そこには、いつも表情の読み取りにくいクーさんが頬を赤らめて嬉しそうに話している姿があった。


…男として、人として、これを傷つけるわけにはいかないんです。


(;><)(…………)

( ・∀・)(覚悟、決めようか)

(;><)(はい……)


さぁ皆さんご一緒に


「いただきます!」








それからの会話は、もう軽い宴会みたいだと僕は思う。
ここの人たちは本当に陽気で、お酒も入ってないのにすぐ盛り上がる性質なのだ。

というわけでこれからの会話は思い出せる限りのダイジェストでお送りするんです。




(*><)「お、美味しいんです!すごく美味しいんです!」


('A`)「あ、おれこの野菜好き…」


( ・∀・)「ドクオ、君カルシウムもとらなきゃだめだぜ」

('A`)「人の皿に魚の骨入れんな!」


从 ゚∀从「おーいクー!これなんていうんだ!?超うめーよ!」


川 ゚ -゚)「それは素直流ポトフでな…本当はもっとじっくりコトコト煮込みたかったんだが」


( ><)「モララーさん!その箸僕のなんです!取らないで下さい!」

( ・∀・)「おや失礼、えい」

ボキ!

(;><)「折った!?え、今なんで折ったんです!?」

('A`)「嫌がらせだろ」


从 ゚∀从「おいこらヤロー共!テメーらもっと食えよ!そんで腹破裂しろ!」

(;><)「イタイイタイ!ノリで頭掴まないでくださいなんです!」


('A`)「ふぅ…年下がいるって素敵…」

( ・∀・)「ちょっと前まではドクオの役目だったからな」

('A`)「不本意ながら」


川 ゚ -゚)「ハインさん楽しそうだな…」

( ・∀・)「羨ましいならクーさんも混ざったらどうだい」

川*゚ -゚)「い、いや、私はそういうのは…」

('A`)「あんたが混ざればいいでしょう、あの怪力女の力に握りつぶされろバーカ」


从 ゚∀从「ドクオてめーちょっとこっち来い」

(;'A`)「ひぃ!聞こえてた!」


(;><)「い、痛かったんです…!」

( ・∀・)「いい具合に生贄を差し出したねビロード、正直に言うがGJだ。はいご褒美」

( ><)「…モララーさんさっきからニンジンばっかり避けて、好き嫌いは良くないんです!」

川 ゚ -゚)「そうだぞ、ニンジンには栄養がたくさんあるんだ。食えっ」

( ・∀・)「クーさんもピーマン残してるじゃない」

川;゚ -゚)「う……」


( ><)「二人とも食べないとダメなんです!大きくなれないんです!」

( ・∀・)「…………」

川 ゚ -゚)「…………」


(;><)「え、あの、なんでいきなり黙るんですか
      ていうか何で二人して箸をこっちに向けうわやめなにをすr」


从 ゚∀从「おーいドクオが沈んだ!」

( ・∀・)「こっちも沈んだぜ」

川 ゚ -゚)「惜しい男を亡くした…」


('A`)「あんたら鬼か…」

( ><)「同感なんです……」


从 ゚∀从「そんなことより酒飲もうぜ!」

川 ゚ -゚)「よしきた、ちょっと待っていろ」


( ><)「ちょっとはこっちに関心向けろなんです!」

( ・∀・)「あっはっは!」

('A`)「笑うなっ!」



――――――――――


――――――


―――



*―――――――――――*

そうして、ようやく食事が終わった頃にはもうとっぷりと陽が暮れていた。

( ><)「もう…食べられないんです…っ」

从 ゚∀从「あっはっはっは、お前よく食ったな!エライぞ少年!」

(;><)「ちょ、頭なでまわさないで欲しいんです…!」

クーさんの料理は美味しかった。
この間のカレーの時も思ったけれど、なんだか優しい味がするのだ。
故郷を思い出させるような懐かしい味。

しかし、それも大量となると流石にお腹にも当然限界がくるわけで。
僕は重いお腹をさすりながら腹ごなしにハインさんと外を散歩していた。

从 ゚∀从「今日はもう夕飯いらねーな!」

( ><)「当たり前なんです…」

夕飯どころか明日の朝も危うい。

全員お腹を風船のように膨らました後、モララーさんは仕事、ドクオさんもバイトということで
あの場はお開きとなったのである。
クーさんは相当嬉しかったのか、また作っても良いか聞いてきた。
当然、僕に断れるはずもない。

(;><)「今度は全部食べれるか自信ないんです…」

从 ゚∀从「ま、あいつも嬉しそうだったからいいんじゃねーの」

ハインさんが頭の後ろで腕を組み、クーさんに負けないくらい嬉しそうに笑った。
その笑顔はいつもよりちょっと高潮していて…

( ><)「ハインさん、なんだか嬉しそうなんです?」

从 ゚∀从「んー?そうだな、お姉さんは嬉しいんだよ。こんな可愛い子が引っ越してきたからな!」

答えるとともに大きく叩かれた。
僕は背中を押さえながら答える。

(;><)「せめてカッコイイって言ってほしいんです…」

从 ゚∀从「アッハッハ!10年早えよ少年!」

再び叩かれた。
確かにハインさんから見たらまだ子供かもしれないけど(こんなこと思ってるのバレたら
殺されるんです)
そうもはっきり言われるとちょっとショックだ。


从 ゚∀从「ま、ブーンもジョルジュもいなくなっちゃったからなぁ…
     ちょっと寂しかったっつーのもあるさ」

隣に並んでぼそりと呟くハインさんの顔は、夕日に照らされて赤茶けた髪が真っ赤に染まって見える。
ブーンさんは知らないけれど、ジョルジュさんなら会ったことがある。

二人とも会いたいのなら会えばいいのに。

( ><)「ジョルジュさんも此処に遊びに来ればいいんです!」

从 ゚∀从「あれ?お前ジョルジュのこと知ってんの?」

( ><)「この間街で会ったんです!」

从 ゚∀从「そっか…、あいつ元気だった?」

( ><)「よくわかんないんです。でもウクレレ持って楽しそうな人だったんです!」

从 ゚∀从「あはっ、変わんねぇわな!」

そういって笑う顔は、嬉しそうなのにやっぱりどこか寂しそうだったので、僕はちょっと不思議に思う。
そういえばジョルジュさんもアパートに来たらいいと言ったときに微妙な顔をしていたっけ。

从 ゚∀从「まぁ、本当に変わらないわきゃないんだろーけど…」

( ><)「ハインさん?」


先に足を進め出したハインさんの顔が今の僕には良く見えない。
けど、なんだかすごく悲しい気分になっていくのがわかった。

どうしてかはわからないけど、僕はまた、何かいけないことを言ってしまったのかもしれない。

クーさんの時のように、無意識に傷つけるような言葉を吐いてしまったのかも。

从 ゚∀从「なぁビロード」

(;><)「は、はい!?」

从 ゚∀从「お前、あのアパート好きか?」

( ><)「え…そりゃ、皆さんいい人だし、
      201号室の人は会った事ないけど、楽しくていいところなんです!」

そうだ、何故かは良くわからないけど、あのアパートは居心地がいい。
まるでぬるま湯に浸かっているかのようなゆったりとした感覚。

すべてが一瞬で、それでいてゆるゆると流れる時間に眩暈すら覚えそうになるのだ。

足を止めたハインさんが、僕の方を振り返った。


从 ゚∀从「あたしも、あそこは大好きだよ、酷く居心地が良いから…。
     けどなあビロード。一言忠告しておくぞ」

( ><)「はい?」

从 ゚∀从「あんまりあそこに留まっちゃいけねえ」

( ><)「え……」

从 ゚∀从「あそこは、居心地が良すぎる、だから、ずっといちゃいけないのさ
      そういう場所なんだ」

( ><)「どういう、ことですか…?」

从 ゚∀从「お前も来ちまったからには、いつか必ず出なくちゃいけない。
      まぁそれがいつになるのかは、ちょっとわからないけどな」

僕の質問に答えることはなく、ちょっと自嘲気味に笑って、ハインさんは再び歩き始めた。
再び問い返すのはなんだか憚われたのでそのままついていく。

何処からか聞こえてくるカラスの鳴き声とその後姿が妙に寂しそうで。
切ないほどに締め付けられる胸がなんだかすごく痛かった。

どうしてだろう、この不安な気持ちは、一体どこから来るんだろう。

( ><)「ハインさ……」

从 ゚∀从「あー、大分暗くなってきたな、カラスが鳴くから帰ろうぜビロード」


話しかける前に、それは遮られ、からからと笑うハインさんはいつもの笑顔で

少しだけ安心した、けど。


( ><)「…悲しいんです?」

从 ゚∀从「何が?」

( ><)「わかんないんです」

从 ゚∀从「…お前にも、そのうちわかるよ」

薄く笑うその顔が、瞼に焼き付いて離れない。
僕にはハインさんの言葉の意味がわからなかった。




帰り道、都会というには妙に人通りの少ない道を僕らは歩いていく。
たわいも無い話をしながら歩くのは、なんだかちょっとだけ心地が良い。

( ><)「そういえばモララーさんてよく仕事にいってるけど、一体なんの仕事してるんですか?」

从 ゚∀从「さぁ?あいつに直接聞いてみろよ」

(;><)「教えてくれなさそうなんです…。ドクオさんは?」

从 ゚∀从「今はコンビニ店員とか言ってたな、一年前まではニートだったけど
      最近はよく働いてんな」

( ><)「じゃあ…ハインさんは?」

その問いかけに、ハインさんはニヤニヤ笑って僕の頭をくしゃくしゃなでる。
もしかしたらコレはハインさんのクセなのかもしれない。

僕に姉はいないけど、お姉ちゃんがいたらこんな感じなのかな。

从 ゚∀从「んー?なんだよなんだよビロードくん、お姉さんのお仕事が気になるのかい?
      それともハインさんに興味深々か?」

(*><)「え、いや!それはないんです!」

从 ゚∀从「早ぇよ否定すんのが」

( ><)「あいたっ!」

面白く無さそうに頭を叩かれた。
モララーさんといいドクオさんといいハインさんといい、人の頭をなんだと思っているんだ。

从 ゚∀从「まー、あたしの場合はそんなに躍起になって仕事しなくても大丈夫なのさ
      管理人代理ってことで家賃はねーし、それに副収入もあるし」

( ><)「副収入?」

从 ゚∀从「イレギュラーなモンだけどな。お前も住人だし…、いいか」

そうぶつぶつ口の中で呟くと、ハインさんはにんまり笑った。

( ><)「?」

从 ゚∀从「ちょっと寄り道するぞビロード、面白いもん見せてやる」

僕が頷く前に、人通りの多い道路の方へと、連れ出すように手を引かれる。
一体何だって言うんだろう。
ていうか女の人と手を繋ぐなんて、今までにあんまりなかったからちょっとドキドキするんです…!


ハインさんに連れられて抜け出した道は、大通りで、仕事を終えたお父さんや
学生さんが帰ってくるところだった。

その中で一つのベンチを指差しながら、ハインさんが僕に言う。



从 ゚∀从「あそこにな、おばあさんがいるだろ」

( ><)「はい」

薄いクリーム色のベンチに座るおばあさんは、誰かと待ち合わせでもしているのか
時計を気にしながらぼんやりと座っていた。

从 ゚∀从「でな、小さいハンドバッグを持ってるだろ?」

( ><)「はい」

从 ゚∀从「あれ、これから盗られるぜ」

(;><)「え……それって…」

どういうことですか、という言葉が続くことは無かった。

その前におばあさんの劈くような悲鳴が会話を阻んだからだ。
慌てておばあさんの方へと目を向けると、しゃがみ込んだおばあさんの横を全力で走り抜けていく男が見えた。

男の手にはおばあさんのハンドバッグが握られている。


「引ったくりよお!!」


周囲の人がざわめく中、ハインさんだけが妙に落ち着きを保っていた。

(;><)「た、大変なんです、早く捕まえないと…!」

駆け出そうとした僕の体をハインさんが手で制した。
ハインさんの表情は影に隠れてよく読み取れない。

(;><)「どうして止めるんですか!?早くあいつ捕まえないと…!」

もしかしてどうでもいいというんだろうか。
ハインさんはいい人だと思っていたのに、おばあさんのことなんてどうでもいいって思ってるのだろうか。
だとしたら、僕はハインさんをちょっと軽蔑する。

(;><)「離してくださ…!」

从 ゚∀从「5」

( ><)「え…?」

それはゆったりとした動きだった。
まるでそうするのが自然のように、口元に人差し指をあて、ゆっくりと動かす。

从 ゚∀从「4」

( ><)「ハインさん、何を言ってるんですか?!」

まるでカウントダウンでもするように、淡々と数字だけを述べていく。
その時、男が道路に飛び出した。
後ろから警察らしき人が追いかけているからだろうか、周りが見えていないようだった。

从 ゚∀从「3」

(;><)「あっ……!」

男に車が迫っている。
大型のトラックだ、もちろん、男は気づいていない。
運転手も余所見をしているのか男には気づいていないようだった。

このままじゃ…!

从 ゚∀从「2」

(;><)「危なっ……!」

迫る

車が



男へと

大きな音をたてて車が

从 ゚∀从「1」

(;><)「危ないっ――――!!」


キャー!という悲鳴とともに、場は騒然となった。
大音量の破壊音とともに、耳に粘りつくような不快な音が響いた。

ぐしゃり、とまるで潰れるような音が、リアルで。
猛烈な吐き気がこみ上げてくる。

从 ゚∀从「0だ」

(;><)「あ………あ…」


2_20091228101757.jpg



潰れた。

まるでクラッカーを砕くかのように簡単に男は潰れた。
真っ赤に染まった道路に、人が、倒れている。

赤い

真っ赤な人が

从 ゚∀从「ビロード」

(;><)ビクッ!

僕の肩に、ハインさんの手が置かれた。
その手は異常に冷たくて、まるでハインさんじゃないみたいだ。


( ><)「ハイン、さん…」

从 ゚∀从「もー陽が暮れちまった。帰ろうぜ」


どうして、こんな風に何事もなかったかのように話せるんだ?
顔色一つ変えないその顔が怖くて、僕には何も言えなかった。

从 ゚∀从「腹減ったな~、あたし消化早いからな~」

何も言えずにいる僕の前を、笑いながら歩き出すハインさん。
その顔はいつものように明るかった。


胸がじくりと痛む。


( ><)「……………」

僕には、ハインさんがよくわからなくなった。



第四話、終わり





この小説は2008年6月20日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:dH+DW8sK0 氏

第五話はこちらからどうぞ



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/28 10:19 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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