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( ><)はVIP荘に住むようです 第三話


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




―――――15年前


( <●><●>)『ビロード、まだ起きてたんですか、早く寝なさい。
        じゃないとお化けがきて食べられちゃいますよ』

( ><)『そんな「ひかがくてき」なものはいないって、お父さんがこのあいだ言ってたんです!』

( <●><●>)『いいから寝なさい。お化けにあったらビロードなんてあっと言う間にやられちゃいm』

( ><)「そんなのいないんですー!おにいちゃんは嘘つきなんです!』

( <●><●>)『……………まったく』

( <●><●>)『お化けは怒ると怖いのですよ』

( ><)『へーきなんです!』

( <●><●>)『………………』


―――――――――

それは、僕がここに越してきて1週間ほどたった頃だ。
VIP荘の暮らしにも少し慣れ始めた最近のこと。
僕の部屋には誰もいないはずなのに、夜眠ると部屋の中から笑い声が聞こえてくるようになった。

その声は毎日変わるのだけれど、一番多いのは女の人の笑い声で、
耳元でクスクスと笑う声が、段々大きくなっていくんだ……そして…

(;><)「う~ん…う~ん…」

クスクス…

(><;)「う~~~ん…」

クスクス…くふふふふ…

川くふふふふ… (>< )「う~……ん?」


川д川 (>< )

o川∀川oバァ- (><;)「……………で」


(;><)「でたぁあああああああああああ!!」



1_20091228101530.jpg




お化けなんてなーいさ
お化けなんて嘘さ!

そう信じてきて18年
僕はこの日、生まれて初めて霊体験というものをしてしまったんです




('A`)「幽霊ねぇ…」

((;><))「本当なんです!本当に出たんです!
      僕の枕元で髪の長い女の人がこう…ニヤッて笑ったんですー!!」

世にも奇妙な怪奇現象をした次の日
僕は朝一番にドクオさんの所へ訪れ、昨晩起こった事を口早に話した。

本当はあの時すぐさまアパートを飛び出していきたかったけど
それは流石に迷惑になると思って…ぼ、僕も成長したんです!

…別に気絶しちゃったとかそういうんじゃなくて。うん、本当に。

('A`)「お前金縛りとかそういう類のものもあったことないの?」

(;><)「わかんないんです!そういうのよくわかんないんです!」

ドクオさんは信じてないというか、どうも興味が無さそうにさっきからお茶を啜ったりしていて
それが僕にはちょっと悔しい。

(;><)「本当なんです!信じてくださいなんです!」

('A`)「いや、別に信じてないわけじゃ…ビロードはここに来て何日になるっけ?」

(;><)「今日で一週間になるんです!」

('A`)「あ、そう。んじゃ慣れたんだな、ここの空気に。だからか」

(;><)「何言ってるんですか!?言葉の意味がわかんないんです!
      むしろ慣れるって何語ですか!?そもそも何語ってどういう意味ですか!?
      全然まったくもってわかんないんDESU!」

(;'A`)「おま…落ち着けよ。キャラが崩壊してるぞ」

どうどうと宥めるドクオさんに僕は震えながら答える。
なにせこちとら生まれて初めて見る幽霊にgkbrなのだ、これが落ち着いていられるかっ!なんです!

(;><)「僕はきっとここで取り殺されて死ぬんです!
      あうあう、お兄ちゃん不出来な弟でごめんなさい…
      ビロードは志半ばで死…」

('A`)「だから落ち着けって」

ガッシ!ボカ!

(;><)「痛い!」

鍋の蓋で殴られた。

( ><)「な、何もそんなので殴らなくても…」

('A`)「俺はいつも鍋の方で殴られるけどね」

(;><)「……………」

('A`)「まぁ幽霊よりも人間のがよっぽど怖いって話だ、主に2名」

どこか物悲しいその口ぶりに、僕の頭には元気なお姉さんとスーツのお兄さんが浮かび上がった。
何か苦い思い出でもあるのだろうか、そう呟く顔が心なし蒼い。


('A`)「それよりお前さ、アパート住人には挨拶済ませたの?」

( ><)「201号室の人はいつも留守なんです」

('A`)「…まあ、あの人も人付き合いが得意ってわけじゃないから、そのうち会うだろ。
   203号室の人は?」

( ><)「あ、その人は越してきて3日目くらいに挨拶に行ったんです!
      すごく綺麗な人だったんです!」

('A`)「………そっか、会ったか」

引越しの片付けもあらかた終わった後、僕は改めてこのアパート住人全員に粗品を持って挨拶に行った。
ハインさんとモララーさんは喜んで、ドクオさんも淡白な性格だけどありがとうと笑顔で言ってくれた。

ただ、僕の両隣に住む人だけはタイミングが悪いのか、行っても留守なことが多く
まだ会ったことがなかったので、初めて会ったときは少し緊張してしまった。

未だに201号室の住人だけはいつも出てきてくれなくて、菓子折りが眠ったままである。

しかし、203号室の人にはきちんと挨拶はしたはずだ。
いつかジョルジュさんが言っていたように綺麗な人だった。

('A`)「クーさんな」

( ><)「聞いたんです!でも僕の名前間違って呼んでたんです」

('A`)「あの人はそれがデフォルトだから根気良く訂正してたらそのうち覚えてくれるよ。それより…」

( ><)「?」

頭を掴まれぐいっと顔を近づける、ドクオさんの顔は面倒くさそうだがどこか神妙だった。
細い体なのに意外に力もある。

僕は頭に?マークを浮かべながら、
もしかしてこれから実は203号室に住んでるやつなんていないとかホラーなこと言われるんじゃ…
と嫌な想像をしてしまった。

('A`)「それよりさ、お前あの人の所に挨拶に行った時、何も見なかった?」

( ><)「何も…って?綺麗な人だなーって思ったけどそれ以外は別に…」

('A`)「…んじゃ、やっぱりある程度時間がたったからこの空気に慣れたんだな」

そう呟いて興味をなくしたように頭を離した。
僕が何のことかわからないでいると、不意にドクオさんは立ち上がり
黙ったまま玄関に向かって指を差す。

( ><)「どうしたんですか?」

('A`)「行くぞ」

( ><)「行くって…」

一体何処に?

主語を言わないドクオさんに向かって、僕は首を傾げて問いかけた。
するとさも当然と言うように、ドクオさんは答える。


('A`)「クーさんとこ」



幽霊、怖いんだろ?
と、まるでモララーさんのように意地悪く笑いながら。



*―――――――――――――*

ドクオさんの部屋から階段をあがればすぐそこにクーさんの部屋がある。
あまり外に出ない人と聞いているけど、こんな風に簡単に尋ねる辺り
ドクオさんとクーさんはやっぱり親しいんだろうと僕は思った。


―――ピンポーン


掠れた音のチャイムを鳴らすと、程なくして扉が開く。

( ><)(なんだかドキドキするんです…!)

今はまだ明るいし、まさかいきなり幽霊が出てくるなんてことはないだろうけど…
顔を上げると、そこには綺麗な女の人が立っていた

川 ゚ -゚)「はい」

('A`)ノ「どうもクーさん」

( ><)「あ、お早うございますなんです!あの…」

川川 ゚ -゚)「ああ、新しく来た…ビローンくん…だったかな」

(;><)「ビロードなんです!………って、……え?」


д川川 ゚ -゚)「どうした?」


僕の、見間違いだと思いたい
だって今は明るいんだし
幽霊って明るいときとか昼間とか、ましてや朝とか出ないじゃん!
幽霊=夜って法則があるじゃないか!
なのに

((((;><))))「あば、あばばばばばばばばば」

その、後ろにくっついてる女の人は…

川д川川 ゚ -゚)「そんなに震えてどうした?寒いのか?」


クーさんが震える僕の頬に手を伸ばしてきた


くふふふ…川д川川 ゚ -゚)ノ「ならウチに入…」

バァアo川∀川o川 ゚ -゚)「れ」


(;  )「ギャーーーーーーーーーーー!」

川;゚ -゚)「!」


しかし、僕はその手を振り払って逃げ出した
驚いたようなクーさんと慌てたドクオさんの顔がちらりと見えたけど
今の僕にはそんなの気にする余裕なんてない。

だってだってだってだって!!


(;><)「わーーー!ぎゃーー!ひー!!うわーーー!おばおばおばおばっ」

クーさんの後ろについてた女の人、 足 が な か っ た ! んです!
生きている人間の顔色でもなかった!
ていうかあの人昨日僕の枕元に立ってた人だ!人か!?
いやもうそんなことどうでもいい!

どうでもよくないけど怖いんです!怖い怖いこわ…!

( ・∀・)「おっと」

(;><)「へぶんっ!」

突然視界が真っ暗になったかと思ったら、上から馴染みの声が降りてきた。


( ・∀・)「天国がどうかしたのか?」

((;><))「モ、モラモラモラモラモラッ…」

( ・∀・)ノシ「何をモラモラ言ってるんだ君は」

頭に一発チョップを食らったおかげで、ようやく僕は自分の震えを抑えた。
それからさっきのことを思い出して口早に告げる
モララーさんなら…モララーさんならきっとなんとかしてくれる…っ


(;><)「そ、それより大変なんです!おばけが!おばけがでたんです!
      髪が黒くて長くてんばぁって!そういえばドクオさんを置き去りにしてきちゃったんです!
      今頃食べられてしまってるかもしれないんです!
      やばいんです!怖いんです!クーさんて人もきっとあのおばけに取り付かれてしまってるんです!
      このままだとあぱーと全t」

( ・∀・)ノシ「落ち着け」

再び頭にチョップを食らった
い、痛い…

どうしてこのアパートの人たちは人を落ち着かせるためにわざわざ殴るんだ…。
モララーさんはやれやれと言わんばかりに肩を竦めると僕の方へと向き直る。

( ・∀・)「今更幽霊くらいで騒ぐんじゃないよ」

(;><)「えぇー!?なんでそんないるのが当たり前みたいに!?」

騒ぐよ!
そりゃ騒ぐよ!

( ・∀・)「君は守り神を見てるんだろ」

(;><)「ビコーズさんはビコーズさん、幽霊は幽霊なんです!
      わけわかんないこと言わないでください!」

( ・∀・)「僕に口答えとは言うじゃないか。苛めるよ」

(;><)「大人気ないんです!痛い痛いいたたた」

( ・∀・)「なんとでも言うがいい」

( ><)「大人気ないんです!大人気ないんです!」

( ・∀・)ノシ「誰が何度でもと言った」

(;><)「あうっ」

本日3回目のチョップだ。
どうしてこの人はこうもぱかぱかぱかぱか遠慮無しに人の頭を叩くんだろう。

( ><)「僕の頭は太鼓じゃないんです…」

( ・∀・)「だろうね、太鼓の方がいい音が出る。ところでさっきドクオって言ってたね?」

さり気に辛らつなことを言って、モララーさんは2階へと目を向けた。
そうだ!忘れるところだったんです!

(;><)「そうなんです!ドクオさんが…もしかしたら幽霊にやられちゃったかもしれないんです!」

恐ろしい想像をして僕は体が震えた。

( ・∀・)「いやそれは、…………あー、うん。そりゃ食われたかもね」

(;><)「ええ!?」

( ・∀・)「性的な意味で」

(;><)「せ…性的な!?」

( ・∀・)「まあ冗談だけども」

(;><)「こんなときに冗談は止めてくださいなんですー!」

何この無駄な問答!
さっきから僕のことなどまるで相手にしてないような態度に腹を立てていると、
上からドクオさんが降りてきた

( ><)「あ、ドクオさん!無事だったんですか!」

( ・∀・)「やぁ万年毒男」

('A`)「あー…まずった…あとモララーさん死ね」

普段から凄い明るい人とは言えないけれど、今日はそれよりも輪をかけて陰鬱な表情で
ドクオさんがうな垂れている。
どうしたんだろう、いやそれよりも大丈夫だったんだろうか?

幽霊にどこかやられたりしていないだろうかと心配していると、
モララーさんが見知った表情でドクオさんに近付いていった。

( ・∀・)「あははは。君ねー、なんも説明せずに会わせるからだよ。クーさんは?怒ってた?」

('A`)「だって守り神見たっていうし…クーさんは怒ってないだろうけど周りがなー…」

(;><)「?周り…?」

まずいなあ、とまるでまずいのが僕のような目で僕を見てくる二人組。
一体何だって言うんだろう、まるでこれから僕がヤバイ目に合うみたいじゃないか。

( ・∀・)「ハインちゃんに相談してみたら」

('A`)「都合のいいことにクーさんの所にいた。でもそれはそれ、これはこれ…」

(;><)「??」

('A`)「ビロード」

(;><)「?………はい?」

('A`)「まぁ、なんだ。その…………どんまい」

(;><)「い、いきなり応援!?僕なにかどんまいされるような事したんですか!?」

なんだかこのアパートでそんな言葉を聞くと根拠がなくても不安になってしまう。
オマケにドクオさんの目が売られる仔牛を見る目だ!

ワケも解らず混乱していると、モララーさんがニヤついた表情で、僕の後ろを指差した。

そういえば、さっきからなんだかやけに背後が冷たいよう、な


川( ><)

川д川(>< )

川д゚川「よくも…………よぉくぅもクーちゃんを…きぃ、きっ傷つけたなぁああああああああ!!
      コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロ」

(><;)「ぎゃああああああああああああああ!!」


おぉぉばぁけぇぇええええええええ!!
僕はその場であたふたと逃げ惑うていうかやべぇええええ!


(><;)≡(;><)「ああああああああああ!たす、たすけ」

その横で暢気に会話をしている二人が目に映った。

('A`)「やっぱりこうなったかー」

( ・∀・)「いやあ、反応が常人っぽくて初々しいな」

(;><)「何を優雅に話してるんですか!?」

助けて!

川#д川「こぉ~~~~ろぉ~~~すぅ~~~~~!」

(;><)「びゃぁあぁぁぁぁぁあああ!!」

つ、冷たい手が!僕の首に!
ああああああ死ぬ死ぬ殺される!どうして僕はこんな目にあってるんだ!
わかんないんです!本当に助けてなんです!

幽霊の長い髪がべたりと僕の頬に張り付いたとき、終わったと思った。
何が、なんてやばいことは言わないけどとりあえず終わったと思って目を瞑った。

(;><)「……………?」

しかししばらく待ってみても何の反応も起こらない。
あまりにも続く沈黙に僕が恐る恐る目を明けてみると、階段の上には綺麗な女の人が…もとい

( ・∀・)「やぁクーさん。ご機嫌麗しゅう」

川 ゚ -゚)「モララーか、別に麗しくはないが」

川д川「クーちゃん……」

203号室住人であるクーさんがそこにいた。
後ろでハインさんも手を振っている。

从 ゚∀从「ようヒョロ男」

('A`)「あー…クーさん。どうも」

从 ゚∀从「無視かよ」

川 ゚ -゚)「ああ、さっきぶりだな。それとそこの…」

(;><)ビク!

川 ゚ -゚)「ビン…坊ちゃま…?だったか」

(;><)ノシ「えぇ!?い、いや、ビロードなんです!」

なんだそのありえない名前の間違い方は!
しかしこの人が来てから、さっきまで僕を殺そうとしていた幽霊は明らかに静かになって
クーさんの後ろにくっついている。

話しかけられたというのにクーさんがそれに気づいた様子は無かった。

川 ゚ -゚)「そうか、悪いな。私はどうも人の名前を覚えるのが苦手で…」

(;><)「???」

これは一体どういうことなんだろう。やっぱり取り憑かれているのだろうか?
それとも全てわかってやっているのか?

お兄ちゃんだったらきっとここで何らかの答えをはじき出すのだろうけど、今の僕にはさっぱりだった。

僕の隣で、ドクオさんがおずおずと手を上げる。

('A`)「ところでクーさん…あの…、怒ってます?」

川 ゚ -゚)「私が?なぜだ」

('A`)「いや、遊びに来たのこっちなのに、コイツ手振り払って逃げたりしたから」

(;><)「…!」

そうだ、この人が普通の住人なら僕はとんでもなく失礼なことをしたんだ
幽霊に驚いたとかでもまず常識として謝らなくちゃ。

川 ゚ -゚)「なぜ怒る?問題ないさ、……慣れているからな、いつものことだ」

( ><)「……………」


 いつものことだから 慣れている ?


( ><)「あ………」

クーさんは冷静にドクオさんへと言うけど、でもそれは。

川 ゚ -゚)「だからまぁ、気にするな」

( ><)「……ごめんなさいなんです」

僕はきっと、この人に最低のことをしたんだ。と、思った。

川 ゚ -゚)「いや、気にするな。本当に。これは仕方の無いものだと思っているし、慣れいるから大丈…」

( ><)「ごめんなさいなんです!」

川 ゚ -゚)「だから……」

クーさんは困ったように言うが、クーさんの後ろにいる女の人は、今は何も言ってこない。
僕は、俯いたまま話を続けた。

( ><)「だって、慣れてる…なんて、そんなの嘘なんです!」

川 ゚ -゚)「……………」

( ><)「なんにもしてないのに、人に嫌われるってことがどんなに辛いことか、僕は知ってます」

たとえば、そこにいるのにいないもののように扱われたり
たとえば、まるで腫れ物を触るかのように倦厭されたり
集団からはじき出される悲しみ

それは純粋な悪意の塊だ。


( ><)「ごめんなさい、なんです」

僕は、もう一度頭を下げた。
あの幽霊さんが、怒った理由が僕には良くわかるから。
本当に、ごめんなさい。


川 ゚ -゚)「……………」

しばらく沈黙が続いたかと思うと、僕の上から小さな声が響いた。

川 ゚ -゚)「……………これから」

( ><)「はい?」

川 ゚ -゚)「ウチに来ないか。立ち話もなんだし。ウチに遊びに来ようとしてたんだろう?」

突然の申し入れに、僕達は顔を見合わせる。一番に同意したのはハインさんだった。

从 ゚∀从「いーな、それ!あたしも喉が渇いたしっ!」

('A`)「俺は元から行く気まんまんでしたから勿論行きますけど」

( ・∀・)「今日は仕事休みだからねー」

川 ゚ -゚)「…………君は?」

( ><)「僕は………」


僕、も

「ご一緒させてください、なんです」



*―――――――――――*

それから、僕達は仲良くクーさんの部屋にお邪魔することにした。

クーさんの部屋は僕の想像を絶するほどに幽霊たちの巣窟だったが、皆がついていてくれるから
さっきよりは怖くない。
…いや、全然怖くないって意味じゃないんだけど。
ここで僕が逃げ出したら永久ループの流れになるわけで。

川 ゚ -゚)「待っていてくれ、今飲み物を持ってくるから」

僕はなんとなくどうすればいいのかわからなくてその場にただ突っ立っているだけだった。
ドクオさんはここにはよく来るのか、横でやけに親しげに幽霊達と言い争っていて
モララーさんは特に気にする様子も無くハインさんと喋っている。


( ><)(変なの…)

どう見ても異常、変だ、と思うのに、なぜか段々普通に感じてきてしまうのはどうしてだろう。
僕ももしかしたら変なのだろうか

隣に腰掛けてるドクオさんがボソリと呟いた。


('A`)「こいつらは、な。クーさんには見えてない」

( ><)「え?」

こいつら、というのが僕の周りを飛んでいる幽霊達だと言うことは、なんとなく理解できた。

( ・∀・)「だけどね、彼らはクーさんを愛している。
      ただ、呼び寄せてしまう力が強すぎて周りの者まで見せるようにしてしまうんだ」

从 ゚∀从「本人には見えないっつーのに、皮肉な話だよなぁ」

( ><)「………………」

周りには見えているのに自分には見えない。
見えている存在は人とは異なるもの。

そんなこと当の本人は知らないとして、一体どんな扱いを受けるんだろう?
訳もわからず人に避けられていく。

僕は、本当に酷いことをしてしまったんだと今更ながらに思った。

( ><)「僕、クーさんに酷いことしちゃったんです…」

从 ゚∀从「気にすんなってクーが言ってたろ」

('A`)「説明しなかった俺も悪いし。…いや、説明するよりも見たほうが早いと思って」

( ・∀・)「言い訳がましい男はモテないよー」

('A`)「うるせえですよ」

( ><)「幽霊さんも…ごめんなさいなんです」

上を見上げると、さっき僕のことを必死の形相で殺そうとしていた幽霊が漂っていた。
もう殺気じみた気配はなく、今はただ品定めするように僕を見下ろしていた。

川д川「…………アンタ、私が怖くないのぉ~?」

( ><)「怖いんです、僕幽霊とかすごく怖いんです」

今だって、ちょっと足が震えている。
昔お兄ちゃんが言ってた言葉を思い出す

( <●><●>)『お化けは怒ると怖いのですよ』


川д川「…………」

( ><)「でも、それとやっちゃいけないことをやっていい、っていうのはまた別なんです」


だから、謝る。
本当に酷いことをしたと思ったから。

すると幽霊さんは笑いを含んだ表情で僕の元まで降りてきた。


川д川「今回は、アンタが思ったよりもバカじゃなかったからぁ…許してあげるぅ……くふふふふ」

('A`)「そもそも貞子が驚かさなきゃこんなことにはならなかったとも思うけど」

川д川「なぁにぃか言ったかしらぁああ~~~~ドクオちゃぁあん?」

('A`)「すみませんでした!」

从 ゚∀从「まぁ何もしなけりゃこいつらも割と気のいいやつだからさ、気にすんなよ!」

ハインさんに肩をばしばしと叩かれながら、僕は頷いた。

( ><)「はいなんです!」

川д川「でも、覚えておいてね~」

( ><)「え?」


ぐるり、と向きを反転させて僕の顔をさかさまの状態で掴んだ。
その顔は青白く、目は若干血走っている。


川д。川「クーちゃんを傷つけたら、絶対に許さないんだから…!」

(;><)「り、了解なんです…!」

その目に、僕は彼女の本気を見せつけられた。
…やっぱり、ちょっと怖いんです。



やがてクーさんがお盆に何か乗せて帰ってきた。
お盆の上には飲み物であろうものが…

川 ゚ -゚)「こんなものしかなくて悪いな」

そういって一人一人にその皿を渡す…え、皿?

(;><)「…か、カレー…?」

喉潤わす気0だこの人

川 ゚ -゚)「カレーは飲み物だと昔聞いたものだから…なにか変だったか?」

ちょっと心配そうな顔になるクーさん。
途端に部屋の温度がいっきに3℃ほど下がった気がする。

(;><)「全然!僕カレー大好きなんです!」

隣でドクオさんとモララーさんがニヤニヤと笑っている。
おまけに自前のスプーンまで持っている、こうなることは予想済みだったらしい。

从 ゚∀从「ちょーど昼時だし、あたしは飯にするわ。クー白飯よそってー!スプーンもな!」

川 ゚ -゚)「把握した」

クーさんはハインさんのお皿を受け取って再び台所の方へと戻っていく。


………………。


(;><)ハッ!

しまった!僕も頼めばよかった!
テーブルの上にはカレーのルーのみでスプーンはない。
このままだと皿ごと飲むことになるような予感がするのは、僕の気のせいだろうか?

いやドクオさんたちがスプーン持参している時点でそれは気のせいじゃない!
第一ここで常識が通じないのは僕も段々わかっているじゃないか!

从 ゚∀从「大丈夫だって、心配すんなビロード」

( ><)「え…?」

どうしようかと思案していたら、見透かしたようにハインさんが笑って言った。

从 ゚∀从「スプーンがなかったらドクオのを奪えばいいじゃない」

('A`)「イヤ何言ってんですか、そんなアントワネット口調に。
    アンタそんな考えだから嫁の貰い手が未だにつかないんです ぐふぇあ!」

ハインさんの蹴りは相変わらず見惚れるように綺麗だった。

      0
从 ゚∀从|「ホラよ」

(;'A`)「俺のスプーン!」

       0
( ><)⊃|「ありがとなんです」

(;'A`)「ブルータス、お前もか!」


なんやかんやと騒いでいる内にクーさんが戻ってきた。
そこにはちゃんとスプーンもあって、ドクオさんがほっとした表情で胸を撫で下ろしている。

変なの、普通はスプーンがあるのが当たり前なのに、スプーンがあって安心するなんて。

でも、きっとここれはコレが常識なのだとなんとなく思った。




             (∵|

( ><)!


気がつけば棚の上にビコーズさんが座っていた。
僕はにっこり微笑んで手を振ると、向こうも手を振り返してくれる。

モララーさんたちは守り神さんが珍しいって言ってるけど、こんなに頻繁に会うのにどうして珍しいなんて言うんだろう。

今度聞いてみよう。


川 ゚ -゚)「ビードロくん」

( ><)「ビロードなんです。どうかしたんですか?」

カレーを食べようとスプーンに手を伸ばしたところで、クーさんが話しかけてきた。
僕はそのスプーンを置いて振り向く。クーさんは何やら難しそうな顔をしていた。

川 ゚ -゚)「私は、その…あまり人に好かれる人間ではないらしいということは知っている」

( ><)「?」

川 ゚ -゚)「今までの体験から、そう学んだ」

そういうクーさんの顔はどこか憂いを帯びていて、僕はなんていっていいのかわからなかった。

きっと僕は傷つけた。
慣れている、だなんていっていたけど、あんなふうにいきなり人に逃げられることに
慣れるわけないんだ。
いや、慣れちゃいけないんだ。

( ><)「クーさん…」

川 ゚ -゚)「だけど…あの、無理にとは言わないんだが…」

おずおずと、堂々と話すこの人には似つかわしくないような小さな声で話す。

これも「今までの経験」からなのだろうか。
気がつけば僕の周りにいる人たちが皆僕の方を見ていた。
ドクオさんも、モララーさんも、ハインさんも、幽霊たちも。

クーさんがスッと手を伸ばした。白くて綺麗な、女の人の手。

川 ゚ -゚)「また、私と話してくれると、うれしい」

(*><)「も…もちろんなんです!こちらこそ酷いことしちゃってごめんなさいなんです!」

僕はどうして幽霊達がクーさんに懐いているのか、アパートの皆がクーさんを大好きなのか、
わかったような気がした。
こんな可愛い人、嫌いになれるわけが無い。

川 ゚ー゚)「………ありがとう」

その言葉にクーさんはちょっとだけ微笑むとスプーンを握った。
ドクオさんが驚愕の表情でそれを見る。


川*゚ -゚)「で…では、食事の前に余興でマジックだ!こないだ覚えたスプーン曲げをする!」

まさに鶴の一声、さっきまでの静けさが嘘のように場が一気に盛り上がりを見せた。

从 ゚∀从「おーやれやれ!」

( ・∀・)「ははははは!」

(;'A`)「ってそれカレー用じゃないんですk」

川д川「…ドクオちゃん…?クーちゃんは皆に喜んでもらおうと頑張って練習してたぁのぉよぉ~~~」

('A`)「スゲー!俺スプーン曲げって見たことないから楽しみー!」


2_20091228101529.jpg



盛り上がってきた皆の中で、僕も笑ってそれを見ている。
変な人ばっかりだけど、今はそれが凄く楽しい。



(*><)



なんとなく、本当になんとなくだけど、僕は初めて此処に来たときよりも
ちょっとだけこのアパートに馴染めた気がした。



第三話、終わり





この小説は2008年6月16日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:gtKGcxgj0 氏

第四話はこちらからどうぞ



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/28 10:17 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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