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( ><)はVIP荘に住むようです 第一話


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




( <●><●>)「ビロード、ハンカチは持ちましたか?」

( ><)「持ったんです!」

( <●><●>)「ティッシュは?」

( ><)「持ったんです!」

( <●><●>)「じゃあキップは?」

(;><)「持…!ってないんです」

( <●><●>)「持ちなさい。 それを忘れてどうするんですか」

( ><)「ごめんなさいなんです! 取ってくるんです!」

パタパタパタ…


( <●><●>)「ハァー…」


( <●><●>)「…不安だ」



1_20091228100919.jpg




子供の頃、父親に見せてもらった焦げ茶色の大きな財布がある。
本皮で作られたそれは子供の僕にとって大人の持ち物であり、何度も欲しいとねだったものだ。
だけど父親は頑(がん)として譲ってくれなず、その代わり、僕が大人になる時にくれると約束してくれた

( ><)「…………」

今では昔ほど大きく感じられなくなってしまったけれど、それは僕の憧れの財布であり
コレを持ったとき僕は大人になるんだと思っていた。
だから、今手の上にある、父から譲り受けたその財布を見て自然と笑みが零れた。

(*><)「………えへっ」

昨日ドキドキしてずっと見ていたから入れ忘れたのか。
お兄ちゃんが言った通り確かにコレを忘れては話にならない。
僕は電車のキップをその財布へと詰め込み、再び玄関へ走って行った。

そこにはお兄ちゃんがさっきと同じ位置に立っていて、若干呆れたような顔で僕を見ている。

( <●><●>)「まったく…ビロードは落ち着きがなさすぎます。」

( ><)「ごめんなさいなんです!」

( <●><●>)「そんな様子じゃ、ビロードが向こうへ行ってもやっていけるかどうか…お兄ちゃん心配です」


季節は、春
薄桃色の桜吹雪がハラハラと舞う家の前で、僕はもう一度ごめんなさい、と謝った。
確かに、僕は忘れっぽいところがあるかもしれない。

学校に行く時忘れ物をするなんてのは日常茶飯事だったし、実際今もそうだ。
だけどその度にお兄ちゃんがフォローしてくれていたから、今まではどんなことがあっても安心できた。
でも、これからは違う。

きちんと自分だけで判断して、自分だけで頑張っていかないといけない。

( ><)(ちょっと不安なんです…)

そんなこと出来るのかな?お兄ちゃんが僕を心配するのもよくわかる
でも、僕だっていつまでも子供じゃないのだ

安心させるように笑いかけた。

( ><)「大丈夫なんです! これからは、ちゃんと自分だけで頑張るんです!」

( <●><●>)「ビロード…」

呟いたお兄ちゃんは、どこか寂しそうな顔をしていたけれど、すぐに思い直したように僕の頭をぽんと叩いた。

( <●><●>)「気をつけて行くんですよ」

( ><)「はいなんです!」

( <●><●>)「体には気をつけて」

( ><)「はいなんです!」

( <●><●>)「何かあったら連絡しなさい」

( ><)「はいなんです!」

( <●><●>)「それじゃあ…いってらっしゃい」

( ><)「はい!…いってきます!なんです!」




舞い散る桜に見送られ、
大好きな兄に見送られ、
今日、僕は生まれ育ったこの故郷を出て行きます。

たった一つの夢を追いかけるために、この小さな田舎から旅立ちます。

見慣れた田園や綺麗な星空、良く吼える犬や庭に集まってくる沢山の猫、
堆肥(たいひ)の匂いがきつくて眠れなかった時もあったっけ。
でも、そんな日ももう今日で終わり。そう思うと少し寂しい。

だけど、これから僕は変わらなくちゃいけない。


( ><)「…頑張るんです」

見渡す限りののどかな景色に別れを告げて、僕は駅へと入って行った。
さぁ、これからが大変なんだ。


*――――――――――――――*

ガタンゴトン
電車に揺られること6時間
道中キップを失くしたり、駅員さんに探してもらって結局鞄に入っていて謝りまくったりと色々あったけど
とうとう僕は田舎で言う「都会」にたどり着いた。

( ><)「うはぁ…」

着いてからまず人の多さに圧倒される。こんなに沢山の人がいることなんて、
僕の住んでいた所ではまず考えられないことだった。

歩こうとするとすぐ誰かにぶつかってそのたびにすいませんと謝って。
春だというのに気持ち悪い生暖かな空気が僕を包み、なんだか気分が悪い

(;><)「うう…早くココから出たいんです」

進んでも進んでも人が多くてうまく前に進めない。
ようやく外に出たと思ったらそこにも人が沢山いて、なんだかげんなりしてしまった。
でも、こんなところで挫けている場合じゃない
僕は鞄から一枚の地図を取り出した。

( ><)「えーと…こっからこう行って」

それは父にもらった、僕がこれから暮らすアパートの場所を記した地図。

その昔父もそこに住んでいたらしく管理人さんとは仲が良かったらしい。
息子を上京させる際には是非、と言われ、これから通う学校に近かったことと
家賃が2万9000円と割安なこともあり、僕はあっさりとOKをだした。

見たこともないのに決めてしまったのは、無謀な冒険心もあったせいかもしれない。
一体どんな所なんだろう…

ちょっとワクワクしながら、僕は迷わないように足を進め始めた。
ビルが多く人も多く、ぶつからないように歩くのは大変だったけど
路地裏に入ってしまえばそんなこともなくなった。
重たい荷物を引きずるようにして地図どおりに歩いていく。

(;><)「あ、歩きにくいにもほどがあるんです…!」

ガンガンと狭い道に荷物をぶつけながらあるくのは正直しんどい。
なんだろうこの地図、もしかして僕間違った道行ってるんじゃないのか?

(;><)「はぁ…はぁ…」

そう思えるほどに、都会には似つかわしくないでこぼことした道が続いている。
だけど手がかりはこの地図しかないから今更戻ることも出来ない。

野良らしき猫に威嚇されながらも、ようやく普通の道に出るとそこには小さなアパートが
時代に取り残されたように立っていた。


そしてそのアパートの右側に、ようやく読めるような古ぼけた字で書かれていたのは―――







『VIP荘』








( ><)「ココだ…」

気がつけばぼんやりと呟いていた。
どうやら地図も僕も間違っていなかったらしい。

ちょっと安心しながらそのアパートに近づいて、改めてその外見を眺めてみる。

古い木造建築、モルタル二階建て。
色はすでに風化したように薄汚れており所々直した後があって
言っては悪いがここだけ昭和の時代から忘れられてきたんじゃないかと言ってしまいたいくらいボロボロだった
台風や大雨が来ると今にも崩れてしまいそうだ。

(;><)「うわ…」

父が居たときはまだ新しかったのかもしれないけど、いやでもこれは流石に…

( ><)「ボロッボロすぎなんです…」

???「わーるかったなぁ、ボロボロで」

(;><)「!?」

呟いた声に思わぬ返答があった。
辺りを見回すと、正面から左の扉が開き、中から背の高い女の人が出てくる。

从 ゚∀从「ボロっちくてもそれなりにイイトコあんだぞお?」

ニヤニヤ笑いながら近づいてくるその女性は20代半ばと言った所だろうか
赤みがかった茶色の髪をかきあげて、気がつけば僕の正面に立っていた。

背の低い僕に合わせるように屈んで顔を近づけると、ニカッと笑って、言う

从 ゚∀从「お前、ビロードだろ?」

(;><)「え、な、なんで僕の名前…」

从 ゚∀从「アタシはこのVIP荘の管理人代理、ハインリッヒ
      まーあ気軽にハインさんとでも呼んでくれちゃって構わねーよん」

大人っぽい人だけど笑顔はなんだかやたら幼い。
がしがしと頭を撫でられながら、僕は暢気に思っていた。
でも、どうして僕の名前を知っていたんだろう。

するとハインさんは僕の心を呼んだよう答えてくれる。

从 ゚∀从「さっきも言ったけどアタシはここの管理人代理、新しい奴が来ることくらい知ってるっての」

( ><)「あ、そうか…! でも、僕じゃなかったらどうする気だったんです?」

从 ゚∀从「いんや、それは有り得んね。 普通の奴はまずこのアパートに近寄んねえし」

( ><)「???」

从 ゚∀从「ま、それは後々説明するとーしーてー」

そこで一度言葉を区切ると、ハインさんはアパートの向かって正面にある扉を足で蹴りだした。
ガンガン!という激しい音と共に扉へ向かって声を張り上げる。

从 ゚∀从「ドークーオークーン! あーそーぼ!」

ガンガン!!
ガンガン!!

すると一瞬の後「うるせぇえええーー!」という怒鳴り声が聞こえ
後を追うように扉が開き一人の男の人が出てきた。

(#'A`)「なんなんスか! なんなんスか! うるせえんですよさっきから!」

从 ゚∀从「おいビロード、この夢も希望も無さそうな貧相男はドクオってんだ。
      お前の部屋の丁度真下に住んでるからな。 暇があったら嫌がらせしてやれ」

('A`)「ああ、これ嫌がらせですか…。 いや、知ってましたけど。
    だからって許せるモンじゃないってことわかってます? ねぇ?」

从 ゚∀从「悪ぃ今、ちょっと耳聞こえねーんだわ」

('A`)「……………」

(;><)「……………」

猫背気味の背中をさらに丸めると男は何やらぶつぶつ呟いている。
チクショウとか、なんとか。

僕よりも少し背の低いその人は長い前髪のせいでよく見えないけど割と若そうだ。
20代前半くらいかな?話しかけると胡乱気な目を面倒くさそうにこちらへと寄越してきた

( ><)「あ、あの…」

('A`)「…誰?」

( ><)「ぼ、僕ビロードって言います! 今日からこのVIP荘に住むんです! よろしくなんです!」

('A`)「…あ、そう。」

(;><)「…………」

初めて会う人にとって第一印象は大事。
それはお兄ちゃんに教えられたことだけど、どうやら僕は失敗してしまったようだ。

会話のキャッチボールは見事に一方通行。

…泣きたい

けど、いや、泣かないんです!
僕は一人前になってお兄ちゃんにすごいって言われて見せるんです!

キっと顔を上げた瞬間、そこにドクオさんの姿はなかった。

从#゚∀从「どっかーーーーーん!」

ハインさんの蹴りが今度は再びドクオさんに炸裂していたからだ。

ドクオさんが綺麗な弧をかいて宙を舞う。

人間ってあんなふうに空を飛べるものなんだと場違いに感心すらしてしまったけど
…当の本人はそれどころじゃないていうかええええええ!?


(;><)「ドクオさーん!?ハ、ハインさん!?」

もんどりを打って倒れたドクオさんはしばらくその場に蹲っていたが
やがて落ち着いたらしくうめく様に、睨みつけるように立ち上がった。

(# A )「ぐ…痛ってーーーーー! 何するんスかいきなり!?」

从 ゚∀从「うるせえな! 新住人には優しくしやがれってんだこの短小包茎! ビロードが傷つくだろ!」

(;'A`)「傷ついたのは俺だ! 人聞きの悪いこと言わないでくれません!? 違うし!…いや、違うから!」

何故か焦ったように否定を繰り返すドクオさんに再びハインさんの蹴りが炸裂。
見惚れてしまうほど綺麗な蹴りだけどそろそろ止めないとまずい。

( ><)「す、ストップなんです! 僕なら気にしてないから大丈夫なんです!」

从 ゚∀从「…チッ…。 命拾いしたな」

('A`)(…なんで俺いきなり命の危機に晒されてんの?)

('A`)「…でもまあ、助けてくれてありがとな。
    俺はドクオ、さっきそこの嫁き遅れが言ってたけど、アンタの丁度下にある102号室に住んでる。
    何か用があるときは…―――ガッ!」

从#゚∀从「ぬるぽ! …っと順番が逆か。まぁいい、誰が嫁き遅れだ、誰が」

(;'A`)「はは、3、30代突入まで後少しでしょ…グハァ!」

从#゚∀从「ハインさんは永遠の20代ダァ――――!」


(;><)「あ、ああ~…」


今度は止める間もなかった。容赦ないハインさんの攻撃にドクオさんはあっという間にぼこられ
僕がおろおろしているとボロ雑巾のようになってしまった。

…助けられなくてごめんなさい、なんです。


从 ゚∀从「そんで、お前の部屋なんだけど」

(;><)(何事もなかったかのように話を再開…恐ろしい人なんです!)

僕は今後この人には極力逆らわないようにしようと心に決めた

从 ゚∀从「202号室な、しつこい様だけどそれの上だ」

それ、と指差された先にはフルボッコされたドクオさんが横たわっている。
アパートは2階建て、どうやら僕は真ん中の部屋らしい。

从 ゚∀从「ブーンがいなくなってちょっとしかたってないからそんな汚れてないぜ、よかったな」

( ><)「ブーン?」

从 ゚∀从「前に住んでた奴だ。 ほい、鍵」

ぽーいと投げられたそれを慌ててキャッチした。
当たり前だけどキーホルダーも何もついていない。後で分かりやすいように目印でも付けておこう

从 ゚∀从「合鍵はアタシが持ってるから、失くしたら言えよ。 
      洗濯機とトイレは共同だ。そこにあるだろ」

アパートの右上にある扉を指差していった。
下の方には今時電気屋でも見ることができない洗濯機が設置されている。

从 ゚∀从「風呂はこの近くに銭湯あるからそこ使え。ドクオが連れてってくれっから」

( A )「な、何を勝手な…」

从 ゚∀从「………」

ゲシ!
ギャーー!

从 ゚∀从「他にわかんないことがあったらアタシに聞け。
      そこの101号室に住んでっから」

くい、と親指でさっき出てきた扉を示した。

( ><)「ありがとなんです!」

よかった。
最初は怖い人かと思ったけどどうやら良い人みたいだ。
ボロボロのアパートだけど住めば都って言うし!
ハインさんにお礼を言ってから僕は荷物を持って自分の部屋へと向かう。

背後からは再びドクオさんとハインさんの声が聞こえてきたので
なんだかんだいって仲が良いんだな、と思った

それがすぐに悲鳴に変わったのは聞かなかったことによう。


*―――――――――――――*

扉を開けると、ホコリっぽい匂いとカビっぽい匂いが混ざったような空気が
肺の奥までなだれ込んできて、僕はむせる様な咳が出た

( ><)「けほ! けほ! ま、窓開けるんです!」

どたばたと音を立てて部屋に入り、少しだけホコリをかぶったカーテンを一気に開け窓を全開にした。
眩しさに目を瞑りながらも、気持ちいい風が入り込んできたので目を瞑って風に当たった

( ><)「ふぅ…」

少しだけ気分がよくなったのと同時に、さっきまでの空気が少しずつ薄れていく。

( ><)「………」

気がつけばもう日も暮れかけていて、橙色の空が窓の外一面に広がっていた。
ただ田舎と違うのはこの小さな窓からでも沢山見えるくらい大きなビルが立ち並んでるということ。
ああ、もう僕は本当に故郷を離れて来てしまったんだなあ…

そう思うとなんとなくセンチメンタルな気分になって、自然と目尻に涙が浮かんできた。

( .><)「…ハッ! 泣いてる場合じゃないんです!」

でも、そんなこと考えてる暇はない。
僕は感傷的になるためにこの都会に出てきた訳じゃないのだから。

( ><)「と、とりあえず荷物を片付けないと…あ、でもお兄ちゃんに電話するのが先かな?
      夕飯は後で作るとして、引越しのご挨拶は…」



その時だった



ガタン!

( ><)「ん?」

カサカサカサ…

後ろで何やら不吉な気配。
なんだろう、この音。
もしやゴ…!

((;><))

田舎に住んでいたから虫は慣れっこな僕だけど
コレだけは昔からダメなのだ。アレは黒い悪魔だ。
見かける度に泣いていた悪夢が蘇ってくる…!

でも、このままココで硬直していても拉致があかない。
恐る恐る音のした方へと振り返ってみた。



(>< )

|∵)



( ><)………

(><;)ミ バッ

|∵) !

|ミ サッ


(><; )「…………」


ゴ…ではない。
妖精…とかそんな可愛いものでもない。
かといって人間でも…
いや、そんなこと悠長に考えてる暇なんてないんです!

(;><)「…き、きゃ―――――――――!!!!」


叫ぶと同時に部屋を駆け出した。

外には未だにハインさんとドクオさんが居て、それは僕にとってもラッキーだった。
2人は何事かというように顔を見合わせ、走ってきた僕を受け止める。

从;゚∀从「お、おいおい、どうしたんだよビロー…」

(;><)「な、な、な何かいたんです!押入れにちっ、ちっちゃくてでも虫じゃなくて
      人っぽいけど人じゃなくて! こう…宇宙人みたいななにかが!
      コッチ見てたけど目があったら隠れて…ああもうくぁwせdrftgyふじこlp;@:!!!」

从 ゚∀从「落ち着け!」

(;><)「ぎゃん!」

('A`)「新人南無」


ハインさんの鉄拳が僕の頭に落ちた。
星が飛ぶっていうのはこういうことを言うんだろうか。

チカチカと点滅する目の前でドクオさんが冷静に言った。

('A`)「あー、のな。 そりゃビコーズだから、気にするこたねえよ」

ビコーズ?
聞いたことの無い言葉だ。それとも都会には良く生息する生き物か何かなのだろうか?
付け足すようにハインさんが言う

从 ゚∀从「悪い、つい殴っちまった」

('A`)「俺の時には謝らないくせに…」

从 ゚∀从「ビコーズってのはこのVIP荘の守り神みたいなもんだ。
      初日から見るたあ運がいいなお前」

ドクオさんの発言を軽くスルーして聞かされた言葉に僕は唖然とした。
守り神? あれが?
というか、そんな簡単に言っちゃっていいものなんだろうか?

(;><)「神様なんですか…?」

从 ゚∀从「知らん」

('A`)「俺も」

(;><)「それじゃあ神様なのかわかんないんです!」

座敷童子と言われた方がまだ納得できたかもしれない。
そもそも対応が適当すぎてどうすればいいのかリアクションすら取れない。

おろおろしているとハインさんが考えあぐねたように発言する

从 ゚∀从「ん~…まあ確かにわけ分かんないんだけどさあ
      あれはアタシがこのアパートに住むずっと前から居るんだよ
      それを今更追い出すこともできねえだろ」

(;><)「そ、それはそうですけど…」

('A`)「何か悪さするってワケじゃねえし、見かけたら手でも振ってやれ。
    俺も最初は何アレって思ったけどな。慣れたら結構可愛いぞー」

大体このアパートに住んでる時点で普通じゃないって言うのは理解しとかなきゃいけないな

などと頷くものだから、僕はますます混乱する
おまけに

('A`)「ちなみに、俺はアレを見るまでに3ヶ月かかった、お前本当運いいね」

と、何故か悔しげに言った。

しかしその守り神とやらに対して告げる口調も顔も皆どこか穏やかで、僕はさっきまでの
混乱が段々と収まっていくのを感じた

( ><)「…………よくわかんないけど、わかったんです」

从 ゚∀从「どっちだよ」

( ><)「ビコーズさん?が守り神さんなのかどうか僕にはわかんないんです
      でも、ハインさん達がそういうならきっと悪いものじゃないと思ったんです」

('A`)「そうそう、良い奴だよ、あいつは」

ニヤニヤと笑いながら、ドクオさんが言った

(*><)「僕も…仲良くしたいんです!」


从 ^∀从「よく言った!」

(;><)「うひゃ!」

突然上から押しつぶされるように頭をわしわしとかき回された。

ハインさんなりのスキンシップなんだってことはなんとなくわかる
わかるけど、ちょっと痛いんです!

(;><)「い、痛い痛い! 痛いんです!」

从 ^∀从「男の子だろ! 我慢しろーい!」

(;><)「ええええええ!」

開放されたときには髪の毛はもうくしゃくしゃで、目の前ににすだれがかかったように前が見えなかった。
でも、髪の隙間から見えるドクオさんの顔が同情に満ちていたのはきっと気のせいではないだろう。

ふらふらと目を回していると突然背後から低い笑い声が聞こえてきた。



「やあやあ、随分楽しそうだね」

(;'A`)「ゲ…」

ドクオさんが僕の後ろを見て顔を顰めたので、その視線を追うように振り返ってみる。

心地よいバリトンの声を響かせてその場に立っていたのは20代後半といった男性。
高級そうなスーツに身を包み、髪もワックスで綺麗に固めてオシャレに気を使ってそうなあたり
僕の中ではいかにも「都会の人」というイメージだ。

103号室の扉によしかかって笑っている所を見るとこの人もVIP荘の住人なのかもしれない。

( ・∀・)「そこの君は見ない顔だね。 新人さんかい?」

突然話しかけられ驚いたが、ここは挨拶しなくてはいけない
なんせ第一印象が大切なんだから!

( ><)「は…、そ、はいなんです!今日から越してきたビロードって言うんです!
      よろしくお願いしまひゅ!」

噛んだ。

从 ゚∀从「……」

('A`)「………」

( ・∀・)「…………」

皆あえてのスルーなのか何も言わない。


( <●><●>)『ビロード…お前は肝心なところで空回るから、向こうではちゃんと空気を読むんですよ…』


…ハッ!
どこからか辛らつなお兄ちゃんのセリフが聞こえてくる!

(;><)「いや、あの、今のはちょっと間違って…!」

弁解しようとした瞬間、皆が盛大に噴出した

( ・∀・)「アッハハハハハハハハ!中々素敵な新人さんじゃないか!」

中でも一番大笑いしているのはスーツのお兄さんだ。
何がそんなに面白かったのかわからないけれど、お腹を抱えて笑っている。

そしてハインさんとドクオさんはそんなモララーさんを呆れたように見ていた

( ><)「あ…あの…」

('A`)「あー、ビロードっつったっけ。この人はな」

( ・∀・)「僕はモララー、そこの103号室に住んでるんだ。よろしくね!」

爽やかな笑顔で右手を差し出してきたので、僕はこの人はいい人なのだと思った。

しかしそんな僕の考えを見通すかのように、隣からドクオさんが突っ込んできた。


('A`)「気を付けろよビロード、その人性格超悪いから」

(;><)「ええっ!?」

('A`)「ていうかこのアパート変なヤツしかいないから」

(;><)「えええ!?」

( ・∀・)「むしろ多少おかしくなくちゃこのアパートじゃやっていけないぜ」

(;><)「ええええええ!?」

次々にちょっとこれからの生活が不安になるようなことを言われ、僕は頭を抱えた。
変なヤツしかいないって…それはドクオさん自身も入っているのだろうか?

( ・∀・)「まあ、突然こんなこと言われても混乱するよな。
      ホラ、訂正してやれよドク…ああ間違ったウジ虫」

('A`)「な?性格悪いだろ?」

(;><)「…………」

僕はもう深く突っ込まないことにした。
なんにせよ僕はこれからこのアパートで暮らすのだから、今からそんなネガティブなことばっかり
考えていられない。

話題を変えるようにハインさんへと向き直った

( ><)「そ、そういえばここって管理人さんはいないんですか?」

从 ゚∀从「いないっつーか…いるんだろうけど見たことある奴は一人もいねえのよ」

………?
それはいるって言っていいんだろうか?モララーさんとドクオさんの顔を見ると
どうやらそれは二人も同じのようで、軽く肩をすくめるだけだった

( ><)「あ、じゃあ他の住人さんたちにも挨拶したいんです!」

从 ゚∀从「あーっても、今はお前の両隣留守だぜ。
      時間的にも…まぁいるっちゃあいるのかもしれねーけど多分出ねえよ」

( ><)「?」

从 ゚∀从「ま、挨拶は別に明日でもかまわねーだろ。
      それよりお前、メシねーだろ? うちよってけよ。初日なんだからおごってやんぜ」

それは願っても無い話だった

正直まだこの辺りの地理もよく解らないし、引越しの片付けもある。
僕は一も二もなく飛びついた

(*><)「ご馳走になるんです!」


*―――――――――――*

それから、僕はハインさんの部屋で夕飯をご馳走になった。
ドクオさんとモララーさんはこれから出かけるらしく僕とハインさんの2人きり。

正直、こんな大人のお姉さんと2人になる機会なんて滅多になかったので、ちょっとドキドキしてしまった

ハインさんの所で夕飯をご馳走になった時には、すっかり陽も暮れていた。
故郷のように星は良く見えないけど、まるで田舎にいるように懐かしい気分になる。

部屋に入り、荷物を片付けているとお兄ちゃんから電話があった。
まるで息子を心配する母親のような口調だったので、思わず吹きだしてしまった。


( ><)「あはは、はいなんです…水には気をつけるんです。え?…大丈夫なんです!
      みーんな、いい人だったんです!」

心配するお兄ちゃんにあまり心配させないように、僕は言った。
うん、本当、皆言い人そうでよかったんです。

電話を切ると、後ろから再び物音がしたので振り返った。
といっても、なんとなく予想はついていたのだけれど



カタッ

( ><)

|∵)

(>< ) 

|;∵) !

(><*)「…ハインさんにお菓子貰ったんです。一緒に食べるんです?」

|∵)…………

|. .)コク

...( ∵)  (><*)

( ∵)旦旦(>< )


2_20091228100919.jpg



こうして僕は守り神さんと一緒にごお菓子を食べて話すのは無理だったけど
笑いあったり絵を描いたり、布団の上でコロコロ転がって遊んだりして、少しだけ仲良くなれたような気がしました。

都会に来て始めての夜はこんな感じです。

VIP荘、古臭くて、ボロっちくて、でもすごく優しくてあったかい人たちが住んでいる。

今日から此処が、僕の家です。



第一話、終わり。





この小説は2008年6月9日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:aXd29MHy0 氏

第二話はこちらからどうぞ



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/28 10:12 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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