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( ^ω^)ブーンは怪盗のようです 第1話


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ







   6の月12の日

   VIP国立博物館に展示されている
   『魚の涙』を戴きに参上いたします。
 

           怪盗ナイト・ホライゾン§





1_20091228095421.jpg



VIP国立博物館は国内最大の博物館であり、その展示点数も国内最多である。
展示品の一つ一つが超希少品。一日の入場者数も計り知れないほどだ。

そんな中、日夜入場者の目を惹きつけてやまないものがあった。
世界最高の純真珠『魚の涙』である。

( ゚∀゚)「異常ないな」

( 警備1)「異常ありません、警部殿!」

『魚の涙』は直径が成人男性の親指ほどもある巨大な真珠である。
その永遠に朽ちない輝きは老若男女を魅了し、この博物館に展示される以前には
とあるオークションで破格の値段がつけられていた。
形状は美しい球状で、シルエットはどの角度から見ても真円に映るという。
その製造者や製造年月日は不明とされている。

( ゚∀゚)「あの盗人野郎め、今時予告状なんか出しやがって」

怪盗ナイト・ホライゾンからの予告状が届いたのは6の月9の日だった。
予告状は博物館館長室の机に置かれており、発見した館長が直ちに市警へと通報した。

しかし9の日から11の日までの三日間、博物館は一度も休館していない。
なぜなら、怪盗ナイト・ホライゾンは必ず予告した日にしか盗みをしないからだ。
これは過去の傾向からも明らかであり、市警の対応も警備員を増やすだけに留まった。

逆に、ホライゾンに狙われているとの噂を聞きつけた見物客で
館内が満員状態になったほどである。
そして昨日11の日の23時を持ち、市警が本格的な警備へと入った。
予告状には日にちしか書かれていない。
ホライゾンが何時にやってくるか分からないため、
市警は二十四時間体制で『魚の涙』を警備することにしたのだ。
もちろん12の日は休館日となった。

( ゚∀゚)「しかし、でっけえ真珠だなぁ。
     流石に世界最高ってだけはある」

『魚の涙』をガラス越しに見ながら、ジョルジュ警部が呟いた。

純真珠『魚の涙』の展示室にいるのは、警備員四人とジョルジュのみ。
部屋の中心にガラスケースによって覆われた『魚の涙』が設置されており、
その周囲四方を警備員が守っている。

( ゚∀゚)「もう22時か……」

もう12の日が終わるまで二時間しかない。
ということは二時間以内に、ホライゾンがこの部屋に現れるということになる。

( ゚∀゚)「ああ、早く外に出て一服したいぜ」

ジョルジュは予想されるこの部屋への侵入経路を確認した。

まずは自分たち警備員が通ってきた、廊下へと繋がる大きな両開きの扉。
この部屋にある唯一の扉である。
だがこの扉を通ってくるのは不可能だろう。扉の向こうの廊下には多くの警官が詰めている。
大体ホライゾンが真正面からノコノコやってくると思うほど市警はマヌケではない。

次に、その扉とは反対側の壁に備え付けられた窓。これは壁面に三箇所並んでいる。
この部屋は地上四階にあるのだが、ホライゾンのことだ、どこから現れるか分からない。
念のため屋上と地上、それとこの部屋の上と下に警官を配置している。
この博物館の周辺に建物はないので、どこかから飛び移ってくることもないだろう。

( ゚∀゚)「それと……」

ジョルジュは天井を見上げた。
最後は天井に備え付けられた排気ダクトである。
館長から受け取った博物館の構造図によると、
この排気ダクトは人間一人が通れるほどの幅があり、更に博物館の外へ続いているという。

まさか映画や漫画じゃあるまいし、こんな所から入ってくるとは思えない。
しかしそれでも念には念をと、天井に設置された蓋は完全に接着し、
館外のダクト口を警官で固めた。

( ゚∀゚)「完璧だ」

ジョルジュは確信した。今回の警備こそ、ホライゾンの入る隙間は全くない。
今日こそ、あのふざけた盗人の正体を白日の下にさらしてやる。

( 警備2)「完璧って、警備がですか?」

警備員の一人がジョルジュに話しかけた。

( ゚∀゚)「ああそうだ。今日こそあのコソドロをとっ捕まえてやる」

( 警備2)「ですが怪盗ナイト・ホライゾンは難攻不落の要塞でも侵入し、
      必ず目当ての物を奪うって噂ですよ?
      この前もまんまとしてやられたって、もっぱらの噂――」

(#゚∀゚)「だーっ! うるせーな!
     じゃあお前はこの警備のどこかに穴があるって言うのか!?」

( 警備2)「わかりませんが、穴があるとしたら……」

( ゚∀゚)「あるとしたら?」




( 警備2)「こんなところに」


警備員の服からピンク色の煙が噴出した。


2_20091228095421.jpg



(;゚∀゚)「お、お前は――!」

驚愕の表情を浮かべながら、警備員に向かって手を伸ばそうとするジョルジュ。
だが勢いよく噴出する煙によって視界を遮られ、その手は空を切った。
瞬く間に煙幕は部屋中に充満し、不審な警備員の姿を隠す。

(;゚∀゚)「ぐおっ」

そう。奴は既に侵入し、標的を射程に定めていたのだ。
ナイト・ホライゾンの野郎は。

(;警備1)「ゲホッ、ゲホッ、な、なんだ!? 何が起きた!?」

(;゚∀゚)「奴だ、ナイげほっ、ナイト・ホライゾ……グエッ!?」

咳き込むジョルジュと警備員たち。
その時、高らかな笑声が響き渡った。

「フハハハハハハ! 予告通り『魚の涙』は頂いていくぞ!」

その声と同時に扉が開かれ、多数の警官が展示室へと飛び込んできた。
次第に煙が室外へと流れ、煙幕が薄まっていく。

(;=゚ω゚)ノ「ジョルジュ警部!」

ジョルジュの部下、イヨウ刑事がジョルジュの元へと向かった。
ジョルジュは壁に寄りかかり、激しく咳き込んでいる。

(;=゚ω゚)ノ「大丈夫ですか?」

(;゚∀゚)「バカ、俺じゃなくて『魚の涙』だっ!」

腕を回すイヨウを振り切り、ジョルジュは『魚の涙』の元へと走った。
既に『魚の涙』の周囲にいる警官が騒然としている。

(;=゚ω゚)ノ「こ、これは……」

( ゚∀゚)「……遅かったか」

ガラスケースの中の『魚の涙』は、跡形もなく消え去っていた。

(;゚∀゚)「クッ」

ジョルジュは周囲を見回した。
多くの警官が詰め掛けて来ている。部屋の隅には気絶した三人の警備員が倒れていた。
天井の排気ダクト口は開けられた様子がない。
ということは、

( ゚∀゚)「窓だッ!」

窓に駆け寄り、ジョルジュは身体を乗り出して周囲を見渡す。
すぐに分かった。星夜を小型ハングライダーで飛ぶ人影が見える。

( ゚∀゚)「あれが怪盗ナイト・ホライゾンだ!
     奴は窓からハングライダーで逃げたぞっ!」

こんな時間にハングライダーで街の上を飛ぶ市民がいるとしたら、
そいつはよほど酔狂な奴か、高い所が三度の飯より好きに違いない。

ジョルジュは叫ぶと同時に展示室を飛び出し、
パトカーが置いてある駐車場へと向かった。

目当てのパトカーの運転席に飛び込み、ジョルジュはポケットからキーを取り出した。
エンジンをかけるため即座にキーを挿し込む。

( ゚∀゚)「つっ」

肘に何かがぶつかった感触。
視線を肘の先に向けると、そこにはタバコが山積みとなった備え付けの灰皿が飛び出していた。

( ゚∀゚)「ったく!」

無理やり灰皿を押し込み、改めてキーを捻る。
今度はちゃんとエンジンがかかったようだ。

そしてアクセルを踏み込む、その直前。

( ゚∀゚)「ん……?」

助手席側の窓がノックされ、一人の女性が乗り込んできた。
女性は金髪をなびかせ、優雅に助手席へと座る。

( ゚∀゚)「これはこれは、特別捜査官のツン殿じゃないですか」

乗り込んできたのは対怪盗ナイト・ホライズン特別捜査官、ツン・デーレだった。

ξ ゚⊿゚)ξ「ホライゾンを追うんでしょう?
      私も乗せて行ってもらいたいのだけど」

開口一番、気の強そうな声が飛んだ。

( ゚∀゚)「もちろん。あの怪盗を地の果てまで追い詰めてやりますよ。
     安全運転はできませんがね」

ツンと呼ばれた女性はクスリと微笑むと、華麗な動作でシートベルトを締めた。

( ゚∀゚)「じゃあ行きますぜ!
     しっかり掴まっててくださいよ」

ジョルジュは力強くアクセルを踏み込んだ。

ξ ゚⊿゚)ξ「ええ――そう――お願いね――」

猛烈な速度でホライゾンを追いかけるパトカー。
その車内で、ツンは通話を終えた電話を切ってジョルジュを見た。

ξ ゚⊿゚)ξ「ホライゾンは北へ向かってるそうよ。
     それと、奴の着地予想地点までの道路に交通規制を行なったわ」

彼女が報告した内容に、ジョルジュは目を丸くする。
その発言を証明するかのように、次第に目にする車の数が少なくなっていた。

( ゚∀゚)「……流石は若干二十歳で特別捜査員となった才女、ツン殿。
     手際が良いですな」

ξ ゚⊿゚)ξ「よしてよ。私だって何度も奴に逃げられてるわ。
     今度こそ、奴を捕まえたいわね」

( ゚∀゚)「ええ。絶対に」

ジョルジュが更にスピードを上げる。
無人の道路を、二人が乗るパトカーが疾走した。

急ブレーキをかけ止まるパトカー。
ボンネットの向こうには三階建てのアパートが見える。

ジョルジュとツンはパトカーを降り、アパートの屋上を見上げた。

ξ ゚⊿゚)ξ「どうやら奴はこの建物の屋上に降り立ったようね」

( ゚∀゚)「追いかけましょう!
     怪盗ナイト・ホライゾンは神出鬼没。目を離すとあっという間に消えてしまう」

ξ ゚⊿゚)ξ「ええ、そうね……」

内ポケットから拳銃を取り出し、マガジンの確認を行うジョルジュ。
しかし一方のツンは武装を整えるどころか、その場から一歩も動こうとしない。

( ゚∀゚)「どうしたんです? 奴は屋上ですよ?」

ξ ゚⊿゚)ξ「ちょっと、警部に手渡したいものがあるんだけど」

ツンが握りこぶしを上げ、ジョルジュに向かって突き出した。

( ゚∀゚)「ん? 何ですかな」

受け取ろうとジョルジュが右手を差し出す。


が、次に彼が目にしたのは信じられない光景だった。


(;゚∀゚)「なっ……」

自分の右手首に手錠が掛けられていたのだ。

ツンはジョルジュに掛けた手錠のもう片方を持つと、
すぐさま自分の手首に掛けた。
これでジョルジュ、そしてツンは逃げることができない。

( ゚∀゚)「……冗談はやめていただきたいですな、特別捜査官殿」

ξ ゚⊿゚)ξ「冗談なんかじゃないわ、ジョルジュ警部。
       いえ――」




ξ ゚⊿゚)ξ「怪盗ナイト・ホライゾン?」

( ゚∀゚)「……」

ツンは相手の表情を観察しながら、獲物を捕えた狩人の表情でその名を口にした。

( ゚∀゚)「私がホライゾン? はっ、バカバカしい。
     勘違いにもほどがありますな」

呆れ返ったしぐさで睨みつけるジョルジュ。
しかしそれしきのことで確信が揺らぐほど、ツンの精神は脆弱ではない。

ξ ゚⊿゚)ξ「あなたがホライゾンであるという根拠は四つ。
      一つ目は、真っ先に博物館から飛び出して来たのがあなただということ」

( ゚∀゚)「ホライゾンが逃げ出したとなったら、それを追わなきゃならんでしょう?
     私と奴の因縁はあなたもご存知のはず」

ξ ゚⊿゚)ξ「二つ目はヘビースモーカーであるあなたが全くタバコを吸おうとしないこと。
       博物館内は禁煙でも、自分のパトカーで一服もしないのはどうかしら」

( ゚∀゚)「うっかり自宅にライターを忘れてきただけですよ。
     それにこの非常時にタバコなんて吸っていられないでしょう?」

ξ ゚⊿゚)ξ「三つ目はホライゾンの呼び方。
       あなた、奴のことを"怪盗"って呼んだわよね」

( ゚∀゚)「……!」

ξ ゚⊿゚)ξ「おあいにく様、ジョルジュ警部はそんな呼び方はしないわ。
       いつも"コソドロ"だとか"盗人"って忌々しそうに言うもの」

( ゚∀゚)「そ、それは……。
     し、しかしたったそれだけのことで私を疑――」

ξ ゚⊿゚)ξ「四つ目は!」

ツンが声を荒げ、ジョルジュの弁明を遮る。
彼女はゆっくりと、諭すように言った。



ξ ゚⊿゚)ξ「ジョルジュ警部は私に敬語なんか使わないのよ。
       他所から来た小便臭いガキは出てけ、ってね」

(  ∀ )「……」

ジョルジュの顔から鼻で笑ったかのような表情が消えた。
今やその顔は起伏を無くし、感情を読み取ることができない。

ξ ゚⊿゚)ξ「観念しなさい、ホライゾン。
       いい加減に正体を明かしたらどう?」


静寂が流れる。
それは決して長い時間ではなかった。
しかし、ツンには果てしなく長い時間に思えた。

突然、肩を振るわせ始めるジョルジュ。
そして彼はおもむろに静寂を突き破った。

( ゚∀゚)「はははははははははははははははははははははは!」

癇に障る高笑いが、夜の街に響き渡る。
ジョルジュは自由な左手を顔に当てると、顔面を力強く掴んで引っ張り始めた。
見る見るうちにジョルジュの顔が変形していく。

( §(∀゚⊂「そうさ、そう! この私が、この私こそが!」

彼の顔を覆っていた変装マスクが剥ぎ取られ、夜道に叩きつけられる。
どこに持っていたのか、ジョルジュに成り代わっていた男はシルクハットをかぶり、
そして高らかに言い放った。






( §ω^)「怪盗ナイト・ホライゾンさ!」

3_20091228095421.jpg








第1話『怪盗ナイト・ホライゾン』了  









この小説は2007年5月27日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者は◆SQlMtQaNrw 氏
第2話はこちらへどうぞ



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/28 09:57 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(1)

おもしろいよおおおおお
[ 2010/04/08 01:56 ] [ 編集 ]

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