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( ^ω^)ブーンがピアノを弾かされるようです 第二幕第四節


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ





――――これは何の間違いだろうか。


(:´・ω・`)「………」

キャッチボールをしようと勢いよく振りかぶったのにボールを持っていなかったような、いや、そもそもそこには誰も居なかったようなそんな不思議な感覚。
部屋は真っ赤に彩られ、いつもの嗅ぎなれた臭気が立ち込めていた。

(;´・ω・`)「何してるんだ…」

ショボンはドリッピングで描かれた床を踏みしめながら一歩一歩近づいていく。

(;´・ω・`)「何してるんだよ、ジョルジュ」

そこに佇んでいたのは、トップの男の首を抱えたジョルジュ。
鼻を掠める火薬の匂いに、未だ勢いの止まらないジョルジュを伝う赤い液体。
その光景を改めて認識し、ショボンは恐怖した。



1_20091227233023.jpg



―第四節―


( ゚∀゚)「…ショボン」

未だ床にペインティングをし続けるその濁ったジュースを見つめながらも、ショボンの震えは止まらない。
何人も人を解体したはずなのに、何故自分が震えているのか。
いつもの見慣れた光景なのに、どうして。

ショボンはそこで初めて気付く。すべての行為の責任を自分ではなく他人に求めていたことを。
友人の為に人を殺した。組織の為に人を殺した。愛するものの為に人を殺した。
加えて、一方的な略奪に、半端な怒り。

そんな半可な気持ちで、修羅道を進む気にさえなっていた自分。
この瞬間目前に修羅を見、自らが進んでいたのは畜生道であったのかと、ショボンは崩れ落ちるような錯覚と共に覚った。

2_20091227233022.jpg


( ゚∀゚)「ショボン、逃げろ」

ゆっくりと、ジョルジュが口を開いた。
ショボンは冷静を保てずに居たため、逃げろという単語を理解するのにも時間がかかった。

(´・ω・`)「あ、あぁ…でも君は」

それでも尚ショボンはジョルジュには無事であって欲しいと、微かに残っていた気持ちを吐き出す。

( ゚∀゚)「あいつらが幸せならそれでいい。俺はこいつらが殺した人数だけ、こいつらを殺した。もう満足だ」

ジョルジュは首を床に転がし、乾き始めた血液を鬱陶しそうに払った。

(´・ω・`)「でも、ジョルジュ…僕は」

ジョルジュだってわからないはずが無い。
少なくとも1人をショボンが手にかけているのをその目で見ているのだから。

( ゚∀゚)「……俺はもう同じ人数の人を殺した。だからショボン、お前はもう誰も殺すな。
     でないと俺はお前を殺さなきゃならない」

そう言ってジョルジュはショボンの横をすり抜け、部屋の外へと出て行ってしまった。

途端に脱力するショボン。
まさかあのジョルジュが人を殺すなんて、と。
あの日、自分がしたことは一体なんだったのか、と。
地面に座り込み、ショボンは項垂れてしまった。

しかし、天はショボンに休む暇を与えはしなかった。
ぼやける視界に目が霞んできたのかと目を擦るショボン。
それでも一向に晴れることの無い視界。

そこで初めてショボンは気付く。
目の前に煙が舞っているのを。

(;´・ω・`)「…ジョルジュ! あいつ!」

ショボンはジョルジュを探し出すため急いで部屋の外へと駆け出した。
廊下はもう随分と煙が充満していて、下手をするとこのまま倒れてしまうかもしれないほどだった。

(;´・ω・`)「………」

ショボンはジョルジュを探しながらツンの部屋へと急いだ。
どうやら幸いなことにツンの部屋の辺りはまだ煙が来ていないようだった。
早くツンを連れて行かなければ2人ともここで倒れてしまうだろう。

でも、ジョルジュを見捨てていいのだろうか。
ショボンの葛藤は走っている間中続いた。
ジョルジュとツンが交互に頭を駆け巡る。

もうすぐツンの部屋だというところで、ショボンの脳内から飛び出して来たかのように
ジョルジュが目の前に現れた。


( ゚∀゚)「ショボン…やっぱりまだ居たのか」

ジョルジュは全く動じてない風に、そんなことを言ってきた。

(´・ω・`)「ジョルジュ、僕と一緒に逃げよう」

ショボンはそう言ってジョルジュの腕を掴もうとしたが、ジョルジュはそれを拒否した。


( ゚∀゚)「…早く、行け」

苦しそうなジョルジュの喋り方にショボンは違和感を覚えた。
今まで慌てていて気付かなかったのだ。ジョルジュの顔が青白いことに。

(´・ω・`)「ジョルジュ! まさか君、怪我したまま止血してないんじゃ」

しかし、ジョルジュは決してショボンに体を触らせようとしない。

( ゚∀゚)「…V103は火元に近いんだ。あの娘を助けるのを手伝ってやれ」

ショボンはジョルジュが一瞬何を言っているのかがわからなかった。
V103にはショボンが燃やした黒い炭の塊があるだけだ。

(´・ω・`)「そうか、君には黙っていたままだったんだ」

ショボンはそこで初めて気が付いた。

(´・ω・`)「実は彼女はもうV154に移してあるんだ。心配ない、僕が今から迎えに行くんだ、だから――」

そこまで言って、ショボンはジョルジュの表情が変化するのを見た。


(;゚∀゚)「マジかよ…アイツにウソ教えちまった。…早く知らせに行かなくちゃ」

(´・ω・`)「…あいつ?」

ついさっきもこの単語が気にかかっていた。
どうもピンと来ないのである。

(;゚∀゚)「あの娘の彼氏さ。お前がウロチョロして遅れるんじゃないかと思って教えたんだけど…
      くそ、じゃあな! ショボン!」


(´・ω・`)「――――――」


ショボンはこの後死ぬまで、この瞬間のことを忘れることは無かった。


どういう訳か、右手にはナイフがあるのに刃が見えない。
どういう訳か、さっき走り出した友人が目の前に居る。
どういう訳か、右手が、妙に、温かい。


( ゚∀゚)「ッ……」

何かに短く怯えたような声を出してジョルジュは床に倒れた。
何故かは一目瞭然である。
ショボンが、後ろからジョルジュを突き刺したのだ。

3_20091227233022.jpg


(´・ω・`)「…ぁ…れ…」

まるで記憶が欠落したかのような錯覚をショボンは感じていた。
どうして自分がジョルジュを刺しているのだと。

しかしこの時ショボンは自分の胸の内の何かを感じることは出来ても、答えを見つけることは出来なかった。


(´・ω・`)「ジョルジュ! 大丈夫か!」

ショボンは半狂乱になりながらナイフを抜いて、ジョルジュを抱きかかえる。

( ゚∀゚)「…お前、むちゃくちゃ言うなよ」

その顔色は先ほどにも増して、最悪だった。

(´・ω・`)「ジョルジュ! あぁ…一体…」

ショボンは何か手立ては無いかと必死に考えたが、結局冷静を欠いていた為ただうろたえるばかりだった。

( ゚∀゚)「あれだけ…人は、殺すなって…言ったのにな」

それでもジョルジュはまるで自分の状況さえも冗談かのように言ってのける。
その姿を見てショボンは言葉が出なくなってしまった。
背中からゾクゾクする罪悪感に飲み込まれていくのをただ感じていた。

( ゚∀゚)「俺が、死んだら…ぜってぇ、殺してやるから…な。せいぜい…今のうちに、逃げと…けよ」

ジョルジュの声は掠れ、喋ることよりも咳をするほうが多くなっていた。

(´;ω;`)「…君が死んだら…誰が僕を裁くんだ。頼む…生きてくれよ…」

( ゚∀゚)「お前…は、何も悪いことしちゃい……俺…殺し…罰は…俺がっ・・・責…に…持つがら゛ぁ…よぉ…」

(´;ω;`)「ジョルジュ? おい、ジョルジュ! ジョルジュ!」


頬に雫が落ちたのを合図にしたかのように、ジョルジュはそれきり喋らなくなった。


ショボンは、自分の心を読みとれなくなっていた。

余りの現実に混乱していた。
そしてショボンはその拠り所を、計画に求める。
今自分がしなくてはいけない事があれば、それに従えば間違いは無いはず。

正常な判断を出来ないと踏んだショボンは、考えることを放棄し、歩き出した。
友は、きっと死んでなどいない。
恐らくこの後自分を裁きに来るだろう。
ならば、ここに捨て置いてもいいと、ショボンはそう思った。


(´・ω・`)「鬼ごっこの鬼と手を繋ぐ奴なんて居ないさ」

これが精一杯のショボンの逃避行動だった。
そしてショボンはツンを迎えに行くために、走り出す。

(´・ω・`)「僕は根っからの悪役みたいだ。だから…ジョルジュ、早く捕まえに来いよ」


友の死体と共に微かに残っていた自らの心を捨て置いて。



大分煙が充満してきていたが、ショボンは吸おうが吸わまいが構わないといった感じで、ひたすらに走った。
そしてツンの部屋へとたどり着くなり、すぐに勢いよく扉を開けた。

ξ ゚⊿゚)ξ「あ、ショボン。見て見て! この壁の落書きショボンにそっくり――――」

しかしショボンはそのまま無言でツンの手を取り、強引に引っ張って部屋の外へとまた走り出した。

ξ;゚⊿゚)ξ「痛い! ちょっと、痛いってば!」

訳もわからず力の限り引っ張られて、ツンは思わず非難の声を上げる。
それでもショボンは力を弱める事無く、ツンをどんどんと引っ張っていく。
ツンもその歩調に合わせて小走りになってきた頃、ショボンが急に立ち止まり、荒々しく壁を殴りつけ
部分的に壁のフェイクであったらしいカバーを壊した。

続けざまに中にあった赤いボタンを叩き壊すように押し、またツンを引いて走り出した。
再び走り出してからしばらくの間、ツンは後方から聞こえる地鳴りのような音が気になったが、
振り返る余裕が無く何の音かを確認することは出来なかった。

そしてやっと行き止まりが見えたかと思うと、ショボンは右手のほうに出てきた鉄の扉を強引に開け、
外へと飛び出して一度立ち止まり、息を整えてから振り返って建物を見た。
その間もショボンはツンの手を決して離すことは無く、ツンもいい加減何か文句の1つでも言ってやろうかと
思いつつもショボンの見る方が気になり、視線をそちらの方に移した。


そして、その瞬間ツンの頭から練り上げていた抗議文がパッと消え去った。

その視線の先には燃え盛る大きな館があったのだ。
この距離、と言うよりも今出てきた通路と明らかに繋がっていることを考えれば、自分達が居た場所が燃えているのは明白だった。


ξ;゚⊿゚)ξ「ね、ねぇ、これどういうこと?」

事態が全く把握できないツンにショボンは返事をせずに、またツンの手を引いて歩き出した。

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっと! 聞いてるの!? 燃えてるのよ!?」

聞く耳持たずといった感じでずんずんと前に進んでいくショボン。
程なくして一台の車が見えてきたかと思うと、ショボンがポケットからキーを出してエンジンを掛けた。
その様子を見てツンはますます混乱する。

ξ;゚⊿゚)ξ「ねぇ! どこに行くの!? ちゃんと説明してよ!」

ツンの言葉が届いたのか、ショボンは立ち止まりツンの方へと振り向いた。
しかし言葉が帰ってくることは無く、ショボンは両手でツンを抱え上げるとそのまま器用に車のドアを開け、
ツンを放り込んだ。

ξ;゚⊿゚)ξ「いたっ…!」

ショボンは勢いよくドアを閉め、自分は運転席へと乗り込み、すぐさま車を発進させた。
ガタガタと悪い道を進んでいく車の中、ツンは自分の身に何が起こっているのかが未だに把握できずに居た。

ξ ゚⊿゚)ξ「ショボン! なんとか言ってよ!」

するとゆっくりと低い声でショボンがやっと返事をした。

(´・ω・`)「火事さ」

非常に端的な答えだったが、その程度の情報量でツンが満足するはずも無かった。
しかし新たに与えられた情報は、確実にツンの思考パターンを増加させた。
そしてツンの脳裏に一抹の不安がよぎる。


ξ ゚⊿゚)ξ「…ねぇ、ブーンは?」

勿論ツンだってこんな大火事の建物の中にブーンが居ればタダでは済まないこと位はわかっていた。
ツンが真に尋ねたかったのはブーンの安否。
けれども、ショボンは何も答えようとはしない。

ツンにはその沈黙が、まるでブーンの無事を否定しているかのようで耐えられなかった。
我慢できずにツンは車のドアを開けようとするが、どこをどうやってもまるで開く気配がしない。

(´・ω・`)「ロックは外せないよ。これはそういうことの為の車なんだ」

そのショボンの言葉にツンは全身から力が抜けていくのを感じた。

ξ ゚⊿゚)ξ「……何でこんなことするの?」

力なく口から漏れたのは単純な疑問。

そして次に漏れてきたのは涙だった。


ξ ;⊿;)ξ「ねぇ! なんでよぉ! なんでよぉぉぉぉぉ!!」

まるで子供のようになぜを繰り返し、ツンは泣き叫んだ。
ガンガンと両手で叩いてみても、ガラスにはヒビはおろか傷1つ付かない。
しっとりと濡れる窓ガラスの向こうには随分遠く離れた館の焔色がぽつんと浮かんでいた。

ツンの思いとは裏腹にガラス一枚隔ててどんどんと遠ざかっていく橙色の館。


ξ ;⊿;)ξ「ブーン!!」

4_20091227233022.jpg


まるで彼女の叫びがその炎を吹き消したかのように、それきり赤々と夜を照らしていた館の姿は
見えなくなった。

それでも尚ショボンが運転する車は、既に見えないはずの館から逃れようと、
先のわからない闇の中を進み続けた。





この小説は2006年3月15日から2006年3月16日にかけてニュース速報(VIP)板に投稿されたものです

作者は◆HGGslycgr6 氏
第二幕エピローグは、こちらからどうぞ

記事元はオムライスさんになります



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/27 23:32 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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