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( ^ω^)ブーンがピアノを弾かされるようです 第一幕第二節

はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




この部屋には娯楽が無い。

ブーンはそんなことを考えていた。
朝ご飯を食べ終わった後、することが無くなって暇になったのだ。
こんな環境にも慣れてしまった証拠かもしれない。
それともあの男が緊張の糸を切っていったのか。
ブーンは退屈に耐えられず、楽譜のある部屋へ行った。

そこには、昔ブーンが弾いた曲の楽譜もチラホラと見受けられ、
それをブーンは片っ端から引き出していった。
できた楽譜の山を1つ1つ崩しながら、当時の事を思い出すブーン。
今は自分の意思でピアノを弾いている。
いや、状況的には強制されているのだけれども、昔とは大違いだった。

ここには誰も自分のピアノを縛る人は居ない。
ブーンは目ぼしい楽譜を幾つか拾い上げてピアノへと向かった。
ピアノを始めたばかりのあの頃のように、ブーンは夢中でピアノを弾き始めた。

うまくなるための練習とは少し違う、満足するための練習。
他人に聞かせるためではなく、自分に聞かせるためのピアノがそこにあった。
子供の頃には考えられないこの自分勝手さに、ブーンは興奮していた。
こんなにもピアノは面白かったのか。

そう思い、次に浮かんできた言葉が「上手くなりたい」だった。
怒られないために上手くなりたいのではない。

もっと満足するために、上手くなりたい。
もっと、もっと、この曲を表現したい。

その思いでブーンは憑かれたようにピアノを弾き続けた。



1_20091227231254.jpg


―第二節―


ちょうどブーンがバッハのシンフォニアを弾いている時に、扉が開く音がした。
演奏を中断して扉の方を見ると、朝見た男が居た。

( ゚∀゚)「よーッス。お、飯はちゃんと食ってるな。昼飯はラーメンだぞー、早く来い」

いつの間にか、テーブルまで用意されて、ラーメンの丼が湯気を上げていた。
ブーンは素直に従い、テーブルの元へと向かった。
それを見て朝ご飯の入っていたトレーを持って部屋を出ようとする男に、ブーンは尋ねた。

( ^ω^)「名前は…」

( ゚∀゚)「ん? ラーメンか? そのラーメンは―――」

( ^ω^)「あんたの名前は」

男が最後まで言う前に割っては入った。
ブーンはこの時同時に、最後まで喋らなければ語尾が出ないことを発見した。

( ゚∀゚)「あ、俺か。俺は…う~ん…余計なことはするなって言われてるからなぁ…」

そう言って男は右足をパタパタさせながら考え始めた。

そんなに名前は重要なことなんだろうか。
ブーンにはそれがいまいちわからない。

( ^ω^)「名前が無いと、この先色々不便…」

ラーメンがのびるのも構わずブーンは名前を求めた。
そしてブーンは自分にも問う。
そんなに名前は重要なことなのか。
ブーンはまだその答えに気付かない。

( ゚∀゚)「よし、じゃあ『G』って呼んでくれ。なんかかっこいいだろ」

( ^ω^)「わかった…よ。G、これからもよろしく」

この一件でブーンはGという男を信頼し始める。
Gと言う省略に、おそらく本名に近いのではないかと言う予感が走った。
適当な名前を言うのならば、省略なんてする意味が無い。
それはブーンの思い過ごしかもしれないが、この男の真っ直ぐさは十分にブーンに伝わっていた。
それに、例えこれがブーンの幻想でも、これを糧にブーンは強く生きられる。
ブーンの世界は、ブーンが決めているのだから。


日もすっかり沈み、いい加減演奏にも疲れてきた頃に晩ご飯が運ばれてきた。
焼き魚のいい匂いに誘われたが、今回は最後まで演奏しきってから、ご飯を受け取りに行った。

( ゚∀゚)「お前、ピアノ上手いんだな」

ご飯を受け取るなり、ブーンはそんな事を言われた。
ブーンは少し照れたようにいやいや、と反応してから言葉を付け足す。

( ^ω^)「まだ人に聴かせられるようなレベルじゃない…よ」

そう言ってトレーをゆっくりとテーブルの上において、ブーンはご飯を食べ始めた。
そんなブーンを見ながらGはゆっくりと対面に座った。
見るとなにやらニヤニヤ薄笑いを浮かべてブーンの方を見ている。

( ゚∀゚)「そりゃあ彼女もメロメロだな」

突然そんな事を言われたもんだから、ブーンはほぐした魚の身をポロリと味噌汁の中に落としてしまった。

(;^ω^)「メ、メロメロって…」

動揺を覚られないよう無理に食事を続けようとしたが、慌てた為か左手に茶碗、
右手に味噌汁のお椀を持ってしまい、却って動揺を強調する形になってしまった。

( ゚∀゚)「うらやましいなぁ…綺麗な彼女がいてさ」

(;^ω^)「ツ、ツンを知ってるのか?」

( ゚∀゚)「ん?ああ、世話してるのは俺じゃないけど、話には良く聞くな。
      ここは男ばっかだから皆盛り上がるんだ」

その言葉にブーンは少し興奮する。
ツンとの架け橋が思わず目の前に出来ていたのだから。
ブーンは食事そっちのけでGとの会話に集中した。

( ^ω^)「ツンは無事なのか?」

( ゚∀゚)「無事って、無事も無事。むしろこっちが被害を被ってる位だぞ」

ツンには悪いが、その様子は安易に想像が付いた。

( ^ω^)「ツンは、どこに…」

( ゚∀゚)「それはさすがに言えねぇよ。つか、言えてもこっから出れねぇしな」

それはその通りだ。
ブーンだってまさか会いに行けると思って聞いたわけではない。
今は、とにかくツンの状態を1つでも多く聞き出したかっただけだった。

( ^ω^)「ツンは、なんで捕まっているんだ…?」

これはブーンの大きな疑問のうちの1つであった。
ツンもピアノを弾かされているのか、それても何か他の事をやらされているのか。
Gは左上の方に視線を動かし、少し考えてから口を開いた。

( ゚∀゚)「…いや、知らなねぇな。何もしてねぇんじゃね?」

( ^ω^)「知らねぇって…」

一度は渡りかけた橋だと思ったが、どうやら向こう岸は霧がかかっていたようだ。
笑顔のツンが乱反射してあちこちへと映っては消えていく。
ブーンは一度味噌汁をすすると、Gの目を見た。

( ^ω^)「ツンは、無事。それは間違いない…」

( ゚∀゚)「ああ、間違いないぞ」

それだけをもう一度確認して、ブーンは食事を再開した。
それからはツンの話ではなく、どうでもいい世間話なんかをしながら時間を過ごした。
そして、食事が終わるとすぐにGはトレーの上の食器をまとめ始めた。

テキパキと片付けるGを見ながらブーンはこの施設も悪くない、と思っていた。
ピアノを弾くだけでご飯が食べられるなら、それはすごいことだと思う。
去り行くGの背中を眺めながら、ブーンは心の紐が緩んでいくのを感じていた。


( ^ω^)「悪くない…」

けれども口から出したら、言葉にハテナマークが付いて消えていった。
それはどうしてだったのだろうか。


蛍光灯の光の下ブーンは何も考えずにただピアノを弾いていた。
適当に楽譜のページをめくっては、目に付いたものを弾いていく。

そんなことを何回か繰り返した時、ふいに扉の音が聞こえてブーンの意識は現実へと戻ってきた。
見ると、そこに居たのはGだった。

( ゚∀゚)「よっ、頑張ってるか?」

Gらしい軽い挨拶が飛んできたが、ブーンは返事をしない。
どうしてGが来たんだろうか。
もしや、夜食なんてものまで出るのだろうか。
一通り考えてから、ブーンはようやく返事をした。

( ^ω^)「夜食とか…?」

( ゚∀゚)「おいおい、俺イコール飯かよ!」

Gは温もりのある大きな声ですぐに反応をしてきた。
バタン、と重い扉が閉まりGがこちらに近づいてくる。
近づくに連れて何かを手に持っているのが見えてきた。

( ^ω^)「何だよ」

依然目的を話さないGにブーンは口を開く。

( ゚∀゚)「いやさ、お前のピアノが聞きたいな~って」

そういうとGは近くにあった椅子を引っ張ってきて、2m位の距離に椅子を置いて座った。
そして服の襟を直す仕草をして背筋をわざとらしく伸ばすと、こちらを見据えて口を真一文字に結んだ。

(;^ω^)「いきなりそんな事言われても…それにさっきも言ったように―――」

( ゚∀゚)「いいって、いいって、こっちで勝手に録音するだけだから」

そう言ってGは右手に持っている四角いものをブーンに見せた。

2_20091227231253.jpg


(;^ω^)「ちょ、録音とか!」

これにはさすがのブーンにも焦りが見えた。
録音となれば下手なミスをすればそれが記録されてずっと残るというわけだ。
それを考えただけでブーンの手は熱くなる。

( ゚∀゚)「オッケー、オッケー、わかった。じゃあ最初は適当に練習してくれよ。準備できたら言ってくれ」

そう言ってGは自分のひざの上に頬杖を突いた。
その言葉を聞いてブーンはまず頭の中で曲を選びにかかる。


そしてブーンが弾き出したのがショパンの夜想曲 第1番 変ロ短調 作品9の1。

次々と繊細なタッチで幻想的な世界を編み出していくその様子は、
ピアノに関して素人同然のGから見ても震えるものがあった。
曲の展開に合わせて心臓の鼓動が束縛されるような、そんな魔力のようなものがブーンの演奏にはあった。
これが、しばらくピアノに触れていなかった者の演奏なのか、
Gは目の前の光景をただひたすら理解しようと努力した。

ピアノを中心に作り上げられていくブーンの世界。
Gは今まさにブーンの世界に捕縛されていた。
そして静かに曲は終わりを迎える。
短い世界の終焉である。


( ^ω^)「よし、じゃあこれで行くよ。準備オッケー」

一通りの弾いてみて大丈夫だとわかったブーンは、Gに向かってそう言った。

( ゚∀゚)「…ん? あぁ、わりぃ実はもう録音してた」

(;^ω^)「……え、ちょ!」

Gは最初からブーンのリラックスした演奏を録音するつもりでいたので、
頬杖をついた時点ですでに録音を開始していた。

( ^ω^)「嘘吐きはゆるさないぞ!」

そう言って拳を握って勢いよく立ち上がるブーン。

( ゚∀゚)「やべ! じゃあ俺はもう帰って寝ないとお肌がアレだからな! じゃーな!」

Gは早口で適当なことを喋るとあっという間に出て行ってしまった。
勿論最初から殴るつもりなんて無いブーンは追いかけることも無く、ただGの背中を見送った。
そしてため息を吐き後薄らと微笑むと、もう一度同じ夜想曲を弾き始めた。



それからの日々というもの、ブーンは平穏な生活を過ごしていく。
監禁されているという割には、余りにもゆるい体制。

何日かに一回は健康診断も受けていた。
運動不足の解消が当面の課題だったが、ブーンはほぼ健康体だと言っても過言ではなかった。
そんな恵まれた環境の中でブーンはさらにピアノの腕をあげていく。

昔の自分に追いついたかはわからない。
いや、もしかしたら昔の自分なんかとうの昔に追い抜かしていたのかもしれない。
ブーンのピアノは技術的には、すばらしいところまで成長していた。
けれどもブーンはそんな成長とは裏腹に、ついこの間までとは違う感情に悩まされていた。


(;^ω^)(何か…違う…)

うまくなっている筈なのに、ブーンは満足の欠片も得られなくなっていたのだ。
何故なのか、もっと上手くならなければいけないのか。
募る苛立ちは、ブーンの表にも表れ始める。



( ゚∀゚)「おーい、ブーン、飯だぞー」

いつものようにGがご飯を持ってきた。
しかしブーンは顔を見ようともせず、ただピアノを弾き続ける。

( ゚∀゚)「腹減ってないのか? 今日のは結構旨そうだぞ?」

(#^ω^)「うるさい!!!!」

全力で鍵盤に五指を叩きつけながら立ち上がるブーン。
その剣幕にGは思わず黙り込んだ。
2人の間に冷たい空気が流れるのを感じて、ブーンは冷静になった。

( ^ω^)「…ごめん」

( ゚∀゚)「………」

Gはそのまま無言で食べ終わった食器を持って部屋から出て行ってしまった。

(;^ω^)(何が…一体何が…)

ブーンの心に気持ちの悪い霞がかかっていた。




('A`)「そろそろか…」

モニターに映るブーンを見つめながら男が呟いた。

('A`)「技術はだいぶ上達してきているようだな。…仕上げにかかれ」

男は後ろに控えていた男達に命令し、再びモニターに視線を戻した。

('A`)「ブーン…今君を助けてあげるよ…フフフ。見ていたまえ、今ここにひとつの芸術が形を成していくぞ」

モニターを見つめながら、男は頬を紅潮させ歓喜に震えていた。
これから作り出されるものに対する純粋な期待と、その為には何をも厭わない不純な思想をたたえて。




( ゚∀゚)「…入るぞ」

Gが控えめな声で部屋の中に入ってきた。
ブーンはちょうど休憩中で、ただぼんやりと窓の外を見上げていた。

( ^ω^)「さっきは、悪かった…」

ブーンはまずもう一度謝罪した。

( ゚∀゚)「いいよ。そんなことよりさ、とっておきのニュースを持ってきたぜ」

Gがわざと鼻息を強く出して、胸を仰け反らせた。

( ^ω^)「なに?」

( ゚∀゚)「お前の彼女との面会だよ! やったな! ブーン!」

その言葉にブーンはドキリとした。


ピアノに狂っていたブーンも彼女の事を忘れた時は無かった。
しかし、ブーンは素直に喜んでいいのかわからず、微妙な表情を浮かべた。

( ^ω^)「ツン……」

( ゚∀゚)「おい! 何辛気臭い顔してんだよ! うれしくないのか!?」

ツンにとってみれば、迷惑な話である。
もしかしたらブーン目当てのこの事件に、全く関係のない自分が巻き込まれたのかもしれなかったからだ。

そうなるとブーンが加害者でツンが被害者と言えない訳でもない。
そんなブーンが一体どんな顔をしてツンに会えばいいというのだろうか。
罪悪感に押しつぶされそうになりながら、それでもブーンはGに連れられて面会室へと向かった。

てっきり目隠しをされるのかと思ったのだが、拘束具は手錠だけだった。
きっと逃げられない絶対の自信があるんだろう。
しかしブーンはその事実を何とも思わなかった。


面会室はまったくのイメージ通りだった。
部屋の中央に仕切りがあって、上半分は透明なプラスチックの壁。
ちょうど顔の高さには声が伝わりやすいよう、レンコンみたいに穴が開いている。

そして、その向こうに、ツンが俯いて座っていた。
ブーンは無言のまま、同じように椅子に座る。
なんて声を掛ければいいのだろうか。

せっかく会ったと言うのに、ブーンは何も言葉が浮かんでこない。
ツンは相変わらず俯いたままで、どんな表情をしているのか窺うことが出来ない。
ブーンは恐る恐るツンの名前を呼んでみた。


(;^ω^)「ツン……」

弱々しいブーンの声にツンが反応して、ゆっくりと顔を上げた。
ごくり、と音を立てて唾を飲み込むブーン。
ブーンはひどく罵倒をされる覚悟をした。

3_20091227231253.jpg



ξ ゚⊿゚)ξ「バーカ」

しかし、帰ってきた返事は罵倒というには随分軽いものだった。

(;^ω^)「……ツン?」

ξ ゚⊿゚)ξ「アンタ、ちょっと来るの遅いわよ、待ちくたびれたじゃない。
       まったく…こんなとこ来てまでとろいんだから」

ツンはいつものツンだった。
罵られているはずなのに、ブーンの心には暖かいものが広がっていった。

( ^ω^)「ツン……」

ξ ゚⊿゚)ξ「なによ、さっきから『ツン…ツン…』って。それしか言えなくなったの?」

( ^ω^)「ツン、大好きだ…」


突然のブーンの言葉にツンは何が起こったのかと慌てふためいた。

ξ*゚⊿゚)ξ「な、何言ってんのよ! いきなり!」

頬を赤らめ慌てるツンを見ながらもブーンは別のことを考えていた。

( ^ω^)(まるで僕が言ってないかのようだお…)

語尾を取っただけで、自分自身果たしてそれが本心なのかわからなくなってしまう。
言葉は相手に気持ちを伝えるもの。
しかし、相手に伝わっているのに、この釈然としない気持ち。
ブーンはこれ以上無い歯痒さを感じていた。

(;^ω^)「でも…この気持ちは、本当なんだ…」

ξ*゚⊿゚)ξ「わ、わかったから! もういいわよ!」

ツンは言葉の内容の重さに惑わされて気付いていないのか。
ブーンの中のたぎる愛情は、狭い出口に邪魔され暴発し始める。

( ^ω^)(僕はもう、ツンに心からの愛を伝えることも出来なくなったのかお)

勿論それはブーンの気持ち次第なのであるが、その気持ちと言うものが重要であった。

ブーンは心に決める。
ここを出て、もう一度ツンに好きだ、と伝えようと。
それまでは仮の言葉でいい。僕はツンを愛し続けるのだからと。

ξ*゚⊿゚)ξ「と、ところで、ブーン、あんたはいつも何してるの?」

ツンが話題を変えるために、質問をしてきた。

( ^ω^)「僕は、いつもピアノを弾いてる」

ξ ゚⊿゚)ξ「ピアノ?」

ツンが不思議がるのも無理は無い。
監禁されている奴がピアノを弾くなんて訳がわからない。

( ^ω^)「だいぶ弾けるようになってきたから、そのうちツンにも聴かせるよ」

ξ ゚⊿゚)ξ「うそ! ほんとに!?」

またもブーンの意外な言葉にツンは驚かされた。

ξ ゚⊿゚)ξ「ブーンのピアノかぁ、…ちゃんと……」

ブーンは最後の言葉が小さくなって聞き取れなかったので、もう一度ツンにたずねた。

( ^ω^)「なんだって?」

ξ*゚⊿゚)ξ「あ、あんたのピアノなんて別に聴きたくないって言ったのよ!」

(;^ω^)「ちょ、ひどい…」

けれどもブーンには勿論その言葉の裏側がわかっていた。

( ゚∀゚)「おい、時間だぞ」

たったこれだけの会話を交わしただけなのに、面会時間は終了してしまった。

ブーンが退出する間ツンは声を掛ける事無く、ずっとブーンを見つめていた。
2人の間にこの機会を逃すまいと言う必死さは無かった。

それは偏にこの施設の待遇の良さから来るものだろう。
お互いがお互いにこの先しばらくは安全で居られると、そう予想していたのだ。
ブーンは一度振り返りツンの顔をもう一度見ると、Gに連れられて部屋の外へと出た。
すると外へ出るなりすぐに、Gが興奮した面持ちでブーンに突っ掛かる。

(*゚∀゚)「いきなり『好きだ』とは、見せ付けるねぇ!」

肩を組んで、ぐい、と体を引き寄せながらGはブーンを冷かしてきた。

(;^ω^)「やめろよ、転ぶって」

ブーンの語尾は専らこの男の模倣だった。
その模倣は二人の距離を、より近しいものにしているのは確実だった。
2人は今ではふざけあえる位の仲にまでなっていた。

(*゚∀゚)「うりゃ、幸せモノは転んじまえ!」

(;^ω^)「ちょ、本当に転ぶ! おま!」

そしてブーンは重い扉の向こうへと、また運ばれていった。





この小説は2006年3月15日から2006年3月16日にかけてニュース速報(VIP)板に投稿されたものです

作者は◆HGGslycgr6 氏
第一幕第三節は、こちらからどうぞ

記事元はオムライスさんになります



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/27 23:14 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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