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('A`)と( ゚∀゚)は利己的なようです 後編





(*゚ー゚)「あれ、クーちゃんが何で此処に?」

川 ゚ -゚)「しぃこそ何でこんな所に?」

(*゚ー゚)「私は今日雨で部活が無かったから此処で遊んでるだけだよ?」
  _
( ゚∀゚)「あれ、お二人さん知り合いだったんですか?」


驚いた様子で話していたクーさんとしぃさんにジョルジュはそう問いかけた。
何故だか、この部屋にいる人間の中でジョルジュだけが驚いていない。


(*゚ー゚)「うん。中学からの友達なの。
     じゃあ、クーちゃんも遊びに来たの?」

川 ゚ -゚)「いや、そういう訳じゃ…」
  _
( ゚∀゚)「此処に来たってことは、何か返す物があるってことですよね?」

川 ゚ -゚)「…ああ、そうだ。これを」


そう言うと、クーさんはポケットから細長い機械を取り出し、
ジョルジュに手渡した。


('A`)「何だそれ」
  _
( ゚∀゚)「ボイスレコーダーだ。聞いてみるか?」


そう言うと、ジョルジュは再生ボタンを押した。


('A`)「……なるほどね」

川 ゚ -゚)「それは、本当なのか?」
  _
( ゚∀゚)「そう思ったから、此処まで来たんじゃないんですか?」

川 ゚ -゚)「…わからない。ただ、ブーンが信じられなくなったんだ」

(*゚ー゚)「え、え? 一体何の話なの?
     さっきのやつに内藤君の声まで聞こえたけど」


困惑した表情で、しぃさんは俺達に問いかけた。


川 ゚ -゚)「…実は、私はブーンと付き合っているんだ」

(;*゚ー゚)「えっ!? そんな…」

  _
( ゚∀゚)「なら、何でこれを再生しようと思ったか、聞かせて貰えますか?」

川 ゚ -゚)「…ああ、わかった。これは昨日のことだ……」


クーさんは、昨日あったことを俺達に話した。

  _
( ゚∀゚)「……そうですか。いや、俺の予想通りになりましたよ」

川 ゚ -゚)「君達は、一体何を知っているんだ?
     君達がブーンを憎んでいる理由は、一体何なんだ?」

(*゚ー゚)「内藤君を憎んでるって、もしかしてツンちゃんが…」


しぃさんが言いかけたとき、ジョルジュが睨むとまではいかないが、
厳しい表情でしぃさんの方を見た。
それを見て、今まで黙っていたツンさんが慌てて口を開いた。


ξ ;゚⊿゚)ξ「い、いいのよ」
  _
( ゚∀゚)「でもツンさん…」


ξ ゚⊿゚)ξ「…私から話すわ。
      しぃちゃんの友達があの内藤のバカに襲われそうになったのに、
      黙ってはいられないわよ」
  _
( ゚∀゚)「…そうか」

ξ ゚⊿゚)ξ「そうよ。あれはね……」



ツンさんは内藤と付き合ったこと、俺達がしたこと、
別れたこと、その後にあったことをクーさんに話した。
クーさんは、黙ってそれを最後まで聞いていた。



川 ゚ -゚)「ブーンがそんなことを…」


ツンさんが話し終えたとき、クーさんはそう呟いた。


(*゚ー゚)「クーちゃん、内藤君とはすぐに別れた方がいいよ。危ないよ」

川 ゚ -゚)「しぃ…」
  _
( ゚∀゚)「後はクーさん、何を信じるかですよ。
     俺達を信じるか、内藤を信じるか」


ジョルジュにそう言われ、クーさんはしばらく考え込んでいた。


川 ゚ -゚)「…一つ、腑に落ちないんだ。
     君達が正しかったなら何でそれを気付かせるのに、
     あんなに回りくどいやり方をしたんだ?」
  _
( ゚∀゚)「それは、俺はそのやり方が一番効果的だと思ったからですよ。
     自分が信じているものを真っ向から否定されても、
     人はそれを受け入れようとはしねェ。
     だから俺は、自分でそれに気付くようにしたんですよ」

川 ゚ -゚)「そうか…君達の方が何枚も上手だったわけか」


クーさんはまたしばらく考えていた。


川 ゚ -゚)「…わかった。しぃも言っているんだ、私は君達を信じるよ」
  _
( ゚∀゚)「それなら、これからどうしますか?」

川 ゚ -゚)「ブーンと、内藤と別れる」
  _
( ゚∀゚)「なら、協力しますよ」


川 ゚ -゚)「いや、これは私の問題だ。それは必要ない」

(*゚ー゚)「でも、内藤君が何してくるかわからないよ」

川 ゚ -゚)「いや、大丈夫だ」
  _
( ゚∀゚)「…クーさんが何を言っても、俺達は引きませんよ?
     なんたって俺達は『利己的』ですからね。
     やりたいようにしますよ。なあ、ドクオ?」

('A`)「…ああ。クーさん、これはクーさんの為とかじゃないんですよ。
    突き詰めれば、これはただの俺の我侭だ。
    内藤のカスにクーさんが傷つけられるところを、俺は見たくない。
    ジョルジュの言った通り、俺はクーさんが何を言っても俺は引きませんよ」

川 ゚ -゚)「そうか…」
  _
( ゚∀゚)「さて、そしたらコイツをまた貸しますね。
     多分役立ちますよ。」

そう言うと、ジョルジュはボイスレコーダーをクーさんに渡した。




キーンコーンカーンコーン

川 ゚ -゚)「やあブーン」

( ^ω^)「おっ、クー。おいs……何でドクオが居るんだお?」

('A`)「よう内藤。俺がクーさんと一緒に居るってことは、
    どういうことだか解るよな?」

川 ゚ -゚)「ブーン、これを聞いてくれ」


そう言うとクーさんはポケットからボイスレコーダーを取り出し、
再生ボタンを押した。


(;^ω^)「な、何でこんなものがあるんだお?」

('A`)「壁には耳があるってことだ」

川 ゚ -゚)「それとこれを」


クーさんは更に写真を取り出し、内藤に見せた。


('A`)「で、障子には目がある」

(;^ω^)「……」


川 ゚ -゚)「これはどういうことだ、ブーン?」

(;^ω^)「そ、そんなの知らないお! 多分そいつの悪戯だお!」


そう言いながら内藤は俺を指差した。


('A`)「まあ、あながち間違いじゃないな。それを撮ったのは俺達だからな。
    内容は真実だけど」

川 ゚ -゚)「ブーン、君が正直者じゃなかったのが残念だ」

(;^ω^)「クー、僕を信じてくれお…」

川 ゚ -゚)「ブーン、もう終わりにしよう」


(  ゚ω゚)「……畜生、全部お前のせいだお、ドクオ。
       お前等のせいで台無しだお」


内藤が俺を睨みつけた。


('A`)「何だ、俺とやろうってのか? 勝てるとでも思ってるのか?」

('A`)「二度と、クーさんの前に現れるんじゃねぇぞ」

(  ゚ω゚)「っ……覚えてろお!」


そう捨て台詞を吐き、内藤は俺達の前から消えていった。


('A`)「忘れやしないさ。お前はクーさんに手ぇ出したんだ」


('A`)「クーさん」

川 ゚ -゚)「何だ? ドクオ君」

('A`)「何か…すんませんでした」


内藤との決着を着け、俺とクーさんは帰路に着いていた。
俺の先を歩くクーさんに向かい、俺はそう言った。
それを聞いたクーさんは、俺の方に振り返る。


川 ゚ -゚)「何で君があやまるんだい?」

('A`)「…まあ、勝手に色々やりましたからね」

川 ゚ -゚)「そうか…でも、私は感謝しているぞ。
     それと、私の方こそ謝らなければならないことがあるな」

('A`)「何をですか?」

川 ゚ -゚)「君の事を自分勝手だと言ったり、叩いたりしたことをだ」


('A`)「自分勝手なのあってますよ。
    じゃあ、自分勝手ついでに一ついいですか?」

川 ゚ -゚)「なんだい?」

('A`)「俺と、付き合ってください」

川 ゚ -゚)「…すまない、としか今は言えない」
     色々あって、心の整理が出来ていないんだ」

('A`)「そうっすか……まあ、俺は諦めませんからね。
    クーさんが首を縦に振るまで、俺は引きませんから。
    なんたって俺は『利己的』な人間っすから」

川 ゚ー゚)「そうか」


クーさんは微かに微笑みながらそれだけ言った。
思えば、クーさんの笑顔を見るのはこれが初めてだった。
夕日の中の彼女のその綺麗な笑顔は、恐らく一生忘れないだろうな。

そうだ、やっぱ後で内藤殴っとこ。





1_20091227200007.jpg




     *     *     *


キーンコーンカーンコーン

('A`)「なあ、この問題解るか?」
  _
( ゚∀゚)「ycosxdx+2sinxdy=0? これは積分因子F(x)を掛けてだな…」


校舎の片隅にある『写真部』と扉に掲げられた、暗くて狭い部屋。
初夏の暑い中、コンクリートで囲まれ窓の少ないこの部屋は、
他と比べてとても涼しく快適だった。

俺とドクオは、放課後この部屋で勉強していた。
いや、勉強というよりは主に課題だな。
家に帰ってまで勉強したくない俺達は、
暇な放課後によくこの部屋で済ませてしまう。

  _
( ゚∀゚)「……で、多分ysin^(1/2)x=Cでいいはず」

('A`)「マンドクサ、やる気失せたわ」
  _
( ゚∀゚)「俺もだ。帰ろうぜ」

('A`)「そうすっか」


俺たちは立ち上がり、荷物を纏めて部室を出た。



     *     *     *


教科書を置きに教室に入ると、そこにはもう誰も居なかった。
俺はロッカーに適当に教科書を突っ込む。


('A`)「……」


振り返ると、綺麗に拭かれた黒板が目に留まった。


('A`)「こういうの見ると落書きしたくなるんだよなぁ…」


俺はチョークを取り、その綺麗な黒板に絵を描き始めた。
白いチョーク1本で思いつきでどんどん描いて行く。
カンカンという音が、静かな放課後の教室中に響いた。


('A`)「…こんなもんかな」
  _
( ゚∀゚)「何してんだオメェ?」


まあまあ満足してチョークを置いた俺に向かって、
やることを終えて俺の教室に来たジョルジュが言った。


('A`)「見れば解るだろ? 絵ぇ描いてんだよ」
  _
( ゚∀゚)「あ~あ、折角掃除しただろうにねェ」


俺の隣に来て、ジョルジュは俺の描いた絵を見ている。


('A`)「だから描きたくなるんだよ。これが『利己的』ってやつか?」
  _
( ゚∀゚)「ちょっと違くないか?」


ハハッと笑いながらジョルジュは言った。


('A`)「…あ、そうだ、これクーさんから」


俺はポケットから細長い機械を取り出し、ジョルジュに渡した。

  _
( ゚∀゚)「おう、サンキュ。コイツも案外役にたったな」

('A`)「よくそんなもの買ったな。サラリーマンとかが使うやつだろ、それ」
  _
( ゚∀゚)「まあ、親父に貰ったからな」


そう言うと、ジョルジュは再生ボタンを押した。



ピッ ザザザ…


《ありがとう、ドクオ君、ジョルジュ君》


ザザザ… ピッ


  _
( ゚∀゚)「なかなか粋だね、クーさんも」

('A`)「流石は俺が惚れた女だぜ!」
  _
( ゚∀゚)「何言ってんだかwww」


今度は男2人の笑い声が、静かな放課後の教室中に響いた。



     *     *     *


川 ゚ー゚)「……フッ」


私は毎朝、クラスで一番に学校に来る。
皆が学校に来るまでの静かな時間、その時間は何をしてもはかどる。
勉強したり、本を読んだり、時にはクラス委員としての仕事をしたりと、
何とも有意義な時間だ。

そして、たまに黒板に描かれた可笑しな絵を見ることが出来た。
今日もその絵を一目見て、ちょっと噴いてしまった。

そういえば、この絵を描いたのは内藤ではなかったのだろうか。


川 ゚ -゚)「だとすれば一体誰なんだろう?」

2_20091227200006.jpg



しばらくその絵を見たら、誰も来ないうちに消した。
その絵を独り占め出来たような、不思議な気分だ。





それから、しばらく本を読んでいたら、最近のちょっとした楽しみがやって来た。


('A`)「クーさん、おはよう」

川 ゚ -゚)「やあ、ドクオ君」


それだけ言うと、彼は漫画を取り出して読み始めた。


川 ゚ -゚)「それは何ていう漫画なんだい?」

('A`)「ああ、これはバリバリ伝説といってだな…」

川 ゚ -゚)「それは面白いのか?」

('A`)「面白いっすよ。読みたくなったらいつでも部室にあるんで」


「そうだ」と言い、彼はこっちの方を向いた。


('A`)「何か面倒な仕事とかあったり暇だったりしたら、
    いつでも写真部の部室に来て下さい。
    たまにしぃさんとかも居るし」

川 ゚ -゚)「そうか、なら今度行くよ」

('A`)「楽しみにしてますよ」


そう言うと、彼は再び漫画に視線を落とした。

最近、以前と変わった彼とのこの時間が楽しみになっていた。
恐らく、彼は私が答えを出すのを待っているのだろう。

いつかは、彼にちゃんと答えたいと思う。
その時の答えは、もしかしたら前向きなものになるかもしれない。

何故なら、彼ほど『利他的』な人間もそうは居ないだろうから。


('A`)「……フヒヒ、ハスラムかっこいいなおい」







     ――('A`)と( ゚∀゚)は利己的なようです・完――








この小説は2007年6月22日から2007年6月23日にかけてニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:lh4IdvDW0 氏(ID:SXa5uY/K0)
前編、中編、後編の3部構成です



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/27 20:01 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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