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( ・∀・)と薬草のようです 前編


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ

これは ( ^ω^)は童話を読むそうです の中のひとつ、( ・∀・)と薬草の番外編です
読んでいない方は先にそちらを読む事をお勧めします










     ――――この話は、運命に弄ばれた

                 哀しき王のことを綴ったお話――――








1_20091227191929.jpg







――――前編・序章




僕は、城の地下のなかを歩いていた。
暗い道。光も閉ざされているこの道で、灯りは父がもっている蝋燭だけ。
その父は、いつになく真剣で、緊迫した表情になっていた。

( ・∀・)「父さん、今からどこに行くのですか?」

この質問、何回したのだろうか。何回もしたのに、父は答えてくれない。
僕という存在を、消しているように。父さん、僕のことを無視しないで――――。
暗闇は、僕の心も飲み込もうとしていた。

どのくらい歩いたのだろうか。
この城の地下には初めて来たが、こんなに広くはないはず。
先程まで感じていた違和感が、僕に答えを教えてくれていた。
おそらく、何度も何度も、同じ道を通っている、と。

なぜ、同じ道を通っているのだろうか?父さんは、僕に何を見せたいのだろうか?
好奇心と、恐怖心が僕を煽り立てる。どちらかが勝ったかは、一目瞭然であった。

/ ,' 3「モララー。ここだ」

父さんが、ある部屋の前で立ち止まる。
その部屋は、頑丈な錠前が何個もしていた。見るものを阻むその部屋の先に、一体何があるのだろうか。
一個一個、父さんは錠前を外していく。規則正しく、地に落ちる錠前の音が、この場に鳴り響いた。

/ ,' 3「よし、全部外したな。入りなさい」

大きな扉が、軋む音を立てながら開く。
その部屋は、かび臭く、蛾も何匹かぱたぱたと飛んでいる。

しかし、僕が気にしていたものはそんなものではなかった。
不気味なくらい赤く染まっており、見るものを虜にする綺麗な花を僕はじっと見ていた。

( ・∀・)「父さん、一体この花は――――?」

父さんの顔は冴えない。
なぜか、その表情は曇り、視線は下を向いていた。

/ ,' 3「この花は、危険な花だ。決して無闇に見入り、触ってはいけない」

( ・∀・)「どういう、意味でしょうか?」

/ ,' 3「この花は、食べた人間を、不老不死にする悪魔の花だ」

( ・∀・)「ふろう……ふし……?」

視線を、横に向ける。
そこに映るのは、妖しく輝く赤い花。
なんて、美しいのだろうか。

/ ,' 3「左様。我らカシャール族の王が代々守り続けている花だ」

( ・∀・)「代々……?そんな昔からこの花は……?」

/ ,' 3「枯れることも、朽ちることもなくこの世に存在し続けている。
    古代から食う者を淡々と待ち続けているのだ」

( ・∀・)「この花を、どうしろと?」

/ ,' 3「誰にも触れないように、守り続ければいい」

( ・∀・)「なら、私に言わなければ永遠に葬られたのではないのですか?」

/ ,' 3「言っただろう?この花は、待ち続けているのだ。食う者を。
    わし等が監視しなければ、必ずこの花のオーラに吊られて食べる者が出てくる」

( ・∀・)「その花から民を守るのが、王の仕事……」

/ ,' 3「そうじゃ。そしてわしがこの話をしたということの理由がわかるか?」

父さんが、初めて表情を崩し、僕に向け微笑む。
指し伸ばされる手。

/ ,' 3「お前が、明日からこの国の王じゃ」

僕は、その手を握った。




――――前編・本編




王を継承し、何年も経った。
青二才だった僕も、次第に王の風格が馴染み出ていたのがわかる。
道行く人々も、笑顔で僕に挨拶し、仕事に行く。
うん、いい国だ。

( ・∀・)「今日は、獣でも狩ってこようかな」

こんな良い天気なんだ。
外で思いっきり体を動かしたい衝動に駆られ、付き人を一人ついて来させることにした。
一番の僕の理解者である、ドクオに。

('A`)「では、モララー様。参りましょうか」

覇気の無い声を上げ、馬に鞭を入れる。
そんな彼だけど、僕はドクオのことが好きだった。
決してうほっな意味ではなくて。

流れる風が、頬を撫でる。
とても気持ちの良い風。このまま永遠に走りたいところだ。
誰にも邪魔されることも無く、永遠に。


('A`)「モララー様。今日はここらへんにしましょうか?」

( ・∀・)「あ、ああ。ここにしようか」

('A`)「どうしたんです?上の空で」

( ・∀・)「いや、なんでもない。じゃあ行こうか」

馬からおり、弓と矢を担ぐ。
見渡す限りの草原は、春の匂いがした。
生命の息吹が流れ始めるこの季節。僕は春が好きだった。

( ・∀・)(…………)

――――永遠。

その言葉で、あの花のことを思い出した。不老不死になれるという、あの赤い花。
あの後、道を覚えるために、僕と父さんはもう一回地下へ行った。
それっきり、あの花を見ていない。

父さんは、僕に王を継承してから元気がなくなっていった。
忙しい日常から解き放たれ、平和な日常に戻ったからであろう。
どんどん父さんは老けていった。

そして去年。
父さんは病に侵され、床に伏せてしまった。聞いたことの無い荒い咳を何度もし、血も吐いた。
そろそろ死期が近いだろうと気づいたからであろうか。侍女もいない部屋に、僕は呼ばれた。

/ ,' 3「ごほっ!!ごほっ!!」

( ・∀・)「父さん、大丈夫ですか?」

咳が出る口を手で抑え、父さんは窓から外を見る。
今日と同じくらい澄んだ、綺麗な青空であった。

/ ,' 3「わしは、もう長くないじゃろう」

( ・∀・)「何を言ってるのですか。そんなことを言わないでください」

/ ,' 3「わしは、お前のような息子を持って幸せじゃ」

再び、咳を出す。
父さんの視界には、その青空はどう映っていたのだろうか。
この一点の雲もない広大な空。見えていたのか、見えなかったのだろうか。
天使が見えていたのだろうか、悪魔が向かいに来ていたのだろうか。
とにかく、父さんの顔には、悲壮感が溢れていた。

/ ,' 3「いいか、あの花を頼むぞ。決して、人に触れさせてはならない」

( ・∀・)「もちろんです。あの花は、僕が責任を持って見守ります」

/ ,' 3「それを聞いて、安心した」

父さんは、顔を僕のほうへ向ける。
薄く開いた目には、涙が流れていた。
あの時と同じように手を指し伸ばし、あの時と同じように、僕は握る。

/ ,' 3「頼むぞ、モララー……」

瞼が、閉じる。
握っていた手も、力が感じられない。呼吸も止まっていた。

( ;∀;)「父さあああああああああああああん!!!!!!!!!!!」

父さんは、死んでしまった。
それ以来、僕は赤い花のことをなぜか今日という日まで忘れてしまった。


「…………様!!」


――――誰だ?


「………ー様!!」


――――うるさいな。


「……ラー様!!」


――――この声は……、ドクオか?


「…ララー様!!」


――――わかったわかった。今、起きるよ。


('A`)「モララー様!!」

( ・∀・)「………ん?どうしたんだ?」

('A`)「それはこっちの台詞ですよ。何かあったんですか?」

( ・∀・)「うん、ちょっとね。昔を思い出してね」

('A`)「そうですか、体調が悪いのでしたらお城に戻りましょう」

( ・∀・)「大丈夫だ。こんないい天気なんだから、体を動かさなくてはお天道様に悪い。
      さぁ、行こうか」

('A`)「それなら……、良いのですが」

ドクオは悪態を突きながら、僕について来る。
しかし、心配されるほど僕はぼーっとしていたのだろうか。
軽いタイムスリップをした感じがする。

( ・∀・)「お、鹿がいるではないか」

鹿は、僕たちがいることを気づかずに、草の中を歩いていた。
弓を構え、矢を取り出す。放った矢は、綺麗に放物線を描きながら鹿に命中した。

('A`)「お見事です」

ドクオは、倒れた鹿の元に行き、手馴れた手つきで小さく捌いていく。
分解された鹿の肉塊を大きな布袋に入れ、口を縄で括りつけた。

('A`)「まだ、狩りをしますか?」

( ・∀・)「そうだなぁ。僕、少しこの草原を駆けるから、ドクオは城に戻って良いよ」

('A`)「わかりました。気をつけてくださいね」

( ・∀・)「あぁ、ありがとう」

袋を馬に背負わせた後、ドクオは馬に乗り走り出した。
僕はその姿を見届けた後、草原を駆け抜ける。

――――あぁ、気持ちが良いなぁ。もっと、もっと、速く、速く。
鞭を取り出し馬に打つ。鋭い風圧が僕に当たる。スピードが上がったのだ。

( ・∀・)「はいよっ、シルバー!!」

妙な掛け声を上げ、流れる風景を覗く。
一瞬にして変わっていく景色に、僕は風になったと錯覚させられる程、駆けていたのだ。





『この先、VIP領。勝手に立ち入ることを禁ずる』






手綱を引き、馬を止まらせる。
勝手に他国に侵入してはいけない。汗を垂らしながら、僕は看板を見ていた。

しかし、こんなところまで来ていたのか。
多少驚きながら、引き返すことにした。

( ・∀・)「VIP……か」

VIPの王がミルナに変わってから、この国は変わってしまった。
前王のモナーは、他国を凌駕する武力を無闇に使わなく、民のために使っていた。
尊敬すべき、王の鏡のような人物である。

だが、ミルナは違う。
モナーが亡くなったあと、その武力で次々と大国を植民地にしていった。
今は、実質上のこの世界の支配者と言っても過言ではない。なんとも恐ろしい話だ。

( ・∀・)「……城に戻ろう」

大国VIP。いつこの国を襲うかはわからない。
他国に比べて慨した資源が無いこの国も、いずれは攻めてくるだろう。
そのために、するべきことをしなくてはと思った。





その国は、カシャール国の何倍も大きく、その国に相応しい城が城下町を見下ろしていた。
廊下には赤いカーペットが敷いてあり、一人の男がその上を歩いて王室へ向かっていく。
男は威風堂々という言葉が似合い、表情は幾戦もの戦を経験した顔つきをしている。
男は、王室に隔たる大きな扉をノックした。

「入りたまえ」

それを聞いた男は、扉を開け中に入る。
玉座に座っている男は、待っていたぞと告げた。

(,,゚Д゚)「お呼びでしょうか?」

( ゚д゚ )「ギコ、この前の戦い見事であったぞ」

玉座に座っている男が、膝を地につけている男に対し微笑む。
後者は、ありがとうございますとぼそりと呟いた。

( ゚д゚ )「うむ。しかし――――」

玉座から立ち上がり、ギコの元に王が近づく。
相変わらずその顔は微笑んでいた。

( ゚д゚ )「お前がわかってくれる奴でよかった。正直、父と同じ堅物だと思っていたぞ」

(,,゚Д゚)「私は、戦をするために武術を嗜んできたのです。盗賊やチンピラの相手をするために、武術をやってきたのではありません」

( ゚д゚ )「父は平和ボケした老人だからな。所詮、国とは領地を広げて何ぼよ」

(,,゚Д゚)「その通りでございます」

瞬間、ミルナの顔つきが変わる。
いや、顔つきは変わっていないが、その微笑が変わったと言った方が正しいか。
邪悪な微笑がミルナを染める。

( ゚д゚ )「次に攻めるところはラウンジだ」

(,,゚Д゚)「……ラウンジ、ですか?」

( ゚д゚ )「そうだ。おじげついたか?」

(,,゚Д゚)「滅相もございません。必ずや、VIPに勝利を」

( ゚д゚ )「期待してるぞ」

それを聞いたギコは、ぺこりと頭を下げ部屋から退室をした。
額を拭うと、驚くほど冷たい汗が垂れている。

(,,゚Д゚)「ミルナ……か。食えん男だ」

ギコはぽつりと呟いた。
背中に背負っている巨剣は、鈍く光っている。





何個ものある、錠前をひとつひとつ外していく。灯りは、この蝋燭しかない。
消えてしまったら、帰ることは不可能だろう。それくらい奥深いところに、この花は眠っていた。

( ・∀・)「……久しぶりに来たけど、大丈夫のようだな」

花の元へ歩く。
目の前にある、不老不死の赤い花をこんなに間近で見ることは始めてであった。

( ・∀・)「……おや?」

赤く咲いている花の後ろに、ちょこんと隠れるように芽が出ていた。
まだ花は開いていなく、蕾のそれは今か今かと咲き誇るのを待っていようだった。
暗闇の中で、虎視眈々と。

( ・∀・)「……二本目、か」

その花に、火をつけてみた。これで永遠に葬られると思ったからだ。
しかし、消えたのは花ではなく、蝋燭に灯っている炎の方であった。

しまった、と思ったが一向に部屋は闇に侵食されない。
赤く、包み込むように部屋を照らしていたのは、赤い花であった。
妖しい光が、花から放たれている。


( ・∀・)「なんなんだ……。この花は」


2_20091227191929.jpg



枯れない朽ちない燃やされない。
それどころか、部屋を赤い光で照らしている。
これが不老不死の花なのか、と改めて認識させられた。

だから、父さんは何度も何度も危険な花、悪魔の花と言っていたのだ。
滅びることなく、獲物を狙っているから。

僕は、そこで戻ることにした。
暗闇を切り裂く、悪魔の花を持って。






この小説は2007年5月16日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者は◆I40z/j1jTU 氏
前編、後編の2部構成です

後編はこちらへどうぞ



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[ 2009/12/27 19:22 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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