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( ^ω^)はペルソナ能力を与えられたようです 第10話

 
はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




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                              第10話『嫉妬』


('A`)「お? おはよう」

 ドクオが教室に入って少しして、ブーンとツンも教室に現れた。
 すぐ後ろに居たなら声をかけてくれればと、ドクオは不思議がって挨拶をする。
 
( ^ω^)「おはようございます」

ξ ゚⊿゚)ξ「おはようございます」

(;'A`)「え? なに? なになに?」

 二人の妙な挨拶に戸惑う。
 そんなドクオの横を通り過ぎ、二人は自分達の席へ向かった。
 
(´・ω・`)「やぁ、おはよう」

川 ゚ -゚)「おはよう」

( ^ω^)「おいすー」

 ブーンの席にはすでに、ショボンとクーが待機していた。
 朝のホームルームまでの時間、この五人がブーンの席に集まるのは、定例の事だ。
 
ξ ゚⊿゚)ξ「おっはよー」

 少し遅れて、鞄を自分の席に置いてきたツンも挨拶と同時にやってきた。
 そのまま、ブーンの机に座る様にもたれかかる。
 
 短い制服のスカートからすらりとした白い太ももが伸びる。
 健全な男子高校生であるならば、自ずとそちらに目がいく事は当然で。
 
( ^ω^)「…………」

 ガン見である。
 いつもなら鉄拳が飛ぶのだが……
 
ξ;゚⊿゚)ξて

 ブーンの視線に気付いたツンは、さっとスカート裾を引っ張るだけに留まった。
 少しの恥ずかしさを感じつつ、ツンはしぃの言葉を思い出す。
 
ξ*゚⊿゚)ξ(スイッチかぁ……でもこれって……ゆ、誘惑? やだ私ったら……)

 逆に、ツンの方が意識してしまっているようだ。  
 当のブーンはというと。
 
( ^ω^)(女の子なのに机に座るのは行儀悪いお……)

 見事に、すれ違っていた。


 そんな二人の思案には、誰も気付くはずもなく。
 ドクオも来たところで、ショボンが切り出した。
 
(´・ω・`)「……途中、『居た』かい?」

 出来る限り小さな声で、『居たか』、と言う質問。
 何が、とは敢えて言わなかった。
 
('A`)「変な小さいのなら、二匹いた」

川 ゚ -゚)「私は四匹と遭遇した 弱かったから問題はなかったが……」

ξ ゚⊿゚)ξ「私は三匹かな」

( ^ω^)「僕は一匹だお」

 皆の回答を聞いて、ショボンは一つ息を吐いた後。
 
(´・ω・`)「僕は四匹だ なんか、いよいよって感じだね」

 何かが、起き始めている。
 日を重ねるごとに、顕著にその徴候が現れ始めている。
 
( ^ω^)「ショボン、昨日何があったか聞かせてほしいお」

(´・ω・`)「ん、ああ、わかった」

 予想していなかったブーンの積極的な質問に少し戸惑いつつ、
 ショボンは昨夜のことを話し始める。
 
 玖都留(クトル)市の謎の施設。
 
 アムドゥスキアス・システム。
 
 ペルソナ使いとの戦い。
 
 そして、ハインリッヒ高岡という協力者の事。
 
 簡単に、説明した。
 

ξ;゚⊿゚)ξ「なんだか……大変だったのね……」

('A`)「正直、本気で死んでたかもしれなかったなぁ……」

川 ゚ -゚)「まぁ、終わり良ければと言うだろう」

(´・ω・`)「そうなんだけどね、でもまだ何も、終わっていない」

( ^ω^)「……」

(´・ω・`)「それで今日、学校が終わったらモナーさんの所で話し合いをするんだ。
      ……ブーンとツンは、大丈夫?」
     
( ^ω^)「行くお」

ξ ゚⊿゚)ξ「行くわ」

 ツンは確実にくるだろうと、ショボンは思っていた。
 だがツンよりも早く、はっきりと行くと答えたブーンに、少し驚いたようだ。
 
('A`)(……ブーン……)

 一人。
 ドクオだけは、信じていた。
 
(´・ω・`)「わかった、じゃあお昼は……」

 ショボンが続けようとした、その時。
 突如背中に気配を感じた。
 
(;´・ω・`)「?」

 驚き、振り返る。
 皆も何かを感じ取っていたのか、ショボンが振り返った先へと視線が集中する。


川д川


 そこに居たのは、一人の女子生徒。
 ショボンにギリギリ接触するかしないか、絶妙の間合いを取り佇んでいた。
 
 ばさりと下ろした長い黒髪は腰近くまで達し、顔は鼻と口しか見えていない。
 肌は透き通ったように白く、黒髪と対照的だ。
 僅かに覗いた鼻筋はすっきりとしており、素顔は案外、美人なのかもしれない。
 
 だが、残念なことに今のままでは不気味な印象しか与えられない。
 
川 ゚ -゚)「貞子さんじゃないか いあいあー」

川д川「素直さん……いあいあー」

 どうやらクーは、突如現れた女生徒、貞子の事を知っているようだ。
 
(;´・ω・`)「い、いあいあ? クー、友達かい?」

川 ゚ -゚)「ああ、隣のクラスで、オカルト研究会部長の貞子さんだ いあいあは挨拶だな」

川д川「今後ともヨロシク……」

ξ;゚⊿゚)ξ「よ、よろしく……」

(;^ω^)(こえー……)

川 ゚ -゚)「で、一体どうしたんだ?」

 それは、この場に居る誰もが聞きたいことだった。
 
川д川「……感じるの……」









川゚д川 カッ!!








川゚д川「あなた達から、霊的な物を感じるの……!」

 勢いよく顔を上げたせいで、瞳も露わになる。


川 ゚ -゚)「そうかそうか、とりあえず落ち着いてくれ」

川д川「私としたことがつい……」

川 ゚ -゚)「で、それを感じたのがどうしたんだ?」

川д川「……数日前までは何も感じなかったのに……突然あなた達から感じるようになったの。
      その事で、ちょっと話を聞きたくて」
    
川 ゚ -゚)「なるほど」

 そしてクーは、様子を窺っていた(というか口を挟めなかった)皆に顔を向ける。
 やはり、困惑している表情を浮かべていた。
 
 一同がクーに送る視線に乗せられた言葉は。
 
 
 『……任せた……』
 
 
 クーは静かに、頷いた。
 
川 ゚ -゚)「貞子さんは霊感が強いからな で、それがどうしたんだ?」

川д川「何か……切欠があったのなら教えてもらいたいわ……」

川 ゚ -゚)「切欠か……」

川д川「そこらに居る霊じゃない……守護霊とも違う……もっと、とても力強いものを感じるの。
      たまに街でそういう人がいるけど、あなた達もそういう人と同じ……」
    
(;'A`)(そこらにいる……霊……?)
 
川д川「何があったのか……よかったら聞かせてくれないかしら?」

川 ゚ -゚)「ふむ 一応、秘密にしておいてもらえると助かる」

川д川「ええ、大丈夫よ 私は口が堅いから」


川゚д川 カッ!!


川゚д川「なんなら約束を破ったら呪い殺される呪術をかけてもらっても……」

川 ゚ -゚)「ああ、生憎そんなものは知らないから大丈夫だ」

川д川「そう……」

川 ゚ -゚)「それで、切欠の話だけど」

川д川「ええ」

川 ゚ -゚)「貞子さんも知ってるだろう? ペルソナ様遊びだよ」

川д川「ペルソナ様遊び……VIP高校七十七不思議の六十三番目に座する、あの……」

( ^ω^)(設立三年目なのに七十七もあるのかお……)

川 ゚ -゚)「そう、それそれ それが切欠だ 別にこれと言って変わった感じはしないけどな」

 さらりと、嘘をついた。
 
川д川「そう……自覚症状はないのね……ありがとう……調べてみる……わ…ブツブツ」

川 ゚ -゚)「いやいや、研究会には顔を出せないですまない」

川д川「いいのよ……一人は好きだしね……」

 オカルト研究会の部員は、貞子とクーの二名だけだった。
 
川д川「……時間もないし、教室に戻るわ……それじゃあ……あいあいー」

川 ゚ -゚)「あいあいー」

 ちなみに『あいあい』とは、別れの挨拶だ。


(;'A`)「なんかすげえ濃い人だな……」

 貞子が完全に教室から姿を消したのを確認した後に、ドクオが言った。
 
川 ゚ -゚)「悪い子じゃないぞ あれで結構話好きだし」

ξ;゚⊿゚)ξ「ていうかクーが入ってた部活ってオカルト研究会だったのね……」

川 ゚ -゚)「ああ 一年の頃空き教室から謎の呪文が聞こえてきてな。
     入ったら貞子さんが居た そこで意気投合したんだ」
     
(;^ω^)「今の話で意気投合できたクーがすごいお」

ξ;゚⊿゚)ξ「同感……」

(;'A`)「オカルト趣味ってのは知ってたけど、そんな部活に入ってたとはな……」

(´・ω・`)「驚いたね いあいあってのはクトゥルーかい?」

川 ゚ -゚)「ああ、ハスターの件だな」

(´・ω・`)「なるほど」

 数瞬、会話が途切れた後に。
 
( ^ω^)「それで、ショボン」

(´・ω・`)「うん?」

( ^ω^)「昼、授業が終わったら、どうすればいいんだお?」

 ブーンの言葉に、ショボンははっとした。
 貞子が来る前に、言いかけていたことの続きだ。
 それを自ら聞いてきたブーンからは、やはり昨日とは違う物を感じる。
 
(´・ω・`)「うん アザピー先生に連れてきてもらえるようにしてもらってる」

( ^ω^)「わかったお 皆で保険室にいけばいいんだおね?」

(´・ω・`)「ああ、そうだね」

ξ ゚⊿゚)ξ「わかったわ」

('A`)「んじゃ、そろそろ先生もくるだろうし、席に戻るか」

川 ゚ -゚)「そうだな」

(´・ω・`)「うん じゃあまた、休憩時間に」

 そうして、ショボン達はブーンを残し、自分達の席へと戻って行った。
 ブーンは顔を伏せて、すでに居眠りを始めそうな勢いだ。
 最後に振り向いたツンがそれを見て、やれやれといった様子で、苦笑した。


 そしてツンが正面を向き直した時。
 
ζ(゚、゚*ζ「おはよ」

 一瞬、鏡を見たような錯覚に陥った。
 だがすぐにそれは違うと、ツンは気付いた。
 
ξ ゚⊿゚)ξ「おはよ」

 少し間を空けて、挨拶を返す。
 自分とそっくりな女子生徒、デレに。
 
 二人は少し、学年で有名だった。
 双子ではないのに、双子のようにそっくりな二人。
 おまけに美少女ともなれば、自ずと話題になるだろう。
 
 入学当初は、お互いを珍しがってよく話していたようだが、
 今はそれぞれの友達のグループに属し、話すことは少なくなっていた。
 
 そんなデレが、珍しく挨拶をしてきた。
 
 ツンを真正面に見据えて、だ。
 
ζ(゚、゚*ζ「ちょっといい?」

 珍しく話し掛けてきたのには、やはり何か用事があってのことらしい。
 
ξ ゚⊿゚)ξ「うん? そろそろ先生来ちゃうんじゃ……」

ζ(゚、゚*ζ「いいから ちょっと付き合ってよ」

 そう言うとデレは早々に身を翻し、教室から出て行った。
 ツンは半ば呆れ気味で、デレの後に続く。
 
ξ ゚⊿゚)ξ(何かしら……ペルソナがあるし、変なことでも大丈夫、よね……?)

 少しの不安を抱えながら。
 
 何も語らない背中を見つめながら、ツンはデレの後ろを歩く。
 自分の背中を見るとこんな感じなのだろうか、と思っていた。
 
 ツンはツインテールを縦巻きに。
 デレはツインテールを緩いウェーブに。
 
 違いと言ったら、そんな程度だ。
 若干、デレの方が化粧に気合いが入っている気もする。
 
 付き合う友達、環境によって、そういう部分は変わるのであろう。
 
ξ ゚⊿゚)ξ(てか……どこまでいくのかしら……)


 階段を一つ上り、四階へ。
 そのフロアは、科学室や音楽室と言った特別教室のあるフロアだ。
 誰もいない廊下を二人は歩き、やがてデレがその歩みを止めた。
 
ζ(゚、゚*ζ「ここ」

 短く言って、デレが教室に入った。
 そこは、使われていない空き教室だ。
 
ξ ゚⊿゚)ξ(…………)

 ツンはまた少し戸惑ったが、中に入った。
 
 教室内は、天気のいい朝だと言うのに薄暗かった。
 隙間なく閉められた、暗幕のせいだ。
 教室内には机や椅子すらない、空っぽの空間だ。
 
ξ ゚⊿゚)ξ「……デレ? どうしたの?」

 少し気味が悪くなったツンは、早く戻ろうと用件を言うように急かす。
 デレは教室の中央で、ツンに背を向けたままに話しだした。
 
ζ(、 *ζ「……岡田君に告白されたのって、本当?」

ξ;゚⊿゚)ξ(あ……そういうことね……)

 デレの直球な質問に、ツンは動じることはなかった。
 貞子の事があったばかり。もしかしたら、悪魔についてかと思っていたからだ。
 
 そちらに比べれば、可愛い質問であった。
 
ξ ゚⊿゚)ξ「ほんとだけど……」

ζ(、 *ζ「ふーん……じゃあ、断ったのもほんとなんだ?」

ξ ゚⊿゚)ξ「そうよ」

 そして訪れる、沈黙。
 
 岡田とは、陸上部に所属する短距離走で有名な生徒の事だ。
 大会でも常に表彰台に立ち、その容姿も相まって、女子生徒の人気を集めている。
 
 実はツンは、先日その岡田に告白され、そしてばっさりと断っていた。
 理由はもちろん、ブーンのことが最も大きかったのだが、
 岡田はクーにもアプローチしていた時期があったことを知っていたのも、理由の一つ。
 
 女癖が悪いと言うのも、一つの噂だったが、実の所ははっきりとしていない。


2_20091227111731.jpg

 
ζ(、 *ζ「じゃあ……」

 静寂の中、突如また口を開く、デレ。

ζ(、 *ζ「私が岡田君を好きだってことは、知ってた?」

ξ;゚⊿゚)ξ「え……知らないわよ……」

 デレと大して話さなくなってから、一年以上経つ。
 そんな話など、知っているわけがなかった。
 
ζ(、 *ζ「ふぅん……」

 聞いておいて、まったく興味がないといったような返事をする。
 ツンはそれに少し、頭にきたようだ。
 
ξ ゚⊿゚)ξ「……話はそれだけ? 私、教室に戻るわよ?」

ζ(、 *ζ「…………」

 黙殺。  
 デレはツンに背を向けたまま、佇んでいた。
 
ξ ゚⊿゚)ξ「……じゃあ、ね」

 一言残し、ツンは教室を後にした。  
 デレは変わらず、動かなかった。

 やがて、振り向く。
 
 
ζ(゚ー゚*ζ「私はね、ふられたの 岡田君に」


ζ(゚ー゚*ζ「どうしてかなぁ……? こんなに好きなのに……」


ζ(゚ー゚*ζ「なんで……ツンなの……?」


ζ(゚ー゚*ζ「私の方が、ちゃんとお化粧もして、綺麗なのに」


ζ(゚ー゚*ζ「…………同じ……顔なのに……どうして私はだめなの?」


ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ……どうして……?」


ζ(、 *ζ「ねぇ……誰か……教えてよ……」







─────────ネェ……オシエテヨ…………







      ペルソナサマ─────────…………
      
      
      
      
      
      


───────ドクン。



ξ ゚⊿゚)ξ(……?)

 一瞬、心がぶれた。
 立ち止まり、周囲を見渡す。
 
 本当に、ほんの一瞬だけ、ツンは共振を感じた気がしていた。
 
 長く続く廊下には、誰の姿もない。
 デレが残っている、空き教室へ視線を送ろうとした時。
 
ξ;゚⊿゚)ξ(やば……予鈴だわ……)

 朝のホームルームを告げる鐘の音に、ツンの意識は現実に戻された。
 駆け足で階段を下り、教室へと戻る。
 
 その時にはもう、ツンは共振の事など綺麗に忘れ去っていた。
 
 日常生活に戻った女生徒の足音を反響させた後、フロアは再び静寂を取り戻す。
 
 
 しかし、空き教室からは、異様な気配が漂っていた。



「悔しいですか、哀れな子羊よ」


ζ(゚、゚;ζ「!? 誰!?」

 声など、するはずがない。
 さっきまでは、あの忌々しい女がいた。
 
 今はいない、私だけだ。
 だけど、はっきりと、聞こえた。  
 聴き覚えのある、声が。
 

「案ずるな 私は君を救いに来たのです」


 この声、間違いない。
 でも、いつのまにここに……

 
ζ(゚、゚*ζ「…………」

 声のする方に、体を向けた。
 
 やはり、居た。  
 私の、知っている人が。


/ ゚、。 /


 担任、鈴木ダイオード。
 しかしなぜ、先生がここに。

 
/ ゚、。 /「悔しいですか?」


 悔しい?何が?

 
/ ゚、。 /「憎いですか?」


 憎いって、誰が。

 
/ ゚、。 /「……殺したい、ですか」


 殺…………コロ、シタイ?
 
 
/ ゚、。 /「貴女の鏡の様な存在、ツンを」


 ツ……ン…………


/ ゚、。 /「貴女の愛しい人の心を虜にした、ツンを」


 …………。

 
/ ゚、。 /「貴女より、頭のいいツンを」


 …………。
 
 
/ ゚、。 /「同じ姿なのに、貴女より愛されている、ツンを」


 …………クヤシイ……
 
 ……ニクイ……
 
 コロ………
 
 
ζ(、 *ζ「殺したい あの女を、今すぐにでも」


/ ゚、。 /「…………」


 一瞬、無表情なダイオードの顔が笑みを浮かべた気がした。
 男だが、中性的な顔をしている。所謂美形だ。
 
 何を笑うのか。お前も殺してやろうか。

 
/ ゚、。 /「これを」


 ダイオードが手を差し伸べた。
 その手には、私の手の平でもすっぽり納まりそうな、黒い小さな箱のような物。


/ ゚、。 /「これが貴女に力を与えてくれます」


 こんな、こんなちっぽけな物が?
 

/ ゚、。 /「黒き、トラペゾヘドロンと言う物です」


 トラ……ぺ……?
 何を言っているんだろうか、この男は。
 
 あぁ、イライラする。

 
/ ゚、。 /「さぁ……」

 ダイオードが私の目の前まで手を伸ばしてきた。
 近くで見ても、ただの箱に見える。
 暗くてよく見えないせいかもしれない。
 
 ……暗い?
 
 おかしい。さっきまではこんなに暗くはなかった。
 暗幕を閉めていると言っても、外は快晴で、薄暗い程度だったはずだ。
 
 なのに、なぜ。
 
 暗い。  
 いや。
 
 ……黒い。
 
 まるで、この箱の色のように。
 黒だけのはずなのに、壁が、床が、天井がうねっているように見える。
 うねって、蠢いて、生きてる、ように…………
 
 手を伸ばし、その箱を、掴んだ。
 またダイオードが、笑った気がした。
 
 それを最後に、私の意識は、そこで途切れた。





「遅いぞ、ツンくん」

ξ;゚⊿゚)ξ「す、すみません」

 ツンは急いで戻ったのだが、出席確認には間に合わなかったようだ。
 副担任から軽く叱責を受けた後、席に着く。
 
ξ ゚⊿゚)ξ(……鈴木先生はいないんだ……)

 座ってから、そんな事を思った。
 規則に厳しい鈴木の姿が見えないのは、珍しい事だったからだ。
 
 ツンはちらりと、ブーンに視線を送る。
 すでに豪快に机に突っ伏し、寝ていた。
 
ξ ゚ー゚)ξ(やれやれ……)

 それは、最近のかけ離れた出来事からの、少しばかりの帰還。
 退屈な授業も、久しぶりに真剣に受けることができそうだと、ツンは思った。
 
 正面を向き、ありふれた日常へと、身を投じた。




从ぅ-∀从「おはよーす……」

ミセ*゚ー゚)リ「おはようございます」

モ*゚ー゚シ『おはよー』

( ´∀`)「おはようございます」

 重い瞼を擦りながら、ハインがモナーに挨拶をする。
 ここは、津阿都(ツアト)神社本殿から少し離れた所にある道場。
 
 モナーはここで寝泊まりをしている。
 急なこともあって、ハインとジョルジュは道場のすぐ近くにある個室で寝ていた。
 
( ´∀`)「起こしてしまいましたか?」

从 ゚∀从「うんにゃ、大丈夫だ 久々に畳の上で寝れて、気持ちよかった」

( ´∀`)「そうですか それはよかったです」

从 ゚∀从「んで……」

 ハインはモナーの足元に目を移す。
 そこには。
 
 
 
 
 
(  ∀ )





仰向けに倒れている、ジョルジュがいた。

从 ゚∀从「こりゃまた随分としぼられてるねえ」

( ´∀`)「本人の希望ですから 一切の手加減は無しです」

 どうやら、相当絞られたようだ。
 

从 ゚∀从「てか、学校は?」

( ´∀`)「休むそうです 私は反対したのですが、半日だし授業はないと」

从 ゚∀从「ふぅん……」

モ*゚ー゚シ『じょるじゅねー、こてんぱんにされてたの! いたそうだった!』

从 ゚∀从「そうかそうか、それは見たかったなぁ」

 ふと、ハインがあることに気付く。
 
从 ゚∀从「あれ? J・Fは?」

 そう。J・Fの姿がなかったのだ。
 
( ´∀`)「早朝、散歩してくると言って出ていったきりです」

从 ゚∀从「ふぅん……」

 モナーの返答に、先と同じ様な返事をした。
 何を思ったのかは、深く読み取れない。
 
(  ∀ )「…………ハッ」

 勢いよく、ジョルジュが上体を起こす。
 
从 ゚∀从「おー、おはよう」

モ*゚ー゚シ『おはよー!』

(;゚∀゚)「お、おはよって……いてててててて…………」

 腰を摩りながら、苦痛に顔を歪ませた。
 
( ´∀`)「受け身がとれていない証拠です」

 そんなジョルジュを心配せずに、厳しい指摘を飛ばす。
 
(;゚∀゚)「あ、はい……」

( ´∀`)「と言っても、よくついてこれてますね」

( ゚∀゚)「ま、まだまだいけますよ!」

 言いながら、立ち上がる。
 が、腰が痛いのか、気持ち前屈みになっていた。
 
ミセ*゚ー゚)リ「ふふっ 体が壊れては元も子もないですから、朝食にしましょう」
 _
(*゚∀゚)「は、はい!」

 モナーにした返事よりも、元気が良かった。
 
 実はミセリも、この道場で生活をしていた。
 モナーとは血縁ではないようだが、はたして。
 
 なんにせよ、ジョルジュにとっては願ったり叶ったりである。
 
从 ゚∀从「調子いいなーコイツ」

( ´∀`)「若いですねぇ……」

(;゚∀゚)「ぐ……」

( ´∀`)「そういうことですし、朝食にしましょうか」

从 ゚∀从「お、待ってたのか? 悪い」

( ´∀`)「いいんですよ」

 表情は、そのままで。
 
( ´∀`)「色々と、お話も聞きたいですから」

 本題に、触れた。


─────………


ミセ*゚ー゚)リ「どうぞ」

 八畳ほどの座敷へ移動した後に、皆の前にミセリが作った食事が並べられた。
 モナーとミセリの前には、精進料理が。
 ジョルジュとハインの前には、精進料理に鮭の塩焼きが足されていた。
 
ミセ*゚ー゚)リ「お二人には、味気ないと思いまして」

 少しばかりの、配慮だった。
 
( ゚∀゚)「いやいや! ありがたくいただきます!」

 高い音が出るほど強く両の手を合わせ、掛け声と共にお辞儀をする。
 
( ゚∀゚)「いただきますッ!」

 豪快に料理を口に運ぶジョルジュを見て、皆も食事をし始めた。
 
 
 少しして、
 
 
从 ゚∀从「んで、聞きたい事は?」

 鮭の身をほぐしながら、ハインが言った。
 
( ´∀`)「そうですね……今後の動向については皆さんがきてからとして……」

 ほうれん草のおひたしを口に運び、ゆっくり咀嚼した後、飲み込む。
 
( ´∀`)「お若い貴女が何故、副所長という重要な役割に就いたのかを」

从 ゚∀从「ふぅん……わかったよ」

 少し、気を悪くした様な返事。
 モナーの質問で、まだどこか信用し切れていない物を感じたのだろう。
 構わずに、続ける。
 
从 ゚∀从「あたしがあそこに行く前は、ボトムアップ方式の研究をしてた。
      VIP傘下の研究所でな」
     
( ゚∀゚)「ボトムズ? 装甲騎兵か!」

从 ゚∀从「お前いくつだよ 所謂、ナノテクってやつだ あたしの得意分野な。
      んで、優秀な研究結果を残していったあたしに、モララーは目を付けたってわけ」
     
( ´∀`)「なるほど……」

 実際、ハインの科学、技術力には目を見張るものがある。
 悪魔が見えるようになるコンタクトレンズや、モショの帽子がそれだ。
 
 いまいち、モナーは納得していない様子だが、次の質問へと移った。
 
( ´∀`)「では次に、各区にある研究所と言う物は、場所は知っていますか?」

 少しの間を置き。
 
从 ゚∀从「……ああ、知ってるぜ」

( ´∀`)「そうですか 教えて頂けませんか?」

从 ゚∀从「ん……」

 すると、ハインは空いた皿にご飯粒を並べた。
 中央に一粒、その上下、そして左右に一粒。
 
从 ゚∀从「真中が、VIPだ その下が、昨日の玖都留(クトル)、これはわかるな?」

 米粒を箸で指しながら言う。
 
ミセ*゚ー゚)リ(行儀悪い……)

从 ゚∀从「んで、上が紅都亜(クトア)、左が覇洲(ハス)、右が津阿都(ツアト)だ
     紅都亜は、施設自体は山の中にある 入口は紅都亜神社だ」
     
(;´∀`)「あんなところですか……」

 紅都亜神社は、紅都亜山の頂上近くにあり、山道もまったく整備されていない為、
 登山家すらも訪れない場所だ。
 
从 ゚∀从「次に、覇洲 ここはあれだ 最近できた、アバドンの地下だ」

( ゚∀゚)「アバドンって……ゲーセンとかプールとか映画館とかある、あそこか?」

从 ゚∀从「そうだ 超大規模アミューズメントパーク、アバドン」

( ´∀`)「……しかしあれは、構想自体が、十年程前からあったような……」

从 ゚∀从「ああ、急遽地下に作ったらしい 出来る限り、何かで隠したかったんだと思う」

( ´∀`)「そうですか……では、津阿都は?」

从;゚∀从「あー……」

 そして、ハインが言葉に詰まる。
 
( ´∀`)「? どうしたのです?」

 モナーが首を傾げ、尋ねる。
 が、ハインは視線を逸らし、言い淀んでいる。
 
 やがてハインは、チラリとジョルジュを見た。
 
( ゚∀゚)「んあ? なんだ?」

从 ゚∀从「……まぁ、言わなきゃ始まらねぇしな……」

( ´∀`)「お願いします」

モ*゚ー゚シ『きになるー』

 話の内容を理解しているのかはわからないが、
 食事を終えたミセリの膝の上に座っているモショも急かす。

( ゚∀゚)「お、言っちまえ どうせ片っ端から潰すんだから」

 ジョルジュの言葉に、ハインは少し笑った後に、口を開いた。
 
 
 
从 ゚∀从「津阿都の研究所がある場所は───………





 まず最初に起こったのは、共振。
 いや、共振よりもさらに大きな、揺れ。
 
ξ;゚⊿゚)ξ(な、何……!?)

(;´・ω・`)(これは……?)

 体の奥が、熱い。
 それは病院で最初に感じた、あれに似ていた。
 
 
 即ち、ペルソナからの、警告。
 
 
 次に、まるで学校全体が跳び上がった様な、足元からからの衝撃。
 
 机が、椅子が、掃除用具を仕舞うロッカーすらも、一瞬浮き上がった後に、盛大な音を立てて転がる。
 人が立っていることすらままならない、激震。

 物が倒れ、ガラスが割れる音。
 そこに、生徒と教員達の悲鳴が入り混じる。
 

(;゚ω゚)「な、なんだお!?」


「と、とにかく、頭を守りなさい!」

「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」


 副担任の声も、混乱しきった生徒達の悲鳴に掻き消されてしまう。
 
 
 揺れは未だ、治まらない。
 恐怖は未だ、膨らみ続ける。
 
 
 突如VIP高校を襲った、大地震。
 
 
 しかし、空き教室で静かに佇む、一人の女生徒。
 彼女の周囲だけが、揺れていない。  
 口元を吊り上げながら、掲げた右手には、一つの黒い箱。


 「へぇ……こうやって使うのね……」
 
 
 「アハハ! 馬鹿みたいな悲鳴が聞こえる! アハハハハハ!」
 
 
 「黒きトラペゾヘドロン、もっと、もっともっと、恐怖を食べさせてあげる」
 
 
 「メインディッシュは、ちゃんと用意してあるから」
 
 
 「アハハハハ……! ……待ってなさいよ 下衆女」
 

 
3_20091227111731.jpg

 
 
 ζ(、 *ζ「私が殺してあげるから───………
 




从 ゚∀从「あるだろ? 最近、つい三年前に造られた、建物が」


 最初に気がついたのは、ジョルジュだった。
 

(;゚∀゚)「ま、まさか……」


从 -∀从「……あぁ……津阿都の研究所がある場所は……」




        「VIP高校だ」
 
 
 
 
                         続く。





キャラクターテンプレ

( ^ω^)
アルカナ・SUN
ペルソナ・スヴァローグ(スラブ神話における太陽神、または炎の精霊の神)
スキル・アギ、火炎撃

ξ ゚⊿゚)ξ
アルカナ・LOVERS
ペルソナ・スアデラ(ローマ神話における愛と誘惑の女神)
スキル・ディア、マリンカリン、ジオ

('A`)
アルカナ・DEATH
ペルソナ・イシュタム(マヤ神話における自殺を司る女神。その姿とは裏腹に楽園への案内人。ツンデレ)
スキル・グライ 、グライバ

川 ゚ -゚)
アルカナ・EMPRESS
ペルソナ・タレイア(ギリシア神話における豊かさと開花を司る女神。ギリシア三美神の一柱とも)
スキル・ガル、ディア 、スクカジャ

(´・ω・`)
アルカナ・HIEROPHANT
ペルソナ・ヤマ(ヒンドゥーにおける、いわゆる閻魔大王様。ヤマの音訳が閻魔らしい)
スキル・ハマ、ムド 、一文字斬り

( ゚∀゚)
アルカナ・MAGICIAN
ペルソナ・ジャックフロスト(いない)
スキル・ブフ、スウィートトラップ

( ´∀`)
アルカナ・HIEROPHANT
ペルソナ・ビシャモンテン(四天王に名を連ねる武神。七福神の一人でもある。)
スキル・テトラカーン

メガテンシリーズを知らない方への簡単な魔法属性一覧

アギ系……炎
ブフ系……氷
ガル系……風
ジオ系……雷
グライ系…重力
ディア系…回復
カジャ系…能力向上
ハマ系……神聖系
ムド系……呪殺系





この小説は2008年11月22日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者は◆iAiA/QCRIM 氏

第11話は、こちらからどうぞ



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/27 11:19 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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