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( ^ω^)はペルソナ能力を与えられたようです 第9話

 
はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




(,,゚Д゚)「すまん、待たせた」

 唐突に運転席のドアが開かれ、ギコが顔をのぞかせた。
 ブーンとツンがいえいえと言うように首を横に振る。

 ギコはそのまま運転席に座り、大きなため息を一つ。

( ^ω^)「どうしたんですかお?」

 気になったブーンが問いかけた。

(,,゚Д゚)「ん? いや……恥ずかしい話、お説教さ」

 苦笑し、答える。

(,,゚Д゚)「タバコ吸っていいか?」

( ^ω^)「全然おkですお」

 その言葉を聞くと、すぐに胸ポケットから煙草を取り出し、火をつけた。
 チン、とジッポを閉じる音が車内に響く。

(,,-Д-)y━~「ふー……」

 窓を開け、吸い込んだ煙を外に吐く。
 それは小さな、ブーンとツンへの配慮。

(,,゚Д゚)y━~「悪いな……家じゃ吸わないもんでな」

 言ってまた、窓の外へと煙を吐く。
 そんなギコの様子を見て、二人が思い浮かべたのはしぃの顔。
 家で吸わない理由とは、恐らくしぃに関係しているのだろう。

 なんとなく二人は、それを聞くのをやめた。
 相当絞られたのか、ギコは煙草を根元近くまで吸い、灰皿へと捨てる。
 
(,,゚Д゚)「じゃ、いくか」

( ^ω^)「よろしくお願いしますお」

ξ ゚⊿゚)ξ「お願いします」

 御影町を目指し、ギコはアクセルを踏み込んだ。
 街にはもう走行している車は少なく、快適に進めた。
 
 そのせいだろうか。
 ギコの家に向かう時、そして会社へ向かう時よりも、速度が速い。
 それはまるで、何かを振り払うように。
 
 そんなギコの様子に二人は声をかけられず、車内はひたすらに、沈黙を保っていた。



1_20091227111440.jpg
                        第9話『Don't think. Feel』


(´・ω・`)「ありがとうございました」

 車を降り、モナーに礼を言う。
 ドクオとクーを送り終え、今はショボンの家に着いたところだった。
 
 モナーは何かを考えるようにショボンの家をじっと眺めている。
 ショボンはその視線の先を見た後、再びモナーを見、何かと質問しようとした。
 しかし口を開く前に、モナーが先に質問をした。
 
( ´∀`)「……ケーキ屋さんですか?」

(´・ω・`)「え……あ、そうです」

 何か重大なことかと考えていたが、予想外質問をされ、返事の仕方に困ってしまった。
 
( ´∀`)「お恥ずかしい話ですが、私は甘い物に目がなくて……
       今度立ち寄らせて頂きます」
       
(´・ω・`)「ああ、そうなんですか」

 これまた予想外な言葉に、ショボンは小さく笑いながら続ける。
 
(´・ω・`)「じゃあ明日、適当に選んで少し持っていきますよ」

(*´∀`)「モナッ!? いやぁ、それは嬉しいです きっとミセリも喜びます!
       あ、私はマロン系がいいですね……いやしかし、レアチーズも……」

 誰が見ても、一番喜ぶのはモナーだと思うだろう。
 はしゃぐモナーの様子を、じっとみていた車内の四人(?)。
 
モ*゚ー゚シ『けーきってなに?』

从 ゚∀从「ああ、甘くて、ふわふわで、おいしいんだぞ」

モ*゚ー゚シ『たべたーい』

从 ゚∀从「あー……モショに食えるのかな……」

J・F『無理だホー ちゃんと実体化しないと、食べられないホー』

从 ゚∀从「そうか……うまいことモショだけ実体化できねぇかな」

( ゚∀゚)「まぁ人に見られたらアレだろうし、しょうがなくね?」

モ*゚-゚シ『むーむー』

 ケーキを食べられないと知って、口をとがらせたモショ。
 クーという素敵な座布団をなくし、座席で足をパタパタと上下させた。
 
( ゚∀゚)「そういや……」

 ふと、ジョルジュがある疑問を口にした。
 
( ゚∀゚)「なんで触れないのに座れたり、地面に立ったりできるんだ?」

从 ゚∀从

( ゚∀゚)

从 ゚∀从

( ゚∀゚)

从 ゚∀从「なんでだろう?」

(;゚∀゚)「わかんねーのか……」

 ハインは気になって、モショに手を伸ばす。
 帽子を被っている頭には触る事が出来た。
 正確には頭ではなく、帽子だけだったが。
 
 次に肩を触ろうとしたら、すり抜けてしまった。
  そんなハインの様子を、モショは不思議そうな顔をして見ていた。
 
从 ゚∀从「謎だな……ちょっと調べてみるか」

( ゚∀゚)「俺達が触れるのはペルソナのおかげ、だったよな?」

从 ゚∀从「ん、そうだ」

( ゚∀゚)「難しい話はわかんねぇから、俺はそんな感じでいいや」

 するとジョルジュは頭の後ろで手を組み、背もたれに体を預けた。
 ハインはハインで、興味深くモショを見つめ、ぶつぶつと呟いていた。
 
(´・ω・`)「はは、わかりました 色々持っていきますね」

(*´∀`)「モナモナ では明日は、楽しみにしています」

(´・ω・`)「それじゃあ、おやすみなさい」

( ´∀`)「はい、おやすみなさい」

 そうして、ショボンは家の中へと入って行く。
 モナーはうっとりとした表情のまま、窓を閉めた。
 
( ´∀`)「ではジョルジュさん、家はどの辺りですか?」

( ゚∀゚)「……お願いがあるんですけど」

( ´∀`)「……はい?」

 一転して、ジョルジュの真面目な口振りに、モナーはいつもの調子を取り戻す。
 ジョルジュは姿勢を直し、モナーを見ながら続けた。
 
( ゚∀゚)「俺、一人暮らしなんです」

( ´∀`)「高校生でですか、大変ですね」

( ゚∀゚)「金は親が送ってくれてるから、いいんですけどね」

( ´∀`)「それで、お願いと言うのは?」

( ゚∀゚)「……この問題が片付くまで、モナーさんの所に泊まってもいいですか?」

 突然の申し出。
 モナーは一瞬戸惑いの色を見せたが、すぐに質問で返した。
 
( ´∀`)「理由を、教えて下さい」

( ゚∀゚)「……俺を鍛えてほしいんですよ」

( ´∀`)「鍛えるとは…どういった意味でしょう?」

( ゚∀゚)「モナーさん、格闘技もできるじゃないですか よかったら教えてほしいんです」

( ´∀`)「あれは……一朝一夕でできる代物ではないです」

(;゚∀゚)「でも…少しくらいは……」

 モナーはジョルジュをしっかりと見た。
 その目に浮かぶのは、確固たる意志ではなく……焦りの色だった。

( ´∀`)「もう一度、聞きます 本当の理由を、聞かせて下さい」

( ゚∀゚)「……」

 言われ、押し黙るジョルジュ。
 モナーが感じた通り、ジョルジュは焦っていたのだ。
 
 ブーン達とは明らかに違う、自分のペルソナ。
 流石兄弟との戦いで感じた、己の力不足。
 
 不意をつき、勝負を決めたのは確かにジョルジュだが、納得できずにいた。
 一歩、先へ行きたかったのだ。
 
 それは自己満足でも、過信でもない。
 ジョルジュの頭にちらつくのは、過去の事。
 それが、ジョルジュを焦らせていた。
 
 
 『もっと強くなりたい』
 
 『仲間を、守れるくらいに』
 
 『もう誰も、死なせたくないから』


 ジョルジュは学生服の内ポケットに手を伸ばし、中にある物を力強く握りしめた。
 チャリ、と、少ない小銭が互いに擦れたような音。
 それは、鉄の輪が三つ連なった、小さな錆びた鎖の欠片だった。
 
 ジョルジュはこれを、子供の頃から肌身離さず持ち歩いていた。
 大切な、形見なのだ。
 
(  ∀ )(兄ちゃん……)

 思うのは、遠い日のあの人の事。
 その事が、ジョルジュを突き動かし、願わせる。
 
 皆を、守りたいと。
 あの時守ってくれた、あの人のように、と。
 
 思いは強い。だが、強すぎた。
 結果としてそれは自分を焦らせる事になり、また悪い性格が出てしまう事になる。
 
 突発的な行動。
 今回は身の危険を、仲間の危機を呼ぶような事ではないが、
 結果的に色濃く出てしまっていた。
 
(  ∀ )「俺は……」

 それは、漠然としたモノ。
 だが確かに、願うコト。
 

 
( ゚∀゚)「強く、なりたいんです」



 焦りの色は消えていない。
 しかし、その目には決意のそれも映し出されていた。
 
( ´∀`)(……意志は固い……しかし……)

 モナーはジョルジュの目を真っ直ぐに見、思考する。


 やがて。
   
 
( ´∀`)「……一つ、言っておきます」

 言葉に、重みを乗せて。
 
( ´∀`)「ペルソナ戦において、術者の肉体的な実力差はあまり関係はありません」

 強いに越したことはないですが、と補足する。
 
( ´∀`)「要はペルソナの能力です ジョルジュさんが私より強い、
       もしくは私が苦手とするペルソナを降魔した場合、私は負けてしまいます」
       
( ´∀`)「では、強いペルソナを降魔するにはどうすればよいのか。
       それは、以前話した心の成長です」
       
( ゚∀゚)「心……」

( ´∀`)「心の器が大きくなればなるほど、ペルソナはそれに応えます。
       より相応しい姿と成って、現れます」

( ´∀`)「恐らくは、耳が痛い話ではないですか?」

( ゚∀゚)「………」

 確かに、そうだった。
 強くなりたいと言う信念はある。
 が、過去の事に突き動かされ、不安定な気持ちであることも事実。
 
 そんな心では、ペルソナが応えてくれないのは当然の事だった。
 
(  ∀ )「それでも……俺は……」

 縋る様に、一切の見栄などは捨て、ジョルジュは切実に願う。
 

 強く、もっともっと、誰よりも。
 
 
( ゚∀゚)「強く……なりたい……!」

 
 じっと、力強くモナーを見つめ、瞳でも訴えかける。
 モナーは静かに、ジョルジュの目を見つめていた。

 モナーは迷っていた。
 ジョルジュがなぜここまで焦っているのかが、わからない。
 深い所を探るつもりはないが、どうやら相当な過去があるようだ。
 
 モナーは思う。迂闊だったと。
 ジョルジュを含め、彼等はまだ高校生、子供なのだ。 
 同じ様に、ブーンも何か思う所がある様子だった。
 
 急かし過ぎたのではないか。
 戦うことしか選択肢を与えずに、知らぬ間に強制をしていたのではないか。
 
 心当たりは、やはりある。  
 そしてモナーは、それに気付いた。
 自分自身も、焦っていたことに。
 
( ´∀`)(……私も……まだまだ、か……)

 はっきりと感じた、己のペルソナ成長の限界。
 それによって手に取るようにわかる、モララーとの実力差。
 そして、初対面の子供達に託す、身勝手さ。
 本当にこれで、よかったのだろうかと。

 お互いを見、押し黙る。
 いつの間にか立場は真逆になっていた。
 
 迷いはあるが、決意を固めたジョルジュ。
 自責の念に駆られ、迷いが生まれたモナー。
 
 無言の時が、車内に重い空気を生み出した。
 
 
 
 
 
 
从 ゚∀从「あー……いいか?」

 耐えかねて、ハインが口を開く。
 
从 ゚∀从「男同士見つめ合って雰囲気作ってるのもいいけどさ」

 冗談を交えつつ。
 
从 ゚∀从「ジョルジュを、鍛えてやっちゃもらえませんかね?」

( ´∀`)「……」

从 ゚∀从「いいんじゃねーの? 少しでも、強くなるに越したことねーだろ?」

 本当に科学者なのかと思う程、さばさばとしているが、真っ直ぐな意見。
 
从 ゚∀从「二人とも思うとこがあるのは見ててわかるけどさ。
      なんつーか、いいじゃん なんでも、やってみれば」
     
从 ゚∀从「そのうちに、見えてくることだってあると思うぜ?
      ほらあれだ、ブルース・リーの……」
     
( ゚∀゚)「考えるな、感じろ、ってやつか?」

从 ゚∀从「それだそれ お前はちょっと考えた方がいいかもしれないけど」

(;゚∀゚)「大きなお世話だよ」

 言い終え、クスリとハインは笑う。
 ジョルジュはそんなハインを見て肩をすくめ、また大きく背もたれに体を預けた。
 
 
( ´∀`)(考えるな、感じろ……か……)


( ´∀`)「ジョルジュさん」

 名を呼ばれ、慌てて姿勢を正すジョルジュ。
 
( ´∀`)「一つ、条件があります」

( ゚∀゚)「……はい!」

( ´∀`)「御両親にちゃんと連絡すること これが条件です」

( ゚∀゚)「……わかりました ありがとうございます!」

( ´∀`)「言っておきますけど、厳しいですよ?」

( ゚∀゚)「望むところです!」

( ´∀`)「モナモナ 若い頃を思い出しました」

从 ゚∀从「よかったなー まぁあれだ あたしも急に一人で他所様の家行くの、
       ちょっと行き辛かったから楽になったわ」
     
(;゚∀゚)「あんたそれが目的だったのかよ……」

从*゚∀从「うへへ お姉さんと一つ屋根の下で暮らせるんだ いいじゃねーか」

( ゚∀゚)「はいはい言ってろ言ってろ」

 ハインの冗談を受け流しつつも、ジョルジュはある女性を頭に浮かばせていた。


ミセ*゚ー゚)リ


 巫女衣装がよく似合っていた、ミセリ。
 モナーに進言した時はまったくそんなことは考えていなかったジョルジュだが、
 ハインの言葉で計らずも思い出してしまう。
 _ 
(*゚∀゚)「………」

从*゚∀从「なんだなんだ? コーフンしちゃったか? 青春だなオイ!」

(;゚∀゚)「ち、ちげーよ! もう黙ってろよ!」


2_20091227111440.jpg



( ´∀`)「モナモナ 着替えとかもあるでしょうし、ジョルジュさんの家に向かいますよ」

( ゚∀゚)「あ、お願いします」

 そうして、やっと車は走り出した。
 その途中も、会話が途切れることはなかった。
 
 
 が、一人。
 
 
 J・Fだけは、黙りこんでいた。




(,,゚Д゚)「今日は色々と、悪かったな」

( ^ω^)「とんでもないですお」

 ツンを送り終えたギコの車は、ブーンの家に着いていたところだった。
 ギコは運転席から、ブーンはその横に立ち、別れの挨拶を交わす。
 
(,,゚Д゚)「それじゃ、またどっかで会ったらよろしくな」

 そんな予感がしていた、とはギコは言わなかった。
 長年、人を相手取る仕事をしていたギコには、そんな気がしていたのだ。
 そういう時は、またどうせ会えるのだから多くは語らずに別れる。

 いつもなら、そうだった。
 
( ^ω^)「ギコさん」

 だがそれをさせなかった、ブーンの呼び掛け。
 
(,,゚Д゚)「ん? なんだ?」

( ^ω^)「正直に聞きますお 津阿都神社へは何をしに?」

 途端に、ギコの顔が険しくなる。
 それは仕事時の表情だった。
 
(,,゚Д゚)「……すまんが、仕事の事は言えん」

 睨む様にと言っても過言ではない程に、強い視線を送りながらブーンに言う。
 しかし、ブーンもただの興味本位で聞いているわけではなかった。
 
 言葉を変え、再度尋ねる。
 
( ^ω^)「VIPを、追ってるんですかお?」

(,;,゚Д゚)「───……!」

 芯を突いた、的確な言葉。
 ギコは思わず体を硬直させた。
 
 少し周囲を見渡した後に、またブーンを強く見て、口を開く。
 
(,,゚Д゚)「……何を、知ってるんだ?」

 それは直感。
 ブーンは何かを、知っている、と。

( ^ω^)「具体的なことは何も知りませんお」

 それは事実だ。
 ブーンはVIPが、モララーが何かをしている、としか認識していない。
 
 しかし一つ、確実に解っていたことがあった。
 
( ^ω^)「……でも、気をつけて下さいお」

(,,゚Д゚)「……? 気をつけろだと? やっぱりなんか知ってるんじゃないのか?」

(;^ω^)「おっ……僕もいきなりで混乱してて、ほんとに何も知らないんですお」

 
 沈黙。
 
 ギコはじっとブーンを見つめ、思いを巡らせる。
 記者としての感が、告げていた。
 ブーンは嘘を言っていない。

(,,゚Д゚)(だが……)

 何か、言えない事を隠している。

(,,゚Д゚)「……モナー氏は、学生時代にモララー氏と友人関係にあったらしいと情報を掴んだ。
    それを確認しようとしただけだ」
     
 そんなことは、電話で済む話だが。
 ギコは自分で口にした言葉に、心の中で突っ込んだ。
 
 会ってみて、わかることがあることは多い。
 会話は極力、顔を合わせて行う。
 ギコの信条だった。
 
( ^ω^)「そうなんですかお……やっぱりギコさんは、モララーを」

(,,゚Д゚)「成功に次ぐ成功 海外進出もそうだ 何か臭う」

(,,゚Д゚)「それに、最近の字都市の不自然な開発……ま、記者の勘と言えばそれまでだけどな」

( ^ω^)「なるほどお……」

(,,゚Д゚)「海外進出は、南条グループに援助を求めてるらしいが、難航してるな。
     モララー氏は携わっていないらしいが」
     
 そこまで言って、またじっとブーンの顔を窺うギコ。

(,,゚Д゚)「俺は考えるより先に、体が動いちまうタイプだ。
     直感型、とでも言うのか こういう仕事は、その方がいいと俺は思ってる」
     
( ^ω^)「でも、しぃさんは心配しますお」

(,,゚Д゚)「……まぁ、そうだけどな」

( ^ω^)「危ない事には、なるべく」

(,,゚Д゚)「話してくれよ」

( ^ω^)「……」

(,,゚Д゚)「VIPを……モララーを追うと何が危険なんだ?
     このご時世に、殺し屋に狙われるとかか?」
     
 いざ問われると、言っていいものかと、ブーンは少し悩んだ。
 しかし、その迷いをすぐさま払う。
 
 もう、決めていたことだ。
 
( ^ω^)「今から話すことは、全部ほんとの事ですお」

 念を押した後、ブーンは話し始めた。

 ペルソナの事。
 悪魔の事。
 モララーが何かをし始めたという事。
 ギコの事故は、悪魔のせいだった事。
 
 全て、話した。
 
 
 
 
(,;,゚Д゚)「……」

(;^ω^)「まぁ……気持ちはわかりますお……」

 何も言わず、いや、何も言えず唖然としているギコを見て、やはりかとブーンは思った。
 体験したブーンですら、これは夢なのかと時々思ってしまう程だ。

(,;,゚Д゚)「……突っ込みたいとこは……色々あるが……ふむ……」

 頭では、否定していた。信じられなかった。
 しかし、培われた経験が、勘が、ブーンの言葉を嘘だと言い切らない。

 最初のブーンと同じ様に、ギコは混乱しきっていた。
 ここまで迷ったのは、かけだしの頃以来かもしれないと。
 勘を頼りに動く男は、その勘を信じることができずにいた。
 
(,,゚Д゚)「……すまん、今日は帰る」

( ^ω^)「わかりましたお 気をつけて」

(,,゚Д゚)「話してくれて、サンキューな」

( ^ω^)「こちらこそ、聞いてくれてありがとうですお」

(,,゚Д゚)「ん……じゃ、お疲れ」

( ^ω^)「おやすみなさ……って、携帯の番号教えてもらっていいですかお?」

(,,゚Д゚)「あぁ、それもいいな よろしく頼む」

( ^ω^)「じゃあ…………番号はこれですお」

(,,゚Д゚)「どれどれ…………よし、登録した かけてみる」

( ^ω^)「はい、おkですお じゃあ、おやすみなさいですお」

(,,゚Д゚)「おう、おやすみ」


 ギコの車を見送り、ブーンは家の中へ入った。
 家ではカーチャンが少し心配そうな顔をして待っていた。
 夕食は食べてくると連絡はしていたのだが、やはり気になっていたらしい。
 
 ブーンはいつものにこやかな表情で安心させた後、風呂に向かう。
 風呂の温度はブーンの好む熱さに保たれていて、母に感謝しつつ服を脱ぎ、湯船に浸かった。
 
 家に帰れば、こうして好きな時に風呂に浸かることができる。
 小さな事だが、科学の発展の賜物だ。
 そんな時代に、悪魔が現れたなど、誰も信じないだろう。
 ブーンも信じたくはなかった。
 
 話した時の、ギコの顔を思い出す。
 浮かんでいたのは明らかな、困惑の色。
 
 もしブーンがギコの立場だとしたら、笑い飛ばしていただろう。
 そう言った意味では、今日会ったばかりのギコは、自分を信じてくれている気がしないでもない。
 
 それに少し、救われていた。  
 湯の静かな波に、ブーンの心も安らいでいく。
 
 長い夜の、終わりが見えた。




 駐車場に車を止め、車から降りるギコ。
 様々な思案に、その顔は曇っていた。
 
 思い出すのは、上司の説教。
 
 実はその内容は、「VIPを追うのはやめろ」という物だった。
 ネタは這ってでも見つけろと、常日頃から檄を飛ばしていた編集長。
 それが急に、そんな事を言い出したのだ。
 
 その言葉に疑問を感じたが、はいはいと聞き流し、編集長もそれ以上念を押すことはなかった。
 それで終わりだと思っていたのだが。
  
 その後での、ブーンの話。
 VIPは何をしようとしているのか。
 編集長は何かを知っているのではないか。
 信じ難い、悪魔の話。
 
 迷走。
 
 何から手をつければいいのか、ギコはまったくわからなくなっていた。
 携帯を取り出し、ある名前で指を止める。
 
 
『藤井ゆきの』


 ギコが記者を目指す切欠となった人物。
 迷った時、いつもギコに活を入れてくれた。
 
 ここ数年は頼ることもなく、結婚式に出席して以来は、顔も見ていなかった。
 風の噂に聞けば、幸せな家庭を築いているだとか。
 それを思い出して、ギコはそっと携帯を閉じた。
 
 ギコももうすぐ、三十一になる。
 若い頃に、散々と頼った。
 もう甘えては、いられない、と。
 
 一つ、大きく息を吐き、ギコはアパートへと戻って行った。
 
 藤井ゆきの。
 旧姓、黛ゆきの。
 ギコは知らない。黛ゆきのもかつて、ペルソナを用い、戦っていた事を。
 

──────────………




 夜の姿に衣装を変えた字都市。
 それを見下ろす様に、モララーはVIP本社の社長室から外を眺めていた。
 アサピーとあの洞窟に居たはずなのだが、はたして。

('、`*川「社長……」

 オドオドとした弱い口調で、横に控えていた秘書が言う。
 
( ・∀・)「なんだね」

 真逆な、強い口調で、モララーが応える。
 
('、`*川「その、南条グループとの提携の件ですが……」

( ・∀・)「私は知らないよ 好きに進めたまえ」

('、`*川「それがその、難航致しておりまして……」

( ・∀・)「知らないと言っている 私にとっては、もうどうでもいいことなのだよ」

 断固たる、拒否。
 自社の発展を、会長たるモララーがどうでもいいと言うのは如何なものか。
 しかし彼は、本当にどうでもよかったのだ。
 
 興味が、なかった。
 
 鳴留羅山で輝くトラペゾヘドロンを手にしてからは、運営は下の者達に一任し、
 玖都留の研究所といった開発に着手していた。

── 会社をほっぽり、社長はどうかしてしまった ──
 
 社内ではそのような陰口が横行していたが、それこそ、彼にはどうでもいいことだ。

 
('、`*川(はぁ……まったく、説明するのが疲れるわ……)

 気付かれないように小さく溜息を吐いた秘書。
 実際彼女も、運営には携わっていない。
 海外組からどうしてもと、モララーの助力を懇願され、今の報告に至ったのだ。
 
 こうなるだろうとは思っていたが、それをどう伝えるかで頭を悩ませていた。
 
('、`*川(ま、私には影響ないことだし、どうでもいいけどね)

 悩みはどこへやら、思考の切り替えが早いのが、彼女の特技だ。
 
('、`*川(それにしても……)

 秘書は社長室の隅に佇む男に、チラリと目をやる。
 
('、`*川(……ものすごい……『力』を感じる……この男は……)

 秘書が入ってきた時、すでにその男は居た。
 モララーが彼女以外の誰かをこの部屋に入れるのは、珍しい事だ。
 
( ・∀・)「伊藤君」

('、`*川「はい」

 突如名前を呼ばれたが、秘書……ペニサス伊藤はすぐに返事をすることができた。
 
( ・∀・)「明日、覇洲区へ行く 準備をしておいてくれ」

('、`*川「承知致しました」

 字都五区に研究所ができてから、モララーはその研究所のことを区名で示していた。
 ペニサスはすぐに理解し、社長室を後にする。
 
 残ったのはモララーと、男だけ。
 
( ・∀・)「……見たまえ」

 眼下に広がる夜景を顎で差し、男に言葉を投げた。
 
( ・∀・)「綺麗な街じゃないか いいものだね」

 男からの反応は、ない。
 
( ・∀・)「古き友人達も、走り回っているようだよ」

 その言葉に、少し肩を動かした。
 だが次に。
 
『下らん……』

 言い捨てた。
 
( ・∀・)「ククッ……ああ、下らないね」

 言い捨てた言葉に、嬉しそうに同調する。
 男は変わらず、無表情だった。
 
( ・∀・)「近く、君にも働いてもらうよ」

 口元に笑みを浮かべつつ、モララーは振り返り、男を見た。
 





( ・∀・)「その時彼等は、どんな顔をするだろうね」




  『…………』

  


  
  
( ・∀・)「楽しみだね、アザゼルよ」





──────………




( ^ω^)「おはようだお」

J( 'ー`)し「おはよう ご飯できてるわよ」

 挨拶も束の間、ブーンはすぐに朝食を食べ始めた。
 甘い湯気を立てる真っ白なご飯と、味噌汁。
 和食派のブーンにとって、朝はこの二つがないと始まらない。
 
J( 'ー`)し「文化祭の調子はどう?」

( ^ω^)「いい感じだお ケーキ屋楽しみだお」

J( 'ー`)し「カーチャンも、食べに行こうかしら」

( ^ω^)「おっおっ きてくれお! ショボンのケーキはおいしいんだお!」

J( 'ー`)し「フフ……それは楽しみね」

 嬉しそうに笑みを浮かべたカーチャン。
 母との会話も、ブーンはなぜか久しぶりのような気がした。

 甘い白米を口に運びながら、ブーンはテレビに目を移した。
 最近よく耳にする言葉が、聴こえたからだった。
 
『……南条グループはVIPとの提携を一方的に拒否しました。
 この件について、南条グループ総帥、南条圭氏は次のようなコメントを発表しました』
 
『南条グループは、我々だけで【1】を目指す。それだけだ』

『これに対し、VIP側は未だコメントを控えて………』


( ^ω^)「ごちそうさまでしたお」

J( 'ー`)し「おそまつさまでした」

 VIPという名前だけに反応したブーンは、内容についてはどうでもよかったらしい。
 早々に朝食を片付け、ブーンは学校へ行く支度をする。
 
( ^ω^)「じゃあ、行ってくるお」

J( 'ー`)し「行ってらっしゃい 気をつけてね」


 笑顔で返し、ブーンは玄関を出た。
 
 外は快晴。
 秋ではあるが、少し暑い程の陽気。
 雀がさえずり、歩く通学路はいつも通り平和な姿を見せていた。
 
 
 
 

 それが現れるまでは。
 
 


 
(;^ω^)(えぇ……)

 人通りの少ない細い路地。
 その電柱の陰に、それはいた。
 
 まるで陽の光から逃れるように、影と同化している。
 
『ギ……?』

 ブーンの視線を感じ、それが顔を上げる。

 身長は、年長の園児程だろうか。
 しかし、園児の様な愛らしさなどは微塵もない。
 
 ひょうたん型の体は、暗い緑色をしていて、化け物の様相を呈していた。
 頭には白い毛がぼさぼさに生え、不潔さも漂わせている。
 
『オ、オレ、ミエデルノ……? キ! キキキキ!』

 化け物は嬉しそうに口を開け、不揃いな歯と紫色の舌を露に………
 
 
ξ ゚⊿゚)ξ『ペルソナ』

 唐突に、ブーンの横にツンがひょっこり現れ、ペルソナを呼ぶ。
 
 そして、放たれるは、
 
ξ ゚⊿゚)ξ『ジオ』

 一筋の雷撃。
 
 それを受けた化け物は、断末魔すら上げずに消し炭と化し、灰となって消えて行った。
 
ξ ゚⊿゚)ξ「ブーン、おはよ」

(;^ω^)「お、おはようだお」

 化け物を即座に退治し、いつもの調子で声をかけたツンに戸惑いながら挨拶を返す。
 
ξ ゚⊿゚)ξ「今ので、三匹目」

( ^ω^)「え?」

ξ ゚⊿゚)ξ「悪魔よ 今のみたいによわっちい奴だけど、これで三匹目」

( ^ω^)「そうなのかお……」

ξ ゚⊿゚)ξ「見えてるってわかると、襲ってくるみたいね 最初は家の前にいたから……」

( ^ω^)「そりゃびびるお」

ξ ゚⊿゚)ξ「うん 普通の人には見えないし、悲鳴なんか上げたら変な目で見られるし……」

( ^ω^)「サクっと倒すのがいいってことかお」

ξ ゚⊿゚)ξ「そう、ね 幸いと言うか、今のみたいな弱いのばっかりだし」

( ^ω^)「それは助か……」

 不意に、二人の心が揺れた。

 それはペルソナの共振。
 その波動は、細路地を抜けた先から感じられていた。
 この先に術者がいると。
 
 二人はすぐに駆け出し、細路地を抜けた。
 
 
 
 大通りに出て、すぐ右に目をやると。
 
('A`)『グライ!』

 右腕を差し出し、言霊を紡いだドクオがいた。
 手が向いた先には、ブーン達が見た化け物と同じ姿。
 
 それは、イシュタムから放たれた重力によって押し潰され、やがて完全に消え去った。
 
('A`)「ふぅ……」

 始末を終えたドクオは、放り出していた手提げの鞄を右手で拾い、ひょいと肩まで持ち上げた。
 そして何もなかったかのように、颯爽と歩き始めた。

 その場にいた通勤、通学中の人々の視線は、ドクオに集中していた。
 
 想像してほしい。
 
 朝歩いていると、一人の学生が突然『ペルソナ!』と叫び、
 右手を突き出して『グライ!』と叫んでいる姿を。
 
 視線が集中するのは、無理もない。

 
('A`)(ついに悪魔が頻繁に現れるように……こりゃ俺達が頑張らないとな……)

('∀`)(……でも、ゲームの主人公になったみたいで、いいな、こういうのも……)

('A`)(ああ、だめだ……昔の邪気眼期の黒歴史が……ブツブツ)

 どうやら視線は、何ら問題ないようだ。
 
( ^ω^)

ξ ゚⊿゚)ξ



3_20091227111439.jpg


( ^ω^)「ツンさん、ドクオが見えなくなったら、行きましょうか」

ξ ゚⊿゚)ξ「そうですね、そうしましょう」

 少し遅れて、二人も学校へと歩き始めた。



                                      続く。





キャラクターテンプレ

( ^ω^)
アルカナ・SUN
ペルソナ・スヴァローグ(スラブ神話における太陽神、または炎の精霊の神)
スキル・アギ、火炎撃

ξ ゚⊿゚)ξ
アルカナ・LOVERS
ペルソナ・スアデラ(ローマ神話における愛と誘惑の女神)
スキル・ディア、マリンカリン、ジオ

('A`)
アルカナ・DEATH
ペルソナ・イシュタム(マヤ神話における自殺を司る女神。その姿とは裏腹に楽園への案内人。ツンデレ)
スキル・グライ 、グライバ

川 ゚ -゚)
アルカナ・EMPRESS
ペルソナ・タレイア(ギリシア神話における豊かさと開花を司る女神。ギリシア三美神の一柱とも)
スキル・ガル、ディア 、スクカジャ

(´・ω・`)
アルカナ・HIEROPHANT
ペルソナ・ヤマ(ヒンドゥーにおける、いわゆる閻魔大王様。ヤマの音訳が閻魔らしい)
スキル・ハマ、ムド 、一文字斬り

( ゚∀゚)
アルカナ・MAGICIAN
ペルソナ・ジャックフロスト(マスコットだったつもりの座をモ*゚ー゚シにとられる。もうヤバイ)
スキル・ブフ、スウィートトラップ

( ´∀`)
アルカナ・HIEROPHANT
ペルソナ・ビシャモンテン(四天王に名を連ねる武神。七福神の一人でもある。)
スキル・テトラカーン

( ´_ゝ`)
アルカナ・STRENGTH
ペルソナ・カストル(馬術の名手。ポリュデウケースとは双子の兄)
スキル・二段突き、ヒートウェイブ、マハガル

(´<_` )
アルカナ・STRENGTH
ペルソナ・ポリュデウケース(剣術と拳闘の達人。カストルとか双子の弟。別名ポルックス)
スキル・ツインスラッシュ、ジオ

メガテンシリーズを知らない方への簡単な魔法一覧

アギ系……炎
ブフ系……氷
ガル系……風
ジオ系……雷
グライ系…重力
ディア系…回復
カジャ系…能力向上
ハマ系……神聖系
ムド系……呪殺系





この小説は2008年11月15日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者は◆iAiA/QCRIM 氏

第10話は、こちらからどうぞ



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[ 2009/12/27 11:16 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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