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( ^ω^)季節を旅する文猫冒険記のようです 第四章 其の三


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ

諸注意 このお話には房津チックな表現、キャラ設定が使用されております



(だいじな用語説明)

文猫:虎みたいな大きさの猫、人の言葉を喋る。

人:この世界では、AA体を人と呼ぶため、人間は指さない。

季節:この世界では一日を一節と呼び、それを更に4つの季に分けた物が季節である。
   つまりは一年間をへんな呼び方にしてるだけ。

4つの季とは下記のこと。

白季=春

蒼季=夏

紅季=秋

透季=冬

何年というのが存在しないため、年数と言う概念も無し。


(産業あらすじ)
・最初の目的地である文猫協会に到着。
・アイドルの(*゚ー゚)に出会う
・(*゚∀゚)が探している凄い包丁の話を聞かされる





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<紅季 27節>


遠い空に、ほそ長い雲がやんわりと流れていく。
ふわふわしていた風も、今ではひゅーっと寒々しく感じてきた。
もうじき寒い時季がやってくる、それを教える風だろうか。

けど、まだ空気はそう冷えきってもいない。
ちょっと歩けば、すぐに足からぽかぽか温まってくる。

ついでに言ってしまえば、僕は寒いのは得意だ。
けどショボはそうでもないらしく、訪れる透季の気配にため息をついていた。


ミ,,゚Д゚彡「俺も寒いのは平気」

(;´・ω・`) 「……うらやましいなぁ」

( ^ω^)「つーちゃんに言えば、きっと毛のコートを作ってくれるお」アッタカ

ミ;゚Д゚彡ノシ「ごめんやっぱ嘘、無理、寒いの無理!」

僕らはアルファの街を離れ、山を貫くような道の途中。
色をもち始めた草葉は、そんな僕らを歓迎するようにひらりら揺れていた。

やがて、現れるのは緩やかな、しかしどこまでも続く坂道。
しばらく街にいたせいか、何だか懐かしいような、圧巻されるような、
そんな感慨ぶかい思いに、僕らはその場で立ち止まり、遠い道に目をこらした。

すると、しぃちゃんが前に躍り出て、先を示すように前へと指差した。


(*゚ワ゚)「それじゃ、まずは山越えですね! さあさ、一気に参りましょ!」

(*゚∀゚)「はいはい、んで参るのはいいけどよ、当てはあんのか?」

(*^ー^)「無いです、けど行けば何とかなりますよ!」

(;*゚∀゚)「何とかってお前……ほんとに大丈夫かぁ?」

(*゚ー゚)b「大丈夫ですっ! へっちゃらです! さあー行きましょう!!」

そう言って、彼女はしっぽをはためかせ、ひとり坂道をもうぜんと駆け上っていく。
僕らは黙って見送った、しばらく見ていると、やや先のほうで立ち止まった、というかこけた。

遠目にだけど、そのまま四つんばいになって、息を切らしているのがよくわかる。
しかし、むちゃくちゃ体力ないな、どうでもいいけど。

(;*゚д゚)「ぜーっ、ぜーっ」

(;*-∀゚)「…なんだかなぁ」

(*´・ω・`) (かわいい……)

ミ,,゚Д゚彡「しょうがない…ブーンさんや、乗せておやんなさい」

( ^ω^)「わかりやしたおご隠居」

(*;ー;)「ああ、人情お心いります……」

するとしぃちゃんは、なんかナメクジみたいな動作で僕の背をめざし始めた。
地べたからはいまわるように、正直すごくきもちわるい、あと毛をひっぱりすぎ、いてーな畜生。

何かもう、いっそふりほどきたい衝動に駆られたけど、どうにか堪えた。
あと、何故かショボが羨むように見ていたけど、そっちは無視した。


(*゚ー゚)「ごめんね、重くない?」

( ^ω^)「重くないお」

(*'ー`)「ごめんね、かーちゃん猫に乗るのはじめてだからごめんね」

(*゚ー゚)「あれ? ……なんだろこれ…背骨かな?」ヘンナ デッパリガ

(;^ω^)「あう…ちょ、それなんか気持ち悪いからやめて…」

(*゚ー゚)б「うん、わかったよ!」ゴリゴリ

(;゚ω゚)「あだだだっ! えっ、なんで!?」


(;*゚ワ゚)「え? だって、今のあれでしょ? やれっていう前ふり……」チガウノ?

(;^ω^)(まずい、これ素で言ってるぞ……)

この、どっかズレた変な子はしぃ。

まだ知り合ったばかりだけど、聞くところによれば、
かくちで歌を伝えながら、世界中をホーローしている、とても有名な人らしい。

ついでに、目を見はるその容姿から、熱狂的なファンもたくさんいるそうだ……しかし。


ミ,,゚Д゚彡「歌って、どんなのなんだ?」

(*゚ー゚)「うーんとね…ちょっと待ってね声作るから」
(*゚д゚)「えーごほん、ごえっ、おほん、うえっ、うあ゛ーおほんおほん!!」

(;^ω^)(うるさいなぁ…)

なんかこう、今にも死にそうな勢いで、むせかえっているこの様を見て、
それを信じろと言うのは、少しばかり無茶ってもんだと思う。

……思う。

思っていたのだが。


(*。。)スゥー


(*-ワ-)「…あなたも~おーおかみにぃ~かわりーまぁすーか~♪」


<~♪


(*゚∀゚)「へぇ…」

(;^ω^)「おお…」


真上から聞こえてくる声に、僕はおもわず感嘆の声をもらした。
これはおどろきだ、すごく透きとおってて、すごくきれい歌声をしている。

なるほど……これなら確かに分かる気がする。


(*^ー^)「おそまつさまでした!」

ミ*゚Д゚彡「すげーすげー」パチパチ ダカラ

(*´・ω・`) (ハァハァ……)

(*゚∀゚)「しかしうまいもんだなー」マジデ

(*゚ー゚)b「これで食ってますから!」

(;*゚∀゚)「生々しいからやめろよ、そう言うの……」

(*´・ω・`) 「しぃちゃんは最高です!」

なんかショボがきもいけど、まあ、確かにあれは文句なしにいいものだ。

耳の奥がくすぐられるような心地よさ、自然にはありえないその旋律、
なかなかどうして、心を揺さぶられる思いだった。

てか、どうでもいいけど、やっぱりショボが必死すぎてきもいんだけど……どうしたものか。





         。。
        ゜●゜           
              。。
             ゜●゜

          。。
         ゜●゜

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               ゜●゜



      第四章   凪がれる時に、忘れ者をサガシテ

       其の三 「 降り立つ大地に、視えたもの 」

                。。
               ゜●゜

                      。。
                     ゜●゜

                  。。
                 ゜●゜

                        。。
                       ゜●゜




ミ,,゚Д゚彡「でも、やっぱ聴いたことない歌だったから」

(*´・ω・`) 「えーー! 信じられないよ! ありえない!」

ミ,,゚Д゚彡「そんなこと言われても……」

(#´゚ω゚`) 「ていうか知らないなんて失礼でしょう!?」オラッシャア

ミ;゚Д゚彡「え、いや、えーと…ごめんなさい?」

(*゚∀゚)(性格まで変わってやがる……)


(*;ー;)「でもほんとにねー……誰?近所の子? なんて聞かれたのは初めてだよ……」

(;´゚ω゚`) 「ああっ!?」

よよよ…と、ショックを受けた素振りで、僕の背にうなだれるしぃちゃん。
それを見たショボが「僕と変わって!」とか言ってくる、うざい事この上ない。

(*;ー;)「ひどいよねー、うふ、うふふ、ふふふふふふふふふふふ」

(;^ω^)「背中に文字かくのやめてくれお……」

ていうか、その質問に対して、いちばん目を輝かせて反応してたくせに。

「そうです! ほらここ、私の家なんです!」ってさ、無駄にノリノリで。
そしたら、ちょうど家主が出てきて、しかもその人、困った顔してたし、もうね、コントかと。


(*゚ワ゚)「あ、ここの毛だけ色が変」ブチブチッ

(;゚ω゚)「ふぎゃあ!?」

(*゚ー゚)「あ、ごめん」

もうやだこの人。


(*゚∀゚)「んで、何をそんなに焦ってたんだ?」

(;*゚ー゚)「へ?」

(*゚∀゚)「さっき……つーか街を出るときからか」

そう、そうなのだ、何でかは知らないけど、しぃちゃんはずーっと、
コソコソしてるというか、慌てていると言うか、そんな感じだったのだ。

おかげで、出会ってそうそうにまくし立てられ、
あれよこれよとしてる間に、気付けばここまで来てしまった。
まあ、そろそろ次の目的地を求めていたから、悪いわけではないけど。


(*  - )「……だって、早くしないと、追っ手が」

(* ∀゚)「……追って?」

Σ(;*゚ー゚) ハッ


(;*゚ワ゚)ノシ「ぁ……いやいやいや」

(;´・ω・`) 「いやいやいや?」

(*゚∀゚)「やいやいや」

ミ;゚Д゚彡「……なんなの?」

(*゚ー゚)「つまりなんでもないんですよっ」

よくわからない。

けどまあ、なりゆき任せの旅もわるくはないかと、
風のふくまま気のむくまま、僕らはふたたび山道を行く。

振りむけば、あまりに広大な街なみが広がっている、人なんか一つの砂粒のようだ。
あそこに僕も居たのかなぁ、と、ちょっと信じられない思いだったりするけれど、
心のどこかにそれを名残惜しむぼくが居て、ちょっぴり不思議な感覚がこみあげてくる。


……また、いつか来れるといいな。

そう願いながら、僕はさよならの挨拶代わりにしっぽをふった。
あばよ、なんて口にしたら格好いい気がする、ニヒルに笑ってみたりしてね。


それはさておき、僕らはあらたな大地に思いはせ、目指すは大陸のはしっこ。
つまり海だ、再び船にゆられて大海原をわたり、別大陸への道をすすむ予定である、が。

しかし、こんかい僕らが目指そうとしているのは、ちょっとばかり特別な場所だ。
と言うのも、そこは魔法という存在を世にひろめた魔法使いたちが住むという、オム大陸。


ちなみに何がどう特別かというと、まずは色々な"いわく付き"の話がたくさんある事だ。

ドラゴンと魔女の森があるだの、最強の武器トンファーを手にした者は英雄になるだの、
怪しいMADな研究所があるだの、おぬの仔がいるだのと、もはや訳のわからない物まで。
そしてその中に、つーちゃんが探していると言うすごい包丁もある。


……かもしれないそうだ。

はっきり言えば、机上のクーロンってやつで、ソースも何もない情報なんだけど。
その場所に"いわく話"が多いのは事実だ、というわけで、行ってみる事になった。

しかし、この大陸から向かうには、7X海域という気性の荒いうみを越えねばならぬ為、
おそらく出せる船も限られ、それなりに大きな港へ行く必要があるだろう、というわけで。

最初に訪れたヘイシ港から南西にある、もう一つの港町、エスパークを目指すことになった。
そっちならば、決められた航路をゆく定期船ではなく、依頼で運航するのもあるとかなんとか。


ミ,,゚Д゚彡「…そういえばショボさ、街でるとき、シャキンと何話してたんだ?」

(;´・ω・`) 「え? な、なんで…?」

ミ,,゚Д゚彡「いや、なんか様子が変だったから」

(*゚∀゚)「確かに、ずいぶんとシリアスっぽかったな」

そういえば去り際、いろいろお世話になったし、文猫協会へと挨拶にむかったんだけど、
その時、ショボだけ会長さんに呼び出され、なにやら怪しい密談があったのだ。


(;´・ω・`) 「あ、あれは……その」チラ

( ^ω^)「いや、僕は知らないお?」コッチ ミンナ

(;´・ω・`) 「えと……そ、そう、路銀をもらったんだよ」

ミ,,゚Д゚彡「なんじゃそら」

(*゚ー゚)「通貨のことですぜ旦那」

協会は、季節の記録を保管するところである。
そして猫たちはそこに、書いたものを提供する立場なわけで……。

つまり、お礼にこれあげるよーみたいな感じで、いろいろくれるみたいだ。

(´・ω・`) 「それに、僕らみたいな旅猫たちは、旅にかかる費用もあるから」

なかなか、結構な量をもらっているらしい。
なるほどねぇ、なんて聞いていたけど、そこでふと疑問。


( ^ω^)「ち、ちなみに……」

(´・ω・`)「うん?」

(;^ω^)「……僕にはないのかお?」

(;´・ω・`) 「え……だ、だってほら、ブーンは協会に所属してない
        ……その、野生の文猫だから……」

(;^ω^)「ないですよ…と?」

(;´・ω・`) 「う、うん……ごめん…」

まあ、そりゃそうだと納得はしつつも、ちょっぴり残念だった。
と言うのも、僕とて今までに書いてきた日記を、あそこに置いてきたんだ。
なのに、しかも同胞なのに、ハブかちくしょう、しょせん野良猫あつかいですか。

( ;ω;)「ちくしょう……貧乏め…」

(*゚ー゚)「じゃあ私があげますよ! お背中をお借りしているお礼にば」

( ^ω^)「え、まじかお!?」

(*゚ー゚)「ええ、少ないですが、お小遣いにでも…!」


(;´・ω・`)「少ないって…え、それ金k……!?」


そう言って、しぃちゃんは僕の首から提げたポシェットに、チャリンと何かを入れた。

まいどありー、内心でつぶやく。

まあ、実のところ貰ったところで、いまいち使い道というのが浮かばないんだけど、
何にせよ、始めてもらった自分のおこづかい、それ自体がとてもうれしかった。

思わず足が軽くなってしまって、無意識に僕はからだを左右に揺らしてしまう、
そんな背中の上で、一緒にあたまを揺らしながら、しぃちゃんがくすくす笑っていた。





             ∧∧ 
            ミ*゚∀゚彡 ソレカラ ソレカラ
             ミ,,,,,,,,,,ミ

           紅季 29節





ミ;゚Д゚彡「むう、余ってる船は一つだけか……」

(-@∀@)「でもこのボートはなぁ……異世界号はさ、たまにしか動かさないから不安なんだよね」

(;^ω^)「なんと不吉な」

(-@∀@)「整備もさぼってるしNE!」

(;*゚∀゚)「大丈夫かよそれ……駄目だろ異世界号……」

何だかいろんな意味で危なそうな話をしてる僕らは今、とある川辺の村に居た。

そして、目の前にあるでかい川が、芸大陸でいちばん大きな川ことゲイナー山河、
目指す町への最短ルートが、この急流を下っていくことだと聞き、やってきたのだ。


ミ,,゚Д゚彡「……でもそれしか無いんだろ?」

(-@∀@)「今だせる船はこれだけだね」

(*゚ー゚)「なら行くっきゃないですね!」

(-@∀@)「危険を承知で、いくってのかい?」

(*゚ー゚)b「当然です!! ねえみなさん!?」イカザルヲ エナイ


(*゚∀゚)「そこまでプッシュされると弱いぜ」ショウガネエナ

ミ,,゚Д゚彡「よし、決まりだから!」

(-@∀@)「あいよ! みんな乗り込みな!!」


(;´・ω・`)「え、ええ…そんな…」

(;´・ω・`)「それでもし転覆なんてしたら……風邪ひいちゃうよ…」


(;*゚∀゚)「いや、まあ…風邪で済めばいいがな」アヒャー

( ^ω^)「もし溺れても、きっと網に引っかかって上げられるから大丈夫だお」

ミ;゚Д゚彡「……あみ?」ナンノコッチャ

という訳で、僕らは小船にて身を寄せ合い、川くだりを始めた。

おおきく開けた川原から、影におおわれた山中のゆるやかな小川まですすむと、
やがて空を覆い隠すほどの木々に囲まれた水面は、葉の色につつまれ紅葉色。
反射した光がゆらゆらと僕らを照らす様は、心やすらぐ、そう、いわゆるマイナスイオン。


とまあ、最初のうちは流れも穏やかで、景色をながめて「わーい」してる余裕もあったけど、
しばらくすると、しずかな水面に白波があらわれて、船の揺れが強くなってきた。

そのただらぬ雰囲気に、自然と僕らの口数も減り、いような緊張感がただよう。
だんだん水音も激しさを増して、叩きつけるような低音が聞こえてくる、


(´;ω;`)「ひ、ひいいいいいい!!」

(*゚ー゚)「やだなにこれ、ちょー楽しくないですか?」wktk wktk

ふと隣を見れば、まさに正反対な反応をしめす一人と一匹。
もう反対を見ると、水しぶきが陽光をはねかえしてきらめいた。

僕ははじっこ、水がはねて冷たい、この時季に濡れるのは辛いものがある。
けどしょうがないので我慢する、ちなみにフサとつーちゃんはまだ余裕の表情だった。
それもその筈、山育ちの僕らとしては、こういった川遊びには慣れているのだ。

ミ,,-Д-彡「よく浮かべた丸太に乗って遊んだっけ…」

(*゚∀゚)「んで、お前はよく落ちてたっけなぁ」

とはいえ、それにも限度という物があって、急流が激流にかわれば話は別だ。

いきなり視界がひらけたと思えば、小さな滝みたいな坂を下って肝がひえたり、
石の隙間をあわや衝突すれすれで抜けたり、足元からガリガリ音がすれば泣きたくもなる。


(#-@∀@)「こっちにだって、オーバースキルがあぁーーーーーる!!!」

(´;ω;`)「いやあああああああああああ!!」

(;゚ω゚)「だからしっぽを噛むnんぎゃああああああああああああ!!」イタイタイタイ!!

ミ;゚Д゚彡「ちょ、前が危ない! 危ないから!!」ブツカルッテ!

(#-@∀@)「激流には激流では対抗できない、そう、オーバーヒート!
        オーバーヒートだぁああああああああああああああああああああああ!!」

(;*゚∀゚)「……おい、なんか足下に水が溜まってきてるんだが」

(*゚ー゚)つ♭「こんな事もあろうかと、ひしゃくを用意してありますぜ!!」

(*゚∀゚)「よし、じゃあ掻きだせ」

(*゚ー゚)「イエス、ユアマジェスティ!」

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やがて夕暮れになって、ようやく流れも穏やかになってきたころ。

夜闇のなかでの川くだりは流石に危険なので、野宿するべく、僕らは付近で船をおりた。
なんというか、息もたえだえ。

地面に足をつけると、その安定感と安心感になみだがちょちょぎれる、
ああ、生きてるってすばらしい、そう思わずには居られない船旅だった。


それから薪をくべて火をおこして、船に積まれた食べものでお腹を満たし。
パチパチと爆ぜる焚き火の音と、遠くから響くせせらぎに耳をかたむけながら、
辺りをぼんやりと照らす灯りの中で、僕は布団にくるまり空をあおぎ見ていた。

空に浮かぶは森のかげ、その隙間にのぞくは雲にかくれた紅い月。
その輝きはどこかやさしく、幻想のほてりを冷ましていく。


(*゚∀゚)「…あと、どれくらいなんだ?」

(-@∀@)「半分くらいかな」

ミ;-Д-彡「またあんな目にあうのか……」ウンザリ

(-@∀@)「いや、そろそろ本流と合流するから、そこからは安全だよ」

(*゚ー゚)「うーん、物足りなそうですねぇ」

(;*゚∀゚)「いんだよ、それで」

いろいろあったせいか、寝そべった体が重くて、今はもう動きたくない。
なんだか久しぶりに疲れを感じて、目をつぶればすぐに眠れそうだ。


ミ,,゚Д゚彡「そういえば、しぃはオムに行ったことあるの?」

(*゚ー゚)「ありますよー! これでも彼の秘境の地、ナギ渓谷以外は制覇してますゆえ!」

ミ,,゚Д゚彡「どんなとこなんだ?」

(*゚ー゚)「変なとこですねー」

ミ;゚Д゚彡「これまた随分と抽象的な」

なんだか興味深いはなしをしている、のは分かるんだけど。
既に僕はまどろみの中、目にうつる物すべてがぼんやりとしていく。

(;*゚ -゚)「むぅ、表現が難しいんですけど……まず人種がちがいますし」

(*゚∀゚)「なんだそりゃ?」

(*゚ー゚)「そのまんまの意味ですよ、私たちとは見た目も全然ちがいますし」

(-@∀@)y-~~「ああ、自分も話には聞いてるよ、なんでも毛が頭にしか生えてないとか」

ミ;゚Д゚彡「毛が頭に………どんなだ…」


(-@∀@)y-「聞くだけでも何か怪しそうだから、魔法と科学の対立だけじゃなく、
        そういう異端な部分でも、他大陸とはいろいろ確執があるみたいでね、
        7X海域を理由にしてるけど、オム行きの定期船がないのも、そのせいらしいよ」

(*゚∀゚)「好きだねぇ、そういう差別化っていうのか?」

(-@∀@)y-「しょうがないさぁ、目に見えない部分だからこそ、人は不安になるんだから」

ミ,,゚Д゚彡「…世知辛いなぁ」

(*゚∀゚)「その割りに、あんたは理解あるみたいだが?」

(-@∀@)y-「仕事柄ね、いろんな人とこうして危険な橋を渡っていると
        いかに人同士の違いが些細なものか、嫌でも思い知らされるんでね」

(-@∀@)y-「…結局は、何だろうが、手を取り合った時にする事は一つだけなんだ、とさ」

ミ*゚Д゚彡(かっこいいから…)

(*゚ー゚)「そいえば、私の付き人が居るんですけど、ちょうどオム出身なんですよね……」

「へえ?」

「うーん、やっぱり、撒いてくるんじゃなかったわー」

「まい……」
「……」


……あ、やばい。

もうだめ、寝ます、おやすみなさい。

……ぐぅ。





             ∧∧ 
            ミ*゚∀゚彡 チョット ジカンハ ナガレテ
             ミ,,,,,,,,,,ミ

           紅季 31節





あれからもう一つ夜をこえて、ようやくエスカップの町に着いた。

話に聞いたとおり、なかなか大きな町だけど、それに反して道行く人は少ない。

と言うのも、ここは町をあげての学問の町で、学者や研究者たちの憧れの地にして、
何ちゃらプロジェクトと呼ばれるけんきゅう所があることで、世界的にも有名なのだそうだ。

そしてこの町は魔法…つまり、精霊についてを調べている人がおおく集う場所でもあり、
魔法についてを調べているとなると、自然と発祥の地であるオムとつながりができる、
だからここに来れば、船を出してくれる人が必ず見つかるだろう、という話だ。


ミ,,゚Д゚彡「はー……そりゃすごいなエスターク」

(;´・ω・`)「エスパークだよ、それで、あのね」

(*゚∀゚)「んで、これからどうすっか?」

着いたのはいいけど、行くあては無い僕らは、レンガ敷きの道で立ち止まる。
まずは町の中央にそびえる、一際大きな建物をめざしたが、特に何も見当たらない。

何が見当たらないって、人があまり居ないのだ。

石を綺麗につみあげた家が立ち並ぶ大通りにも、その先にあった広場にも、
たまに本を小脇にかかえて、忙しそうに過ぎ去る人が居るだけで、
この空気の中では、暇そうな僕らがとても空気よめてない存在らしい。


(;*゚ー゚)「困りましたねぇ、こう人が居ないんじゃ話をするにも」

(*゚∀゚)「だなぁ、どうしたもんかね」

ミ,,゚Д゚彡「やっぱり海に出るんだから、港に行けばいいんじゃないかな」

(;´・ω・`)「あ、それなんだけ」

( ^ω^)「おっお、じゃあ早速いってみるお!」


風のってやってくる、潮の空気が久かたぶりの海を感じさせる。
しかし、あの時と違って今は紅季、そろそろ肌寒くなっていくころあいだ。

歩いて海をめざすにつれて、僕らはそれをひしひしと感じさせられる、
というか、さっきから海のほうからびゅうびゅう吹き抜ける、この風のせいだ。
まるで体温を奪われていくように、気付けば体をぶるるっと震わせていた。


::(* ∀ )::「……く」

ミ,,゚Д゚彡「どったのつーちゃん?」

(;*゚∀゚)「さみぃ……おいフサ」


ミ; Д 彡(はっ…!? まさか、刈られる!?)

ミ;゚Д゚彡「いやいや! ちょっと待ってそれ……」


「…は?」 Σミ;゚Д(*-∀-))ピト 「ふう」


(*-∀-)「あー、あったけえ……」ヌクヌク

ミ; Д 彡(え、ちちち近っ!? あわ! あわわ!! あわわわわわ!)


(*゚∀゚)「やっぱこういう時は便利だな、お前は」アヒャヒャ

ミ*゚Д゚彡「そ、ソウカナー……」ハァハァ

(*-∀-)「……おい、言っておくが、変な勘違いすんなよ?
     本当はいますぐ刈り取ってやりたい所だが、それも哀れだからな、
     だから仕方なくこうしてるだけ、だかんな?」

ミ*゚Д゚彡「う、うん……」

ミ* Д 彡(……ど、どうしよう……幸せかも……)


そんな二人の後を、ちょっと距離をおいて僕らは行く、そう、空気を読んだのだ。
しかしそこへ近寄ろうとするショボ、僕はとっさに蹴り飛ばしてやろうと思ったけど、
意外にも、しぃちゃんがそれを止めて、僕のほうへ引き寄せた。


( ^ω^)「お…」

(*゚ー゚)「私たちもひっついてよっか!」

(*´・ω・`)「よよ、喜んで!!」

あっけにとられてしぃちゃんの顔を見れば、僕に向けてウインクした。

変な子だけど、空気は読めるいい子なんだなぁと思った。
そういえば、歌で人を喜ばせるのが好きなんだ、とか言ってた気がする。

こうして奇妙な間をおいて、更に歩きつづける事しばらくして、
ようやく、たくさんの船が停泊している、港らしき場所へたどり着いた。


海から吹いてくる風は、よりいっそう強くて寒い、僕らはさらに身を寄せる。
これも、例の海流と関係があるのかもしれない、まあそれはいいとして、
辺りをうかがって見るけれど、どうにも人の姿は見当たらない。

こんだけ寒けりゃ、それも当然か。

あるのは波打つ堤防と、ぐらぐら揺れては軋み声をあげる大きな船たち。
風向きをしらせる凧がはためき、遠くには旅人がたどりゆく道しるべこと灯台くらい。


しかし、その中に一つ、違和感を覚えた。



(*゚∀゚)「ん…? なあ、あれ、なんか見覚えがないか?」

ミ,,゚Д゚彡「どれ?」

(*゚∀゚)「あれ」

そう言って、つーちゃんが指すのは船の群れ、その中に異質なかたちの船がある。
船のそとがわにある水車、そしてマストの間にある変な黒いのと、明らかに他と違う船だ。

どうしてこんな所に、と誰にともなく口にすると、ショボが待ちわびたように言う。


(;´・ω・`)「だ、だからね! さっきから言おうとしてたんだけど…!
       確かヘイシ港でみんなと別れたとき、たしかあの人が行くって言ってたのは」

(*゚∀゚)「ここ、だったな、そういえば…」アヒャー

ミ*゚Д゚彡「って事は……あれは間違いなく、ズメイ号だろ? じゃあ……」

(*^ω^)「山さんが居るって事かお!!」

(*゚ー゚)「誰っすか?」ソレ

とか騒いでいると、その船の上でうごめく人影がみえた。
僕らはその姿に確信をおぼえて、おーいと声をはりあげ駆けていく。
すると、誰よりも早くしぃちゃんが前に飛びだし、手をふった。

(#*゚ワ゚)「そこのあなた!! そこで何してるんですか!! 泥棒はいけませんよーー!!」

(;^ω^)「ちょ、何言ってんだお!」

(;*゚∀゚)「ええい、事情も知らずにとびだすな!」

(;*゚ー゚)「あ、ごめんなさい……ついノリで…」


(  ;^^)「泥棒!? え、私ですか!?」


ミ,,゚Д゚彡「あ」

(   ^^)「…おや?」


というわけで、僕らは山さんと再会を果たしたのであった。
そして、吹きさらしで立ち話もなんだ、と懐かしい船室へと案内された。

内装こそ、あの頃のおもかげがあるけど、冊子やら妙な機械やらに埋め尽くされて、
変な言い方をすれば、すっかり散らかりきっていた。

けど、やはり懐かしいものは懐かしい、すぐに僕らは打ち解けて、
あれからどうだの、今はどうだのと、会話に花をさかせた。



|  ^o^ |「おお うしなわれたモップが もどってきました」

ミ#゚Д゚彡「うがーーー!! まだモップ言うかこのクソ柱め!!」

|  ^o^ |「さあ ゆかをふけ モップよ」

ミ#゚Д゚彡「うるせえ! ひっかいたろか!!」


(;^ω^)「そこは相変わらずかお……」

(*゚ー゚)「あれれ、幻聴かしら、あの柱が喋ってるように見える」


\(^o^)/「再会はじまた!」

(*゚∀゚)「この声も、なんか久しぶりだなぁ」

(´;ω;`)「でもまさか本当に会えるなんて……」グス

(  ;^^)「ええ、私もうれしく思いますよ」

ミ;゚Д゚彡「なあ、ところで山さん聞きたいんだけど、何でこの町はこんな人気がないんだ…?」

(  ;^^)「ああ、それはみなさん自分のことで部屋に籠もりっきりだから…と言いますか、
      ここは正確には人が住む町では無いんですよ、勤務先、に近いかもしれません」

(*゚∀゚)「ていうと、近くの村から通ってるってことか?」

(   ^^)「ええ、その通りです」

ミ;゚Д゚彡「なんか面倒だね、何でそんなことに…」

(   ^^)「えと、ここは以前は町ではなく、観測所のような集落だったと聞いてます」

(   ^^)「それが時季が流れるにつれて、似たもの同士がじょじょに集まっていき、
       いつしか"Paradise of Science and Study" 科学と学問の楽園…
       なんて呼ばれるようになり、その二つのSの園、が町名の由来となったそうです」

ミ,,゚Д゚彡「なる、それがエスタークか」

(*゚ー゚)「いえ、エスカップですよ」

(;*゚∀゚)「エスパークだろ……ってあれ? ちがったか?」コンラン シテキタ

(   ^^)「ああ、それと、さっきの話ですが」

と、そこで山さんは、ちょっと真面目なかんじで話をきりだした。
さっきの話とは、ここに来た目的を話したことだろう。

勿論、ずうずうしくも期待をこめたので、これはその返事とも言える。



そして。



その日のうちに、エスパークの町から、一隻の船が、黒煙をあげて出航したのであった。





             ∧∧ 
            ミ*゚∀゚彡 ソレカラ ドッタノ
             ミ,,,,,,,,,,ミ

           紅季 41節





<紅季 41節>


あれから幾たびの夜を見あげて、いくつもの陽の下を船にゆられて過ごした。
月は更にあかみを増して、その光に照らされた孤島もまた、夜の紅葉をつよめた。

夜の帳がくだった、夜の海のはるか先に、めざす大陸がある。
僕は甲板にて、風に吹かれながら彼方を見つめていた。


( ^ω^)「……オワタ君、居るかお?」

\(^o^)/「…オワタ」

( ^ω^)「あと、どれくらいで着くのかわかるかお?」

\(^o^)/「ケイソクチュウ…ケイソクチュウ……明日には、島が見えるよ」

( ^ω^)「そうかお……明日……」

話に聞いていた通り、海はなかなかの荒れ模様で、船はたまにぐらぐら揺れる。
だけど、いい加減それにも慣れて、みんなはすやすやお休み中。
僕はなんとなく眠れなくて、ここのところ、こうして海を眺めるのが増えてきた。

気のせいか、身体が重い、そして背中がうずく。
ひげがピリピリして、たまに目がかすんでしまう。


どんよりと曇った空。

僕は、これをどこかで見たような気がする。
そう思うと、それだけで頭がずきずきと痛む。

胸が詰まるような息苦しさがあって、空気を吸うのも一苦労だ。

これは果たして、単に体調がわるいのだろうか、それとも―――――。


その時、遠い空にある雲のおくが怪しく光った。
何だかとても不安にさせる、怪しい輝きだ。

僕はなんだか怖くなって、逃げるように甲板をあとにして、
何かに怯えるように丸まって、眠りについた。



そして、朝が来て、太陽が水平線の先からのぼって、更にのぼって真上にあがる頃。


(   ^^)「みなさん、見えましたよ」

\(^o^)/「航海オワタ!」

ミ*゚Д゚彡「おお! あれがオムか!!」

(*゚∀゚)「やーれやれ、やっと着いたな」


みんなが楽しそうに甲板から身をのりだす傍らで、ぼくは座り込んだ。
頭がぼうっとして、からだが熱くて、やけに息があがる。

何か、なにも視たくない、気がする。


(;´・ω・`)「あれ、ブーン……? なんか、大丈夫?」

(;*゚ー゚)「なんか、すごい顔してるよ?」


3_20091226234424.jpg



まずい、喉がからからで、返事もでき













こうして僕は、たどり着いた大地をこの眼でみることなく。

高熱をだして倒れ、気を失ったまま、無くしたままで、上陸をしてしまった。






                       その三 → その四 につづく。





この小説は2009年1月12日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:NuWxg/eZ0 氏


第四章、其の四はこちらへどうぞ



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[ 2009/12/26 23:46 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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