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( ^ω^)季節を旅する文猫冒険記のようです 第二章 其の三


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ

諸注意 このお話には房津チックな表現、キャラ設定が使用されております





1_20091226231444.jpg




房津港を出てから、幾つかの夜をこえた。
その間は、とくにこれといった出来事こそなかったものの、代わりに苦労があった。

それは、船酔い。

(li´ω`)「おええ…」

/(^o^)\「ナンテコッタイ」

出航したばかりの頃は元気いっぱいの僕らだったが、それも本当に最初だけ。

天候や海流のへんかにより、波が高くなったりすると途端にダウン。
つねに起こる上下の揺れに目をまわし、吐きに吐いて…。
それはもう、胃まで出るんじゃないかと思えるほどに。

ちなみにダウンしたのは僕とフサだけ。
最初の頃はそろって船室にこもっていた記憶しかない。


(*゚∀゚)「大丈夫かおまえ…」ミズ ドゾー

彡li'д`ミ「だめぽ…」ミズ ドモー

(*゚∀゚)つ「しょうがねえなぁ…」サスサス

彡;'д`ミ「うぇ…背中なでるのやめて…」デルカラ イロイロ

(*゚∀゚)「じゃあ、そと出るか?」

彡;'д`ミ「うごきたくない…」テイウカ ウゴケナイ

(*゚∀゚)「しっかりしろよ…ほら、肩かしてやっから、立てって」

彡;'д`ミ「う、うん…」


        ∧,,∧  ∧∧
  … > 彡,,゚Д゚ミ (゚∀゚*) < …なんだよ?


彡,,゚Д゚ミ「……」

(;*゚∀゚)「おーい、なんですかこのやろう」

彡;゚Д゚ミ「……つーちゃん、今日はみょうに優しいから」ドッタノ

(*゚∀゚)「あぁ? どういう意味だよ」

彡;゚Д゚ミ「…不気味」ボソ
(♯゚∀゚) ビキィ



 テメェハ! ヒトノ! コウイヲ! ナンダト!



 イヤアアアアアアアアアアアアッ      



(;´・ω・`)「…」アーア

しかもこの揺れは、実際には大した波では無く、むしろ穏やかな部類にはいるらしい。
本当に海が荒れた日には、慣れている人でも厳しいとかなんとか。

そんな話を聞くだけでも、喉のおくに不快感が込み上げ。
体はあまりにだるくて、眠ってしまおうと目をつぶれば眩暈がするという。このどうしようもなさ。

せめて外に出て、風にあたればマシになるかとも思えたが、
潮の匂いとまとわりつくような風は、余計にきもちわるさを煽るばかりなのだった。


まあ、それでも、つねに吹いてくる湿り気のある風は涼しさももっていて。

じりじり照りつける日差しを少しだけ、やわらげてくれていた。



         。。
        ゜●゜           
              。。
             ゜●゜

          。。
         ゜●゜

                。。
               ゜●゜



       第二章 広がりゆく世界のミチノリ
 
      其の三 「 赤眼の悪魔 から 心の隙間 まで 」

                。。
               ゜●゜

                      。。
                     ゜●゜

                  。。
                 ゜●゜

                        。。
                       ゜●゜





  蒼季 84節


それから更に時間はながれ、房津港をでてから23節目を迎えようとしていた。

この頃になると、どうにか船の揺れにも少しずつ慣れ始め、
甲板に出ては遠くの海を眺めたりして過ごすのが多くなった。

とは言え、実際には、あまりに苦しむ僕らを見かねた山さんが、
何度も近くの島に船を泊めて、休ませてくれたおかげとも言える。

……おかげで、予定からは大幅に遅れてしまう。という当然の結果がまっていたが。

(;^ω^)「ごめんだお」

(   ^^)「いいんですよ、旅と言うのは、早く着くのがすべてじゃないでしょう
       遠回りをするからこそ見える物もあります」

ミ*゚Д゚彡(…かっこいいから)ドッキーン



そんなこんなで、僕らの船旅はまだまだ続き。
なにも問題のない、順風満帆な船旅にも飽きて、退屈をもてあまし。
僕らは甲板に寝ころがり、だらだらだらだらしていた。

(*゚∀゚)「暇だなー…」

( -ω-)「だおー…」

空は快晴。波も風もおだやかで。
船首では今も、船がおこす波につられて子連れのイルカが元気に飛び跳ね。
フサとショボは飽きることなく、そんな様子を眺めている。


ミ,,゚д゚彡「飽きた」

(;´・ω・`)「え」


そんな事もなかった。


(  ;^^)「……そういえば今夜は…じゃあ少し寄り道していきますか?」

( ^ω^)「なんかあるのかおー?」

(   ^^)「ええ、あるのです」

(   ^^)「オワタ君、ミコ列島へ向かいたいのですが分かりますか?」

(^o^)/「地図にない島には行けないよー」

( ^ω^)「なんだおなんだお?」

ミコ列島、芸大陸からやや南西に位置する、いくつもの島々の連なる群島なのだそうだ。
山さんはさっそく船室に戻ると、地図、正確には海図をひろげ、先端に針のついた棒を突き立てる。

ちなみにその棒は指針と言い、船の一部から作られているためオワタ君と繋がっているらしく、
指針を地図にさすだけで目的地へと向かってくれるそうだ、それにしても便利なものである。


そうして船は進路を変え、波をすいすいかきわけて。、
ゆるやかに時間は流れて。太陽が頂点にのぼり、やがてちょっぴり傾き。

ふと気付けば、低空に海鳥のすがたがチラホラ現れると。
ここまで、一緒に海を渡ってきたイルカ達にお別れを告げる。

ミ,,゚Д゚彡ノシ「またなー!!」

(´・ω・`)ノシ「ばいばい」

すると、彼等は返事をするように海上に飛び跳ね、
なんどもなんども、波飛沫を輝かせながら遠くの海に消えていった。

そして海鳥の姿が目立ってきたという事は、陸地が近づいている、ということで。
遠めに見えはじめた、点々と浮かぶ孤島の群れへと向け、船は進んでいく。

(つ●ω<)「あれがミコ列島かお」


(*゚∀゚)「んで、どこ行くんだ?」

(   ^^)「カエデ島、という場所を目指しています」

(´・ω・`)「あっ…そうか、海森…」

(   ^^)「そういう事です」

近づくにつれ、見えてくるのは生茂る木々に覆われた島と、その周囲をかこむ砂浜。
そして島々の間を繋がった白い道。
遠めには点々と見えた孤島のいくつかは、それぞれ砂浜でできた道で繋がっていた。

ミ,,゚Д゚彡「おー、凄いから」

( ^ω^)「それで、ここになんかあるのかお?」

(   ^^)「それは今夜のお楽しみという事で」

様々な大きさ、かたちの島々が浮かぶ列島の近海。その隙間を縫うように進むと。、
やがて大きな山がふたつそびえる島へとたどりつき、みょうに高所にかけられた桟橋を目指した。
桟橋にはすでにいくつかの船が停泊していて、ちらほらと人がうごめいているのが見える。

\(^o^)/「ついたよー」

(  ;^^)「喋っちゃだめですよ」

(;^o^)「オワタ」

さっそく錨をおろし、船をつけると。
待ち構えていたように船へと階段がおろされ、僕らはさっそく桟橋へと駆け上がる。
すると紙面の束を持った人がよってきて、その彼に停泊料とやらを支払った。

(   ^^)「では、お願いします」

「ズメイ号、と…はい、確かに、ようこそカエデ港へ、しかし変わった船だなこりゃ」

(  ;^^)「ただの飾りですよ」

「なんだ飾りか、ところで今夜は緑月だからもうじき出航できなくなるけど、大丈夫?」

ちなみに"緑月"とは、蒼季から紅季に変わる時季が近づくと、
その前兆として、不思議なことに月のいろが緑がかって見える夜のことだ。
山さんが言うには、色光のサンゲンショクの影響だとからしいが、よくわからない。

(   ^^)「ええ、それが目的で立ち寄りましたから」

ミ,,゚Д゚彡「へえ?」

「お、そかそか、ならいいんだ、他になにもないとこだけど、ゆっくりしていってくれ
 ところで……ここに来るまでなんともなかった?」

(   ^^)「と言いますと?」

「どうも最近、この近海で船が損傷するとかの事故が何件かあってね」

(´・ω・`)「もしかして…それって房津港の事も関係あるのかな」

「ああ、そういう話も聞くよ」


余談だが、ぼくらがのんびりしている間に、房津港をつなぐ定期船はぶじ復旧し。
すでに運行を再開しているそうだ、そして相変わらずあの謎の沈没についてはよくわかっていないらしい。

「今節(きょう)もほら、あの船がトラブったみたいでさ」

言われるままに見れば、そこには完全に沈んだ船と、マストだけが海面に突き出た無惨な姿がある。
だがそれ以上に、その船の前に立つ、黒いコートを羽織った怪しい人影。
けれど、どこか見覚えのあるその姿に、僕らはおどろき声を荒げた。

ミ;゚Д゚彡「ああ!!」

(;*゚∀゚)「ツィール!? ツィールじゃねえか!!」

(*゚∀メ)「ん、そういうお前は……つー?」

( ^ω^)「おいすー」

(*゚∀メ)「おお、ブーンまで」ヤホー

(;*゚∀゚)「何でお前がこんな所に居るんだよ!」

(*゚∀メ)「それはこっちの台詞なんだが…まあ、この通りでさ」

そう言って視線を向けた先には、海面にちょこっと突き出たマストが波にさらされている。
どうやら、To Loveって壊れた船はこのツィール氏の物らしい。

(;^ω^)「おお…」

何と言っていいものやらと考えていると。
「いやーまいったまいった」なんて軽口をたたいて笑っている。
見ための状況に反して、どうやら本人はさほど問題視していないようだ。

(;´・ω・`)「あ、あの……知り合いなの…?」

( ^ω^)「お、そうだお、こちらつーちゃんの従兄弟さんのツィールだお、
       見るからにナリは怪しさに満ちてるけど、いい人だお」

(;*゚∀メ)「うるさいよ」



そうして、ショボと山さんには、僕らと同じつー族の村出身であること、昔はよく遊んだりしたこと。
ずいぶん昔に村を出て、そのまますっかり帰ってこなくなった前例である事をはなし。

そしてツィールの方は、外の世界に旅立ってからは、危険な獣や、食用の獣を狩るしごと、
いわゆるハンターとして生活しているそうだ。

それにしても、本当に久しぶりの再会。
はやくも互いの近況などの会話に花を咲かせていたのだが。

(*゚∀メ)「しっかしなぁ…そうか、とうとう来たか」

ミ;゚Д゚彡「う、うん…」

フサだけは、どうにも落ち着かない様子で、気まずそうに一歩引いている。
というのも……実は。フサはツィールが村を出る際、
連れて行ってほしいと言って、それを断られた経緯があったりする、それも。

(*゚∀メ)「何か言いたい事はあるか?」

ミ;。。彡「……」

(*-∀メ)「…その様子じゃ、もうそんな気はないか」

(;´・ω・`)「???」

ただ駄目だと言って断られたのではなく。


(悪いが……俺は誰かとそろって村を出る気はないんだよ)

自分はお前の境遇に同情する気も、特別視するつもりもない、
だから、来たければ自分一人で追って来い、そして、外でもう一度会ったら。

(*゚∀メ)(そん時は、どこへだって連れて行ってやるよ)

ミ,゚д゚彡(わかったから、絶対だから!)


と、そんな流れがあったのだった。
けど、今となってはそんな気も無いのだろう。

(*゚∀メ)「まあそれならそれでいい、てか、そうなるだろうと思って言ったわけだが
     それに今は変なお供につきまとわれているからな」コレイジョウ イラン

ミ;゚Д゚彡「はあ…」サイデシタカ

(*゚∀メ)「それより驚いたよ、ブーンはともかく……まさか、なぁ?」

(;*゚∀゚)「なんだよ…悪いか」

(*゚∀メ)「いやー! まさにキターー(*゚∀゚)ーー!!」ッテ カンジ?

(♯゚∀゚)「何も来てねえよ!」ブチコロスゾ

(*゚∀メ)「オイオイ、そんなピリピリすんなよ、俺はフサを連れて行く気はないって言ってんだろ?」

(;*゚∀゚)「なっ…!! どういう意味だてめえ!!」

(*゚∀メ)「さあねえー?」


(♯゚∀゚) ムカ

ドゴオオオオオミ♯) д 彡 ヒデブッ


ミメTДT彡「なんで俺なの!?」

(♯゚∀゚)「うるせえ! 刈られてえか!」

(*゚∀メ)「あっはっは、相変わらずだなぁ」

「ししょおおおおおおおおおお!!」

その時、陸地から長くのびた桟橋の上、
雄叫びをあげながら、猛烈ないきおいでこちらへ走ってくる二つの姿があった。


(;・∀・)「師匠!! 大変だ!」
ノハ;゚⊿゚)「大変だああああ!!!」

(*゚∀メ)「ん? どうした、買えたのか?」

(;・∀・)「パンって食べ物はこの島のどこにも売ってないんだ!」

ノハ;゚⊿゚)「コーヒーギュウニュウってのも無かったぞ!!」

(*゚∀メ)「ああ、だろうな」

ノハ;゚⊿゚)「あ、知ってて行かせたんだ!!!」

(*゚∀メ)「うん、だってお前ら、うるさいんだもん」

大手をふりながら駆け寄ってきたのは、犬族と猫族の二人組。
ツイールの事を師匠とよび、なにやら詰め寄ってギャーギャー騒いでいる。
ああ、それにしても、キャンキャンやかましい、特に犬のほう。


(*゚∀メ)「よしよし、分かった、じゃあヒートはパン買ってこい、モララーはジュースな」

(;・∀・)「逆にしただけじゃないか」
ノハ ゚⊿゚)「わかった!!!」

(;・∀・)「って、こら行くな!」

ノハ ゚⊿゚)「なぜだ!!」

(;・∀・)「それくらい気付け馬鹿犬!」

ノハ ゚⊿゚)「?」

なんだか、よくわからないがとりあえず。
この二人はパシリなんだな、って事だけは理解できた。

(;・∀・)「あれ、一緒に居るのはどなた?」

と、ぽかんとそんな様子を眺めていると、猫族のほうがこちらに気付き。
ほんじつ二度目の自己紹介タイムとあいなるのであった。





             ∧∧ 
            ミ*゚∀゚彡 < キバッテ イクゼー
             ミ,,,,,,,,,,ミ

           蒼季 84節





( ・∀・)「なるほど…師匠の同郷の方々でしたか」

事情をはなすと、先とはうって変わって落ち着いた様子のこちらはモララー。
モー族という種類の人で、ツィールのハンター資質に惚れこみ、勝手に弟子入りしたそうだ。

ノハ ゚⊿゚)「よろしく! よろしく! 私をよろしく!!」

そして小柄な体に、長く伸びた赤毛をなびかせ、激しく尻尾をふりながら、やかましく叫ぶこちらはヒート。

パピヨンと言う種類の犬科の人で、その名のとおり、頭のうえにはフサ毛を生やした大きな耳が二つある。
ちなみに出生については不明で、ツイールが旅の途中に拾ってから、ずっとつきまとっているそうだ。

ノハ ゚⊿゚)「よろしく!」

ミ;゚Д゚彡「わかったから、もうわかったから!」

ノハ ゚⊿゚)「お前も犬か! 私も犬だぞ!!」

( ・∀・)「すこしは黙れ、馬鹿犬」

ノハ ゚⊿゚)「なぜだ!!」

(;・∀・)「うるさいから」

ノハ ゚⊿゚)「声が小さい時は元気がない時だけだ! 私は元気だ!!」

( ・∀・) ワケ ワカ ラン

( ・∀・) ……

( ・∀・)つ□ 「…ヒート、これ読んでみて」

ノハ ゚⊿゚)「なんだ! ぬるぽ!! ぬるぽ!?」

ガガッ!! 

ノハ >⊿<)「ああ!!」

ノハ ;⊿゚)「いたい!! なんだ!!」

( ・∀・)「くすす、またひっかかった」


(*゚∀メ)「だから、うるさいよ君ら」


( ^ω^)「楽しそうでなによりだお」

(;*゚∀゚)「…そうか?」

それから、積もる話もこのへんでいったん止めにして。
僕らはひとまず、今夜の宿をさがして陸地へと向かった。

つづく桟橋のさなか、ふと横をみれば、
島の両端までつづく砂浜には、たくさんの小船や網が並んでいて。
その付近を人がこまごまと作業に勤しんでいるのが見える。


ここまでは、今までに立ち寄った場所でもよくある光景だったのだが。
一つ、首をかしげる点がある。
それはこの落ちたら危険な高さの桟橋と、山の方にある町との距離だ。

今までは、そのほとんどが船着場と町が一つに纏まっていたが、
ここはどうにも違う、高所にかけられた桟橋が砂浜の先まで伸びていて。
その奥にある、木造りの堤防をこえた先に下り階段があって、ようやく上陸にいたる形になっていた。

ミ;゚Д゚彡「しかし、とおいなぁ…」

ノハ ゚⊿゚)「私はこの島をさっき一週してきたぞ!!」

ミ,,゚Д゚彡「そか、すごいな」ゲンキスギル テキナ イミデ

ノハ*゚⊿゚)「わあ!! 褒められちゃった!!」


(*゚∀メ)(…なんか…妙になついてるな、やっぱ犬だからか…?)



更に、町は山のふもとにある石の階段を登ったさきにあって。
どうやら山の中腹から斜面をけずってつくられているようだ。

ちなみに階段には、赤い柱が門のように組み合わせられていて、
鳥居と言う名の、ここの名物めいた物だそうだ。

その鳥居をくぐり、短い階段をのぼりおえると、
そこには、敷き詰められた石畳が、真っ直ぐな道をつくり。
ホタルの樹とおもわれる木々が定期的に列を作っている。

そして二階建ての家々が両脇にそびえるその先には、
なんだか嫌に立派な、茶色い木造りの家が一軒、どんと構えていた。

(   ^^)「あれは神社と言います」

ミ,,゚Д゚彡「へぇ、ジンジャーか、かっこいい家だから」

(   ^^)「いまは人は住んでいないのですがね」

ミ;゚Д゚彡「なにぃ!? じゃあ、あれも灯台!?」

(   ^^)「違います、ええとですね…ここには伝説がありまして
       はるか昔、妖怪の類がこの島々を荒らし、暴れまわっていたのを
       あの神社に住んでいた伝説の巫女、カエデという人がそれらを退治して、
       この島に平和をもたらしたと言われています」

ミ,,゚Д゚彡「…伝説の、巫女?」


(   ^^)「ええ、そして彼女の戦う姿を、人は炎のカエデと褒め称え
       この列島の名をミコ、この島の名をカエデと呼ぶようになったと言われています
       そして、今でもああして神社は記念物として、丁重に護られているのです」


ミ,,゚Д゚彡「なるほどねぇ…僕らはまだ夢の途中……知る人ぞ知るネタってわけか」サテ ワカルヒトハ イルノヤラ

(  ;^^)「?」


そんな感じでガイドさんに連れられ、僕らはひとまず今宵の宿へとたどりついたが。
さすがにこの人数では一つの部屋は無理、とのことで、二組に別れる事になった。

ノハ ゚⊿゚)「わたしはししょーと一緒! どうだ! うらやましいか!!」

( ・∀・)「やかましい」

部屋割りは、つーちゃん、ツィール、ヒート、そして僕、あとは別の部屋。
ようするに女組と男組にわかれたわけだ。

ミ,,゚Д゚彡「それはいいんだけどさ、じゃあ結局ふたりはおにゃのこなの?」


(*゚∀メ)「……」
(;*゚∀゚)「……」

(*゚∀メ)「どうかな」

(*゚∀゚)「でもある」

ミ;゚Д゚彡「え?」






             ∧∧ 
            ミ*゚∀゚彡 < ヨルニ ナリマシタ
             ミ,,,,,,,,,,ミ

           蒼季 85節






空は端からじょじょに夕陽に染まり、夕焼けが空を焦がすと夜になった。
前記したとおり、くっきりとした緑色の月があまつに輝き、
広がる大海さえもうっすらと緑色に染め上げる。

僕らは町のはずれにある高台へとおとずれ、眼下にひろがる景色を眺めていた。

(*^ω^)「おっお、言ってたのはこれだったのかお!」

(   ^^)「そうです、この海域独特の現象なんですよ」

いまのいままで内緒にされていた、面白いこと。
それは、異常なまでの海の干満(かんまん)だった。

ちなみに干満とは潮の満ち引きのことで、この周辺の干満差は最大で20メートルにも及び。
小さな孤島くらいなら、まるごと飲みこんでしまう程だと言う。


現に、昼間は見えていた砂浜の道はすっかり消えているし。
僕らが船をとめた、あんなに高所にかけられた桟橋さえも、
縦の柱がどうにか見えるくらいにまで埋もれている。

ついでに近海に浮かんでいた島々も海にのまれ、木々がさざ波に揺れていた。
だけど、おどろくべき事はそれだけじゃなかった。

ミ*゚Д゚彡「すっげええええ!! ぜんぶ森みたいだから!!」

そう、天からそそぐ緑光によって、今夜のうみはみどりいろ。
緑の海は、ぽつんと浮かぶ孤島の木々と混ざり合い。
まるで、この付近の海すべてが、連なる山々であるかのような光景を作り出していた。

(*゚∀゚)「アヒャヒャ、こりゃたしかに面白い」

(*´・ω・`)「うんうんっ、それでね、これは海森って呼ばれてるんだよ!」

(*゚∀゚)「……まんまだな」

(;´・ω・`)「え…うん…」


(*゚∀゚)「しかし、ツィール達はどこ行ったのかねぇ」

( ^ω^)「どっかで見てるんじゃないかお?」

ちなみに、ツィール御一行は宿についてしばらくすると、
何だか用事があると言い残し、どこかへ行ってしまい、そのまま今いたる。

まあ、やかましいのが居なくて、僕的にはその方がよかったりするんだけども。

ミ,,゚Д゚彡「ん……? なんだあれ」

とそんな時、フサはすぐ下のほうを見ると、
何かを見つけたのか、不思議そうに声をあげた。

(;^ω^)「どうしたんだお?」

ミ,,゚Д゚彡「ほら、あれだよあれ! なんか動いてる!」


(*゚∀゚)「んん…?」

フサが指さすのは、ここから遠く離れた先にある崖の下。
そこにはかろうじて残された砂浜らしき場所が見える。

暗くてどうにも見づらいけれど、そこは猫なのでさして問題はなく。

よーく目を凝らせば、うちよせるさざ波の先には確かに、
なにか、得体のしれない影が、もぞもぞと蠢いているのに気がついた。

(;*゚∀゚)「何だ、あれ…? 虫…か…?」

(;´・ω・`)「…見えるの?」

(*゚∀゚)「あー…ぼんやりと」

ミ*゚Д゚彡')「俺にはサパーリ見えません、てことで行ってみよう!!」

(*^ω^)')「賛成だお!!」

(´・ω・`)「行く…って、どうやって?」

ミ,,゚Д゚彡「決まってるから、この林を突っきって下まで降りる!」

(;´・ω・`)「ええええええ!!!」

(*゚∀゚)「しょうがねーなぁ…」

(´;ω;`)「ちょ、待って!! むむむ無理無理無理! ありえない!」

ミ*゚Д゚彡「んじゃ、ショボは待ってろ、すぐ戻るから、山さんによろしく!!」

ミ,,゚∀゚彡「ひゃっほう!!」
( ^ω^)「ぶーーーん、だお!!」

(*-∀-)「やれやれ…」


(´;ω;`)「みんな…アグレッシブビーストすぎるよ…」


そうして、物悲しいショボの呟きに見送られ。
暗く、茂った林のなかに飛び込むと、そのまま坂道をいっきに駆け下りる。
すると、さほど高所にあったわけでも無かったので、すぐに一番したにたどりついた。

ミ,,゚Д゚彡「あっちあっち!!」

( ^ω^)「ごー、だお!」

(*゚∀゚)(…ん、何の音だ?)

そして、前をさえぎる木々をかいくぐり、せまる波の横を走りぬける。

当初は、なんだろう、という好奇心が完全に勝っていた。
けれど近づくにつれて、少しづつ、脳裏をよぎる不安、言い知れぬ嫌な予感がする。
そうして気付けば、それらを振り払おうとするかのように、全力で駆けていた。



「・・・・・え」


僕らはとうとう、目指していた場所、崖下の砂浜へと到着した。
というより、それらを視認できる距離にまで来た、というのが正しい。
そして、ぞわりと全身の毛が逆立ち。

嫌な汗がふき出るのを感じて、その場で立ち止まった。


                  ギー

まず聞こえたのは、波の音。

        ゙ギ

ではなく、甲高く、それでいて例えようの無い、掠れた異音。
    
    ギ      

目に飛び込んできたのは。


キ ゙   ゙ キ  ゙ 

あたり一面を埋めつくす、灰色の甲殻。




     そして、薄暗い中に浮かび。







         ●  ●





      灯る、二つの赤い光点。




それらは浜辺と、海の境目をひしめきあい、不気味に蠢きながら輝いている。
胴体と思われる部位には、太い触覚のようなかたちをした三本の足。
前部には大きな蟹のようなハサミ、後部には複数の関節を有する甲殻の尾。

蜘蛛にも、蟹にも見えるようで、そのどちらにも見えない、不気味な生物。
しめり気をふくんだ関節部は、わさわさと目まぐるしく這い回り、
見ているだけで背筋に不快感を感じてしまう。

だが、なによりも気味が悪いのは、さっきから聞こえてくるこの妙な音だ。

鳴き声のような、何かがこすれる音のような。
ギィ、とのびる音と。ギチ、と鳴る単音が重なり、
混ざりあい、連続したひとつの騒音となっている。


耳の奥に響いてくる音は、まるで首筋を這いまわるかのような錯覚をおこさせ。
いますぐに、ここから離れたい衝動にかられるが、
目のまえにある異様な光景と、全身に感じる嫌な音のまえに僕らは魅いられ。

ただただ、息をのんで立ちすくむばかりなのだった。

耳のおくに響いてくる音は、まるで首筋をはいまわるかのような錯覚をおこさせ。
いますぐに、ここから離れたい衝動にかられるが、
目のまえにある異様な光景と、全身にかんじる嫌な音のまえに僕らは魅いられ。

ただただ、息をのんで立ちすくむばかりなのだった。


ミ;゚∀゚彡「なんだ…こいつら…?」

ただ、一人を除いて。

(;*゚∀゚)「バカたれ!! 迂闊にちかづくな!!」

恐怖に好奇心がまさったのか、ふらふらと惹かれるように、フサはその生物へと歩みよっていく。
それをとめるべく、つーちゃんが咄嗟に叫んだ、その時。

ミ;゚Д゚彡「え、うわ!?」

群がる甲殻生物の一部がいっせいに動き。
あかい球状の眼をこちらへと向けた。


ミli゚Д゚彡「え、えーと…」

たまらず一歩おののくフサに対し、威嚇でもするかのように異音が強まる。
続いて、そのうちの一匹が地をはって前におどりでると、
信じられないことに、丸めた尾をバネのように巧みに使い、フサへ向けて飛び上がった。

(;゚ω゚)「危ないお!!」

ミ;゚Д゚彡「ひえ!?」

両手であたまを庇いながら、斜めに身をかがめ、
どうにか紙一重でそれを避けるが、安心する暇もなく。

ミ;゚Д゚彡「び、びっくり…」

(;^ω^)「フサ!! 前みろお!!」

(*゚∀゚)「ちっ…!!」


つーちゃんが舌打ち、同時にその場を駆けだすと。
今度はいっせいに複数の影がとびあがり、フサへと襲い掛かった。
だがそれらは飛来する包丁によって叩き落され、フサ毛と一緒に砂上へころがり、ギチギチと音をたてた。

(*゚∀゚)「大丈夫か!?」

焦って足をもつれさせ、尻餅をついたフサへとつーちゃんが駆けより、
それに遅れて、ぼくもその場へ向かう、するとお礼を言いかけたフサが口淀む、
どうやら、自分の身に起きたことに気付いたようだ。

(;゚Д゚)「だから何で俺まで狙うの!?」

(*゚∀゚)「その方が気合が入るんだよ!!」

(;゚Д゚)「やだよ! やめてよ!」

(;^ω^)「それよりはやく逃げるんだお!」

そこで、群れ全体の雰囲気が変わった。
どうやら僕らは完全に敵として認識されてしまったらしい。

(;^ω^)「お?」

ていうか、いつの間に回り込まれたのか、囲まれている。

(li゚Д゚)「こ、これって…もしかして…やばい?」

(;*゚∀゚)(まずいな…これはちと数が多すぎる…)

僕らを円形にとり囲んだ彼等は、尾を内側にまるめて、両腕のハサミを掲げ、
よりいっそう異音を高鳴らせ、もう今にも飛びかからん勢いだ。

なんて事を言っている間に、そのうちの一匹が飛びあがったと思うや否や。


( ゚ω゚)「!!!!」

影が一気に膨れあがり、視界をくろく染め上げる。
どうじに、横殴りの凄まじい衝撃をうけ、体がわずかに浮き上がり、砂の上へと転がった。

目をつぶって今の状況を考える、考えたくもないが考えてしまう。
今頃ぼくの上には、あの虫みたいな生物が大量にまたがっていて、
ギッチョンギッチョン言いながらきりきざまれるんだ、超こええ。

(li ω )「ぎゃああああああ!!!!」

あまりの恐怖に、頭の中はまっしろになって、喉からは悲鳴がかってにあふれ出す。
そして仰向けのまま手足をばたつかせ、僕は必死に抵抗するのだが。
浴びせられたのは痛みではなく、声だった。

(*゚∀メ)「まあ落ち着け」

( ;ω;)「ああああ、あ……お?」

( ・∀・)「くすす、一人でなにしてんのさ」

ノハ ゚⊿゚)「危なかったな! 間一髪だったな! 毛は無いけど」

(;゚Д゚)「あ、あれ?」

ノハ;゚⊿゚)「あれ!! 毛がない!! やられたのか! やられたのか!?」ペロッ

(;゚Д゚)「うわっ!! 顔を舐めるな!!」


(;^ω^)(これは…なにがおきたんだお…)

体を起こしてあたりを見れば、さっきの生物の群れは距離をおき。
みのまわりには、何かゴツゴツした棒のようなものが動いて…。

(;゚ω゚)(ってこれ……足!?)

あの虫のような生物が、体液を周辺にまきちらし、
無残にも、砂のうえでバラバラになって転がっていた。


(*゚∀゚)「おい、ツィールこいつらは」

(*゚∀メ)「話は後だ、暇なら手伝えよつー」

(*゚∀゚)「…何をだよ」

(*゚∀メ)「害虫狩り」

言って、ツィールは手にしていた、青白く発光する、不思議な包丁を振るい、構えなおす。
夜に輝くそれは、包丁と呼ぶには刀身がいように長く、太い、鉄のかたまりにも見える。

(*゚∀゚)「……よくわからんが、しょうがねえ…売られたもんだ、買ってやる」

(;・∀・)「師匠の御同輩……勉強させてもらいます」

続いて、つーちゃんも小ぶりの包丁を手に、身にまとう空気を変え。
大きな木製のハンマーを手にしたモララーも並び立った。

(;゚Д゚)「あれれ……あれー? なんだろう、この空気」ドウシヨウ


ノハ  ⊿ )「…おのれ、よくも…わたしのトモダチを」

(;゚Д゚)「え?」

ノハ ゚⊿゚)つ♯「ウェイクアップ!!!」シュバッ

と、今度は、フサへと掴みかかっていたヒートが懐から髪飾りをとりだし。
掛け声といっしょに、ポーズを取って髪に装着、やや遅れて発光。

ノハ♯゚ ゚)「絶対に許さない…私の中の太陽は、貴様等を悪だと断定した!!」

眩しさに目をほそめる先には、仮面を被り、赤毛をなびかせ、
夜闇の中を炎のように揺らめく、紅のオーラを纏うヒートの姿があった。

(;゚Д゚)「なんだこの相次ぐバトル的な展開の流れは!!」

(;^ω^)「まずいお! まるでついていけないお!!」



そして並び立つ4人は、前方のきょだいな群れを睨む。


(*゚∀メ)「さあ、ミッションスタートだ」

2_20091226231444.jpg



ツィールのそんな言葉を合図に、四方に散って駆けだす4人。
僕とフサは、目の前でおこる虐殺という名の宴に、
二人で寄り添い、ただただ、身を震わせるばかりなのだった。





             ∧∧ 
            ミ;゚∀゚彡 < ……
             ミ,,,,,,,,,,ミ

           蒼季 85節





あれから僕らは、無事に宿まで戻ることができた。

……ちなみに腰がぬけて、足はすくんで歩くのも一苦労だったのは置いておく。

宿のまえでは、山さんとショボが心配そうに待ち構えていて、
ぼくらの姿をみつけると、ほっと安堵の息をつく。

それから落ち着いたところで、先の件についての話をした。
まず、ツィール達はもともと、依頼をうけてこの島を訪れていたそうだ。

依頼内容は、さきほどの甲殻生物の退治。

(;^ω^)「ていうか…結局、あれは何だったんだお?」

そして、あの生物の名は、サーペントテール。
別名、流蠍(りゅうさそり)とも呼ばれる海虫生物。

あさい海からふかい海まで、どこにでも生息が可能で、
群れをなして海をわたり、住処をさがす習性がある。
ふだんは海草や、魚の死骸などを食する、基本的には害のない生物なのだそうだが。


(;゚Д゚)「じゃあ、何でおれは襲われたんだ?」

(   ^^)「恐らく…産卵期によるものだと思います」

彼等は、土の中に卵をうみ繁殖する、という生態をしている。
それゆえに、この一周季にいちどの満潮をねらったのだと言う。

(   ^^)「そうすれば、少なくとも来季のいまごろまでは卵が波にさらわれる事も、
       天敵にたべられる事もなく、安全に繁殖できますからね」


(*゚∀メ)「けど、問題がある、さっきので分かるとおり、あいつら産卵中は凶暴なんだよ
     群れをなして、近づいたやつを問答無用で襲う習性をもってる」

( ・∀・)「もう何度もあれに襲われたって話や、怪我したり、命を落としたって話も聞く
      それで今回、僕達ハンターにお鉢がまわってきたんだ」

(*゚∀゚)「そうか…それでお前等、宿についた後どっかに行っちまったのか」

(*゚∀メ)「ああ、それと、夜が明けたら今度は卵つぶしもするみたいだけどな、
     まあ、こっちは俺らが手を出すまでもないから関係ないけど」


(,,゚Д゚)「……でも、それって…なんか、変じゃないか?」

(*゚∀メ)「なんでだ?」

(;゚Д゚)「だ、だって…近づかなきゃいいんだろ? あとは何も危ないこともないんだろ?」

(*-∀メ)「そうかもな」

(;゚Д゚)「なら、おかしいよ…食べる為じゃなくて、ただ邪魔だから殺すなんて
     そんなの酷いじゃないか、間違ってるよ」

(*゚∀メ)「さっきも言ったろ、人が襲われた前例があるって、あれは危ないんだよ
     ていうかさっき自分で味わっただろうに」


(;゚Д゚)「だって、それは俺が近づいたから…」

(*゚∀メ)「だから、ここで繁殖することを許して、どんどん増えていってもいいと?
     言っておくが、もしもあれが大繁殖でもして、
     この海域に住みついたりでもしたら、どうなると思う?」

(;゚Д゚)「どう…って、何があるんだ…?」

(*゚∀メ)「まず、この辺の海草やらは片っ端から食い荒らされて
     生態系がくずれて、下手すれば人が生活できなくなる」

(;゚Д゚)「ええ!?」


(*゚∀メ)「…と、までいくかはわからんけどな、可能性の話だから」

(,,゚Д゚)「なんだよ、それ…」


(*゚∀メ)「だが、そうあり得ない話でもない、この辺の海はひとの手がかなり加わってる
     というか、ほぼ管理されてる状態にある、たとえば、貝や魚の養殖とかな」

(,,。。)「…」

(*゚∀メ)「だから、言ってしまえばここは天敵が少ないんだ
     そんな海にあいつらの存在はちと強すぎる、
     ならこっちが天敵になって追っ払うしかないんだよ」

(;゚Д゚)「なら、ふつうに追い払えばいいんじゃないの? なにも片っ端から殺さなくたって…
     …ほら、あれが嫌がるものを用意するとか…」

(*゚∀メ)「あればな」

(,, Д )「……そ」

これだけ話しても、まだ納得がいかないのか、フサは言葉を続けようとするが、
つーちゃんが割って入り、それを制止した。

(*゚∀゚)「もう、そこら辺にしとけ」


(,,゚Д゚)「でも…」

(;*-∀-)「はぁ…お前な、それをツィールに言ってどうすんだよ」

(;゚Д゚)「え…? あ…」

(*゚∀゚)「ていうか、あんまり虐めてやるな、
     お前以外は誰も気にしてないとでも思ってるのか?」

いじめる、という言葉の意味がわからず、首をかしげるフサだったが。
ふと何かを思い出したのか、急にしっぽを垂れ下げ、しゅんとしてしまった。

(;゚Д゚)「ご、ごめん…俺…」

(*゚∀メ)「いいさ、それにこんな稼業やってるとな、よくあるんだよ
     そうやって非道だって、言われるのが、さ」

(;゚Д゚)「それは、いや、そうじゃなくて、その…」


考えてもみれば、ツィールだって僕らとおなじ村の出なんだ。


…フサの言ってる事は、きっと本人がいちばんわかっているはず。
それでも、何度も似たようなものを見てきて、今、こう言っている。

それに気付いたのか、フサは何度もあたまを下げて。
対するツィールは「アフターケアも仕事のうちだぜ」
なんて言って、やはり軽口といっしょに笑顔をみせていた。





             ∧∧ 
            ミ*゚∀゚彡 < ヨクアサ!
             ミ,,,,,,,,,,ミ

           蒼季 85節





翌朝、僕らは出発の準備に、ひつような物資を大量に買い込む。
船がこわれてしまったので、芸大陸までツィール御一行もいっしょに行く事になったからだ。

それから、なんだかんだで時間は流れて。

どうにかこうにか、太陽が真上に昇りきる前に出航準備はととのい。
さっそく目的地をめざすため、船の煙突からは煙がたちのぼり始めた。

\(^o^)/「熱水機関、準備オワタ」

(;*゚∀メ)「なんだ!?」

(;・∀・)「喋った!?」

|  ^o^ |「やたら 増えましたね」

ノハ;゚⊿゚)「うおおおおおお!! なんだこれはああああ!!」

とまあ、お約束の反応はこんな感じで。


両脇の水車と、船体によって、みっつの大きな波紋をのこしながら、
船は徐々に速度を上げ、来た時とおなじように島々のあいだをすり抜け。
離れていくカエデ港に別れを告げ、船は沖をめざして進んでいく。

段々と遠く、小さくなっていく島を見るのは、
やはり何回みても寂しい気分にさせる光景だった。

やがて、列島をぬけて、大海原へ出てからすぐの事。



海に、異変が起きた。

(;^o^)「これは……警戒警報、警戒警報!!」

ミ;゚Д゚彡「ちょ、うわ! 海が黒くなっていくから!!」

(  ;^^)「ま、まさか……」


海は、いつか見たのと同じように、黒色に染まりはじめ。
今度はそればかりか、海が徐々に荒れはじめ、波がどんどん高くなっていく。

(;・∀・)「ししし、師匠! これって、あの時とおなじ」

(;*゚∀メ)「ああ、やばいぞ…」

(;^ω^)「あの時って…まさか」

(;*゚∀メ)「俺達の船がぶっ壊れたときと同じなんだよ!」

当然、うみが荒れれば、船は煽られ、大きく上下の揺れをくりかえし、
波がぶつかった衝撃で、海水が甲板にまで流れこむ。
僕らはそれぞれ何かにしがみついて、必死にそれらに耐えていた。


だが、そんな僕らをあざわらうかのように、一際おおきな高波が船体をおそい。
大量の海水が甲板へと流れ込むと、それを最後に、急激な収まりを見せはじめた。

(;*゚∀-)「…う、みんな無事か?」

(;*゚∀メ)「なんとかな」

ノハ;゚⊿゚)「びしょびしょだ!!」

(´;ω;`)「こ、怖かったよう…」

( ;ω;)「なんで僕のしっぽを噛むんだお…」

(´;ω;`)「だって…」

(;・∀・)「それより、船はなんともないの?」

(^o^)/「問題ないよー」

|  ^o^ |「備品のモップが 落ちただけです」

(  ;^^)「平気みたいです」モップ?

(*゚∀゚)「そうか…やれやれ、何だったんだ?」

(;^ω^)「ていうか、フサが居ないお!!」

(;*゚∀゚)「なに!?」

|  ^o^ |「モップでしたら あそこに漂っています」

みんなそろって、大慌てて船のてすりに身をのりだし、海をのぞくと。
黒い海面で、何かが水飛沫をあげて暴れているのが見えた。
というか、それはまぎれも無くフサだった。


彡;゚Д゚ミ「た、たぁすけてーーー!!」アップアップ

(*゚∀゚)「なにやってんだ、あのバカは…!」マイド マイド メンドウ カケヤガッテ

彡;゚Д゚ミ「ん、え…ちょ、うわ!!!」

(;*゚∀゚)「あ」

(;*゚∀メ)「…おい、浮かんでこないぞ」

と、しばらく海面でばたついていたフサだったが。
突然、ひきずりこまれるように海の中へ姿を消した。
そして、ふいに心臓が、音をたてて跳ねあがる。


(li ω )「あ…あ、ぁ……」

(;´・ω・`)「…ブーン?」





いま、なにかよくないものがみえたきが。

いや、みえない。

けど。

いま、なにかおもいだしたくないものが、がが、がが、がががががががが






(;゚ω゚)「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」






(;*゚∀゚)「な!? おい、ブーン、待て!」

頭のなかが真っ白で。気付けば僕は、
船のうえから海へとむけて、アイキャンフライしていた。



(;*゚∀゚)「お前およげないだろうが!!」



けど、後ろから、そんな声が聞こえてきて、ハッと我にかえった。

(;^ω^)「あ」

僕は当然ながら、そのまま海へと飛びこんだ。
もとい落ちた、沈んだ、それと同時に命の危機がやってきた。


( ゚ω゚)「ごぼぼぼぼぼぼぼ!!!」


どうにか水を掻き、上に行こうとするも、手足は水をきるばかり。
手にエラがついてればよかったのに、なんて事を考えたところで、叶うはずもなく。
だがそこで、命の危機に瀕したぼくの頭は、火事場の莫迦力よろしく一つの回答を導きだす。

(  ω )(秘技…!)


 ( ´ω`)つかれたお…


これはつまり、ようするに全身の力をぬいたのだ。
そうすれば、自然と体は浮くと何処かで聞いた気がする。

すると、なんだか上に引っぱられる感覚につつまれた。
どうやら浮上しているらしい、僕は油断して目をあけてみた。

(;^ω^)「……?」

黒くて何もみえない、見えないのだが、妙な圧迫感を感じ。
よく見れば、まるで煙のような黒い物がただよっているのに気付く。

それは海底に近づくにつれて薄くなり、うっすらと先の様子が見え隠れして。
何やら、たくさんの影がすごい速さで動き回っているような。

(;^ω^)(…なんだお、なにか)

かと思えばいくつもの小さな影が飛びだし、それに驚く暇もなく。


次の瞬間。
僕の目はとんでもない物をとらえた。


( ゚ω゚)「!!!!!!」


まず、からだが震えた、次に血の気がひいた。

うっすらと見えるもやの先、不意にとてつもなく大きな影が浮かび。
それを突き破るように現れたのは……赤茶色をした、何か巨大な塊。

ひび割れた、赤土の大地を模すような頭部。
クチバシのような口の周りには、大量の触手のような髭。

そして、全身を毛のような何かが覆い、そこから大量の黒煙を漏れさせ。
身を隠すようにしながら、海をつらぬき、黒の中に消えていった。


3_20091226231444.jpg




「!!!」


次いで、前足をいきなり何かに掴まれ、
ぼくは驚きのあまり海水をおもいきり飲みこんでしまい。
そのまま意識を失ってしまった。


その後、意識をとりもどした僕の視界にとびこんできたのは、
心配そうに上から覗きこんでいる、みんなの姿だった。

中にはフサの姿もあって、横になりながらも安堵の息をもらす。
ちなみに、僕らはヒートさんに助けられたらしい。

ノハ♯゚ ゚)「ふっ、さんは要らない、サラマ、いや、ヒートでいい、それより無事でなによりだ」

( ^ω^)「ありがとうだおヒート…ていうかその仮面は…」

ノハ♯゚ ゚)「ん、これか、これは…」

ノパ⊿゚)つ♯ スッ

ノハ ゚⊿゚)「大丈夫か!!」

(;^ω^)「あ、あれ…え?」カメンガ キエタ?

ノハ ゚⊿゚)「なんだ!!」

(;^ω^)「いや、今仮面が…」

ノハ ゚⊿゚)「しらん!! それよりフサ!! どうしたんだ!!」

彡,,゚д゚ミ「……え?」

と、態度が豹変したヒートも気になるが、
フサもフサでなにやら様子がおかしい。
なんだか常に呆けていて、話しかけても上の空。

何かあったのだろうか?
とまで考えて、あの海のなかで見た異形のすがたを思いだし。
もしかして、フサもあれを見たのかもしれない。
そう考えて問いただしてみるも、やはり呆けた様子は変わらない。

結局、フサが海の中でなにを見たのかはわからず。
様々な謎をのこしまま、僕らはその海域を離れていくのであった。





             ∧∧ 
            ミ*゚∀゚彡 < キンソクジコウデス
             ミ,,,,,,,,,,ミ

           蒼季 86節





太陽がよこに落ちて、夕陽になってオレンジに周囲をそめるころ。
フサは船首よりの手すりに体を預け、相変わらず黙ったまま、どこか遠くを見つめていた。

近づいて、隣でおなじように身を乗りだすと。
ちょうどその先に夕陽が輝いて、ぼくは目を細める。
響くさざ波の音はいっそう強まり、ひんやりとした風は頬をなでた。


ミ,,゚Д゚彡「…おれさ」


すると隣から、話しかけてるというより、独り言のようにつぶやく声が聞こえてくる。
僕は、なんとなく返事ができず、黙ってその独白を聞いていた。


ミ,,゚Д゚彡「サーペントテールだっけ、あいつらを最初に見たとき…本当はすっげー怖かったんだ、
      興味のほうが強かったのはみとめるけど、でも……本気で怖いとおもったんだ」


ミ,, Д 彡「夜の闇にまぎれてさ……赤い眼がそこらぢゅうで動いてて…まるで、悪魔みたいだ、って」


フサは両手をのばし、手すりから体を離すと、
すこしだけ、悲しそうな表情でゆっくりと思いを吐露していく。


ミ,,゚Д゚彡「でもさ、ただ生きてるんだよな、生きるために生きてるだけで……
      それを俺たちは、ただの迷惑ってのを理由に、身勝手に殺して、殺すだけで」


ミ,,。。彡「……まるで、悪魔は俺たちのほうじゃないか…って、そう思っちまった
      だからツィールに突っかかった、本当は…ただ、同意してほしかったんだと思う
      でもそのせいで、嫌なおもいさせちまった」


ミ,,。。彡「こんなの、そこに住んでるわけじゃない、安全な位置にいる奴の甘い考えで
      俺は言うだけでなにもしない、何もできない、何を言える資格もない…
      それに弱肉強食が常なら、それだって同じことだ、わかってるのに、なのに……」


ミ,,゚Д゚彡「俺……バカだから、やっぱり、それが良い事には思えないんだ
      どうしても、他になにかあるんじゃないかって、きっとあるはずだって…そう…思って」


ミ,,゚∀゚彡「なんてな、はは…何も知らないくせにさ、ほんと、自分で言ってて情けないから…」


最後に「やだなぁ」と呟いて、フサは黙り込んだ。
何がただしくて、何がいけないのか、それは僕にだってわからない。

けど、一つだけ、わかる事もある。

それを判断するのは、いつだって心だ。

もしも心がなかったなら、どんなに酷い事をしても、誰もそれを酷いと見てはくれない。
心があるから、いけない事もするし、よいこともできる、だから。

( ^ω^)「……それで、いいと思うお」

ミ,,。。彡「……」

( ^ω^)「思う事も、感じる事も、きっと自由なものだお
       あの人たちにとって、あの行為は正しいことかもしれない
       けどフサにとっては違う、それでいいじゃないかお」


( ^ω^)「人が、何かを思う気持ちは、ときに迷って、たまに変わってしまう事もあるお
       でもそういう時は、難しく考えないでいいんじゃないかと思うんだお」


( ^ω^)「この瞬間の自分の気持ちだけは、きっと正しいものだお、今はそれでいいじゃないかお」


きっと心は、複雑にからまりあった糸のようなもので、
無理に一方から解こうとすれば、余計にからまってしまう。
だから焦らず、色んな方向からながめて、ゆっくりと見ていけば、きっと。


今は何もわからなくても。

いつかは、単純なものだって、気付ける日がくる。
なら、僕らはバカでいい。それがいいんだ。

ミ,,゚Д゚彡「俺…間違ってないのかな」

( ^ω^)「間違ってないお」


ミ,,゚Д゚彡「……そうなのかな」

( ^ω^)「そうだお」



ミ,,。。彡「……」



こうして船は、あらたな仲間を乗せて、針路をなおし、目指すは一路、芸大陸。
青い海をわたっていけば、そのうち、またお供のイルカも寄ってくるだろう。


こうして旅は。

ぼくらの心に少しづつ。

目に見えない種を落としながら。



    「そっか」  


           「そうだお」



目に映らぬなにかを求めて、まだまだ、続いていくのであった。



                       第二章 「広がりゆく世界のミチノリ」 終





この小説は2008年2月2日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:F2Tu/Gru0 氏

第三章、其の一はこちらへどうぞ



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[ 2009/12/26 23:17 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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