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( ^ω^)季節を旅する文猫冒険記のようです 第二章 其の二


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ

諸注意 このお話には房津チックな表現、キャラ設定が使用されております




ふいに香る潮の匂い、髭がつたえるしっとりとした風は涼しく、心地よい。
薄目に見えるはまっさらなシーツ、その先にある膨らみは規則正しく上下を繰りかえす。

どこからか、がやがやと聞こえてくるは人のざわめき、それに混じって海鳥の声が遠くこだまする。

朝特有の穏やかさを含んだ音は、そのまま一節の始まりを意味していた。


目覚めは、思いのほか良好。

おしりを上げて前足をつきだし、おもいきり伸びをすれば、コロコロ喉が鳴り。
固まっていた四肢からはパキポキと音がして、つられて下あごがぐいっと引っ張られた。
そんな誘惑に身を任せ、もとい口を任せて大きくひらけば、自然と目が細まり。
「ふぁぁ…」と声を漏らしてあくびをすると、乾いていた目が潤い、少しずつ冴えていく。

はて、ここはどこ? うすあかりが差し込む見慣れない場所に、そんな疑問が浮かぶ。

そうして見渡せば、開かれた窓の横には見慣れた顔があった。


(*゚∀゚)「おはよう、今日もいい天気だぞ」

その言葉に、全てを理解した僕はしっぽをふりつつ「おいすー」なんて返事をして、窓の奥を見る。

するとつーちゃんも同じ様に外を一瞥した。







四角い窓の先には、切りとられた薄い水色の空が映しだされていた。





1_20091226231149.jpg





                  第二章  広がりゆく世界のミチノリ


 
                 其のニ 「 船出 から 田舎者 まで 」
 

朝方、食堂にて朝食を頂いていると、いくつか喜ばしい事が起きた。


一つは、学者さんを心配する人が居たこと。


山さんは無事か、大丈夫なのかと、他の宿泊客だけでなく、中にはわざわざ訪れる人も居て。
温かみのある言葉を誰かが言う度に、それを聞く度に、僕も温かい気持ちになれる。
分かってくれる人はちゃんと居たんだ、それが嬉しかった。

そして、昨日の港の出来事から、僕等を褒めたたえる人も居た。

聞くところによれば、あいつらはすぐに暴力で事を運ぶ、この町の厄介者の集まりだったらしい。
スカッとした、よくやってくれた、等と口々に言われ少し照れてしまう。

ただ、全身の毛を刈られた、ボコボコに、泣きながら土下座、溺れていい気味。
などのキーワードを含んだ話があり、何の話だと疑問が浮かんだけど、すぐに気付き。
つーちゃんを除いて、僕等は引きつった愛想笑いを浮かべるのだった。

あと、見知らぬ誰かはこうも言った。

「あんな事があってなんだけど……この町を嫌いにならないでほしい」

(;^ω^)「お…」

わりと人間不信になりかけていた僕だったが、その頃にはもうすっかり嫌な気持ちも薄れて。
げんきんだとは思うが「もちろんだお」と笑って返事をした。

同時に、わからないものだなと思う。

あの時は、周りにいる人々すべてが敵に見えた。
実際に誰も助けようとはしなかったわけだし、それは間違っていないと思う。
そして世界すべてが汚いものにさえ見えたんだ。

だけど、それでもこうして暖かいと思える人達も居て。
世界は広いんだと、それはわかっていたはずなのに、ふとした事で一点しか見えなくなる。
そんな自分がすこし情けなくて、そんな広さが嬉しかった。


やがて太陽が真上にのぼる頃、目を覚ました山さんが食堂に顔をだした。
ちなみに僕等は昼食をいただいている途中だ、なんだろう、食べてばっかりな気がする。

(メ ;^^)「あ…おはようございます」

ミ,,゚Д゚彡「おお、山さんおはよう」

( ^ω^)「お加減どうだお、山さん」

余談だが、皆があまりに山ちゃんやら山さんやら言うものだから、
すっかり僕等も定着してしまっていた。

(メ  ^^)「ええ、もう大丈夫です、怪我もほとんど外傷ばかりですから」

みんなそろった所で、今度は山さんからの謝罪とお礼の言葉が続く。
それも、ありがとうに付属して、恥ずかしくなるようなべた褒めの言葉つきで。

ミ*゚Д゚彡「そ、そう…?」

(メ  ^^)「ええ、本当に格好よかったですよ」

ミ*゚Д゚彡「いや、はは」ソレホドデモ

(*゚∀゚)「なんも考えてなかっただけだろうが」バカナヤツメ

ミ;-д-彡「…」

(メ  ^^)「それこそ尚の事です、何の打算もなく飛び込めるなんて凄い事ですよ」

ミ,,゚∀゚彡「やっぱり?」

それから、尚もつづく状況につーちゃんからの突っ込み、
正しくは武力介入があって、流れは止まった。

(*゚∀゚)「いつまでやってんだてめえらは」

ミメ゚Д゚彡(メメ゚ω゚)「ごめんなさい…」


……。

……。


ミ,,゚Д゚彡「それで、山さんはこれからどうするんだ?」

(メ  ^^)「資料や諸々もほとんど失ってしまいましたからね…
       それに、あまり長居するわけにもいきませんし…ひとまず芸大陸を目指そうかと」

ミ,,゚Д゚彡「そか、でも船…壊れちゃったろ?」

すこし言い辛そうにフサが訪ねると、山さんは含みのある笑顔を作る。
何でも、実はちょうど船を新造していた所で、どのみちあれは廃船するつもりだったそうな。
だから今日中には房津港を出られるだろうと言っていた。

(;^ω^)(ああ、だからあんなにあっさり船をあきらめたのかお…)

(メ  ^^)「それより、みなさんはこれからどうなさるのですか?
       あの船に乗っていたという事は、どこかに行く予定だったんですよね?」

(;*゚∀゚)「そういや……どうすんだ? また次の定期船とやらを待つ…んだよな?」

ミ;゚Д゚彡「え…そうなんじゃない…かな?」 カナ?


(;´・ω・`)「……その事なんだけど」

ちょうどそこへ、朝方に船の手配がどうとかで、宿を出ていたショボが帰ってきた。
だがその表情は暗く、こまったようなその顔は、いつも以上にこまった顔をしている。
とりあえず前足をあげて挨拶をするも、ショボは静かに「うん」と返すだけだった。

流石になにかあったのかと心配になって詰め寄ると。
おどおどしながらポツリと語り始めた。

(;´・ω・`)「あのね、船…次に来るのは20節は先になっちゃうかもしれない……って」

ミ;゚Д゚彡「はあ?!」


ショボが言うには、そもそもあの定期船というものは、
とある別大陸にて組織された人達が、計画的に運用している物で、
好き勝手に航海しているわけではないと言う。

だからここ、房津港に立ち寄る定期船は今のところ一つだけしか無く。
その為に「高速輸送船」という通常よりも速い船がつかわれていたのだが、
今回しずんでしまった為、穴埋めに次を用意するにはかなりの時間を要してしまうらしい。

(;´・ω・`)「そもそも船が沈んだって事を伝えるにも、普通の船じゃ5節くらいはかかっちゃうから…」

ミ;゚Д゚彡「うへぇ……じゃあしばらくここで足止め?」

(;´・ω・`)「そう、なっちゃうかな…」

(;^ω^)「え、でもでも、船ならいっぱいあったじゃないかお」

(;´・ω・`)「たしかに船はあるけど、人を運ぶ船はないんだ…」

停泊している小型船はまず、長い船旅には向かないし、その他いろいろな意味でも駄目。

そして時折おとずれるという大きな船は、主に物販輸送用で人は乗せられないらしい。
何故かと問えば、例外を許せばキリが無くなってしまうので基本的にお断りなのだそうだ。

(*゚∀゚)「つまり、手詰まりなんだな?」

(;´・ω・`)「うん…」

ミ,,゚Д゚彡「……と、なれば」

( ^ω^)「……だお」

ショボを除き、僕等は一斉におなじ方向をむいた。
見れば、その先では山さんが頬をかきながら言葉に詰まっている。
まあこの流れとくれば、言いたい事は流石に伝わってくれたらしい。

(メ ;^^)「で、ですが……いいのですか? 私は、その…」

ミ,,゚Д゚彡「関係ないから、俺からしたら山さんはブーンを助けてくれた恩人だから
      そして、そんないい人ならきっと俺達を助けてくれる、
      こころよく私の船に乗りますかと言ってくれると信じてるから」

良い事を言ってるのか、単に図々しいのかよくわからない言い方をするフサ。

いや、まあ、どう考えてもあきらかに後者だけど。なんだ 乗りますかと言ってくれる って。

ミ,,゚∀゚彡+ キラキラ

ちなみにやたらいい笑顔で、しっぽはフリフリ、瞳はキラキラ。
そしてこの、すごく断りづらい言いまわし、なにがなんでも乗せてもらう気か。

でも、それもそうか……楽しみにしてたもんなぁ、船旅。

(;´・ω・`)「え、ええええ……この人の船に…?」

それに対して、一番おどろきを見せるのはショボ。
相変わらず流れに反するやつめ、僕はこっそりと後ろ足ですねを蹴りつけた。


(´;ω;`) !!!??

そしたら黙った、これでよし。


(´;ω;`) ナンデ・・・

(;*゚∀゚) イヤナモン ミチマッタ・・・


すると山さんも折れた様子で、確かめるように問いかけた。

(メ ;^^)「私は…もう、全然構いませんが……本当に?」

ミ,,゚Д゚彡b「ガッテンもちのオフコース」

(*゚∀゚)「そうだな、頼めるんなら頼みたいとこだ」

ミ,,゚Д゚彡「それに……乗りたい風に乗りおくれた奴はマヌケと言う、だろ?」

( ^ω^)「だお! よろしくだお!!」

(メ  ^^)「そこまで仰るのであれば……わかりました、不肖ながら、私が水先案内人となりましょう」





             ∧∧ 
            ミ*゚∀゚彡 <ソレカラドッタノ
             ミ,,,,,,,,,,ミ

           蒼季 61節





それから、僕らは店主さんに別れの挨拶をして、宿を出た。

波打つ海をよこ目に、沿岸を歩いていくと、やがて馬鹿みたいに大きな倉庫にたどりつく。

うすい水色の壁面は海上にまで続き、天井はまるいアーチを描いている。
ちなみに海側と陸側には壁がなく、筒状の形をした建物だった。

山さんを先頭に内部へむかうと、海水があるべき床のほとんどを占めている。
両端には通路があるものの、巨大な空洞になった空間には、とおく波音が反響していく。


灯りは特に存在せず、代わりに、差しこむ日差しが反射して、内部を白線でゆらゆら照らしだす。
そんな薄明りの下、海上にかけられた桟橋が港と同じような景色を模していた。

そして海面に佇む、一隻の赤茶色をした大きな船。

船首には人が両手をあげるレリーフが施され、各部位には青色で装飾されている。

そして帆を張るための柱が三本、天井にむかってそびえる、いたって普通の船にも見えた。
全長はどうやら20㍍は超え、波打つ水面に負けることなく、威風堂々と鎮座している。


だが大きな違いが二つ。

一つは、船体の両脇にとりつけられた、台のような足場。
その下には、これまた大きな水車が覗き見える。

もう一つは、三本の帆柱のあいだにある黒い柱。

他二つは港で見たような船と全く同じ形をした、縦と横の組み合わせられた帆柱であるに関わらず。
真ん中にあるそれは、縦一線、何の飾り気もない、まっすぐに伸びた文字通りの黒い柱だった。


2_20091226231149.jpg



(;´・ω・`)「な、何この船……」

ショボはそれを、妙に驚いたようすで凝視していた。

「お、きたなー、できてるよー、いやー! こんなもん我ながらよくできたもんさ!!」

(メ ;^^)「ご苦労様です、やはり大変でしたか…」

「ああ、けど必要なパーツは全部揃ってたし、図案面も完璧だったからな、
 結局はほぼ積むだけで済んだ訳で、なにより、今まで造船してて一番やり甲斐ってもんがあったさ!」

(メ  ^^)「それはよかった、それで機関の具合はどうでしたか?」

「おおう、バッチリさね、けどちょっと問題もあってな…こっち来てくれ」

すると何処からか人が数人やってきて、山さんに声をかけた。
彼等はこの船を製作した方々らしく、ひろげた紙面を手に離れていく。

とりあえず置いてけぼりなので、しばらく呆然と船を眺めていると……。

「オワタ…」

(;^ω^)「お?」

どこからか声が聞こえてきて、僕らはキョロキョロと辺りを見まわす。
しかし、それらしき人の姿は見当たらない。

ミ,,゚Д゚彡「今なんか聞こえなかった?」

(*゚∀゚)「聞こえたな…つーか船の上からだったぞいまの」

などと言っている内に、話が済んだのであろう山さんが僕らのもとに戻ってきた。
早速、これから進水式というのをするらしい。

ちなみに、実際は水の上に浮かべるまえに行う物で。
ショボがそれについてを言及すると。

舌を出しつつ片目を閉じ、頭をこつん、としながら。


「試運転しちゃった☆ ごめんNE☆」


そんな言い訳をされた。

じゃあしょうがない。


(メ  ^^)「では、お願いします」

ミ;゚Д゚彡「い、いいの…?」

(メ  ^^)「もちろんです、ささ、どうぞどうぞ」

ミ,,゚∀゚彡「わあいわあい!!」

(;*゚∀゚)(子供か…)

式と言っても、そう大した事をするわけでもない。
お酒の入った瓶を船体に投げつけて、叩き割るだけ。

何故かその役目はフサに任せられ、狂喜しながら酒瓶を受け取った。
ちなみに、もし割れなかったりすると大変不吉なものらしい。

ミ♯゚Д゚彡「うおおおおお!!! 必殺消える魔球!!」

(メ ;^^)「消さないでください!」


そんな事を叫びつつ投げられた酒瓶は、見事に命中。
甲高い音を響かせて、赤い液体を撒き散らし、海に消えていった。
やんややんやと歓声があがる中、一人が山さんへと近寄っていく。

「おめでとう船長、して船の名前は?」

(メ  ^^)「ズメイ・ブルーウインド、と」

「ズメイ…? なんか随分とたいそうな名前じゃないか、なんか意味はあるのか?」

(メ  ^^)「ええ…ある守り神の加護がありますようにと」

そして象徴するは、青の風。そう付け加えた。

( ^ω^)「守り神ってなんだお?」

(メ  ^^)「……内緒です」

(;^ω^)「むぅ?」


それから、積荷やら最終調整やらの準備のため、しばらくの時間を費やして。
やがて出航準備はととのい、山さんと話をしていた数人に別れを告げ。

僕らはさっそく船に乗り込んだ。
つやの無い木製の甲板を歩き、後部にある船室へと足を向ければ、
その中は小奇麗で、木の匂いに満ちている。

奥には螺旋階段があって、下れば4つほど、扉があらわれた。

食料や、その他資材を格納するスペース。

ハンモックが吊るされた寝室。

一番小さなスペースはトイレになっている。

そして、最後に残された扉をあけると、
まず平積みされた、大量の網袋が目に飛び込んでくる。
室内は妙に熱く、蒸していて。奥を見れば、何かちいさめな鉄製の扉があった。

そこで、ここに来るまでの間。ずっとおどおどしていたショボが態度を変え、
堪えていたものを吐き出すように問い詰めはじめた。

(;´・ω・`)「炉まであるなんて……やっぱりこの船は、熱水機関を積んで?」

(メ  ^^)「…ええ」

(*´・ω・`)「すごい……これも、例の工房士さんが?」

(メ  ^^)「そうです、あまり公にはできませんが」

(*´・ω・`)「公にはって……こんな凄いものを?
       そんな、その工房士さんは何も言わないの?」

( ^ω^)「そんなに」
ミ,,゚Д゚彡「凄い」
(*゚∀゚)「もんなのか?」

興奮しながらも、どこか嬉しそうに話すショボに、僕らはとりあえず口を挟む。
なんだか話しについていけなくて、よくわからない危機感ゆえの行動だ。

そんな息ぴったりの質問に、ショボはやはり興奮気味にかえした。

(;´・ω・`)「凄い物なんだよっ! この(以下略」



(*゚∀゚)「つまり、その熱水機関ってのを使えば舟が風無しで移動できるようになるってわけか」

(*´・ω・`)「そう、そして…その技術はまだ移動手段に使われた事はない…
       だからこれは革新的なことなんだよ! 絶対に発表するべきだよ!」

(メ  ^^)「それがですね……この公にできないというのは、その方から言伝った事なんです
       これはあくまでも試験作、そしてなるべく外部に漏らさぬよう建造してほしいと
       そのためにわざわざ、この秘境とも言える房津で造船を頼んだのです」

(;´・ω・`)「ええ…そんな、自分の技術はともかく、発明をかくす工房士なんて聞いた事ないよ…?」

工房士とは、言ってしまえば生業、食い扶持、お仕事だ。

自分の発明した物を売り、それによって生産された物が、世界の技術的な水準を高める。

だからより新しく、凄いものを作ればそれだけ工房士としての格が上がり、有名になる。

そして有名になればなるほど、依頼される事も増え、報酬も莫大な物になっていく。
つまり、作った物を隠すなんて事はなんの利益もない、無駄な事だ、ゆえにありえないとショボは言う。

(メ  ^^)「…隠す理由は、それだけじゃないのですけどね」

(;´・ω・`)「え?」

(メ  ^^)「これだけの船、本来なら最低でも5人は人手を必要とするでしょう
       それを私は一人で航海しようとしている……いえ、していた
       何を意味するかわかりますか?」

(;´・ω・`)「……死を?」

Σ(;^ω^)「なんですと!?」

(メ ;^^)「違います!」

(メ  ^^)「本当は迂闊にはいえない事なのですが…お話しますと
       この船には、魔化学も使用されているのです
       オワタ君、もういいですよ、喋っても」


「沈黙オワタ、ハジメマシテ!」

そこで、どこからともなく、軽快な声が室内に響く。
僕らは突然のことに驚いて、おもわず辺りを見渡した。

ミ;゚Д゚彡「なんだ!? どっから聞こえてるんだ!?」


「ボクは君たちが乗ってる、この船だよー」


(;*゚∀゚)「はあ?!」

(メ  ^^)「紹介しましょう、この船の精霊、オワタ君です」


「どうもー」


(;^ω^)「え……」

(;´ ω `)「せ…!!!!!」


「なんだってーーーーーーーーーーー!!!」




ミ,,゚Д゚彡「と、驚いてはみたけども、なにそれ?」

(メ ;^^)「……」





             ∧∧ 
            ミ*゚∀゚彡 < ジコショウカイ ターイム
             ミ,,,,,,,,,,ミ

           蒼季 61節





それから、他のスタッフの紹介をすると言った山さんに連れられ、
混乱しながらも、僕等はふたたび甲板に戻ってきた。

(メ  ^^)「まずオワタ君、操舵と熱水機関の運用をしてくれます」

(^o^)/「よろしくー」

あくまでも軽快な声は、四方八方から同時に聞こえてくる。
まるで船そのものが音を伝えているかのようだ。


(メ  ^^)「ちなみに彼の本体は、船首にあるレリーフです」

本体、という言葉に疑問をかんじつつも、言われるままに見に行けば。
とんがった船の先端、その真下あたりに乗り込む時に見た、両手を広げた人の姿が浮き彫りにされている。

\(^o^)/「そんなに見つめちゃティウンティウンしちゃうよー」

(;^ω^)「はあ…」

(メ  ^^)「続いて、こちらがブームであるブーム君」

|  ^o^ |「ブームの ブーム です」

発声と共に、いきなり柱に顔のような部分が浮かび上がる。
その顔は、満面の、とてもいい笑顔を表していたが。
反面、あまりに異様な光景で、ショボは泣きながらあとずさった。

(´;ω;`)「ひいいいぃ!?」

(;*゚∀゚)「ブームのブーム…?」

(メ  ^^)「ブームとは、船の帆を張る支柱のことです、そして彼の名前もブームと言います」

(;^ω^)「ややこしいお…」


|  ^o^ |「どうも 帆をはったり たたんだりできます よろしく」

ミ;゚Д゚彡「うおお…柱が喋ってる…」

|  ^o^ |「そこのモップさん すみませんが 角が汚れてるので 掃除してください」

ミ♯゚Д゚彡「誰がモップだ!!」コノヤロウ


(;*゚∀゚)「柱と喧嘩すんな」コラコラ

それにしても、見た目は普通の木そのものなのに、明らかに意思を持ち、喋っている。
原理がさっぱりわからないが、それはなんとも不思議な光景だった。


というか、一見するとフサは柱に話しかける変な人だけど。


(メ  ^^)「では、紹介も済んだところで、詳しい話はあとにしましょう」

( ^ω^)「出発かお」

(メ  ^^)「そうです、ではオワタ君、炉の準備は?」

\(^o^)/「オワタ」

(メ  ^^)「黒石の点火も?」

\(^o^)/「オワタ!」

同時に、船が振動する、それはまるで声が起こしたものであるかのように。
つづいて、ギ、ギ、と足元から籠もった音が響く。

波音は遠くから聞こえてくる。

両側から、似たようで、全く違う。

水に何かが落下していくような、

ザバザバ、ジャボジャボ、聞こえくる。


風は海風、向かい風。

船は、帆も広げず、風を受けることなく、ゆっくりと前進を始めた。

横のほうから、なにやら水音に混じって歓声が聞こえてくるのに気付く。
向かってみれば、船の製作者と思われる方々が手をふっていた。

上を見ると、真ん中の柱の先端からは、灰色の煙が立ち昇っていく。

下を覗きこむと、水面には白波と、円ではなく、線状のおおきな波紋。

後ろ足で立ち上がって、前足で手すりにつかまり、立ち上がって手を振りかえした。
あの妙な煙と、そして下の、恐らく水車が回っているのは関係があるのだろう。

つまりは、これが、熱水機関という物の恩恵か。

いろいろあった、長かった…本当に…。

これで、ようやく。


(メ  ^^)「では、出航!」

ミ*゚Д゚彡')「おー!」ヨーソロー

(*-∀-)')「おー」ソロー


本当の意味で、僕らの旅は。


\(^o^)/「ハジマタ!!」


のだ。





             ∧∧ 
            ミ*゚∀゚彡 < ソレカラ ヨーソロー
             ミ,,,,,,,,,,ミ

           蒼季 61節





船は、相変わらず帆を張っていない、にも関わらず、その速度を増して進む。

大きな音を立て、波をかきわけ、風をきりさきながら。

まるで水車の足跡のように、白い泡で作られた二つの線を残しながら。
すこしばかり黒ずんだ煙が、もくもくと空へ、たち昇らせながら。


ふりむけば、僕等がいたはずの倉庫はどんどん小さくなっていく。
        僕等がいたはずの山々がどんどん小さくなっていく。
あの時    僕等がいたはずの灯台下の草原が横にならんでいく。


こうなってしまうと、なんだか今より以前のことが大分むかしのように思える。
見る物、見えるもの全てが懐かしいような、そんな気分にさせられる。

どうしてこんなに、あっという間なのだろう?

ふと、そんな事を考えて、自分がとても名残惜しさを感じていると気付いた。
弱気になっている、これでいいのか、本当によかったのか。そんな思いがむねを渦巻く。
それが何に対しての事か、それすら思いつかないのに、漠然とした不安が心を締め付けた。

( ^ω^)(…何をいまさら)

そう、こんなの今更だ。

言っても、思っても仕方がない。

僕は頭をなんどか横に振り、もう一度とおざかる遠景を見据えた。

( ^ω^)「行って…」

来ます、とは言わない。言えない、そう思った。

なら、なんて言えばいいのだろう。


戻らない場所を前にした時、どんな言葉があるんだろう。

思いつかない言葉をさがす僕の目に、ふいに白い鳥のすがたが映った。
海鳥達はむれを成して、甲高い声をあげながら僕らの真上を羽ばたいていく。

それは、とても自由にもみえて、何故か懐かしくて。そして羨ましいとも思う。

人が新たな場所に向かうとき、それも確か羽ばたくと例える事がある。
これはどういう意味なのだろうか、
何故か、そう思った。


鳥は、必ずしも新たな場所にむかうために、空へと羽ばたくわけじゃない。
同じ場所で生きるためにだって、鳥は羽ばたくのだ。

自由を求めて、なんて事もありえない。

空に自由なんてない、落ちないために、とにかく必死で羽ばたいて。
一歩間違えればふきとばされる、きけんな風に身を任せる。
そこに自由なんて一切ない、むしろ、他の何よりも縛られる、閉鎖された場所なんだ。

だから、この言い分はきっと―――。

(;^ω^)(……って、僕はただの例え話になにムキになってんだお…)

そこまで考えて、自分がとても莫迦な事をかんがえていると気付く、
なんだか気恥ずかしくなってしまい、誤魔化すようにふりむいた。


すると、そこには。


|  ^o^ |「なんですか この埃は ちゃんと掃除したのですか」

ミ♯`Д´彡「あああああ、だからモップ扱いするなああああああ!!」


僕の思いも、離れていく故郷もなんのその。
元気に柱とたわむれるフサの姿があった。

(;^ω^)「……まだやってたのかお」

流石に毒気をぬかれるというか、悩んでいるのが更に莫迦莫迦しくなってきた。

(メ ;^^)「ブーム君、そろそろいい加減にして、準備してください」

|  ^o^ |「わかりました」

ミ♯`д´彡 フー フー


(メ  ^^)「オワタ君、熱水機関停止してください」

(^o^)/「オワタよー」


ミ,,゚Д゚彡「……ん?」

(*゚∀゚)「ん?」

ミ;゚Д゚彡「あ、あれええええええ!? いつの間にか出航してるから!!」

(;*゚∀゚)「…本気で言ってるのか?」

ミ;゚Д゚彡「おお、なんだあれは! 煙ふいてるから!」

ミ゚Д゚;彡「ああ!? もう港があんなに遠くに!?」

ミ*。。彡「うひゃあ! なんか横の水車がまわってんぞ!?」


どうやら、意識をとり戻した(?)フサ。
あっちこっち甲板を駆けまわっては、悦び声を張り上げて、とても忙しい。
そして最後に、小さくなりつつある港へ向けて、叫んだ。

ミ,,゚Д゚彡ノシ「いってくるからーーー!!!」

僕が思いとどまった言葉を、フサは平然と言い放つ。

( ´ω`)(ああ……)

フリーダムだなぁ、とそんな事を思いながら。僕は自分が小ささを思い知らされる。

小ささ、だと少し違うかもしれないが。

とにかくしがらみとか、そういう類の物をものともしない姿は、僕には凄く、頼もしく見えた。


それから、噴きでる煙がおさまると、山さんはブーム君に何かを指示。
すぐさま真っ青な色をした帆が、頭上にバサッと広がり。
風をうけて大きなふくらみを作った。

既に港はとおく離れ、島そのものが見渡せる距離にまで来ている。
ここまで来ればもう例の機関は必要なく、風に乗って行けるそうだ。

ちなみに機関とやらを停止した理由はもう一つ。
なんでも煙を吐きだす機能上、帆を張った状態ではつかえないらしい。

落ち着いたところで、僕らは山さんに出航まえに聞きそびれた事を訪ねた。

|  ^o^ |「風をつかまえました そこのモップは 床をみがきなさい」

ミ♯゚Д゚彡「まだ言いやがるか!!」

(;^ω^)「それで…いったいこの…人? たちは?」

(メ  ^^)「精霊憑依、と呼ばれる事柄をご存知ですか?」

( ^ω^)「知らないお」シランカラ キイテルンダオ

(メ  ^^)「ええと……」


世界には、こんな伝承が"かつて"おとぎ話のように存在したという。

生命なき物は、まれに、永い長い季節をこえた果てに、意思を持つ事があるという話。

たとえれば。

道に迷った旅人が一本の樹に導かれ、救われた。
長きに渡って使われた船が、勝手に動き、持ち主を助けた。

など、そんな良い話から。

その家に泊まった人は必ず不幸にあう。
この道具を所持した人は死ぬ。

と言った、恐ろしい話まで。

うわさや、ゆめまぼろしの類におもえる話でありながら、幾度となくその経験者が現れる不思議な現象。
これらは遠い昔の季節から、世界の不思議の一つとして伝わっていたが。
ある時、これは精霊がとり憑いた状態だ、と言う説が浮き上がった。

そのことから、それらの不思議な現象の事は、精霊憑依と呼ばれる現象として形になったそうな。

その後、精霊憑依は魔法的なものとして見られ、研究の果てに。
人が無機物に直接憑依をさせる技術ができあがった。それが魔科学と呼ばれる物で。
この船にはその技術が行使され、結果として。


\(^o^)/ |  ^o^ |  彼らの存在があるらしい。


ちなみに、そんな話は本来ならば与太話として相手にされるものでは無い。
ならば何故そんな事がすぐに信憑性というものを帯びたのか、と言えば。

その説を掲げたのは、魔法と呼ばれる未知の力をあつかう部族。
彼等は本来、外界とのかかわりを完全に遮断した大陸に居たらしく。

それまでその存在を知るものすら、そう居なかったらしいのだが、
この事から、彼らの存在は一気に世界へ広まったのだと言う。


(;^ω^)「そんな人達が居るのかお…! すごいお…」

(メ  ^^)「ええ、ですが一つ言っておきますと…それはあなた方とて似たようなものですよ?」


(;^ω^)「お?」

(メ  ^^)「つー族の住む村、というのはこちらからすれば秘境中の秘境なのです
       房津大陸のどこかにあると言われるも、明確な所在は不明
       生活にも通貨を使用せず、隔離された場所で暮らしている、として」


そういえば、何時だったか、つーちゃんを見て驚く人が居たのを思い出した。
自分がそういう立場にあると気付きようがないが、そういう物だったのか。

…それにしても、この旅の目論見には、そういう不思議を知る事だって含まれていたのだが、
よもや自分自身がその対象になろうとは、夢にも思わなかった僕は、なんとも不思議な気分だった。

(メ  ^^)「それに、書本猫である君達も、です」

(;^ω^)「それだお!」

(メ ;^^)「…はい?」

(;^ω^)「その、書本猫って、なんなんだお?」

(;´・ω・`)「変なことを聞くね……? 僕らのことじゃないか」

(;^ω^)「いや……だって、僕等は文猫だお?」

(;´・ω・`)「もしかして……なにか、勘違いして、る…?」

(;^ω^)「と、言いますと?」

(メ  ^^)「文猫、というのは主に団体を示す場合にのみ使われる名称ですよ?」

(;^ω^)「だん……た…い?」

あれ、なんか、おかしいぞ。
これはあれですか、もしかして僕は…。


(;´・ω・`)「え、じゃあ、協会のことも知らないの?」

(;^ω^)「…なんですかおそれは」

(;´・ω・`)「協会は協会だよっ、文猫協会! 僕ら書本猫がつどう場所!」

(;;^ω^)「……ぜんぜんしらんお」

(;´・ω・`)「え…えぇー……?」

今の今まで、ものすごい間違った考えをしていたのだろうか…?


聞くところによれば、僕らの本当の名は書本猫。
そして、世界中に点在する猫たちが集い、数えない季節の流れを記録し。
様々な出来事や歴史を記録するために組織されたのが、文猫協会、という物らしい。


(;´・ω・`)「…むしろ、どうして自分を文猫だと思うようになったの?」

(;^ω^)「え……わかんないですお…いつのまにか?」

ミ;゚Д゚彡「俺も知らないから…」

(;*゚∀゚)「オレもだよ、村の連中だって喋る猫がどっかに居る、ってくらいしか知らなかったし
      んで、なんかブーンは文猫だって言うからそうなんだなー、と」

(;´・ω・`)「…そうか…つたわる話が正確じゃなかったんだ…」

(メ  ^^)「まあ……むしろ喋る猫がいる、という話があっただけでも充分かもしれませんね」

(´・ω・`)「うん……しょうがないよ…」


(;*。。)「…」

(li^ω^)「…」


なんだか、山奥を理由に、酷くいなかもの扱いをされてしまっている。
それにしても、これでは、まともなのはフサだけという事になった。

ミ,,゚д゚彡「……」 オレハ?

しかし、当の本人はそれが物足りない、というか寂しいらしく。
少し呆けながらも、なんだか複雑そうな表情をうかべていた。



……。


……。




そうして、ながいながい航海の最中、色々な不思議や世界についてを教わった。
それはもう、聞くたびに、ワクワクする気持ちが止まらず、心躍るものばかりだった。

中でも、特に印象に残ったのは、山さんが調べていると言う古参生物。


"なる獣"


そして最後に。


先程聞いた事をここらで少し書いておこうと思う。
どうにも、箇条書きのようになるが、そこはご愛嬌。



今でこそ人獣と動物が共存する世界であるが、かつてはそれだけでは無かったという。

巨大な翼を持ち、圧倒的な力を持つ魔なる存在や。
姿形そのものが、聖なるかなと称された存在。
大海を悠然と進む、大陸規模の幻なる存在。

3_20091226231149.jpg


幻、魔、聖、なる獣、とも呼ばれる。他の生物とはあらゆる意味で乖離した生命。

人々は彼等の強大過ぎる存在感故に『なる獣の存在』を神の如く扱った。

そんな様に、神は自分を崇める心を失くすと考え嫉妬に狂い『なる存在』は打破すべき存在だと伝えた。

例を挙げれば『竜の血は不死の源』『妖怪は人を喰らう』

つまり『魔物は狩られる存在であり、化物は退治される存在』
『倒される事』を約束された存在として、認識の根底に植えつけた。

そうして迫害され、遠い地に去り、やがて、なる獣達は世界から姿を消した。


それから数え切れない季節を越え、最早伝承となったそれは書物に残されるのみとなり、
真偽も確かでは無くなった。
だがその存在の証明をするかのように、今尚残命する、異なる存在もあった。


例の、アンユイという怪生物もそうだ。
そういった生物が、かつて居たとされる伝説の存在を物語っていた。


僕等はずっと、食い入るようにこれらの話を聞いた。

そうして、いくつかの夜を越えて。


僕等は再び、闇魚と呼ばれる、現存する古参生物と出会い。
その姿を、この目で視ることになるのであった。



                         其のニ → 其の三  へとつづく。





この小説は2008年1月14日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:mjp26Y0C0 氏

第二章、其の三はこちらへどうぞ



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[ 2009/12/26 23:13 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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