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( ^ω^)季節を旅する文猫冒険記のようです 第二章 其の一


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ

諸注意 このお話には房津チックな表現、キャラ設定が使用されております





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                  第二章  広がりゆく世界のミチノリ


 
                其の一 「 おはよう から おやすみ まで」


夢を見た、それはもう、なんていうか嫌な夢だった。
何を見たのかは不確かで、言葉という形にはとてもできない。

ただ、体をぬるぬるとした触手が這い回っているような、確かな感覚があって、
それがあまりにもリアリティに溢れていて、とんでもなく嫌だ。
更には冷たい、そしてなによりも匂う、なんか魚っぽい匂いがする。

僕はじゅるりぺろりと舌なめずりして目を開くと、そこは銀色の絨毯に埋め尽くされている。
あら綺麗、しばし呆けた頭でそれを考える。その結果、これらは魚だと気付いた。

( ゚ω゚)「魚っ!?」

(;・□・)「うお?」

(;^ω^)「あれ?」

思わず素っ頓狂な声をあげつつ、呆けた頭で現状を考える。

なんだ、えーと、ここは海の真上、大きな吊るされた網の中、大量の魚の上に居て。
隣にはいつかの船員、確かブーン、僕と同じ名前の人が居る、よしおk、じゃない。

(;^ω^)「こわっ、こわい! ひ、ひぃい!?」

球状に膨らんだ網の中、少しでも動けば揺れ、動かなくてもゆりゆれゆられ。
おそるおそる見上げれば、細くも硬そうなロープが一本、まっすぐに伸びていて。
船体から斜めに生えた、ぶっとい木の先端についた滑車にかけられ、船へと繋がっていた。

どうやら頼みの繋がりはそれだけ、どう見ても情けなく、今にも海へ落ちてしまいそう。
小刻みに聞こえてくるギッ、ギッ、という軋んだ音が余計に恐怖をあおっていた。

(li^ω^)「こええおおおおお」

(  ;^^)「これは…また凄いものが引っかかりましたね」

網の向こう側、白塗りの小型船の上には見知らぬ人が、ぽかーんとこちらを眺めている。
そして気付けば、脅える僕を覗きこむ姿があった。

(;・□・)「とりあえず、助かったみたいだね」

たすかった? あ、そうか、確か僕はあの時、浸水してきた海水に飲まれて、
船内なのに溺れて流されて…………。

流されて、何故こんな状況下にいるんだろう。訳がわからない。

( ・□・)「そこの方、すみませんがそろそろ降ろしてもらえませんか?」

(  ;^^)「あっ、はいはい、すみません今降ろします」

そうして、ぼくらは船の上、箱状に空いた穴へ魚といっしょに落とされた。
魚達を入れるためなんだろうけど、ちょっと酷い扱いだよねこれ。

(メ^ω^)「痛いお」

何はともあれ現状考察。
船上はこじんまりとした中に、所狭しと色々な物が並んでいる。
袋詰めにされた沢山のノート、謎の数字が書かれた奇妙な箱、大きな蟹のはさみ。
どれもいたってよくわからない物だらけだった。

耳をすませば、船体にうちつける波音と、上下の揺れに合わせてギシギシと軋む音が聞こえてくる。
ほぅ、と一安心した所で、濡れた体の気持ちわるさに気付き、僕は身体をおもいきり振るう。

頭から首、前足から後ろ足、尻からしっぽへ流れるように行うのがコツである。
すると隣からかるく悲鳴が聞こえてきたけど、それは無視しておく。


(メ・□・)「いや、危ないところを本当にありがとう!」

(  ;^^)「いえいえ、本当に偶然ですから、そう畏まられると困ってしまいます」

(;^ω^)「あの…僕はいったいどうして…」

( ・□・)「そうだったね、説明しよう」

端的に言ってしまえば、僕が流されてしまった直後。
彼は僕を追いかけ、流れる水流に飛び込み、
命からがら僕を見つけ出し、その後、外へと脱出したのだと言う。
己が命を省みないその行為。
それは正に勇者、勇者のブーンと呼ぶに相応しいと思えた。

( ^ω^)「ありがとうだお! もう一人の僕!」

( ・□・)「とうぜんさ相棒」

(*^ω^)「もう一人の僕…」

(*・□・)「相棒…」

と、気持ち悪い空気を漂わせてみたものの、求めるものは訪れない。
ここにつーちゃんさえ居たなら、時に冷たく、時に激しく突っ込みをくれるのに。

(   ^^)「これは……邪魔をしてはいけませんね」

だがしかし、どうやらここにはボケ側しか存在しないらしい。
仕方ないと、僕はやむなく自ら突っ込みを入れた。

( ^ω^)「きもい事してんじゃねえお」


( ・□・)「まあ、それで木片につかまってどうにか陸を目指そうとしたんだけど
      途中で力尽きちゃってね…沈み行くところをちょうどこの人にあげられたんだ」

(;^ω^)「あげられたとか言うなお…」タスケラレタ ト イッテクレオ

(  ;^^)「いえ、実際そのとおりですから」

( ^ω^)「でも…よくあんな中で外に出られたお」

(;・□・)「え、えーと…なんていうか、脱出したというか、放り出されたんだけどね」

そんな言葉に疑問がうかぶ。
すると勇者のブーンは海上、何かを指し示した。

見れば、そこには木片やゴミがちらほら浮かぶ海面の遠く先。
船が縦になって浮かんでいるというか、立ち上がっていた。


 ∧ ∧て
(;^ω^)そ「ちょ、ええええええ!?」


( ・□・)「ちなみにあれ、半分に折れてるんだ、もう真っ二つ
      それで船首だけああして残って、後ろはもう沈んじゃった…」

(;^ω^)「んなっ…じゃあ、フサは、他のみんなは!?」

( ・□・)「…わからない」

(li ω )「そんな……」

遠目に見える悲惨な状況をまえに、頭には嫌な事ばかりが巡る。
その度に、そんな事はないと狂ったように心が叫ぶ。

信じたくない以上に、信じられない思いが強すぎて眩暈さえする。
それでも、現実がはっきりとした形をもって目の前にある。

無惨にあたりを漂う木片、青を汚すさまざまなゴミの群れ。
そして今もなお、ゆっくりと沈んでいく船だったモノ。

あれを見て、あんな物を見せられて。
いったい―――――――どんな希望を持てというのだろう――――。


あの日、限りない夢と、幸せを詰めこんだ入れ物に大きなヒビが走り、大きな音をたてて砕け散った。
考えたくも無いのに、さまざまな記憶が一瞬、浮かんでは消え、浮かんでは消えていく。
そのたびに、音は遠ざかり視界がぼやけていく。

闇の時代をつげる鐘が、どこか遠くで鳴り響く。
大きな絶望、気付けば僕はすがるように言葉を紡ぎ、囁いていた。


(; ω )(助けてくださいですお、この世界で僕を追いかけてくれる人を…)


(; ω )(僕のために笑ってくれる人を、僕のために泣いてくれる人を
       消えてしまった無常な時間を……
       助けてください……僕たちを助けてくださいですお)


目から溢れる熱い何かは床に落ちて、いくつもの月を描いた。
あたまを駆け巡るたくさんの思いが、僕の視界さえも閉ざしていく。
やがて全身の力が抜け、その場にへたり込むと、船の中心でぼくは叫んだ。



( ;ω;)「助けてください! 誰か助けてくださいですお!!」

(Your love forever 瞳を閉じて~ 君を描くよ~♪ )



その時、静寂をきりさいて僕の脳内に一つの声が流れる。

それはまるで、闇をつらぬき走る光。
神の刃ともいうべき言葉が、祈りを超えて貫き。
ほほえみをわすれた天使達がもういちど笑顔をふりまいて。



胸に込み上げるは、何よりも熱い、強い、思い。
ぼくは突き動かされるように、新たな決意を胸に秘めた。

( つω;)「わかったお……フサ、つーちゃん、ショボ…
       僕は歩き続けるお、新たな仲間、彼等といっしょに……」

( つω⊂)「さよならは言わない、だって、この胸に一つになって生き続けるんだお
        だから見守っててくださいですお、僕の……」

( ;ω;)「新たな旅立ちお!! 第一部完!!」


( ・□・)「相棒…」

(  ;^^)「私もはいっているのですか…」



(;^ω^)「だから止めてくれお」タノムカラッ ナンチャッテ

僕はいい加減やめどころがわからなくなり、またしても自ら突っ込みをいれた。
ちなみに脳内の声はこう言った。

( ミ;゚Д゚彡ノシ < いやいやいやっ、勝手に殺さないでほしいから!! )

まあ、あの面子がそう簡単にくたばるとは思えない。
なにより、フサに至っては殺したって死ななそうだ。

というか、最初からそう思っていた上での行動だったのだが、なんだかとってもクライシス。
あんなに頑張ったのに、僕の心に訪れたのは、突っ込まれない事への虚しさだけ。

こんな世の無常に嘆き、悲しみに暮れる僕へと、何を勘違いしたのか優しく解く声があった。

(   ^^)「安心してください、避難はちゃんとされていました、きっと無事でいますよ
       それに……あなたの願いも、どうやら届いたようです」

( ^ω^)「お?」

(   ^^)「ほら、あれを見てください」フネノ ヨコ

( ^ω^)「見えないお」トオイ トオイ

(  ;^^)「あ、そうですね…ではこれを」

そう言って差し出されたのは、黒に銀色の装飾がされた円筒。
なんだろうと疑問を浮かべていると、シャコン、といい音を立てて円筒が伸ばされた。
すると両側面に透明な何かが埋め込まれたそれは、だんだんと先が細まる奇妙な棒状に変わった。

なんでも遠くを見るための物らしい。

(  ;^^)「それを覗き込んでみてください…ってああ、それは逆です」

(;^ω^)つ●「??」

(;・□・)(プリズムスコープ…本物!? なんでこの人が)


言われるままに覗き込むと、せまい円形の視野の中。
なんと遠くにある筈の景色が目の前にあるかのごとく映し出された。

(;>ω●)「おお!? なんだおこれ! すげーお! めっちゃ見えるお!!」セカイ マルミエ

(   ^^)「そうしましたら、方向はもうちょっとこっちへ…」

( >ω●)「……なんだお、あれは」

やがて、丸い視界のなかに海上に立つ人の姿が映った。
突き上げる腕には羽が連なり、翼を作っている。見た感じ鳥族のようだ。

(   ^^)「あれはクックルさんです、海上の守護鳥と呼ばれています
       彼が来たからにはもう安心です、あなたの強い願いがとどいたのでしょう」

そんな事を言ってる間に。
そのクックルさんとやらは海面をものすごい速度で走り出し。
白い水しぶきがそれはもう、後を追うように舞い上がっている。

( >ω●)「…なんか水面を走ってないかお?」

(   ^^)「それはそうでしょう、彼は鳥ですから、水面を走れて当然です」

(;>ω●)「ああ…そうゆう」モンナノカ?

それからは、正にセブンスペクトラルだった。
なんと彼は立ち上がった船に近づくと、片手でそれを持ち上げ横に向き直し近くの浜辺に置いた。
更には海中に潜り、沈んだもう半分までも拾い上げ、同様に浜辺に運び上げたのだ。

周囲に浮かぶ小船の人々はだれもが手をあげ、大歓声を送っている。
そしてもう一度クックルの姿を見つけようとするも、その頃には彼の姿はどこにも無かった。

(;^ω^)「すごいお…世界はひろいお」

(   ^^)「そうでしょう、そうでしょう」

( ・□・)「…」





             アヒャー

             ∧∧       
            (*゚∀゚) < 余談だが、ブレーカー落下には気をつけろよ 
            (|  ⊃   あと保存もな、泣きをみるまえに…だ。
           ~|  | 
             し`J           

         
           蒼季 60節





その後、とにかく港へ戻ろうと、帆をはり、船を港へむけて進み始めた頃。
いつからだろう、訝しげな表情で黙り込んでいた勇者のブーンがおもたい口を開いた。

( ・□・)「ところで…まだ名乗っていなかったね、僕はブーン、あなたは?」

(  ;^^)「…私は」

一見、なんの変哲もない自己紹介だったが、空気はなにやらピリピリしている。
特にこの小船のもち主さんの方は、言い淀み、何故か困っているようだ。

( ・□・)「やはり助けて貰った身としては名前くらいは」

(   ^^)「こんな言い方はしたくないのですが…
       そう思っていただけるなら、名は聞かないでもらえませんでしょうか」

(;^ω^)「でも、名前がないといろいろ困るお…」モチヌシサン ジャ チョット

(  ;^^)「えーと?」

( ・□・)「では、言い方を変えます、あなたは…何者なの?」

(;^ω^)「ちょ、それは失礼ですお」

( ・□・)「……さっきブーンに渡したプリズムスコープ…あれは、
      こんな辺鄙な場所にいる人が持っているような代物じゃない
      それも、高価だとかそういう次元ですらない
      僕等だっていちおう持ってはいるけど…
      それだって定期船だからという理由から一つ、貸し与えられているだけなんだ」


なんでも、あれはこんなへんぴな場所どころか。
全世界を通して見て、桁外れの生活スイジュン。
そしてリベンギジュツの発展した大陸の産物らしく。

そこに存在する数少ないコウボウシにトクチュウして、始めて手にはいる物なのだそうだ。


いやあ、ちんぷんかんぷん、わけわからん。


( ^ω^)「いまのーぼくーにはーりかいできないー」


とりあえずやけくそで歌ってみた、でも二人は僕そっちのけで会話を続けている。

お前なんかどっちにしろ、居ても居なくてもおんなじ、そう言われている気がした。
でもどちらかと言うと、今シリアスだから黙ってろって空気だ。

蹴りいれてやろうかと思ったけど、やめた、ちくしょう。

(   ^^)「これだけは信じてほしいのですが、盗品の類ではありませんよ」

( ・□・)「そこまで言う気はないよ、だけどもう一つ…というかこっちが本題
      あんな騒ぎがあって、みんなが救助に参加している中であなたは魚とりをしていた、
      僕も船乗りのはしくれとして、どうしても気になる」

それからしばらくの間をおいて、彼はわずかに沈んだ表情でゆっくりと語り始めた。

ちなみに僕は床にうずまきを描いていた、けどそれさえ無視された。
うさぎはね、寂しいと死んじゃうんだ、でも僕は猫だから耐えるよ。

(   ^^)「……確かに、仰るとおりですね…では話せるだけお話しましょう」

(  ;^^)「まずこのスコープですが、これは私の知り合いに工房士が居るのですが
       その人がまた、何といいますか、こう、自由奔放な方でして…
       これは趣味で作った物だからべつに要らない、と仰られ、私が譲り受けた物です
       ほら、ここに名詞刻印がありますでしょう?」

( ・□・)「砂ひく尾、空に流れる…? 聞いたこと無いな、それに、変な刻印だ」

(;^ω^)「めいしこくいん?」

( ・□・)「うんとね、工房士っていう、要するに人の役に立つ物を作る人が居るんだけど
      彼らが作った物はたいてい特別な物になる、だからふつう名前が掘られてるんだ
      名詞刻印って言ってね、作った者の名前、そして依頼主が居たならその人を象徴する名を
      理由は工房士としての誇り、そして犯罪防止ってところかな」


( ・□・)「それで、例えば僕等が持ってたスコープには”めろん”と”桜坊接吻号”と掘られてた
      だからそれが片方しかないって事は…」

( ^ω^)「依頼品でなく、本人から直接わたされた証拠、ってことかお」

(   ^^)「…理由あって、その人についても詳しくは話せないのですが、オム大陸の人、とだけ」

( ・□・)「つまりあなたもオム大陸から来た、と?」

(   ^^)「出身だけを言うならそうなります、それで魚とりをしていたのは
       生態調査と、何か残されてはいないか、等の調査…そして単純に食い扶持のためです」

(  ;^^)「と言いますのも、いちおう、私は生物学士をしておりまして」

(;・□・)「が、学者さんでしたか…」

(  ;^^)「ええ…まだまだ未熟な若輩者なのですが…古参種や、なる獣を専門としています
       そして、ここへはとある巨大古参海洋生物を追ってきたのです」

( ☆ω☆)「キョダイコサンカイヨウ生物!?」ギュピィーン

その心は、めくるめく冒険の予感。
高鳴る鼓動をおさえきれず、詳しく、より詳しくと、僕はおもいきり喰いついた。
つめ寄られた学者さん(ようやくいい呼び方をみつけた)は少し引いた様子ながら説明してくれた。

(  ;^^)「…ええと、その生物の名は闇魚(アンユイ)
      体から常にくろい墨を発していて、普段からその黒いもやで全身を覆い隠し
      更にはこの生物が現れるとき、海が黒く染まる事からその呼び名がつけられました」


(   ^^)「発見報告はひじょうに少なく、それも体を覆う墨のために姿形さえはっきりしていません
       ですが過去の捜索の結果、いくつかの事は判明しました
       全長は最大で10㍍にもおよび、気性は穏やかな部類に入りますが、甲殻類を主食とする肉食性
       食べられた残骸から察するに、牙などで噛み砕くのではなく、潰して食すと言われています
       そしてつい最近、ウロコが無いという報告があり、ナマズ寄りの魚ではないかという説が……」


……だ、そうだ。

引き気味だったのは最初だけ、説明は徐々にヒートアップしてどうにも止まらず。
ペラペラ難しい事を言ってくる、どうやら語り出したら止まらないタイプのようだ。
あんまり楽しそうに語るものだから、よくわかりませんと言う暇もなかった。

(;^ω^)「よくわかんないお……」

(  ;^^)「……」

だから、きりのいい所で言ってみた。学者さんはあはは、と苦笑している。
けど話を端的にきいていた限りでは、いくつか思い当たることもあった。

( ^ω^)「そういえば、確かにあの時はいってきた海水は真っ黒だったお」

(;^ω^)(つまり……お?)

そう自分で言ったところで、イコール式でむすびつく答えが急激にふじょうする。
だが僕がそれを言葉にするよりも早く、もう一人の僕が代わりに問いた。

(;・□・)「ちょっと待ってよ、それってさ…
       その闇魚ってのが船をこわした、ってこと?」

(  ;^^)「ち、違います、そんなはずありません…そんな状況だけで判断するような…
       いえ、あれはそういった攻撃的な生き物じゃ、ない……はずです」

学者さんは焦りながらも、すこしだけ哀しそうにそう言った。
しかし明確な証拠はどちらの意味でも存在しない。


( ・□・)「では一体なんの仕業だと? あの海域には岩場なんてなかったはずだよ」

(  ;^^)「そこまでは……わかりかねます」

それを合図に、三人そろって海のほうを見た。
海鳥たちが水面に影を落としながら低空を飛び交い、高らかに鳴き声をあげる。

空の色をうつす海面は、先の事が嘘のように穏やかで、ゆっくりと波が起伏を作っている。
密集してただよっていた木片も、今では遠く離ればなれに流され浮いていた。
それすらも、もうじき波にもまれて姿を消すだろう、そんな様はまるで海の隠し事のように思う。

ただそこにあるだけなのに、様々な事を内包し、同時に証拠を隠滅する。
不思議に思う事も、楽しい思いも、悪い事も悲しい事も、全てを飲み込みここに海が在る。

うまく言葉にできないけど。

なぜか僕は、それがとても寂しい事に思えて、呆然と揺れる水面をみつめていた。





             ∧∧ 
            ミ*゚∀゚彡 < カエッテキタ ヨ
             ミ,,,,,,,,,,ミ

         
           蒼季 60節 






それから、再びあーだこーだと、取り留めのない事を話しているうちに港へと到着した。
船着場は逃げのびた人や野次馬でごった返し、喧騒がやかましく響いている。
いくつもある桟橋には、どれも迎える人々が集っていて、僕はその中にみんなの姿を探す。

すると、港のなかでも一番おおきな桟橋に、運よく見知った顔を見つける事ができた。
さっそく船をつけるとロープが杭にかけられ、僕は一目散にそこへ向かった。

(*゚∀゚)「ブーン! 無事だったか!!」コンニャロ コンニャロ

(;-ω^)「おっおっ、ピンピンしてるお!」

< く゛え゛っ

側に駆け寄るとつーちゃんはしゃがんで視線を合わせ、両手で僕の頭をぐしゃぐしゃに撫で回す。
ちょっと痛かったけど、すごく嬉しそうな笑顔を前に、僕も嬉しくなってされるがままに身を任せた。
すると隣からは、はげしく嗚咽する声が聞こえてくる。

(´;ω;`)「ぶーん!! よかった!よかったよおおおおお!!」テイウカ コワカッタヨウ オーイオイ

(li^ω^)「おお…」


そういって泣き叫ぶショボの顔は、涙と鼻水と涎ですごいことになっている。
穴という穴から水を流すとは、まさにこの事かと、悪い意味で近寄りがたい、たまらず身をひいた。

(´;ω;`) ヒドイヤ

( ^ω^)「それより……フサは?」

(;*。。)「…ああ、あいつは」

(;^ω^)「何かあったのかお!?」

(;*。。)「…海に落ちて、そして…」

(li^ω^)「!?」

(*゚∀゚)「お前がいま踏んでる」

言われてみると、足元には何か、こう、濡れて薄汚れたボロ雑巾のような物体がある。
はっと気付いて飛びのくと、その物体がごそごそ蠢き、しっぽらしき物がぱたぱた左右に揺れた。

フサらしき物体は地に伏せ、それはもう見るも無惨にぼこぼこにされていた。
何があったんだと心配する僕の耳には、「やりすぎたか…」と声が届き。
経緯を思うとあまりの恐怖にしっぽが垂れ下がる、そうか…ショボが泣いていたのもこのせいか…。

それから、僕とフサの涙の再会はあえて省略。

ミ;゚Д゚彡「いやしかし、ほんとに死ぬかと思ったから」

(*゚∀゚)「てめえが悪い」アヒャヒャ

ミ,,TДT彡「いや、だからって……海に蹴り落とされたので充分だから
       何もこっちに戻ってからあらためて過半殺しせんでも…」

(;・□・)「凄い生命力だな…」

(*゚∀゚)「んで、こいつは誰だ?」

( ^ω^)「あの定期船の人だお、カクカクシカジカで僕を助けてくれたんだお!」

(*゚∀゚)「そうだったのか、ありがとな勇者のブーン」

( ・□・)「いえいえ、どうせ今回までのちょい役だし」ソノクライハ

(;*゚∀゚)「…は?」


(;^ω^)「おっおっお、それと……あれ?」

そして僕はもう一人の恩人を紹介しようと、学者さんの姿を探すがどこにも見当たらない。
不思議に思い、首をかしげていると、一際大きな声が響く。
それはいくつも重なっていて、完全には聞き取れないが、間違いなく罵声と呼べるものであった。

危なげな匂いがぷんぷんするが、好奇心に勝てず、僕等は声のする人だかりへと向かう。
すると、その群れは僕が助けられ、ここまで乗ってきた白い小船を泊めた桟橋にある事に気付いた。
まさか…と、あわてて人ごみへと割り込んでいく。

ミ;゚Д゚彡「ブーン…? お、おいちょっと!?」

(;・□・)「あそこは…もしかして……やっぱり、そうなのか?」

(*゚∀゚)「どういう事だ?」

(;・□・)「実は……」


すみませんと言いつつ、狭い隙間を縫うようにすすんでいくと、
やがて、誰もがおなじ単語を口々にしている事に気付く。

(;^ω^)(……荒らし、山崎?)

そして、かきわけ進んだ先にあった光景に、僕は絶句した。
線をひいたように、一定の距離をあけた人の群れの先。

あきらかに悪そうな面持ちのゴロツキ数人に囲まれた中に、あの学者さんが倒れている。

唖然とそれを眺める僕のまえで、更に一人が横たわる体を蹴りつけた。

(;゚ω゚)「なにやってんだお!!!」

「うおっ、なんだこいつ!?」

それを合図に、反射的に体がうごいた。
僕は数人を突きとばす勢いで駆け抜け、学者さんの側へと向かった。
近くでその姿を見ると、顔面を腫らし、口元からは赤い筋がいくつも滴っていた。

そっと体を揺すると小さく呻き声が漏れる。
あまりに痛々しい姿に、胸が締め付けられる思いだ。
何故、どうして、疑問の言葉がなんども頭の中に繰り返されて、くらくらしてくる。

けど、それ以上に、息もできないくらいに湧き上がる感情がある。
いますぐにそれを吐き出したい衝動にかられるも、
僕はゆっくりとふりかえり、必死に震える体をおさえながら言った。


「なんだこいつは…」

:(  ω )::「なんで……なんでこんな、ひどい事をするんだお」


「はぁ? 決まってんだろが、こいつはあの最低最悪の荒らし一族、山崎だぞ」

(;^ω^)「山崎…?」


「知らねえのか? いろんな場所に現れては悪事を働く性根のくさった一族さ
 こいつ等に荒らされた町は数知れず、居るだけで害悪にしかならねえ屑だよ」

「船が沈んだのだって、どうせこいつのせいだ、被害を考えればこのくらい当然だろ」


(♯^ω^)「ばかな事言うなお! この人は違うお!!
       それどころか、この船で僕を助けてくれた恩人だお!」


叫んで、見渡せば周囲の人々は、まるで忌まわしいものを見るようにそろって顔をしかめている。
僕はそんな様に、背筋につめたいものを感じていた。

その時、野次馬の一人が何かを呟き、それをきっかけに視線がいっせいに僕へとそそがれる。
怒りと困惑と恐ろしさが混ざり、身の縮む思いだったが、どうにか堪えて前に立つ男を睨んだ。


「お前…あれか、この屑の連れか」

(;^ω^)「お…?」


「この船で……ねえ?」

男はそう言ってじとりと船を見まわす。
そして連れの一人に何かを耳打ちすると、ニヤリと嫌な笑顔を浮かべた。

「なるほどねぇ、怪しげなもんが満載だ……」

なにか嫌な予感がする、やめろ、と心が騒ぐ。
だが、あまりの冷たい空気のまえに僕は身動きがとれずにいた。

「つまりこいつで妙な事をして、あんな大惨事をおこしたってか」

はあ? と、つい声が漏れる、どうしてそうなるのか意味がわからない。
どんだけ莫迦なんだ、頭わるすぎだろうと、僕にとって信憑性のかけらも無い戯言は。


「そうだ、思い出した…こいつ、この船、あの定期船が出航する前に見たぞ!! 」


野次馬からの発言により、まるで真実であるかのように相成った。

(♯^ω^)「それは違うお! この人は学者さんで、調べるために」

どうにか否定しようと叫んでも、僕の声は誰にも届かない。
既に敵の一人として認識されているのだろうか、
まるで存在ごと見ないふりをするかのように、群がる人々は怨念めいた言葉を放つ。


「あ! 俺もだ! 俺もみたぞ!!」

「じゃあマジってことかよ、なんてやつだ…」

「まさに屑だな…」

「そんな奴、はやく房津から追放しろ!」

(li ω )(なんだお、なんなんだおこれは…)

飛び交う罵声、なかには手を叩いてどこか嬉しそうに叫ぶ人も居た。
身体は冷え切って、方向感覚がくるい視界がぐらりとかたむく。
いやだ、この空気はたまらなく嫌だ、僕はこれと似た物を知っている。

あそこからようやく逃れたのに、何故、またしてもこんな思いをしなくちゃいけないんだ?
こんなものを見たくて歩いてきたわけじゃない、僕は…僕等は。

そうして立ち尽くすしかできない僕へと、後ろからかすかに呼ぶ声が届く。
ゆっくりと向きなおすと、見てられないくらい、苦しそうな表情で学者さんは言う。

「ブーンさん……私のことは、放って…はやく、ここから離れて…くださ…」

だからこそ、ぼくはその言葉で熱をとり戻し、我に帰った。

(♯^ω^)「だが断る!! 誰かと似たようなこと言うんじゃねーお!!」

(メメ;"^)「え…?」

(♯^ω^)「やいやいお! おまいらさっきから好き勝手なこと…!!」

「うるせえんだよ!! 荒らし一派が!!」

わきたつ感情に身をまかせ、周囲に呼びかけるように叫ぶ。
すると返ってきたのは、目前の男の蹴り。

(メメ;"^)「ぁ…!!」

痺れるような衝撃に、僕は我ながら情けない声をあげ、鈍い音をたてて桟橋の上に倒れ込む。
ついでに頬を擦りむき、その拍子に砂がくちのなかに入ったのか、舌がざらざらする。
どうも感覚が鈍っていて、あまりはっきりとはしないが、すぐに鉄っぽい味とにおいが充満した。

(メメ;"^)「ブーンさ…ん、だいじょ」

(メ゚ω゚)「うおおーーー!! 親父にも蹴られた事ないのに、だおーーーー!!」

だがしかし、この程度のことでは今の僕は止まらない。
どうして、どいつもこいつもこうなんだ、怒りに似たおもいがあふれて。
すぐさま起き上がり必死の思いで叫ぶと、群がるひとたちがあとずさり、僕は痛みに身を屈めた。

(メつω;)「いっっっ……!!!」ヌオオ・・

口の中切れてるのにそんな事した日にゃ、そりゃ痛い、痛いに決まってるよ。

そんな事をしてる間に、目の前でとんでもない事が行われようとしている。
いったい何処からとり出したのか、男の手には木が握られ、その先端には火が燈っていた。

「へっ……こんな船、燃やしてやる」

そして、それが勢いよく船へと投げられた。

僕は咄嗟にそれを止めようと飛び出したが、別のもう一人に横から殴りつけられ、
またしても桟橋のうえを転がった。

(メ ω )「おっ…ぅぐ」

それも今度は胴体、腹部。

ミシ、と嫌な音がみみのおくに響いて、激しい衝撃に息が止まる。
脈打つような痛みが全身をおそい、掠れた呼吸だけがやけにはっきりと聞こえてくる。

「…お、おい…ちょっとやりすぎだろ…」

「そうよ、いくらなんでも猫相手にそんな…」


「う、うるせえ!! てめえらも同じ目にあいてえのか!?」

<ざわ・・・ ざわ・・・


(メ ω゚)「あ…ぁ…」


悶え苦しむぼくを見て、野次馬達もさすがに頭が冷えたのか、何人かは非難を始めたようだ。
だが、それ所じゃない事が起きているのに気付いて、どうにか立ち上がろうと身体に力を込める。

ふらふらの足でどうにか立ち上がれば、船からはもくもくと煙が立ち昇っている。
どうやらさっき投げ込まれた火が何かに引火したらしい。

(メ;ω;)「う…う、うぅぅ~~ー……っっ」

僕は込み上げてくる感情を抑えきれず、すがりつくように泣いた。
それは痛みだけのせいじゃない、悲しさだけでもない。

ただ、ひたすらに悔しかった。


世界はきっと綺麗なもの。

心のどこかで、僕はそう信じていたんだと思う。
だから、あこがれていた場所がこんな醜い場所だってことが、思ってしまうことが、悔しかった。
はがゆくて、知ってしまう事がなにより辛くて、涙が止まらない。

(メ;ω;)「なんで、なんでだお!! なんで同じ人なのにあんな事ができるんだお!」

他人にわからない想いを相手に伝える事、その手段はちゃんとあるのに。
言葉っていう、素晴らしいものがあるのに。

(メ;ω;)「おかしいお、絶対おかしいお、こんなの……間違ってるお」

にじんでいく視界の中、叫ぶだけ叫んでからうつむき、つよく目を閉じた。
あつい涙が一気にこぼれおちて、鼻をすする。

その時、どこからか悲鳴と、怒声が聞こえてくる。

驚いて目をひらくと。人が奇妙な声を発しながら桟橋の上を転がる。
よく見ればそれは、さっき僕を殴り飛ばした男だった。

(メ;ω;)「…!!」ア・・・ウ

ミ♯゚Д゚彡「そーだ! 世の中狂ってんだよ!! くるってんだよおおおおお!!」

そして、その奥には、息を荒げるフサの姿。
まあ言ってる事の意味はわからないが、とにかく怒っているようだ。

ミ♯゚Д゚彡「ガッシボカだごるぁ!!」

「て、てめえ…っ、誰だ!!」

倒れこんだ男はすぐに立ち上がり、数人を従えてとつぜんの来襲者をにらみつける。

対するフサは、まるで怯むことなく、ぜんしんの毛を逆立て睨みかえす。

ミ♯゚Д゚彡「黙れ!! そして聞け!!」

ミ♯ Д 彡「俺はフサ、ギコ・フッサール! 寒い日の暖房なり!!」

「……なんだって?」

ミ,,゚Д゚彡「うん、つまりね、俺はこう、かってに決め付けて、変な目でみて……こういうのが」


ミ♯゚Д゚彡「虫唾がはしるほど、だいっっ嫌いだごるぁああああああああああ」

「わけのわかんねぇ事ぬかすなあ!!」

あくまでも挑発的な態度のフサに業を煮やしたのか、男はかるく構え、駆けだす。
二人の距離はすぐさまに近づき、男は地を蹴りだす勢いもそのままに殴りかかる。


ミ♯゚Д゚彡「言うならなぁ、せめてちゃんとした理由と証拠くらい用意しやがれ! でなきゃ……」

だがフサは、軽やかな動作でいとも容易くやり過ごすと、
長い毛をなびかせながら背中へまわり、後ろ足でけりつけた。

ミ♯゚Д゚彡「そういうのは!!」

「くっ!?」

男はおもいきり体制を崩し、前へ前へとつまずきながらもどうにか堪え、勢いよく振りかえる。
それを確認すると、フサは手を突き出し、高々と叫んだ。

ミ♯゚Д゚彡「……ただの言いがかりってんだ、覚えとけ!!」

「な、なんだこいつ、よけやが」

ミ♯゚∀゚彡「はっ、バーカバーカ、そんな遅いのくらうわけないじゃあああああああああああん!!」

「舐めやがって…! かまわねえ、こいつもやっちまえ!」



(* ∀ )「あいよー♪」

男が叫び、それに歌うような声が応えたかと思うや否や、男の背中から一斉に飛来する銀色の雨。
それぞれの体をかすめながら、次から次へと包丁が風を切り、一陣の風となって瞬く間に通り過ぎていく。

それは時間にして、一秒にも満たないほどに短い間だった、
だが、空気は凍りつき、呼吸も忘れて立ちすくむ数人の額を冷や汗がつたう。

(*゚∀゚)「だれも動くなよ、でないと……次は当たっちまうぞ?」

ミ;゚Д゚)「……ねえ、それって俺も入ってるの?」

(*゚∀゚)「当然ダロ?」アヒャー

ミ;´д`) ナゼニ ホワーイ

静まりかえった空気の中を、のんきな会話がひびくが、
それとは裏腹につーちゃんの眼光は鋭く、ほんの少しでも動く物あれば、瞬時に視線がおいかけ射抜く。
いざ事が起きれば「油断? これは余裕というんだよ」と言うヴィジョンがみえるようだ。


2_20091226230846.jpg



そんな事をしている間にも、船はとうとう火の手がまわったのか。
立ち昇る煙のなかに赤っぽい光が混ざりはじめると、パチパチと弾ける音が響く。

(; ω゚)「あ…」

僅かな熱気をふくむ、けむったい匂いが鼻腔をくすぐる。
木を燃やしたとき独特の香りは、どこか懐かしく、それを嫌悪する思いすら浮かばなかった。
ふと気付けばフサが隣に立っていて、心配そうに見つめてくる。

いろいろな感情が混ざりあって、僕は自分でもわかるくらい、顔をゆがめて見つめ返す。
フサは僕の頭にぽんと手を置き、倒れる学者さんの側でしゃがみ込んだ。

ミ,,゚Д゚)「事情は…だいたい聞いたよ、だいじょうぶか?」

(メメ;"^)「は…はい…それより、お願いがあります……はやく、船を沖に流してください…」

その発言に戸惑うフサだったけど、学者さんは「こんな所でこれ以上燃えたら危険だ」と伝え。
困った様子で「いいの?」と訪ねれば、つよく頷き、はっきりとその意思を示した。
それだけ確認するとすぐにロープが外され、ゆっくりと船は炎につつまれながら遠のいていく。

ミ,,゚Д゚)「とりあえず場所を変えよう、手当てもしなきゃだから…」

横目にあたりを見回し、フサは学者さんの腕をとって肩にまわし、立ち上がらせる。
その際、すみません、とだけ言った彼の表情は苦痛がうかび、何度も目をつぶっていた。

相当に無理して我慢してるのだろう、それはわかる。
けど、むしろ気になったのは、彼のどこか諦めにも似た冷静さだった。
それはまるで……「こんな事は慣れていますから」とでも言いたげな仕草。

痛々しくて見ていられなかった。

歩き始めた二人を見て、野次馬達はすっと一歩ひいて道をあけると、人ごみに穴を作る。
もの言わぬ彼らが、何を思ってそうしたのかは分からない、分かりたくもなかった。


そうして、大衆の視線にさらされながら進むその背中を、僕は下をむいたまま追いかけた。


……。

……。


(*゚∀゚)「……さて」

3人がその場を去ったのを確認すると、少しほっとした様子でつぶやく。
あんなにあっさりとあの場を離れられたのは、他ならぬつーちゃんがずっと睨みをきかせていたからだ。

「てめえ、こんな真似してただで済むと…」

「おいよせよ、こいつあれだぞ…つー族の」

「るせえ! こんだけ恥かかされて黙ってられるか!!」

張り詰めた緊張からとかれ、ゴロツキ共が言いあう。
もういがみ合った所で何の意味もないが、恐らくプライドが許さないのだろう。
というよりも、最早やけを起こしているというのが近い。

(* ∀ )「てめえら……ナニヲ カンチガイ シテルンダ?」

そこに、冷たい声が走り。

(*゚∀゚)「オレの連れにあんな真似しといてな……ただで済むと思ってやがるのか?」

先とは比べ物にならないほどの、冷たい殺気が放たれ、この場に居た誰もが喉をならす。
そして、握られた得物に描かれた「吉宗」という文字が、ギラリと輝いた。






             ∧∧ 
            ミ*゚∀゚彡 < 鳳炎水凰斬~
             ミ,,,,,,,,,,ミ

         
           蒼季 60節 





あれから僕等は、学者さんが泊まっているとゆう宿へと転がり込んだ。
店主さんとは顔見知りらしく、ボロボロの様子を見てすごく心配してくれて。
くらい思いに囚われていた僕には、それはせめてもの救いだった。

手当てがすむと、学者さんはすぐに眠りについて、とりあえずは一安心。
その後、僕等は店主さんに事情をはなすついでに色々な事を聞かされた。

彼が山崎と呼ばれる一族の人であること。

だが決して彼は悪い人じゃない、ということをだ。

ちなみに、姿を見せなかったショボは、山崎という名に脅えて逃げていたらしい。
何故にホワイと苛立ちをぶつけそうになったが、店主さんが仕方ない事だと僕をなだめた。

店主「山ちゃんは別として、山崎って一族は本当にいけない事をしてきたから」

(;´・ω・`)「中でも酷い話になると、井戸と川に毒を仕込んだ、とか…」

ミ,,゚Д゚彡「…それ、どうなったんだ?」

(;´・ω・`)「さすがに致死性のものじゃ無かったみたいで、おなか壊したりとか、かな…
       でも田畑は全滅、生き物の数も激減したり……あと
       からだの弱いお年寄りや、幼い子は井戸の水を飲んで……それで…」

他にも、暴動を起こしたり、盗みを働いたり等…。
叩けば叩くほど、悪事の歴史が出てくる。

今まで居た場所がいくら隔離されていたとは言え、知らない僕等の方がここでは異端のようだ。
確かにそんな話を聞かされては、イコール式で物を見てしまうのもわかる。
仕方ないと思ってしまう。だからこそ、悲しかった。

そして、陽が沈んで夜も更け、蒼い月がうっすらと周囲を青白く染める頃。
店主さんが「助けてくれたお礼だ」と、部屋を用意してくれた。
これは助かったと、早くも寝る気まんまんで部屋へ向かおうとした時。

一斉に腹の虫が鳴った。

そういえば、今日は朝から何も食べていなかった。

「ははは、よしよし、なんか用意してやろう」

ミ,,゚Д゚彡「わあい」グー

(;*。。)「…」 グー

こうして振舞われたのは流石に港町というべきか、豪華な海の幸。

魚の味も一風かわった物が多い、美味しかったけど。
”貝類”っていうのもあって、そのままかじったら笑われてしまった。
だがそれ以上に、ひとつの問題がある。

ミ,,゚)-゚彡「んぐんが?もごもご?」

(*゚∀゚)「飲み込んでから喋れ」

ミ,,゚Д゚彡「どうしたブーン、あんま食ってないな」

(;^ω^)「えと…」

どうにもこうにも、食べ物を口に含むたびに、切れた口の中がとても痛い。
痛いが、どうにか堪え、お腹を満たすと今度こそ部屋へ。

そこは丸太を組んで立てられたロッジのような一室。思えば、本当に久しぶりのまともな寝床だ。
小さなタンスと、それを挟んでベッドが二つあるだけの殺風景な空間だが、ああ、愛おしい。

今までの旅の疲れに加えて、今日の騒動。
流石に疲れきった体を癒すべく、シーツにくるまると、
僕等はすぐさま倒れるように眠りについたのだった。



……。



まどろみの中で、僕は願う。

これだけ色々な事があったなら、朝になれば、きっと平穏な一節が訪れるだろうと。


もっとも、そんな思いはいとも容易く崩れ去る事になるのだが。

今の僕にそんな事を知るよしもなく、今はすやすや寝息をたてるばかりなのであった。

3_20091226230846.jpg




                                 其の一 → 其のニ





この小説は2008年1月8日から2008年1月9日にかけてニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:iM+voJ7/0 氏(ID:m/8ry6dX0 氏)

第二章、其の二はこちらへどうぞ



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[ 2009/12/26 23:11 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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