スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

( ^ω^)がリプレイするようです Scene 1

はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ





1_20091226200536.jpg


Scene 1:二〇〇七年正月、東京


師走とはよく言ったもので、二〇〇六年最後の月はあっという間に走り去り、すぐに新しい年が訪れた。
本来人々は新たな年の来訪を静かに祝うべきなのであろうが、この東京という街は相変わらず騒がしく、
一度外に繰り出せば平日となんら変わりない喧騒がわが身を包む。

( ,,゚Д゚)「ちっとは休めよ、都会人」

しかし、すれ違う車の波を渡るギコもまた、彼が悪態をついた都会人となんら変わりはなかった。
正月早々から例の「ホームレス連続殺傷事件」の聞き込みをするためにあの公園へと向かう。

走らせた車の中で何気なくつけたラジオからは、
パーソナリティがうれしそうに新年の挨拶をし、そして新春のはがきを紹介していた。


( ,,゚Д゚)「こちとらそんなに浮かれてられないわけですよ。なあ?」

(#゚∀゚)「……」

運転席から同意を求めたギコの助手席には、腕を組みムスッとした表情で前を見続ける部下長岡の姿。
彼は返答として沈黙を返す。機嫌が悪いってレベルじゃねーぞ。
だがしかし、容赦なく飛んでくるギコの鉄拳。

(#)∀;)「ぷるこぎ!!」

前を向いたまま器用に長岡の頬に向けて鉄拳を直撃させたギコ。
頬に走る熱さを冷えた手で触れて冷ましながら、長岡は続けた。

(#゚∀゚)「なんで新年早々聞き込み捜査なんかやんなきゃなんないんスか!?」

( ,,゚Д゚)「バーロー、それが仕事ってもんだ」

( ゚∀゚)「今日は彼女と仲良く部屋でゴロゴロ姫初めする予定だったのに……」

( ,,゚Д゚)「おまえ……ここで死ぬか?」

こめかみにひんやりとした異物を感じ取った長岡は恐る恐るその方向を見た。
視線の先では、こちらをにらみつけたギコが血の涙を流しながら自分に向けて銃を突きつけている。

(;゚∀゚)「ははは……冗談っスよ……ギコさん……とりあえず……落ち着いて」

( ,,゚Д゚)「たまには撃ってやんねーと、銃も自分の役割を忘れちまうよな。オメーみたいに……」


( ;∀;)「いやあああああああああああああああああああああああああああああ」


ギコはためらうことなく引き金を引いた。





( ゚∀゚)「んもー、弾丸入れていないならそうと言ってくださいよ。ギコさんも人が悪い……」

( ,,゚Д゚)「バーロー、貴重な弾丸をお前なんぞのために使えるかよ」

例の公園の前へと車を止め、『バン!』と扉を閉めながら会話を交わす二人。
公園の入り口を見つめながら、長岡は不安そうな表情を作る。

( ゚∀゚)「にしても、正月早々ホームレスの連中は聞き込みに答えてくれますかね?」

( ,,゚Д゚)「そういうときのために土産ってもんがあるんだよ」

そう言うとギコは財布の中から樋口一葉を一人取り出し、長岡に手渡す。

( ,,゚Д゚)「近所のコンビニでありったけの酒を買ってこい。日本酒、焼酎、ビール、なんでもいい」

( ゚∀゚)「了解っス! お釣りはお年玉としてもらっとくっス!!」

( ,,゚Д゚)「寝言は寝て言え」

( ゚∀゚)「そんじゃ、百歩譲ってあんぱん買っていいっスか?」

( ,,゚Д゚)「お前ホントにあんぱん好きだな……。しょうがねぇな、一個だけだぞ?」

( ゚∀゚)「うひゃひゃひゃwwwwwwゴチになりますwwwwwwwww」

一葉を受け取った長岡は、うれしそうに近くのコンビニへと走っていく。
そんな彼の後姿をみて、思い出したかのようにギコが一声かけた。

( ,,゚Д゚)「ちょっと待て」

( ゚∀゚)「なんスか?」

立ち止まり、ギコの方へと振り返った長岡。

( ,,゚Д゚)「領収書、ちゃんと切ってもらってこい」

( ゚∀゚)「うわ……ケチくさ……」

( ,,゚Д゚)「お年玉として鉛玉をお見舞いしてやろうか?」

( ゚∀゚)「うひゃひゃwwwwサーセンwwwwwwwwwww」

構えたギコの銃口に見送られ、長岡は小走りでコンビ二へと向かっていった。



広い公園の隅。
あまり人が通りかからないような薄暗い植え込みの中に彼らの集落はあった。

それぞれの寝床は、どこからか拾ってきたのであろう錆びた鉄骨、
それを支柱にしてブルーシートやらダンボールやらで壁が作られており、
その様相は巨大なテントにも似ていた。

集落で一番大きなテントの中に入れば
粗大ごみとして出されていたのであろう一部に穴の開いただけの快適そうなソファーがあり、
通販で売っているような粗末なベッドの上に薄茶色の汚れた布団が引かれている。

その真ん中に置かれた巨大な木製の机、
それを囲うようにして薄汚い年齢もまばらなホームレス数人が
新年を祝ってか、酒をかっ食らっていた。


2_20091226200536.jpg



その中の一人、ソファーで偉そうにふんぞり返っている彼らの長らしき中年が、
中に入ってきたギコに対しドスの聞いた声を上げる。

<ヽ`∀´>「なんだお前は? 一般人が勝手に入ってくるな二ダー!」

( ,,゚Д゚)「公園とは本来公共の場所で、誰が入ってきてもかまわないはずだが?」

( ><)「あ、二ダーさん! こいつ、荒巻のじじいのことでかぎまわってた刑事なんです!!」

机を囲んで酒を手にしていた連中の一人が、ギコを指差して驚いたように言う。

( ,,゚Д゚)「まあ、そういう訳だ。
     あんたがホームレスの代表かい? いろいろと話を聞きたいんだが」

私服のポケットから出した警察手帳をひらひらと振り、ギコはにやりと声を上げる。

<ヽ`∀´>「さんざんウリらを縛り上げて話を聞きまわっていたくせに、
      まだ聞きたりないと言うのか二ダー?」

( ,,゚Д゚)「そういうこった」

<ヽ`∀´>「お前ら国家の犬に話すことは何もない二ダー! 
      さっさと立ち去らないと、臭い目みる二ダよ!?」

そう言って、ニダニダうるさい男は散らばっていた衣服の中から変色した靴下を一足取り出した。

<ヽ`∀´>「ホルホルホルwwwwwwwwさっさと立ち去らないと、
      千葉の水虫もちのホームレスが一年間はき続けたこの靴下をお見舞いする二ダー」

確かにこれは臭そうだ。
わずかに顔を引きつらせたギコだが、背後からささやかれた男の声にほっと一息ついて、話を続けた。

( ,,゚Д゚)「まあそう言うな。今日は土産を持ってきた」

( ゚∀゚)「そういうことっス」

のれんのようなテントの扉をめくり姿を現した長岡。
彼が両手に抱えている大量の酒とつまみを見て、ホームレス達の顔は一気に変化した。


( ><)「ちゃんぽんじゃないお酒はおいしいんです!」

<ヽ`∀´>「ホルホルホルwwwwwお前たちはいい奴だ二ダー!」


先ほどまでの警戒心はどこへやら。
すっかり柔和な表情になったホームレスの連中は、酒瓶を片手にどんちゃん騒ぎを始めた。
ギコが目の前の光景に半ばあきれていると、隣に座る長岡が小声で語りかけてくる。

( ゚∀゚)「土産作戦、大当たりっスね」

( ,,゚Д゚)「あんまり期待はしていなかったんだがな……まさかここまで効果があるとは……」

通常、ホームレスとは社会の辛酸を存分に舐めてきた人間の集まりであるが故、
その警戒心は一般人に比べ群を抜いて高いものである。

しかしこの連中は例外のようだ。
緩みきった表情。問いかければ余計なことまで話してくれそうだ。
結果オーライという言葉をかみ締めながら、ギコは酔っ払いたち相手に本題を切り出した。


( ,,゚Д゚)「で、内藤……荒巻スカルチノフについていろいろ聞きたいんだが」

<ヽ`∀´>「ホルホルホルwwwww何でも聞いてくれニダー!!」

赤ら顔のニダ男は饒舌に答えた。
ギコはポケットから警察手帳とペンを取り出し、本来の職務遂行の体勢に入る。


( ,,゚Д゚)「とりあえず荒巻の戸籍から、本名が内藤ホライゾンであり、
     出身地は九州、言えはしないが妻と娘の名まではわかっているんだ。
     お前さんたち、荒巻がどういう経緯でホームレスになったか知らないか?」

<ヽ`∀´>「知らん二ダー」


( ,,゚Д゚)「そうか。じゃあ、どんなことでもいい。彼の過去について何か知らないか?」

<ヽ`∀´>「知らん二ダー」


( ,,゚Д゚)「……では、彼がどういう方法で生計を立てていたかわかるか?」

<ヽ`∀´>「ゴミを拾ったり鉄くずを拾って売ってたみたいだ二ダー。
      それ以外は知らん二ダー」


ニダニダ男の答えは「知らん」の一辺倒。
酔っているのだろうか? とにかくこいつはダメだ。
ギコは怒りで震える指先を手帳で隠しつつ、精一杯に平静を装い、別のホームレスに話を聞く。


( ,,゚Д゚)「……では、お前さん。なんでもいい。荒巻について何か知らないか?」

( ><)「知らないんです!!」


ギコは握ったペンをボキリと折ると、目の前の男の胸倉をつかみ、その眉間に銃を突きつけた。


( ,,゚Д゚)「てめぇ……俺様からの土産受け取っておいて『知らない』はねーだろ……」

(;><)「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

( ,,゚Д゚)「……俺様が何のために樋口一葉を手放したかわかってんのか?
     オメーらと宴会するためじゃねーんだよゴルァ!!」


叫ぶギコ。おびえるホームレスたち。
その様子を見て腹を抱えて笑っている長岡。

( ,,゚Д゚)「おら、吐けや。俺が理性を失わないうちにな」

(;><)「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

( ゚∀゚)「うひゃひゃひゃwwwwwwギコさん最高wwwwwwwwwww」   

<;ヽ`∀´>「ま、待つニダー! 本当に知らないんだ二ダー!!」

ニダニダニダ男の必死の叫びに、突きつけた銃をおろしたギコ。
銃の恐怖から開放されたホームレスはヘナヘナと地面にへたり込む。

隣で長岡が『銃を突きつけられた気分ってどうだった?』
なんて聞きながらへたり込んだ男をツンツンとつついていると、ニダニダニダニダ男が話を続ける。

<;ヽ`∀´>「荒巻のじじいはほとんど何も話さない無口な男だったんだ二ダー!
       たまに酒の席に現れても、黙って飲んで帰るような男だったんだ二ダー!!」

ニダ×5男は必死な表情で弁解を続ける。
その様子を見て『どうやら嘘はついていないらしい』と判断したギコは
黙って立ち上がると、長岡に一声かけてテントから出ようとする。

そんな彼に向けて、隅っこでちまちまと酒を飲んでいたホームレスの言葉が投げかけられた。



(-_-)「……僕、一度だけ荒巻さんの昔話聞いたことがあるよ」


周囲の視線がいっせいに彼に集まる。

集束された眼光に一瞬ひるんだ様子の彼であったが、
ギコと長岡が座りなおすとポツリポツリと話を始めた。

(-_-)「僕がホームレスになったばかりで、
    まだみんなに馴染めなくて一人だった頃、
    荒巻さんがお酒を片手に話しかけてきてくれたんだ」

話しながら思い出し笑いを浮かべる男。表情には微かな喜びが宿っている。
荒巻との会話は、その時の彼にとって余程嬉しい出来事だったのだろう。

(-_-)「荒巻さんは僕の愚痴を黙って聞いてくれた。
    そのときの彼はすごく優しい顔をしていたなぁ。なんだかお父さんみたいだったよ。
    あとあと接してみて本当に無口な人だってわかったんだけど、
    僕は荒巻さんが好きだったなぁ」

( ゚∀゚)「ギコさんと似たタイプの男だったんスね。
     普段はツンツンしているけど、本当はやさしい男、みたいな?」

( ,,゚Д゚)「黙れ」

いつもの拳骨が長岡の頭上に落ちた。舌を噛んだようで長岡は口を両手で押さえて悶え苦しんでいる。
その様子を見て怯えた表情を見せる男であったが、ギコは『気にするな』と一声かけて続けるように促す。

(;-_-)「……で、その時に話してくれたことなんだけど、
    荒巻さん、どうやら硫黄島戦の生き残りだったらしいんだ」

( ,,゚Д゚)「……ほう」


『硫黄島戦』


その言葉に、折れた(正確には折った)ペンを握るギコの指先がわずかに動いた。

(-_-)「だいぶ酔っていたから詳しいことは聞き取れなかったけど、
    ドクオって人の名前をつぶやいて、『すまない…すまない…』って
    泣きながら何度も謝っていたよ」

その出来事を思い出してか、沈んだ表情を見せる男。もともと暗い表情なのでその変化はわずかだが。

( ,,゚Д゚)「……他に何か言っていなかったか?」

(-_-)「そのあともいろいろ言っていたけど、
    すごく酔っていて呂律が回っていなかったし、僕も結構酔っていたから覚えていないなぁ」

( ,,゚Д゚)「そうか……ありがとう」

地面と仲良しの長岡の首根っこをつかむと、
ギコは立ち上がり、財布から樋口一葉を一人取り出す。

( ,,゚Д゚)「新年早々、邪魔してすまなかったな。これでうまいもんでも食ってくれ」

<ヽ`∀´>「ホルホルホルwwwwwwこれはすまない二ダー!」

( ><)「わーい、酒が飲める飲めるぞー、酒が飲めるぞー♪ なんです!」


はしゃぐホームレス達の姿にわずかに表情を緩めると、
ギコは長岡を引きずってテントの外に出た。
見上げた空には太陽が天高く昇っており、木枯らしが吹く街を温かく照らしている。


( ,,゚Д゚)「硫黄島……か」

とりあえずの手がかりはつかんだ。
防衛省に問い合わせて旧日本軍の資料を閲覧すれば、内藤の、
そして、ドクオとかいう男の詳細もわかるであろう。

これからの行動について思考をめぐらすギコ。

頬を刺すような風に吹かれていると、背後から声を投げかけられた。


(-_-)「……すみません」

振り返ると、そこに立っていたのは話をしてくれた先ほどのホームレスの男。
おどおどとした彼のしぐさを不審に思ったギコは、先に口を開いた。

( ,,゚Д゚)「どうした? 何か思い出したのか?」

(-_-)「いや、そうじゃないんだけど……」

そう言って、男はギコの手に何かを握らせた。

( ,,゚Д゚)「……これは?」

(-_-)「荒巻さんがよく飲んでいたお酒です。
    もし良かったら……僕のかわりにそれを彼の墓前に供えてあげてください」

小さく言って一礼すると、男はテントの中へ戻っていった。

手渡されたのは安物のカップ酒。
これを買う金を工面するのでさえ、ホームレスの彼にとっては
おそらく厳しいことだったのであろう。

彼がどれほど荒巻を好いていたのか。

手渡されたカップ酒の重さから、ギコにはそれが十分に伝わった。


( ,,゚Д゚)「内藤さんよぉ……なんであんた、死にたかったんだ?」

3_20091226200536.jpg



初春の空を見上げつぶやいたギコ。
青く晴れ渡った空。今年はいい年になりそうだ。

思いの詰まったカップ酒を片手に、彼は長岡を引きずりながら
路駐している自分の車へと向かった。





この小説は1944年12月某日から2007年3月某日にかけて時の狭間で記録されたものです
作者は78 ◆pSbwFYBhoY 氏
Scene 2 はこちらへどうぞ

記事元はオムライスさんになります



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/26 20:07 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿


更新は止まっていますがコメントはご自由にどうぞ
修正・削除依頼等、何かしらの連絡はコメントもしくはメルフォよりお願いします
拍手だと高確率で長期間気づきません

スパム対策のため"http"と"@"を禁止ワードに設定しています
URLを書き込む際は"h"を抜いて投稿してください













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/tb.php/2721-e2927a92


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。