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lw´‐ _‐ノv彼女に見えるは赤ばかりのようです(ФωФ )


553 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 02:51:25.64 ID:j1WUlcOWO

おかあさんが言った。

('、`*川「きっと良くなるわ」

おとうさんが言った。

( ゚д゚ )「そうだ、退院したら遊園地にいこう」

お医者さんが言った。

( ・∀・)「また外で元気に遊べるようになるよ」

みんな胸に真っ赤な花を咲かせていた。
だから私は良くならないし、退院出来ないし、外で元気に遊べない。

私の周りはいつも白と赤ばかり。
何度も病院を変わったけど、それは変わらなかった。

(# ФωФ)「貴様の病気は絶対に治る!我輩が保証してやるから、馬鹿な事は言うな!!」

なのにどうしてこのお兄さんの花は青いんだろう?



554 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 02:52:09.54 ID:j1WUlcOWO


lw´‐ _‐ノv彼女に見えるは赤ばかりのようです(ФωФ )




555 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 02:53:12.92 ID:j1WUlcOWO

カチカチカチ

秒針が時を刻む。
計画実行までもう一分を切った。
その時を今か今かと待ち構えていると、我等がリーダー兄者の言葉を思い出す。

─────…

( ´_ゝ`)「これは復讐であり、抗議だ。大切な者を奪った政府への。大切な者を奪おうとする政府への」

( ´_ゝ`)「だが患者は傷つけるな。勿論看護士も、医者もだ。我々はテロリストではない」

( ´_ゝ`)「我々の受けた悲しみや恐怖を他の誰かにまで与えてはならない…」

─────…



556 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 02:54:08.91 ID:j1WUlcOWO

四時三十分。

( ФωФ)「時間だ」

遠くでした乾いた音を聴き、懐から取り出した拳銃を、病室へ突入すると同時に突きつける。

(# ФωФ)「手をあげろ!」

lw´‐ _‐ノv「なら米をくれ!」

(# ФωФ)「それぐらい幾らでも─って何でやねん!」

思わずのりつっこみを返しながら病室内に目を走らす。
大部屋であるはずのそこに居たのは、十にも満たぬ少女一人。
残りのベッドは全て空だった。



557 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 02:55:44.28 ID:j1WUlcOWO

( ФωФ)「重病患者の部屋だと聞いていたが…まさかあの一瞬で隠れたと?」

lw´‐ _‐ノv「違うよ」

ベッドに横たわったままの少女が否定する。

lw´‐ _‐ノv「今日三人いっぺんに連れていかれたから、まだ届いてないだけ。明日にはまた新しいのが来るよ」

( ФωФ)「患者がであるか?」

尋ねながら扉の鍵を閉める。
隠れられそうな場所は無いが、念のためベットを一つ一つ確認していく。

lw´‐ _‐ノv「違うよ」

また少女は否定する。

lw´‐ _‐ノv「お金の詰まった肉袋、だよ」

瞬間、背筋を得体の知れない何かが駆け上がった。
ぞわぞわと背筋が粟立つ。



558 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 02:56:43.21 ID:j1WUlcOWO

lw´‐ _‐ノv「此処は冷蔵庫だよ。パーツが腐らないように、使えるようになるまで置いておく為の冷蔵庫だよ。一週間かかるんでしょ?」

( ФωФ)「…」

嗚呼、そうか此処は。

( ФωФ)「臓器安置室…か」



559 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 02:57:38.42 ID:j1WUlcOWO

5年前、VIP国ではある一つの法案が可決された。
その名も臓器提供義務化法案。
その内容は読んで字のごとく。
脳死判定を受けて一週間が経った患者は、その年齢に関わらず必ず臓器提供をしなければならないという法律だ。
本人が脳死前にどれだけ拒否しようが、家族が認めなかろうが全く関係無く臓器は摘出され"有効活用"される。

では何故彼女が此処に…?

( ´_ゝ`)『あー、あーマイクテスト、マイクテスト』

2つノイズが聞こえたかと思うと、兄者の声が病室内に響いた。



560 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 02:58:27.92 ID:j1WUlcOWO

( ´_ゝ`)『突然の事で皆さん驚かれた事でしょう。我々は臓器提供義務化法撤廃運動をしているものです』

( ´_ゝ`)『今まで幾度も働きかけてきましたが、政府は話し合いの場さえ持とうとしません。その為、この病院を人質に取らせて頂きました』

( ´_ゝ`)『大人しくしていて貰えるなら、危害を加えるつもりはありません。いつもどおりナースコールも押して下さい。…まぁ、その場合我々の内誰か一人が付き添いますが』

( ´_ゝ`)『詳しい事は部屋に居るメンバーに聞いて下さい。では』

( ´_ゝ`)『ああそうそう。言い忘れていましたが、我々は皆戦闘訓練を受けています。馬鹿な真似はなさらぬように』

ぶつん

ノイズが、始まりと同様に終わりを示す。



561 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 02:59:11.96 ID:j1WUlcOWO

( ФωФ)「…何か聞きたい事は」

lw´‐ _‐ノv「お兄さんのスリーサイズ」

(; ФωФ)「そんなもん聞いてどうする」

lw´‐ _‐ノv「聞きたい事はって言うからだよ」

(; ФωФ)「もっと意味の有る事を聞けんのか」

lw´‐ _‐ノv「何聞いたって意味ないよ。…どうせ死ぬのに」

(# ФωФ)「ばっ」

一瞬息がつまった。
娘は濁った目で宙を見ている。



562 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 03:01:57.73 ID:j1WUlcOWO

lw´‐ _‐ノv「脳細胞が死滅していく病気なんだって。どうせ私も直ぐに死ぬからって此処に入れられたよ」

lw´‐ _‐ノv「死ぬなら早く死にたい。お金の無駄だよ。お母さんとお父さんだってそう思って(# ФωФ)「馬鹿たれ!!」

思わず怒鳴った。
体の中で熱がぐるぐると渦を巻く。

(# ФωФ)「何処の世界に娘の死を願う親が居る!居る訳なかろう!?そんな暗い事ばかり考えとるから病気が治らんのだ!!」

lw´‐ _‐ノv「考えても考えなくても治らないよ。本当の事だし」

(# ФωФ)「だからそういう事を言うなと…」

lw´‐ _‐ノv「何度でも言うよ。嘘は言ってないから。大体他人ごとなのに何でそんなに熱くなるの?」

(# ФωФ)「他人ごとではないからだ!」



563 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 03:04:03.44 ID:j1WUlcOWO

lw´‐ _‐ノv「……」

娘ははたと黙った。
それから手元に握っていたのだろうリモコンを操作して、電動ベッドの背を起こす。
虚ろな視線が我輩の胸元に注がれた。

lw´‐ _‐ノv「どう、他人ごとじゃないの?」

全てを見透かすような、気持ちの悪い視線だった。



564 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 03:05:07.48 ID:j1WUlcOWO

( ФωФ)「…我輩の妹達もお主と同じ病気だ。一人は一年前に殺された。もう一人も入院中で、いつ脳死状態になるか解らん」

lw´‐ _‐ノv「お気の毒」

( ФωФ)「誰もがそう言う。だが我輩は信じているのだ。妹の病気は必ず治ると」

lw´‐ _‐ノv「一人目は駄目だったのに?」

( ФωФ)「あの時の我輩は100%クールを信じてやれんかった。何処かで諦めていた」

心から信じていれば何か違ったのではないか。
もっとやれる事が有ったのでは。
尽きる事の無い後悔が、いつも我輩を責める。

( ФωФ)「だから信じろ!」

(# ФωФ)「貴様の病気は絶対に治る!我輩が保証してやるから、馬鹿な事は言うな!!」



565 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 03:05:58.03 ID:j1WUlcOWO

我輩の言葉を最後に沈黙が落ちる。
言いたい事は全部言った。
どうなるかは我輩には解らない。
知っているのはこの少女だけ。
我輩は大人しく彼女の言葉を待つ。
まだ馬鹿な事を言うようなら延々と説き伏せるつもり─

lw´‐ _‐ノv「のりまき一人前」

だったのだが、これは予想外だ。
のりまき。
何故そこでのりまき。

(; ФωФ)「我輩の話を聞いとったか?」

lw´‐ _‐ノv「うん」

(; ФωФ)「では何故…」

lw´‐ _‐ノv「お兄さん杉浦寿司の大将でしょ?花寿司で有名な」

(; ФωФ)「如何にもそうだが」



566 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 03:06:57.71 ID:j1WUlcOWO

彼女が何を言いたいのかサッパリ解らない。
首を傾げていると少女はさらに言葉を重ねた。

lw´‐ _‐ノv「だから作って欲しいんだよ。私が退院して、ちゃんとご飯を食べられるようになったら」

( ФωФ)「それは…」

lw´‐ _‐ノv「お兄さんの花は青いから信じてみるよ。青色なんて久しぶりだよ」

( ФωФ)「おお…!」

青色の花が何の事かは解らないが、どうやら前向きになってくれたらしい事は解る。

(* ФωФ)「幾らでも作っててやろう!花でも鶴でも( ^ω^)でも!お主の顔をモチーフにしても良いぞ!」

lw´‐ _‐ノv「じゃあ指切り」

( ФωФ)「うむ」

ベッドからほんの少し上げられた手を支え、少女の小指と自分の小指を絡める。

lw´‐ _‐ノv「「ゆびきりげんまん。うそついたらはりせんぼんのーます」」(ФωФ )



567 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 03:07:48.46 ID:j1WUlcOWO

lw´*‐ _‐ノv「ゆびきった」

そう言って少女は初めての笑みを見せた。
目尻が少し下がる程度のほんの微かな、けれどとても可愛らしい笑顔だった。

lw´‐ _‐ノv「お兄さんこの後の御予定は?」

( ФωФ)「弟者…さっきの放送の奴の弟である。あ奴から連絡があるまでは暫く此処で待機だ」

lw´‐ _‐ノv「という事はお暇?」

( ФωФ)「暇では無い。戦場では常に気を抜いてはならんと言われておる」

lw´‐ _‐ノv「つまりお暇なんだね。お話しようよ」

(; ФωФ)「お主本当に人の話を聞かんな」

lw´‐ _‐ノv「短い人生、好きなように生きるべきだよ」

(; ФωФ)「達観し過ぎである。…まぁ話をする位なら構わんか」

lw´‐ _‐ノv「じゃあ早速スリーサイズを…」

(; ФωФ)「そこから離れんか」



568 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 03:08:39.86 ID:j1WUlcOWO

シュール、と名乗った娘は驚く程聡く、呆れる程おかしくてどれだけ話していても飽きる事はなかった。
時折休憩を挟みながら、酢飯に使う米の銘柄から世界情勢まで、訳の解らん位山のように話をした。
そんな中

lw´‐ _‐ノv「優しい変なお兄さん。お兄さんには私の秘密を教えてあげるよ」

そう、シュールが切り出した時だった。


ガシャン


( ФωФ)「っ!?」

突如割れた窓ガラスと、それと同時に流れ込んでくる煙。
慌てて銃を構えるが、煙で視界が塞がれる中、流れ弾がシュールに当たるかもしれないと思うと引き金を引く事が出来ない。

( ;ФωФ)「っ」

足音は複数。
こうなっては大人しく投降するしか



569 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 03:09:48.72 ID:j1WUlcOWO












パンッ



572 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[さるった]:2009/10/31(土) 04:00:40.24 ID:j1WUlcOWO

─────
煙が晴れた。
真っ黒な服を着た人が三人、優しい変なお兄さんを見下ろしていた。
あの黒い服は確か軍人さんの服だ。

( ゚∋゚)「念の為確認しておけ」

( ^Д^) 「了解」

<ヽ`∀´>「了解ニダ」

怖い顔をしたおじさんに言われて、黒い服のお兄さん達は病室中を見て回った。
ベッドの下を覗いたり、戸棚を開けてみたり。

<ヽ`∀´> 「問題ありませんニダ」

( ^Д^) 「こちらもです」

( ゚∋゚)「お嬢ちゃん、此処に居た悪い人は一人だけかな?」

おじさんが顔をのぞき込んでくるけれど無視をした。
このお兄さんが悪い人じゃなかった事を私は知っている。
変だけれど、優しいお兄さんだった。
だから無視をした。



573 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[さるった]:2009/10/31(土) 04:02:04.46 ID:j1WUlcOWO

( ゚∋゚)「…まぁいい」

おじさんは私から顔を離すと、レシーバーを取り出して何処かに連絡を取り始めた。

( ゚∋゚)「制圧、処理共に完了。目標の無事を確認」

その間も優しい変なお兄さんは動かない。
ぴくりとも動かない。
胸に咲いているのは真っ赤な花で、青なんて何処にも見当たらない。
やっぱり、私の周りには赤しか無いんだ。



574 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 04:04:56.09 ID:j1WUlcOWO

ああ、何だか眠たくなってきた。
目の前は霞むし、黒い人達が話しているのもぼんやりとしか聞こえない。
体を動かそうとするのも億劫だ。

眠ろう、眠ろう。
きっともう目は覚めないけれど。
二度と青には出会えないだろうからどうでもいいや。

お兄さんのうそつき。



575 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 04:09:34.79 ID:j1WUlcOWO

>>553-569、>>572-574
以上で終了です

深夜はさるると解っていても完成したら投下したくなった
でもまさか一時間近くさるり続けるとは思わなかった今では反省している
お題は
・病院占拠
・真っ赤な嘘
・のりまき
でした
深夜にもかかわらず支援ありがとうございました

いずれ兄者側の話も書く予定です
その時はスレ立てしますのでよろしくお願い致します







―――――以下、補足的レス抽出―――――

576 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 04:09:44.76 ID:5sEdTG3JP

あんまり関係ないけど、そんな義務で提供された臓器を移植されて生き延びるってのはどんな気持ちなんだろう



577 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 04:28:56.36 ID:j1WUlcOWO

>>576
現在の臓器移植関連ニュースを見る限り大して気にしないのではないかと思ってしまいます
そもそもそんな事を気にする人が臓器移植なんて受けないだろうとか

見た瞬間ピンと来たのでその疑問使わせて頂くかもしれません



578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 04:40:38.79 ID:U2ILvwMm0

疑問点

・描写から判断するに移植用臓器の供給数が
現在よりもずっと多い気がするので

>lw´‐ _‐ノv「お金の詰まった肉袋、だよ」

この話の世界では臓器はそんなに金額は高くないのでは?

・「死」ではなく「脳死」になる病気=脳の病気で臓器には影響なし?
そうすると脳→キャラの思考力・精神状態も
ただの不健康・不治の病とは違ってくるのでは?



579 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 05:02:04.40 ID:j1WUlcOWO

>>578
臓器は無料提供です
ただ、手術費用は現在よりマシとはいえ莫大なので"病院にとって"シュールのような患者はお金の詰まった肉袋なのです

普通なら発狂してもおかしくないと思いますが、シュールが子供の癖に老け過ぎた考えをしているせいと、
感情を司る部分も少しずつ死んでいっているので、感情の起伏が緩やかになっていっているせいで落ち着いています

シュールは最後まで割としっかり自分という物を持っていましたが、患者の中には辛うじて時折声を発する程度、という人も居ます



580 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 05:03:56.61 ID:U2ILvwMm0

いや発狂よりも認知症みたくならね?
臓器健康で脳だけ病気なんだし



588 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/31(土) 05:23:09.29 ID:j1WUlcOWO

>>580
それもそうですね
考え不足だったようです
脳みその事だから何が起こるか解らない
シュールは非常に珍しいパターンという事でどうか一つ大目に…ダメですよね
申し訳ありません
出直してきます



[ 2009/10/31 21:48 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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