スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

(,,゚Д゚)掘っても掘っても…のようです


476 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/30(金) 13:17:08.46 ID:x6MMbzaG0

(,,゚Д゚)掘っても掘っても…のようです



ある村に、青年がいた。名をギコと言う。歳は16を過ぎたばかりである。

(,,゚Д゚)「さっ、今日も働きに出るぜっと」

ギコの所属する村では、14を過ぎた子供は「労働」で村に奉仕することが義務付けられていた。井戸堀や開墾など、必要な仕事は全て村の若者の手に委ねられていた。
ちょうど今日も、村長の荒巻が「村の外れで鉱物が採掘された」との情報を得たらしく、荒巻の指示のもと村の若者が採掘に出向かおうとしていた。

ギコもいざ向かおうと家を出たその時、木製の車椅子をキコキコと操る親友に呼び止められた。

( ・∀・)「ギコ、今日も仕事かい?」

(,,゚Д゚)「おう、ちょっと村の外れに行ってくる。何でもキラキラした物が採れるらしいぜ」

( ・∀・)「鉱物を採りに行くのか…。ちょっと待って、僕も付いていくよ」

(;゚Д゚)「おまっ…車椅子は危ないんじゃないか?」

( ・∀・)「大丈夫大丈夫、それに僕だけが働かないわけにはいかないだろう?」



477 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/30(金) 13:19:31.56 ID:x6MMbzaG0

ギコの昔からの親友であるモララーは、幼くして両親を不慮の事故で亡くし、ギコと出会うまでは天涯孤独の身を味わってきた。
さらに不幸なことに、当のモララーも数年前植物採集中に、崖から足を滑らせ転落してしまい左右の足が不自由になってしまったのだ。
それ以降肉体を伴う労働ができなくなってしまったため、今は木で作った車椅子を使ってギコのサポート役に徹している。
元々頭の回転が速いため、ギコはモララーを尊敬していた。村人もモララーには一目置いているようだった。

(,,゚Д゚)「んじゃ、いくべー!」

478 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/30(金) 13:22:37.90 ID:x6MMbzaG0
労働は、ギコにとってごく当たり前のことだった。この村では、14を過ぎると村民全員が労働を始める。モララーのような例外はいるが、いずれにしても労働こそが自分の生きる道なんだと信じて疑わなかった。
なぜなら、ギコにはモララーを始め、多くの親友がいる。同じ村の住民として共に働き、共に釜の飯を食う。仲間と一緒だからこそ、ギコは生きていける気がする、楽しんでいけそうな気がする、そう感じていたのだ。

(;゚Д゚)「うわ、もうたくさん掘り始めてるな」

村長、荒巻が指示した村の外れには既にたくさんの仲間がいた。すでにいくつか大きな穴が掘られているようだ。
ギコは早速シャベルを手に取り、穴を掘り始めた。

(;゚Д゚)「ふう、ふう…。掘っても掘っても砂ばっかりだな…」

( ・∀・)「頑張れよー」

・ ・ ・ ・ ・

・ ・ ・



479 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/30(金) 13:26:12.73 ID:x6MMbzaG0

もう5mは掘っただろうか。未だに鉱物らしい物は見当たらない。
一方、モララーは穴の上で手を顔に当てて何かを考えていた。すると急に何か閃いたらしく、車椅子を穴に詰め寄らせて底にいるギコを見下ろすと、

(,,゚Д゚)「モララー? どうしたんだ? あんま穴に近づくと危ないぞ」

( ・∀・)「いや、ちょっと思いついたんだ。 穴の土を見てみろ」

言われるがままに穴の周囲の土を見回してみる。掘っている時は気づきもしなかったが、よく見ると土の色が上下で多少変化していることに気がついた。

( ・∀・)「これは「チソウ」って言ってな、時代ごとに異なった土が積もるから色が違うんだ。しかも、このチソウの線は斜めになっているだろう?」

(,,゚Д゚)「確かにそうだが、これが鉱物とどう関係があるんだ?」

( ・∀・)「僕の推測だと、鉱物はより深くのチソウに埋まってる。だから深いチソウを掘るために、穴をチソウの線と90度の向きになるように掘っていけば良いんだよ」

(,,゚Д゚)「お…おお! なるほど、わかった!」

正直、ギコにはモララーの説明が半分も理解できなかったが、ギコはモララーを信じて指示通りに穴を掘り進めた。
途中モララーが穴の上から握り飯を放ってくれ、元気も出た。時折穴の上から「無理すんなよ」と声も掛けてくれた。ギコは親友の言葉によって、一層穴掘りに精を出すことができた。
日が沈む直前、ギコの掘った穴はついに鉱物の元へと辿り着いた。



480 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/30(金) 13:30:24.33 ID:x6MMbzaG0

(メ゚Д゚)「カンパーイ!」

「「カンパーイ!!」」

その夜、ギコ達は祝杯を上げた。
ギコを始め多くの若者が成果を上げ、鉱物を村に持ち帰った。それを受け取った荒巻は彼らを称えるべく、盛大な祝賀会を催した。

(メ゚Д゚)「いやあ、今日は最高の収穫だな!!」

(メ ゚∀゚)「酒うめえwwwww」

(メ><)「なんか凄く達成感を感じるんです!」

ギコは泥だらけになった仲間達と共に達成の喜びに酔いしれていたが、ふと大事なことに気がついた。

(メ゚Д゚)「あれ?モララーはどこだ?」

(メ ゚∀゚)「あ、そういやいねーなー」

(メ><)「モララー君は村長さんと話し合いをしてるみたいなんです!」

今日の成功はモララーの妙案なくして達成できなかった。ギコを始め、皆がモララーに感謝していた。
ギコはせめて食事だけはと思い、テーブルに並んでいる食べ物を入れ物に詰め、無二の親友の喜ぶ顔を想像しつつ村長の家に向かったのだった。



481 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/30(金) 13:33:53.03 ID:x6MMbzaG0

村一番の大きさを誇る家屋。
明かりもなく暗澹とした一室には、長い髭を持て余すように蓄えた村長荒巻の姿と、向かって直立するモララーの姿があった。
いつも肌身離さず愛用している木製の車椅子は、そこにはない。まるでそんなもの必要ないと言わんばかりに。

/ ,' 3 「…で、どうじゃ。そろそろ『奴等』の行動心理は掴めたか?」

( ・∀・)「ええ。偉そうにしないで煽てておけば人って案外簡単に飼い慣らせるものですね」

/ ,' 3 「その通りじゃ」

荒巻が満足気に頷くと、机に置いてある沢山の硬貨に手を差し伸べる。
それは、今日ギコ達が汗水を垂らして採掘した鉱物を換金したものだった。

/ ,' 3「操る者と操られる者。両者は共に人間であるのは変わりないんじゃが、そこには決して覆すことのできない不条理と矛盾がある。それに『気づかぬ』者の、なんと愚弄に操られることか…」

( ・∀・)「ま、そんな彼らが存在するからこその我々なんですけどね」



482 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/30(金) 13:36:47.90 ID:x6MMbzaG0

/ ,' 3 「うむ。それと…そろそろお前の、将来の協力者が必要なんじゃないか?」

( ・∀・)「そうですね…。プギャーなんかどうでしょう? アイツも頭は良いですから、いい加減『気づいた』みたいですし」

/ ,' 3「そうか、それじゃあ奴にも説明して山際の崖に赴かせる口実をやるとするかな」

するとモララーはわざと慌てる仕草を見せ、荒巻を制する。

( ・∀・)「いやいや、同じ事件が2度もあったら変でしょう。彼は…そうだな、松葉づえくらいでいいんじゃないでしょうか?」

/ ,' 3「それもそうじゃの。…しかし、つくづくお前は優秀じゃ。ワシの孫もお前のようだったら少しは…」

( ・∀・)「…! …誰か来たようです」

モララーは扉の方に向かい、耳を顰める。
すると、日頃聞きなれた「親友」の声が聞こえてきた。



483 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/30(金) 13:39:14.14 ID:x6MMbzaG0

『モララー! 食い物持ってきたぜ! 食えよー!』

( ・∀・)「おやおや、噂をすれば何とやら…ですね」

/ ,' 3「それじゃほれ、新しい車椅子でもやろう」

( ・∀・)「まったく…。僕がもう少し世間の評判を取ったら、貴方の地位を戴けるんですがね」

/ ,' 3「ほっほっほ、老いぼれでもワシャまだ死なんよ。ましてやこんな大金の前でな」

もちろん村の為に使う金くらいは取っておくさ、と荒巻は付け加えると、すぐに醜悪じみた笑い声が部屋中に響き渡った。モララーはめんどくさそうに車椅子に乗り込む。そして、恐らく自分を讃えて止まないであろう「親友」の期待に添えるべく、彼…彼らの元へ向かった。
一人残った荒巻は、これ以上にない満足感を体現するかのようにゆっくりとソファーに腰を掛けた。

/ ,' 3「やはり…あの家の息子は当たりじゃった。アイツがこの村の長になった翌日からも村は安泰、ワシも安泰。誰が文句を付けられようかのぉ」







お題:掘っても掘っても砂ばかり

[ 2009/10/30 15:23 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿


更新は止まっていますがコメントはご自由にどうぞ
修正・削除依頼等、何かしらの連絡はコメントもしくはメルフォよりお願いします
拍手だと高確率で長期間気づきません

スパム対策のため"http"と"@"を禁止ワードに設定しています
URLを書き込む際は"h"を抜いて投稿してください













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/tb.php/2711-b19d83ed


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。