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(´<_` )ころすようです( ´_ゝ`)


98 :(´<_` )ころすようです( ´_ゝ`)[]:2009/10/27(火) 02:57:14.91 ID:y7x7wk4DO

ざらりと空に広げられた黒い翼は鱗のようだった。

なんともまぁこのくにの人間は、この世界の人間は、自分勝手だな。
こんなに大きな翼がにんまり、闇夜の中で半月状にくちを歪ませ笑っているのに。

だぁれもだぁれも気付きやしないのだ。

だぁれもだぁれも窓のそとにひろがる、自分以外の世界に関心を持たないのだ。

静まりかえった世界の中。
窓の明かりは点々と。

つばさの立てた風を受け、がらん、ごろん、教会の鐘が鳴る。



100 :(´<_` )ころすようです( ´_ゝ`)[]:2009/10/27(火) 03:00:26.09 ID:y7x7wk4DO

( ´_ゝ`)「さて、はやく、すませようか」

ばさり、ばさり。
ゆっくりゆっくり開いて閉じて。
はねの具合を確かめるように、ゆっくりゆっくり開いて閉じて。
闇の中にぽっかり開いた二つのやみ。
寝静まった世界にくろい雪を降らせる。

うすい微笑みを湛えながら、冷たい眼差しで世界を見下ろす一つのやみと。
ぽろぽろと濁ったなみだを流して世界から目を背ける一つのやみと。

二つのやみが、世界が死ぬのを、じっと待っていた。



101 :(´<_` )ころすようです( ´_ゝ`)[]:2009/10/27(火) 03:03:57.59 ID:y7x7wk4DO

( ´_ゝ`)「なぁ、おとうとよ」

( ´_ゝ`)「お前は、お前は世界が死ぬのを悲しむという」

( ´_ゝ`)「なぁ、おとうとよ」

( ´_ゝ`)「俺にはまったくわからぬのだ」

( ´_ゝ`)「その感覚が、その悲しみが、そのなみだの意味が」

( ´_ゝ`)「なぜ俺達がこんな世界を生かさねばならぬのだ?」

くろい雪はざんざん、ざらざら降ってくる。
冷たく冷たく世界を呑みこみ、冷たく冷たく世界を殺す。

ざんざん、ざらざら。



104 :(´<_` )ころすようです( ´_ゝ`)[]:2009/10/27(火) 03:06:49.39 ID:y7x7wk4DO

(´<_` )「なぁ、あにうえよ」

(´<_` )「あんたは、あんたは世界を殺すのを厭わないという」

(´<_` )「なぁ、あにうえよ」

(´<_` )「オレにはまったくわからないのだ」

(´<_` )「その心情が、その眼差しが、その微笑みの意味が」

(´<_` )「なぜオレ達はこの世界を殺さねばならないのだ?」

くろい雪は残酷に降っていく。
不平等な世界に、平等な冷たさを与えていく。

ざんざん、ざらざら。



107 :(´<_` )ころすようです( ´_ゝ`)[みーライオンってなんだ…]:2009/10/27(火) 03:17:37.74 ID:y7x7wk4DO

(´<_` )「さよなら」

おとうとはちいさくつぶやく。
あには眉を顰めて、それでもその言葉を咎めない。

(´<_` )「さよなら、世界よ」

(´<_` )「この世界は、この世界は」
(´<_` )「ああ」

(´<_` )「美しかった」

震えた声が、くろく死んだ世界に響く。

もう世界は死んでしまった。

ぽつり、ぽつり、灯っていた窓の明かりも。
がらん、ごろん、鳴っていた鐘も。
濁った涙も全部、ぜんぶ、きょうだいの羽根の色とおなじ、くろいくろいやみ。



109 :(´<_` )ころすようです( ´_ゝ`)[]:2009/10/27(火) 03:20:22.58 ID:y7x7wk4DO

世界だった残骸を、指ですくいあげて。
おとうとは目を閉じ、くらやみに祈る。

こまかなやみの粒は、さらさらと、指の間から零れ落ちる。

( ´_ゝ`)「世界なんていくつも存在するだろう」

( ´_ゝ`)「なぁ、おとうとよ」

( ´_ゝ`)「いくつも、いくつも、存在するその一つが死んだけだ」

( ´_ゝ`)「どうしてお前はそんなにかなしむ」

あには、目を閉じて祈るおとうとに、問いかける。
おとうとは涙をこぼしながら、答える。



110 :(´<_` )ころすようです( ´_ゝ`)[]:2009/10/27(火) 03:23:10.99 ID:y7x7wk4DO

(´<_` )「この世界は一つきりだ」

(´<_` )「同じ世界など、一つも存在していないのだ」

( ´_ゝ`)「だが世界は数え切れないほど存在しているだろう」

( ´_ゝ`)「全て、同じように、醜く歪んでぐちゃぐちゃに腐っている」

( ´_ゝ`)「多少の違いはあれども、みな同じようなものではないか」

(´<_` )「それでも」

(´<_` )「それでもこの世界は美しかった」

(´<_` )「今まで死んでいった、どの世界も、どの世界も、とても、美しかった」

(´<_` )「こんな美しいものを、もう、もう、壊したくないんだ」

(´<_` )「なぁ、なぁ、あにうえよ」

(´<_` )「オレは、オレは、オレは」



111 :(´<_` )ころすようです( ´_ゝ`)[]:2009/10/27(火) 03:26:15.31 ID:y7x7wk4DO

世界のしかばねの上でおとうとは泣いていた。

世界のしかばねの上であには泣かなかった。


くろい二対の鱗が、死んだ世界を包みこむ。



死んだ世界にもう、朝日は昇らない。


[ 2009/10/27 22:29 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)

「あにうえ」と「おとうと」とは
なかなか新鮮
[ 2009/10/29 01:22 ] [ 編集 ]

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