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川 ゚ -゚)それでも家族のようです('A`)


99 :川 ゚ -゚)それでも家族のようです('A`)[]:2009/10/25(日) 22:00:41.47 ID:q5x34i/j0

がちゃがちゃとおおきなランドセルをゆらして、うちに帰ったら母さん
はいなかった。
壁ぎわにあったはずの小さなテレビや、棚につめこまれていたいくつか
の食器、ほかにもたくさんの家具といっしょに、母さんは消えていた。
もともと大したものはなかったけれど、部屋の真ん中にぽつんと残され
たちゃぶ台のせいでよけいに部屋がさびしく見えた。
その上にはまっしろで、少し白すぎるぐらいの封筒がひとつ。

川 ゚ -゚) 「買いもの……?」

そっと呟いてはみたけれど、それが正しくないなんて簡単なことがわか
らないはずがない。
じわじわとした不安を押し込めて、白い封筒を手にとった。
びり、と乾いた音。

薄っぺらい便箋には、同じくらい薄っぺらいごめんなさいが綴られていた。



102 :川 ゚ -゚)それでも家族のようです('A`)[]:2009/10/25(日) 22:02:46.75 ID:q5x34i/j0

川 ゚ -゚) 「あの男と、出て行ったのか」

どうやらわたしは、母さんに捨てられたらしい。
このところ毎日ここに来ていたあの男は、わたしにあまりいい顔をして
いなかった。邪魔になったんだろう。きっと。
不思議と、思ったより驚いていない自分はどこかおかしいのだろうか。
こういうときは母さんと、名前を呼んで泣くべきだろうか。
大人びた子ね、とよく言われるほど、冷めているわたしにはそれも分か
らない。ただ、気になるのは手紙のさいごに書かれていた、わたしを迎
えにくる『ドクオ』という人のこと。
聞いたことのない名前から、たぶん話したこともない親戚なのだろうと。

川 ゚ -゚) 「おなかが減ったな」

ぼろぼろだった冷蔵庫までそっくりそのままなくなっていて、空っぽに
なった台所には食べものなんて見当たらない。
あの男は、働いていないと言っていたから、多分少しでもお金にするた
めになにもかもを持っていってしまったんだ。
ひざを抱えて座りこむ。うつむいたら急に泣きたくなった。今までなん
ともなかったのに。



104 :川 ゚ -゚)それでも家族のようです('A`)[]:2009/10/25(日) 22:05:09.68 ID:q5x34i/j0

すん、と鼻を鳴らしたのと、同時に玄関のチャイムがなった。

川 ; -;) 「……っ!」

ごしごしと服でなみだをふいて、玄関のドアを開けた。立っていたのは
自信のなさそうな顔をした、顔色のわるい男の人だった。
ふらりと一度ゆれた視線がわたしのほうに向けられる。

('A`) 「ええと、クー……ちゃん?」

そう聞かれたので、うなずいた。ああ、そうだ、たぶんこの人が。

川 ゚ -゚) 「ドクオさんですか」

('A`) 「お、おう。ドクオです」

川 ゚ -゚) 「母さんとはどういうご関係ですか」

('A`) 「君のお母さんが俺のお袋の3番目の妹らしい」

川 ゚ -゚) 「そうですか。ドクオさんがわたしを引きとるんですか」

('A`) 「そのつもりだけど……嫌か?」

川 ゚ -゚) 「いえ」

('A`) 「そ、そうか」



106 :川 ゚ -゚)それでも家族のようです('A`)[]:2009/10/25(日) 22:07:08.82 ID:q5x34i/j0

どうしてか、こまったような顔をしてドクオさんが頭をかいた。
わたしは何か、怒らせるようなことを言ってしまったのだろうか。
この人は、あの男と同じように、わたしのことを殴るのだろうか。
ドクオさんの手が持ちあがる。からだがすくんで、痛みに耐えるために
あごを引く。

ぽすん

('A`) 「あの、まあそういうことだから、……よろしくな」

川 *゚ -゚) 「…………」

ふわふわとした感触。
おおきな手のひらがわたしの頭をなんどもなんども撫でている。
そういえばわたしがまだずっと小さいころに、母さんがいちどだけ、こ
うしてくれたことがあった。
見上げたさきではドクオさんが口を引きつらせていた。
もしかして、笑っているんだろうか。



107 :川 ゚ -゚)それでも家族のようです('A`)[]:2009/10/25(日) 22:09:00.12 ID:q5x34i/j0

川 ゚ -゚) 「ふっ」

('A`;) 「えええ、何故に突然ニヒルな笑い?」

川 ゚ -゚) 「すみません」

('A`) 「いや、いいよ。ついでに敬語もやめてくれ。むずがゆい」

川 ゚ -゚) 「分かった」

('A`;) 「順応早いね……」

今度はちゃんと、笑ったんだと分かった。
わたしもつられてちいさく笑った。
ドクオさんがひどく驚いて、きょろきょろと視線をうろつかせる。
かすかに聞きとれた『もえー』ということばの意味は残念ながら分から
なかった。



108 :川 ゚ -゚)それでも家族のようです('A`)[]:2009/10/25(日) 22:10:54.07 ID:q5x34i/j0

川 ゚ -゚) 「それじゃあ、荷づくりをしてくるから待っていろ」

('A`) 「すでに命令口調とは、なんたる豹変ぶり」

それだけ言って部屋にもどる。荷造りといってもわたしの荷物なんても
ともとほんの少ししかない。
そのへんにあった紙袋に適当に服と、迷ったけれど母さんからの手紙を
詰めこんで、ドクオさんに駆けよった。

('A`) 「ん? 終わったのか」

川 ゚ -゚) 「ああ」

('A`) 「それじゃ、俺んち行くか。汚いけど」

川 ゚ -゚) 「汚いならわたしが掃除してやる」

('A`) 「……ベッドの下と本棚は自分でやるから」

川 ゚ -゚) 「なぜだ?」

('A`;) 「なんででも」

よく分からないがそういうことらしい。
それなら掃除をするときは、真っ先にそこをやってやろうとひっそり心
に決めておいた。




[ 2009/10/26 22:56 ] 総合短編 | TB(0) | CM(2)

ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
ドックンの従妹
[ 2009/10/26 23:51 ] [ 編集 ]

続かないのか?
面白そうだから、ぜひ続きを書いてくれ作者。
[ 2009/10/27 15:32 ] [ 編集 ]

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