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( ^ω^)無題('A`)


684 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/14(水) 23:53:52.50 ID:GCLcB7ul0

アスファルトの床を踏みしめると、コツ、と良い音が鳴った。
僕は力を込めた足を蹴り飛ばして前へと進む。

目前には男の姿がある。

垂れ下がった瞳に長い髪の、気だるそうな顔をしたそいつは、
憎むべき敵であり、愛すべき親友であったドクオだ。

床を蹴った足が目下へと突き出され、再び地を踏む。
対となる後ろに残された足に力を込め、蹴る。
ドクオとの距離はそれほど開いてはおらず、飛びかかれば腕が届くほど。

だから僕は右の肘を後ろへと引いて、握ったナイフで突きを繰り出す構えを取った。

左の足が地につき、右の足を大きく前へと蹴り出して、

( ゚ω゚) 「おぉぉぉぉぉっ!!」

叫びと共に溜めた力を解放してナイフを突き出していく。

光の反射を防ぐための黒い刃の切っ先が、ドクオの額を捉える。
風を纏って進む刃は、無防備な彼を容赦なく貫こうとし、空を突く。

ナイフと対照的にドクオの両の腕が伸び、僕がナイフを構えていた腕を絡め取った。



687 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/14(水) 23:55:08.43 ID:GCLcB7ul0

('A`) 「ナイフ戦で突きだなんて、デメリットしか無いだろうに!」

言葉と同時、視界が回転した。

気付けば身体は宙を浮いていて、足は床についていなかった。
先程まで目に映っていた錆びの浮いたコンテナと壁は消え、
今僕の前に広がっている光景は床の灰色のみ。

しかし、激突するようなことは無く、代わりに腕に痛みが走り、
もう一度僕は壁とコンテナを見ることになった。

僕の腕はドクオの右腕に腰へと回され、左腕で首を絞め付けられていた。

気道を締め付けられることによって呼吸が止まり、
息が出来ないという苦しみが僕の肺を圧迫し、痛みを感じる。

空いている左の腕で肘打ちをドクオの腹に食らわせてやろうと腕を振るうが、
密着した状態では大したダメージを与えられず、
それどころか足を踏みつけられるという反撃を食らってしまった。

('A`) 「案外、モロいもんだなホライゾン」

敵となった僕の親友は“ブーン”と仇名で呼ばずに、名で呼んできた。



688 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/14(水) 23:55:59.91 ID:GCLcB7ul0

(;゚ω^) 「ま……だぁ……ぐうぅ……」

抗議しようとするも、声が出ず、代わりに嗚咽が漏れ出てくる。

('A`) 「終わりだよ、終わりさ。あの人が死んだ時にはもう全て終わっていたんだ。
    だから、だから受け入れろ。足掻くんじゃない、終わらせて……」

ドクオが口を開いているのを見計らい、僕は勢いをつけて頭を思いきり引いた。

後頭部に衝撃と鋭い痛みが走り、首の締め付けが緩み、解けて行った。
拘束から逃れて身を回して振りかえると、口元を片手で押えたドクオが見える。

ドクオは、手から血を零れさせながら言う。

(;'A`) 「歯、歯が……クソッ!」

手を振り払い、プッと唾と共に折れた前歯を吐き出して、ドクオが身構える。

( ^ω^) 「クーさんが亡くなって、ドクオが悲しんでるのは分かってるお。
        片思いだったおね? クーさんのことが好きなら、
        あの人が何を守りたかったのか、理解して上げられるはずだお」

(#'A`) 「運営の連中は俺達を裏切ったんだぞ!?」



689 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/14(水) 23:56:51.45 ID:GCLcB7ul0

( ^ω^) 「裏切り? 違うお。クーさんは望んで犠牲になったんだお」

( ^ω^) 「クーさんは、罪を全部一人で背負って、僕達の罪全部を被って、戦犯者として裁かれたんだお」

(#'A`) 「そんな都合の良い人間がいるわけないだろーがぁッ!!」

腰のホルスターからナイフを抜いて、ドクオが突進してくる。
前傾姿勢で、速度を重視した、全力の疾走だ。

瞬きの間に懐へと踏み込んできて、僕の胴を狙って一閃する。

無駄の無い、身の捻りを加えた素早い一撃。
黒い刃が風を裂き、音が震える。

身を引くことで辛うじて避けた僕に、追撃が右肩へと襲いかかり、
腰を落として独楽の如く回転し、反撃を放つと共にその攻撃をかわす。
回転と同時に放たれた右足は、ドクオの足を払った。

バランスを失ったドクオは体勢を立て直そうと身を捻るが、
それを許さずに僕はドクオに飛び込んでいった。



690 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/14(水) 23:57:35.42 ID:GCLcB7ul0

(;'A`) 「なッ!?」

血だらけになった口から驚きの声を上げるドクオ。

僕は彼に馬乗りになり、拳を振り上げている。
ドクオは咄嗟にナイフを胴に叩き込もうとしてくるが、
そんなものよりも僕の拳の方が断然早かった。

打撃音が一つ、響いた。

( ^ω^) 「そんな優しい人だから、君は惚れこんだ。違うかお?」

もう一度、次は左の拳をドクオに叩き込む。

( ^ω^) 「運営はたしかに僕達に命じたお。僕達はそして確かに罪を背負うことになった。
        クーさんは僕達を守る為にたった一人で罪を肩代わりした」

打撃音がもう一つ響き、僕は右の拳をまた振るう。

( ^ω^) 「クーさん一人の犯行。運営は、それでなんとか芝居を打った。
        僕達という駒を大切に使って行く為に、あの人を捨て駒に使った。
        確かに許せないお。許せるもんじゃないお。でも」



692 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/14(水) 23:58:25.36 ID:GCLcB7ul0

( ^ω^) 「クーさんは僕達が助かるのならそれで良いと、覚悟をしたんだお。
        君はそうして助かっておきながら、運営の連中をぶっ殺したんだお」

肉を打つ生々しい音が耳を打った。

僕はドクオを殴るのを止めて、彼を見下ろし、

( ^ω^) 「君はクーさんの覚悟を踏みにじったんだお」

言いきる。

立ち上がり、僕はドクオから視線を放さなずに離れて行く。

(メ;A;)

彼は、泣いていた。

殴られた頬を赤く腫らして、口からは血を流して、すすり泣いていた。
目頭を片手で押さえつけ、口元を歪めて。

( ^ω^) 「ドクオ、君がまだ僕の友達であってくれるというのなら、
        まだブーンと呼んでくれると言うんだったら、罪から目を背けずに生きてくれると言うのなら、
        僕はここで誰とも戦っていないし、誰にも呼ばれていない事にするお」



694 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/14(水) 23:59:28.79 ID:GCLcB7ul0

( ^ω^) 「君の敵は運営であって、僕の敵は運営の敵だお。僕は、君を見逃す」


ただ、と付け加えて、僕は言う。


(  ω ) 「ツンやショボン達を傷つけると言うのなら、君は僕の敵だお」


遅れて、擦れた声が返る。

僕はその声を聞くと、ドクオに背を向けて倉庫の外へと出て行く。
彼は、震える声で僕をこう呼んだのだ。


(メ;A;) 「ブーン」 と。



その後のドクオの消息を僕は知らないが、
彼が僕の友達であるということだけは、確かなことだった。


[ 2009/10/17 21:20 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)

ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
友情パワー
[ 2009/10/17 23:46 ] [ 編集 ]

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