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ξ゚⊿゚)ξ無題


350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 21:43:00.38 ID:aTB2q9PD0

19レスくらい投下するお

もらったお題

・土から顔を出すブーンとロマ、それをみて驚くツン
・なんか…ごめん
・ドクオの股間にゴール!



351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 21:45:15.84 ID:aTB2q9PD0

ξ゚⊿゚)ξ「ふぅ……特に今日は仕事もない日なのよねぇ、と」

物憂げに呟いたのは、PCの前に座るツンという少女だった。
今日は珍しくオフということで、コーヒー片手に自宅でゆっくりしている最中だ。

ξ゚⊿゚)ξ「えーっと……」

マウスを動かして操作するのはマウスポインタで、PCの画面にはスレッド一覧が並んでいる。
検索窓に『ようです』と入力すると、彼女の望むスレッド達が抽出された。
狙いは、いわゆる『ブーン系』である。

ブーンやドクオの顔文字がいくつか並んでいるのを見ながら、ツンは溜息を吐いた。

ξ-⊿-)ξ「最近、というかちょっと前からだけど、
       ハインやクーが多く使われるようになってから、私の出番、ちょっと減っちゃったのよね」

彼女は、いわゆる役者・俳優である。
日々、様々な作品に『仕事』として、性格や衣装を変えて出演している。
そして基本は収録なので作品内に登場していても、多くはないが休日があったりする。

今日が、そうだった。



352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 21:47:31.21 ID:aTB2q9PD0

元々、ツンは声優出身だった。

新ジャンルという場で声のみの仕事を請けていたのだが、
数年前、ブーン系に少し出てみたのをきっかけとして、こちらでも仕事をしている。
元から外見も良かったので、彼女の人気はすぐに上昇していった。

ブーン系という名だけあって、ほとんどの作品にはブーンという俳優が出演している。
最近では様々なキャラクターが台頭してきているが、やはり彼の人気は今も高い。
ツンは、そんな彼の恋人役として出演することが多かった。

しかし、

ξ-⊿-)ξ「……ハァ」

『素直になれない』という、見る側をヤキモキさせる名女優としての地位。
それが最近、少しずつ崩されてきていることをツンは自覚している。

ツンとは真逆の『素直であること』を売りとしたクー。
まったく別の切り口として、男勝りな性格のハインリッヒ。
他にも天然の渡辺、甘え上手なデレ、真面目系のトソンなど、ライバルが増えてきている。

もちろん、それ自体を悪いことだとは思っていない。

作品を作る際の選択肢が増えるということは、それだけ多彩になるということだ。
それを否定してしまっては、ひいては自分の仕事すら貶めることになる。



354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 21:49:31.45 ID:aTB2q9PD0

ξ゚⊿゚)ξ「でも……」

以前に比べ、出番は確実に減ってきていた。
メインヒロイン役はもちろん、ここ最近は出演回数自体が減少の一途を辿っている。

悪いことではない。
先ほど述べた通り、ジャンルの繁栄は望むところだ。

けれど、自分を否定されているようで不安にもなる。

自分はもう要らないのではないのか。
ツンデレという要素は、もはや古臭いものとして見られていないか。
そういったネガティブな想像が、最近のツンの頭を頻繁に過ぎっていた。

ξ-⊿-)ξ「はぁ……駄目ね、私。 もっと前向きにならないと」

自分はまだ恵まれている方だ。
ブーン系だけではなく、新ジャンルでも仕事があるのだから。
ハインリッヒやデレなどはブーン系のみで働いているため、基本的に後が無い。
文字通り、彼女達にとっては死活問題なのだろう。

そういう意味では、自分の悩みなど贅沢なものなのかもしれない。



357 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 21:51:20.52 ID:aTB2q9PD0

どうなんだろう、と思う。
そして、自分はどう在りたいのだろう、と。

ξ゚⊿゚)ξ(あ、また新しいスレ……表示されている顔文字はブーン、か。
      相変わらず彼は凄いわね。 悩みなんてあるのかしら)

いつもニコニコ顔のブーン。
たまに仕事以外でも話すことがあるが、とてもポジティブな人だ。
彼なら、今の自分の悩みに対してどんな答えを出すだろう。

そんなことを思った時、テーブルの上にある携帯が鳴った。

ξ゚⊿゚)ξ「?」

噂をすれば何とやら、ブーン本人からのメールである。
内容は簡潔なもので、欠員が出たから君に来てほしい、というものだ。
今のツンにとって、求められるという事実は、とてもありがたいことだった。


……こんな私でも、あのブーンが緊急時において頼りにしてくれる。


ξ゚⊿゚)ξ「うん、頑張ろう」

すぐに支度したツンは、指定された場所へと出かけていった。



361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 21:53:02.98 ID:aTB2q9PD0

現場にいたのは、地面から顔だけを出したブーンとロマネスクだった。
既に収録は始まる直前で、ツンは女優モードでブーン達に近付き、


ξ;゚⊿゚)ξ「っ!? な、何やってんのよアンタ達!?」

( ;ω;)「朝起きたらこうなっちゃってたんだおー!」

(;ФωФ)「ううむ、我輩としたことが……油断した」


そんな台詞から始まったのは、ギャグをメインとした短い作品だ。
ギャグ系は得意ではなかったが、ツッコミ役としてツンは優秀な評価を得ている。
ここに来るまでに頭に叩き込んだ台本を思い出しながら、丁寧に言葉を作っていった。

短編なため、憶えることは多くない。
いつも通り、しっかりやっていけばいい。

「…………」

少し離れたところで、この作品を書いた作者が満足そうな笑みを浮かべている。
彼の期待に応えられているということが解り、ツンの演技に更なる熱が入っていった。



362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 21:55:26.99 ID:aTB2q9PD0

ξ;゚⊿゚)ξ(……?)

おかしい、と確信したのは、それから少し経ってから。
いくつかのレス分を終えた現在、まだ収録は続いている。
しかしツンは、なんだかブーンがいつもの彼ではない気がしていた。


( ;ω;) オーン、タスケテクレオー


地面に埋まり、半泣きで助けを求める姿は、今までよく見てきたタイプのブーンだ。
基本的に『優しい』というイメージがついている彼は、こういうヘタレな役柄も多い。

だが、とツンは更に思う。
長年一緒にやってきた彼女だけが解る違和感。
言葉には出来ないが、台詞に僅かな淀みがあるように思えた。

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、あの、すみません!」

「「?」」

このままではいけない気がして、ツンは収録中断を提案した。
ブーンのことは一切言わず、自分が不調だということにして、さっさと楽屋へ戻った。
途中、この作品を作ってくれた作者に頭を下げたが、彼は笑って許してくれた。

大丈夫ですか、という言葉が、少し胸に突き刺さった。



363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 21:57:16.01 ID:aTB2q9PD0

ξ゚⊿゚)ξ「さて……と」

( ФωФ)「あ、ツンさん。
       気分が悪いそうっすけど……薬でも持ってきましょうか?」

と、タオルと飲み物を手にしたロマネスクが、ツンの楽屋にやって来た。
偉そうな口調が多い彼だが、普段は腰がとても低かったりする。

ξ゚⊿゚)ξ「ありがとう。 でもいいわ。
      それよりブーンを呼んできてくれないかしら」

(;ФωФ)「りょ、了解っす!」

そうしてやって来たのは、暗い表情をしたブーンだった。

ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの? 今日の貴方、変よ?」

( ´ω`)「……やっぱり、バレてたかお」

テーブルを挟んで向かい合い、腰を下ろすツンとブーン。
やはりというか、ブーンの顔に普段の明るさはない。
おそらく、

ξ゚⊿゚)ξ「……疲れてるの?
      確かに出番は最も多いから、解らないでもないけど」



366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 21:58:46.65 ID:aTB2q9PD0

返事はなかった。

しかし原因が解らない以上、こちらからも言えることはない。
張りつめた空気の中、ツンは辛抱強く返事を待ち続けた。
ブーンが口を開いたのは、数分ほど経ってからだ。

( ´ω`)「僕は……今やってる役が、嫌なんだお」

ξ;゚⊿゚)ξ「……はぃ?」

聞き間違えか、という疑念と、まさか、という驚きが入り混じり、
ツンは思わず変な返しをしてしまった。

ブーンは、ブーン系における代表者だ。
仕事の量も、活躍の機会も、他の者達に比べて圧倒的に多い。
単純な知名度や歴史で言えば、別分野にも仕事を持つドクオや流石兄弟には負けるが、
ことブーン系においては、昔も今も彼がトップであることは間違いないだろう。

シリアスも、ギャグも、どの路線でも安定した結果を出せる名俳優。
そんな彼が、与えられた役をやりたくないなど、

ξ;゚⊿゚)ξ「……どういうことなの?」

それは、

( ´ω`)「地面から頭を出す役が、嫌なんだお。
      もう、そういう役を演じるのは疲れたんだお……」



367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 22:01:49.96 ID:aTB2q9PD0

ξ;゚⊿゚)ξ「……ちょ、ちょっと待ちなさいよ。
       ある程度は、演技内容を役者に任される部分もあるじゃない。
       気に入らなければ、ちょっとくらい好きにやっても貴方なら大丈夫じゃないの?」

作者が『台本通り』を望まない限り、演じる側にも少しだけ自由がある。
それは例えば、台詞に自分が良いと思うアレンジを加えたり、
脇役なのに余計に出しゃばったりと、時には作品の流れを変えることすらある。

過去、そういう行動で面白さが増した作品が数多くあるのは事実で、
今ではある程度の役者アレンジは、むしろ推奨されているくらいだった。

けれど、と言うように、ブーンは横に首を振った。

( ´ω`)「あのお題でどう別のことやれって言うんだお……?
     『地面から顔を出す僕とロマネスク』? それしかないじゃないかお」

ξ;゚⊿゚)ξ「ア、アンタねぇ――」

ツンの言葉を遮るように、彼は強い口調で言う。

( `ω´)「僕は最近、こういう役回りが多くなってるんだお!
      解ってるんだお! 役があるだけマシだって! 贅沢な悩みだって!
      でも、僕は昔みたいなヒーローの役が好きで……だから……!」

理想の自分と、現実の自分。
ギャグ系に起用されることが多くなっているのは、自分の価値が下がったからではないのか。
その不安が、恵まれている環境にありながらも、次々と不満を生んでしまっている。



370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 22:03:38.09 ID:aTB2q9PD0

ツンは漠然と思った。
あぁ、私はこの人の一歩手前なのかもしれない、と。

同じではない。
何故なら自分は、まだ『ツン』という役者を諦めてはいないのだ。
しかしブーンは既に諦めに入り、外面まで影響が出てしまっている。

手前にいる者として、彼の苦悩は充分に解る。
だから、ツンは顔を俯かせ、

ξ ⊿ )ξ「なんか……ごめん」

するとブーンが、はっとした表情をした。

(;^ω^)「……こ、こっちこそ悪かったお。 当たり散らして――」

謝罪の言葉は届かない。
それよりも早く、ツンが動いていた。


ξ#゚⊿゚)ξ「――なぁんて言うとでも思ったかぁぁっ!?」


(; ゚ω゚)「ばっふぁっ!?」

演技ではなく、ガチの悲鳴。
俯きからの鋭いアッパーカットが、ブーンの顎をかち上げたのだ。



371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 22:05:43.60 ID:aTB2q9PD0

(;ФωФ)「なんという美しい軌道……さ、流石はツンさんだ!」

何気に同じ場にいたロマネスクが両手を組んで感動する先、
バック転の勢いで後方一回転したブーンが、うつ伏せに床に叩きつけられた。

( ´ω`)「う、うぅ……」

ξ#゚⊿゚)ξ「アンタねぇ……ホント何を贅沢に悩んでんのよ!?」

襟首を掴み、立ち上がらせ、

ξ#゚⊿゚)ξ「仕事はある! しっかりした役も与えられる! 皆に求められてる!
       それでいてアンタ、よくワガママ言ってられるわね!」

( ´ω`)「ぼ、僕にだって……っ、僕は機械じゃないお……!」

ξ#゚⊿゚)ξ「そんなこと知ってるわよ馬鹿!
       求められて、与えられて、それがこの仕事でしょーが!
       それに自分の全力で応えて、初めて『やった』って言える仕事でしょう!?」

自分で言っておきながら、ツンは心にちくりとした痛みを感じていた。

何せ、それらほとんどが自分にも言えることなのだ。
ブーンへ説教をしながら、彼女は自分にも説教をしているようなものだった。



373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 22:07:42.99 ID:aTB2q9PD0

でも、

ξ#゚⊿゚)ξ「アンタは……アンタはね!?」

ここからは、ブーンに対する自分の思いだ。

ξ#゚⊿゚)ξ「アンタはブーン系の看板なのよ!? ブーン系のヒーローなの!
       このブーン系っていう舞台で頑張ってる皆の、少なくとも私にとっては目標なのよ!
       皆を引っ張っていくヒーローのアンタが腑抜けてどーすんの!? あぁ!?」

( ´ω`)「……!」

ξ#゚⊿゚)ξ「アクションもシリアスもギャグも自在にこなせて、
       休みの日がないくらい求められて――」

息を吸い、心から、



ξ#`⊿´)ξ「――そんな状況にいながら、真剣に応えないで、どうするっていうのよ!!」





374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 22:09:22.87 ID:aTB2q9PD0

(  ω )「真剣、に……」

ξ#゚⊿゚)ξ「そうよ! 真剣にやってもないくせに文句言える立場――」

そこで言葉が遮られた。
ブーンが、詰め寄っていたツンの両肩を軽く押したのだ。
俯かせていた顔を上げると、そこには少し疲れた表情のブーンがいて、

(  ω )「――なんか……ごめん」

ξ;゚⊿゚)ξ「っ!?」

やばい涙目だ。やだ、ちょっと可愛いじゃない。いや、そうじゃなくて!
あの大物のブーンを素で泣かせたってのは凄いことかもしれないけど、
いやいやいやいやそんなことより謝らないと色々とまずいよマジでマジで!

ξ;゚⊿゚)ξ(さもないと死ぬ! 社会的に死ぬわこれ! やばいってレベルじゃねーわよ……!)

どんな顔、どんな言葉で謝ろうかと、口端と眉尻をピクピクさせていると、

( ^ω^)「よし、行くお」

ξ;゚⊿゚)ξ「え、えーっと……何処に?」

まさかの裁判所直行コースかしら、などと青い顔をするツン。
しかしブーンは、涙を拭き取った顔で振り返り、

( ^ω^)「収録だお! さっきの続きだお!」



377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 22:11:30.64 ID:aTB2q9PD0

ξ゚⊿゚)ξ「え」

( ^ω^)「僕はまだ、悩むには早かったんだお!
      だからツンの言う通り、まずは真剣にやり切ってみるお!
      それでまだモヤモヤが残るようだったら、そこから改めて考えてみるお!」

どこかスッキリした様子のブーンは、一目散に楽屋を飛び出していった。
廊下から、うわぁ、とか、なんだありゃ、とか聞こえ、ロマネスクが慌てて追っていく。
しかしツンには、そんな騒々しさなど、もはや頭に入っていなかった。

ξ゚⊿゚)ξ「…………」

脳裏に残るのは一つの光景。
演技ではない彼の素の笑顔は、何よりも眩しかった。


収録の再開は、すぐに行われた。
いきなり元気になって帰ってきたブーンに、皆は怪訝そうな表情を浮かべたが、
やる気があるに越したことはないので特に言及はしなかった。

収録再開の直前、子供のような笑みを浮かべたブーンとロマネスクが、
普段よりも緊張した面持ちのツンへ、とある提案を持ちかける。

ξ;゚⊿゚)ξ「!?」

その内容に驚きを隠せなかったツンだったが、
ブーンが自信満々に頷くのを見て、渋々了承した。
どうなってもしらないわよ、と言葉を残し、そして収録が始まった。



379 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 22:13:03.74 ID:aTB2q9PD0

まず、ブーンの情けない声が響く。
それに気付く演技をしたツンが、地面から頭を出した二人の傍に駆けつけ、

ξ;゚⊿゚)ξ「っ!? な、何やってんのよアンタ達!?」

( ;ω;)「朝起きたらこうなっちゃってたんだおー!」

(;ФωФ)「ううむ、我輩としたことが……油断した」

ここからは、どうやって彼らを助け出すか悩むシーンだ。
最終的には友達をたくさん呼んで引っ張り出そうとするのだが、
段々と『地面の方がイイかも』などと言い始めるブーン達と説得合戦になる流れだった。

しかし、

ξ#゚⊿゚)ξ「――こンの程度ォォォォォォォォォっ!!!」

動いたのは、ツン。
彼女はブーンの首根っこを握るや否や、いきなり引っ張ったのだ。

( ゚ω゚)「あだだだだだだだだだああああああ!?」

ξ#゚⊿゚)ξ「とりゃああああああああああああっ!!!」

ぎゅば、という形容しがたい音と共に、ブーンが勢い良く抜けた。
むぎゃあ、という妙な悲鳴があがっているが、もちろん演技だ。
おりゃあ、という女とは思えない声をツンがあげているのも、おそらく演技だ。



383 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 22:14:50.28 ID:aTB2q9PD0

そして、彼女はそのまま離すことなく振りかぶり、

ξ#゚⊿゚)ξ「なんで朝から地面になんか埋まってンのよぉぉぉぉ!!」

叫ぶようなツッコミ台詞と共に、豪快にブーンを投げ飛ばした。

('A`)「お、ツンじゃねーか。 一体どうしたん――」

その先、タイミング良く現れたのはドクオだ。
ブーン達の友人という設定で、先ほどまで裏でスタンバイしていたベテラン俳優である。
『芋掘り部』に所属している彼の助けを得るという流れは、しかし、

( ^ω^)「へぷっ」


(゚A゚)「ぱぴょらぁぁぁっはああああああああああああんんん!!?」


(;ФωФ)「ド、ドクオの股間にゴール……!!」

という形に変更されることとなった。



385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 22:16:22.05 ID:aTB2q9PD0

「「……!?」」

収録現場に居合わせた全員が、驚いた顔を見せたのは当然だった。
確かに役者任せが許されているとはいえ、限度があるのではないか、と。
何よりこのシナリオを作者が望むのか、と。

「――はは、何だこれw オモスレーwww」

しかし、彼は笑っていた。
自分のシナリオを完全に破壊されたのに、楽しそうな笑みを浮かべているのだ。

それを見たスタッフ達は、一瞬だけ不安げな表情を見せたツンに、ジェスチャーでGOサインを出す。
頷いたツンが、ブーン達と共に好き勝手始めたのは、その直後からだった。



386 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 22:18:30.44 ID:aTB2q9PD0

それから一時間ほどで収録は終わった。

ツンは思う。
今までやってきた仕事の中で、それは最悪に近いものだった、と。
けれど、最高に楽しかった、とも同時に思った。

最初の設定以外の全てを壊し尽くしたブーン達の顔に、まったくの後悔はなかった。
そして最後まで見届けてくれた作者へ、出演者全員で頭を下げて謝罪する。
彼は笑って許しただけでなく感謝までしてくれたが、この作品が世に出ることを考えると、

ξ´⊿`)ξ(終わったわね……私の役者人生もここまで、か)

でも、

ξ゚⊿゚)ξ(ふふ、でも色々と吹っ切れたし、何より楽しかったわ)

ありがとう、と色々な意味をこめて言おうとした時、ブーンがこちらに振り返った。

( ^ω^)「ツン、ありがとうだお」

いきなりの思いがけない言葉に、ツンは視線を四方八方に飛ばし、
何度か深呼吸した後、うん、と頷き、そして頬を小さく染めながら、

ξ*゚⊿゚)ξ「……べ、別に? 礼を言われるようなことはしてないわ」

( ^ω^)「それでも、だお! この礼はいつか、また!」

流石はブーン系の顔とも言うべき大俳優。
すぐさま次の仕事へと駆けていく後姿は、なんだか少しカッコ良かった。



388 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/10/07(水) 22:20:48.82 ID:aTB2q9PD0

結局のところ、あのムチャクチャな作品は大ヒットした。
股間強打されたドクオが、リアル泡を噴きながらガチで言った、


(゚A゚)「ワ、ワシの……ワシの双子のお稲荷さんが泣いとる……!」


という台詞が子供達の間でブームとなってしまい、
以後、ドクオは『玉砕職人』というキャラクターを売りに更なる躍進を遂げる。
ついでに一緒に出演していたロマネスクも、今や引っ張りダコ状態らしい。

ブーンは、相変わらず大忙しだ。
以前に比べて更に多彩な仕事を受けるようになった彼は、
誰よりも真剣に仕事に取り組む役者として、新たに知られるようになる。

そんな彼の隣に、いつしか女性の姿が見え始めるようになる。
それがあの金髪ツインテールの名女優だというのは、すぐにニュースとして取り上げられた。

どうして付き合うようになったのか、というインタビューに、二人はこう答えている。


「「この人が、僕(私)を変えてくれたんです(お)」」


と。

                                     ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                     d⌒) ./| _ノ  __ノ



[ 2009/10/10 21:40 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)

ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
ドック~ω
[ 2009/10/10 23:20 ] [ 編集 ]

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