FC2ブログ










マカロニハートのようですよ?


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/09/25(金) 23:02:15.77 ID:G/a4M7zEO

爪'ー`)「んー、んっんー」

軽快に鼻唄を歌う男。

ベージュ基調の室内。

スチールのキャビネット。

そして、私は今、

川;゚ -゚)

その部屋の、ダイニングにいた。



59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/09/25(金) 23:03:04.63 ID:G/a4M7zEO





マカロニハートのようですよ?






60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/09/25(金) 23:05:49.69 ID:G/a4M7zEO

爪'ー`)「あーとはオーブンに入れてー」

てきぱきと、彼―フォックスは手を動かす。

川;゚ -゚)「……(手際良いな)」

爪'ー`)「ねー、10分くらいかかるけどいいー?」

川;゚ -゚)「あ、あぁ。かまわない。」

わかったよぉ、と間延びした返事を返し、彼は私の向かいに腰かける。

爪'ー`)「んで?どーしたの?」

川;゚ -゚)「ち、ちょっと待ってくれないか。」

爪'ー`)「?」

川;゚ -゚)「私は、『悩みを聞いてくれないか』とは言った。」

爪'ー`)「言ったねぇ」

川;゚ -゚)「しかしだな、家に招けとは言ってない上に、料理を出せとは頼んではいないぞ!これはいっt」

爪'ー`)y‐「おーちつけってーの」



61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/09/25(金) 23:08:03.33 ID:G/a4M7zEO

懐からタバコ――電子タバコ――を取り出しながら、彼は私を制した。

爪'ー`)y‐「解ってるさぁ。そんくらい。」

爪'ー`)y‐「でも、あのクーさんが、よもや悩みを聞け、だよ?」

ふぃ、と煙を吹いて彼は言う。私の目をじっと見ながら。

爪'ー`)y‐「こーでもしなきゃ、話しづらいんじゃない?」

川;゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「認めよう。」

確かに言う通りだ。彼はアパートに一人暮らしのため、誰も来る心配はない。
プライドの高い私への、彼なりの優しさ、なのだろう。
少し、ずれてるが。

爪'ー`)y‐「んでー?どうしたのさ?」

川 ゚ -゚)「……あのな。聞いてくれ。」

爪'ー`)y‐「んー」

彼は手を動かしている。なにか書いているようだ。だが、絶対に話は聞いている。
なぜなら、そういうやつだから。それは一番よくわかっていた。



62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/09/25(金) 23:10:10.91 ID:G/a4M7zEO

川 ゚ -゚)「……受験がバカらしくなった。」

爪'ー`)y‐「重症だね。」

かりかりとペンを走らせながら、間髪入れずに突っ込みを返す。
それを受け流しながら、私は話を続ける。

川 ゚ -゚)「皆、頑張っているのだ。なにもかも犠牲にして。」

川 ゚ -゚)「睡眠時間、遊ぶ時間、趣味の時間」

川 ゚ -゚)「すべて生け贄にして、勉強している」

爪'ー`)y‐「そーだね。」

じっ、とテーブルの木目を見つめる。ちら、と見れば、彼は相変わらずペンを走らせている。

川 ゚ -゚)「……なぜだ?」

爪'ー`)y‐「?」

川 ゚ -゚)「なぜそこまで頑張れる?」

川 ゚ -゚)「今は、此処にしかないのに!青春は今だけなのに!なぜ!?」

川 ; -゚)「すべてを捧げられるんだ!?」



65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/09/25(金) 23:14:04.49 ID:G/a4M7zEO

川 ; -;)「私には!わからないんd」

激昂する寸前、遮るように、ちぃん、という音が響く。

爪'ー`)y‐「お、できたできた。」

いそいそと、彼は立ち上がる。

爪'ー`)y‐「ま、とりあえず涙拭きなよ。」

ぺいっ、と放られたハンカチ。泣いてなど……

川 ; -;)「泣いて……る?」

爪'ー`)「めずらしーもんみれたなぁ」

あちあち、と、彼はオーブンから皿を取り出す。

爪'ー`)「ほい、お手製グラタンー。」

川 ; -;)「……?」

爪'ー`)y‐「食いなされ。泣く、って体力食うっしょー?」

そう言って、彼はヘラヘラと笑った。



67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/09/25(金) 23:15:23.77 ID:G/a4M7zEO

あぁ、この行為全てが、
この全てが彼なりの、

――優しさなんだ。


川 - )「フォックス。」

爪'ー`)y‐「あいあい?」

川 - )「立て。」

爪'ー`)「なんでさね」

そう言いながら、のそりと立ち上がるフォックス。

私はつかつかと、彼の隣に立ち、

川 - )「こっちを、向け」

爪'ー`)「一体なに……」

彼に、抱きついた。
押し倒さん勢いで。と言うか押し倒しながら。

爪;'ー`)「え、ちょ、クーさん?」

川 - )「ごめん」



68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/09/25(金) 23:18:08.91 ID:G/a4M7zEO

川 ; -;) 「……しばらく、こうさせてくれないか。」


彼の服の、胸元が染みている。
きっと、私の涙だろう。

泣き顔を見られたくなくて、私は彼の胸に顔を埋める。

爪'ー`)「……クーさんだけじゃないよ。」

頭に触れる、感触がある。

爪'ー`)「みーんなそう思ってるよ。僕もそう。」

爪'ー`)「やってらんねーよ、って。意味わかんねーよ、って。」

川 ; -;)「じゃあ、なんで……?」

爪'ー`)「なんでだろーねー。」

優しく、優しく。彼の手が私の頭を撫でる。



69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/09/25(金) 23:20:38.55 ID:G/a4M7zEO

爪'ー`)「その答えのために、躍起になってるんじゃないかなぁ、って」

爪'ー`)「僕はおもうよ。」

川 ; -;)「ひ、っく……」

爪'ー`)「よしよし。だーじょぶだーじょぶ。」

いつものように、ヘラヘラと笑いながら、私の頭を撫でながら彼は言う。


私たちが折り重なり会う真隣の、ダイニングの机には。


マカロニグラタンと、私のスケッチが乗っていた。


いつまでも、いつまでも――。



おわり。







72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/09/25(金) 23:23:53.40 ID:G/a4M7zEO

>>58ー>>62
>>65
>>67ー>>69

お題:グラタン(前スレ)

本当は料理ものだったのに。
気がついたらどうしてこうなった。

フォックスのイメージアップに繋がったらなぁ、とか思いました。以外にタイトル悩みました。

誤字とか感想とかあったらどうぞ。



[ 2009/09/26 16:36 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿


更新は止まっていますがコメントはご自由にどうぞ
修正・削除依頼等、何かしらの連絡はコメントもしくはメルフォよりお願いします
拍手だと高確率で長期間気づきません

スパム対策のため"http"と"@"を禁止ワードに設定しています
URLを書き込む際は"h"を抜いて投稿してください













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/tb.php/2606-817e41e5