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ξ゚⊿゚)ξは誘われるようです


449 :ξ゚⊿゚)ξは誘われるようです 1/8[]:2009/09/15(火) 00:53:17.85 ID:RpYs/U+L0

(#゚;;-゚)「あのね……たすけてって、聞こえたの……」

彼女はぼろぼろの体を引きずりながら、私にそう訴えた。

とれた耳、綿の出た体。

それはひどく薄気味の悪いものだったのだけれど、同時に親しみのあるものだった。

否、親しみがあったといえるだろうか。

何故なら私が知っていたのは、彼女が『完全』であった時の体だ

ふらふらと体を引きずる姿を見て、私の目からは涙が零れ落ちた。



451 :ξ゚⊿゚)ξは誘われるようです 2/8[]:2009/09/15(火) 00:54:20.50 ID:RpYs/U+L0

―――

―――――

―――――――――


ξ*゚⊿゚)ξ「わぁパパ、ありがとう!」

(*'A`)「ツンはいい子だったからご褒美だよ」

川 ゚ -゚)「あまり甘やかすなよ」

可愛らしい猫の縫い包み。それが初めて出会った彼女だった。

ピンク色のふかふかとした体と手足は私のお気に入りで、よく擦っては話しかけていた。

ξ゚⊿゚)ξ「ねぇでぃちゃん、今日は学校でね……」(*゚ー゚)

ξ*゚⊿゚)ξ「でぃちゃん、今日は100点取ったんだよ!」(*゚ー゚)



452 :ξ゚⊿゚)ξは誘われるようです 3/8[]:2009/09/15(火) 00:55:26.45 ID:RpYs/U+L0

私は「でぃ」と名付けたその縫い包みを友達として扱った。

彼女は答えこそしなかったが、私には彼女が微笑んでいるように見えたのだ。

そんなある日、私は友人と喧嘩をして帰ってきたことがあった。

部屋に帰ればいつもでぃに話しかけていたのだが、その日ばかりは違った。

帰るなりでぃを抱きしめ、力の限り泣いた。

ξ;⊿;)ξ「ふえええええ、うわあああああああん」(*゚ー゚)

鼻水や涙で彼女が濡れるのも厭わずに、泣き続けた。

ようやく泣き止んだ頃には、彼女はぐっしょりと濡れていたものだ。

ξ;⊿;)ξ「グスン……ごめんねでぃちゃん」

(*゚ー゚)「大丈夫よツンちゃん」



454 :ξ゚⊿゚)ξは誘われるようです 4/8[]:2009/09/15(火) 00:56:22.20 ID:RpYs/U+L0

それが、でぃが初めて喋った言葉だった。

初めこそ驚いたが、すぐに彼女が話すことに慣れた。

何よりも大事な友達であったでぃが喋ったのがこの上もなく嬉しかったのだ。

だが、両親にはでぃの声が聞こえなかった。

(;'A`)「ツン、どうしたんだ、縫い包みは喋らないよ」

川;゚ -゚)「そうだぞ、きっと、勘違いだ」

ξ;゚⊿゚)ξ「ちがうの、でぃちゃんはおはなしするし、ツンのだいじなお友達なんだから!」

何度もそう言って両親に信じてもらおうとしたが、それは無駄骨だった。

そしてその誤解は、両親の喧嘩にまで発展した。


(#'A`)「お前が厳しくするからツンは友達が出来ずにあんなことを……!」

川#゚ -゚)「何を言うか! お前が甘やかしてばかりだから自分から動こうともせずに、逃避しているんだ!」



455 :ξ゚⊿゚)ξは誘われるようです 5/8[]:2009/09/15(火) 00:57:33.52 ID:RpYs/U+L0

両親の怒鳴り声は、始まると夜半まで続いた。

そんな時はでぃと話をしながら、じっと罵り合いが治まるのを待っていた。

(*゚ー゚)「ごめんね、ツンちゃん……でぃのせいで、パパとママ喧嘩しちゃったね…」

ξ;⊿;)ξ「でぃちゃんはわるくないの、わるくないの……!」

べそをかきながら彼女を抱きしめるしか、当時の私にはできることはなかった。

だが、その慰め合いも長くは続かなかった。

罵り合っていた両親の矛先がでぃに向かったのだ。

(#'A`)「ツン! またそんなので遊んで!」

川#゚ -゚)「そんな縫い包みがあるからこの子は……!」

両親はでぃを罵る言葉を口にするや否や、窓の外のごみ置き場に放り投げた。

でぃは綺麗な放物線を描き、まるで落ちものゲームのようにすっぽりとごみに埋もれ、見えなくなった。

ξ;⊿;)ξ「でぃちゃああああん!!」



456 :ξ゚⊿゚)ξは誘われるようです 6/8[]:2009/09/15(火) 00:59:07.48 ID:RpYs/U+L0

その夜は両親に拘束され、外へは出られなかったように思う。

翌朝こっそりとでぃを探しに行ったが、すでにごみ収集車によってでぃは回収された後だった。

それによって両親の不仲は解消されたが、わたしはひどく無口な子供になってしまった。

喋ろうともせず、輪に加わろうとしない。不登校児となったこともあった。

だが両親の執着によりなんとか高校までを卒業した。

そして両親の決めた相手と結婚し、子供をもうけた。

両親の盲目的な執着は親になったその時も解らなかったが、感謝だけはしていた。金銭面では、だが。

唯一救いのなったのは、親が決めた相手がそれなりに優しく、根暗な私を気遣ってくれていたことだった。



457 :ξ゚⊿゚)ξは誘われるようです 7/8[]:2009/09/15(火) 00:59:57.37 ID:RpYs/U+L0

( ФωФ)「ツンはそれがツンらしいのであろう?」

( ФωФ)「ならばそれでよい。変わる必要も、無理をする必要もない」

親が決めた相手とはいえ、結婚してよかったと思った。

夫は仕事が忙しく、なかなか家でゆっくりとはできなかった。だがそれでも、幸せな日々だった。

ある日。夫は帰ってこなかった。

出張先で事故にあったと連絡が来たのは、帰る予定の日から1週間だった。

腹には夫の子。そして夫を亡くしたと知った両親、義両親からの、孫の親権に対する妄執。

もう、疲れ果てていたのだ。



459 :ξ゚⊿゚)ξは誘われるようです 8/8[]:2009/09/15(火) 01:01:01.64 ID:RpYs/U+L0

―――――――――

―――――

―――


(#゚;;-゚)「ツンちゃん、もうだいじょうぶだよ、なかなくていいんだよ」

(#゚;;-゚)「いっしょにいこ?」

ξ ⊿)ξ「でぃ、ちゃん……」

ふらふらと、でぃに向かって歩く。



私はそのまま、落ちものゲームのように崖下へ落下していった。

すべてとともに消えるために。




END







465 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/09/15(火) 01:13:27.09 ID:RpYs/U+L0

おおう、申し訳ないです

お題
満身創痍、酷い誤解、落ちゲー

乙ありです


[ 2009/09/15 19:17 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)

ドックンドックン~!ふぅん!クーにゃーんにゃーん
夫のもとにいけたなら救いなのかもわからんね
[ 2009/09/15 23:09 ] [ 編集 ]

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