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<ヽ`∀´> 悪者のようです


141 :<ヽ`∀´> 悪者のようです[]:2009/08/22(土) 20:43:44.22 ID:VKarFOmiO

 ごめんくださあい。誰かいますかあ。

 玄関から間の抜けた声がして、ニダーは昼寝から目覚めた。
 町外れのこの屋敷に近付く者など滅多にいない。
 まして自分を呼ぶような奇特な輩なんて。
 もし、いるとしたら。

<ヽ`∀´>(……)

 体を起こすと、それまで身を預けていたソファが、ぎしりと鳴いた。





143 :<ヽ`∀´> 悪者のようです[]:2009/08/22(土) 20:45:45.18 ID:VKarFOmiO

( ´∀`)「ああ良かった。誰もいないかと思ったモナ」

 玄関へ行くと、果たしてそこにいたのはへにゃへにゃと笑う男と――

▼・ェ・▼「わぅっ」

 可愛らしい小型犬であった。

( ´∀`)「散歩をしてたら、コイツがここまで引っ張ってきまして……。
       こんなところに人が住んでるなんて知らなかったモナ」

<ヽ`∀´>「そうニダか。それじゃあさようならニダ」

 扉を閉めようとすると、相手の男が足を差し込んできた。
 ニダーが動きを止める。
 その隙に、とばかりに男と犬は、するりと侵入してきた。



144 :<ヽ`∀´> 悪者のようです[]:2009/08/22(土) 20:48:21.63 ID:VKarFOmiO

( ´∀`)「まあまあ、ゆっくりお話でもしましょうモナ」

▼・ェ・▼「わふっ」

<ヽ`∀´>「……本当の目的を」


<ヽ`∀´>「さっさと話せニダ」


 ニダーが腰にくくりつけていたナイフを抜き取ると、
 男は僅かに笑みを深くした。

( ´∀`)「やっぱり居るモナね?
       やっぱり隠してるモナね!
       ビーグル、『解除』モナぁ!!」

▼・ェ・▼「わぅ……ぐぅ……」

▼ ェ ▼「ぅぅううう……っ」

 むくむくと犬の体が膨れあがり、体毛も伸びていく。
 ニダーは、後ろに飛びのき、距離をとった。
 そして。

ミ#,゚Д゚彡「がぁあああああああああっ!!」



145 :<ヽ`∀´> 悪者のようです[]:2009/08/22(土) 20:51:33.63 ID:VKarFOmiO

 犬が――大きな犬が。
 四つ足の獣が、ニダーへ向かって咆哮した。

( ´∀`)「狼モナ。モナの相棒。
       古くに滅亡したと言われているモナが、実際はまだ少しだけ、
       本当に少しだけ残っているモナ」

<ヽ`∀´>「『小型化』ニダか……」

 小型化――この世界において、魔術の初歩の初歩、
 もっとも簡単とされるものである。
 それは生まれながらに『魔術師』の素質を持った者にとって、だが。

<ヽ`∀´>「狼、ねえ……」

 ニダーの唇が、ゆるく弧を描く。

<ヽ`∀´>「……食いがいのありそうな犬ニダ」



147 :<ヽ`∀´> 悪者のようです[]:2009/08/22(土) 20:54:00.21 ID:VKarFOmiO

ミ#,゚Д゚彡「……ぐるる……」

( ´∀`)「相棒も同じこと言ってるモナよ。
       アンタを喰ってやりたいそうモナ」

<ヽ`∀´>「そりゃあ」

 光栄ニダ。
 呟き、ニダーは右手に握るナイフを狼へ向け、駆け出した。

 あと少しで触れるという距離になった瞬間、狼はニダーの右側へ体を曲げ、
 その頭でニダーの脇腹を突いた。

<;`∀´>「くっ!」

 突き飛ばされた先にいるのは、へにゃりと笑う男。
 男は左手を突き出した。

( ´∀`)「お前は魔術が使えないモナね! 魔術師の匂いがしないと相棒が言ってるモナ!
       それなのにそんなナイフ一本でモナたちに向かうなんて――」

 男の左手に炎が現れる。
 その炎の上へ、ニダーの体が、

( ´∀`)「まるで自殺モナ!」

<;`∀´>「ニダッ、――っ」



148 :<ヽ`∀´> 悪者のようです[]:2009/08/22(土) 20:56:46.03 ID:VKarFOmiO




<ヽ`∀´>「……これだから、魔術師ってやつは」

(;´∀`)「なっ……!」

 手首を振って、ナイフを飛ばす。
 自分へ飛んできた刃を、男は盾を魔術で出現させることで受け止めた。
 左手にあった炎は消える。
 そして、ニダーは盾の上へ――男を巻き添えにして床へ倒れた。

<ヽ`∀´>「魔術師ってやつは、魔術を過信するからいけないニダ」

 立ち上がり、ナイフを拾う。
 盾が消え、男も身を起こした。
 倒れたときの衝撃のせいか、ひどく苦しそうな声で、男が叫ぶ

(;´∀`)「ビーグルっ!」

ミ#,゚Д゚彡「があああぅっ!!」



149 :<ヽ`∀´> 悪者のようです[]:2009/08/22(土) 20:59:20.15 ID:VKarFOmiO

<ヽ`∀´>「うるさいニダ」

 突進してきた狼にニダーは舌打ちする。
 狼が口を開けた。鋭い、大きな牙が見える。
 ニダーは。
 左手を、その口へ突っ込んだ。

 男が、狼が目を見開く。

(;´∀`)「なっ、何して……っ!」

 狼の牙が左腕を貫く。
 狼は我に返ったのか、一瞬の静止の後に顔を横に振った。
 ニダーの左腕、二の腕から先が千切られる。

 だが、ニダーは顔色を変えないままに、右手のナイフを狼の首へ突き刺した。

ミ;,゚Д゚彡「ぎゃう……っ!?」

<ヽ`∀´>「後で食ってやるから寝てるニダ」



150 :<ヽ`∀´> 悪者のようです[]:2009/08/22(土) 21:01:59.79 ID:VKarFOmiO

 ナイフの柄をしっかりと握り、持ち上げ、払う。
 ナイフから離れた狼の体が、向こう側の壁へと飛んだ。
 壁へぶち当たった狼は、首から血を流したまま動かなくなる。

(;´∀`)「ビーグル!!」

 男は、身を起こした体勢で相棒の名を叫ぶ。
 立ち上がらない男を見下ろして、ニダーは、
 先程倒れたときにどこかの骨でも折ったのだろうか、と考えた。
 だとしたら、脆い。魔術にばかり頼ってきたのだろう。

 ニダーは男の前に屈み込んだ。

<ヽ`∀´>「ご覧の通り、ウリは魔術師の素質がなくったって、
      自分の体とナイフだけでお前らを殺せるニダよ」

 ぴちゃぴちゃ、二の腕から滴る血が音を立てる。

<ヽ`∀´>「お前みたいな甘ちゃんと違って、自分の一部を犠牲にしたって構わないニダ。
      ……お前、立てないニダね? ますます殺りやすくなってるニダ。
      ウリに勝てるはずないニダよ、どうする?」



152 :<ヽ`∀´> 悪者のようです[]:2009/08/22(土) 21:03:45.70 ID:VKarFOmiO

(;´∀`)「モナ……っ!」

 狼の血に塗れるナイフを振り上げる。
 ナイフの切っ先は男の胸元へ向かった、が。

 ――男の左の手の平が刃を受け止める。その痛みに男は顔をしかめだが、
 右手も伸ばし、ニダーの右腕を掴んだ。

(;´∀`)「モナは…モナ達は生きる!
       体の一部を犠牲にしたってモナ達はっ!」



 彼女を連れ帰ってみせるモナ。



 男の最後の言葉は声になることはなかった。



<ヽ ∀ >「……『解除』」



153 :<ヽ`∀´> 悪者のようです[]:2009/08/22(土) 21:06:19.29 ID:VKarFOmiO

(; ∀ )「ぐ……っ!?」


 質量を増したナイフが――剣の刃が、男の胸を突き刺したからだ。


(; ∀ )「小……型化……」

<ヽ`∀´>「……魔術は生まれつき魔術師の素質がない限り使えないニダ。
      でも、ウリは頑張ったニダよ。
      お前らみたいなのを蹴散らすために、必死に勉強したニダ。
      ……まだ、小型化しか使えないニダけど」

 ……もう聞こえてないニダね。
 呟いて、ニダーは立ち上がった。
 狼の方にもトドメをささねばならぬ。
 男から剣を抜き、踵を返した。

 そこへ、少女の声が降ってくる。



154 :<ヽ`∀´> 悪者のようです[]:2009/08/22(土) 21:10:03.56 ID:VKarFOmiO


 「……ごめんな」

 見上げる。階段の上に、悲しそうな顔をした少女が居た。

川 ゚ -゚)「腕……なくなってる……」

<ヽ`∀´>「そこの犬にやられただけニダ。
      クーのせいじゃないニダ」

川 ゚ -゚)「また、人を殺させてしまったな」

<ヽ`∀´>「……構わないニダ」

 少女が目を伏せる。
 ニダーが首を振る。

<ヽ`∀´>「ウリは、クーをさらって監禁してる、悪者ニダから」

川 - )「……どこが」


 ぴちゃり。
 雫の音は、ニダーの腕から流れた血か、それとも少女の瞳から零れた、――




   終わり







155 :<ヽ`∀´> 悪者のようです[]:2009/08/22(土) 21:12:20.09 ID:VKarFOmiO

投下終わりです。

>>119
( ´∀`)「モナは…モナ達は生きる!」
の提供でお送りいたしました。


[ 2009/08/24 19:16 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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