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(´・ω・`)また会う日まで、のようです


116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/08/09(日) 05:15:28.41 ID:ahJwyD+HO


(´・ω・`)また会う日まで、のようです




117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/08/09(日) 05:18:30.16 ID:ahJwyD+HO

昔々、鹿の母子がいた。
母子は仲がよく、お互いを支えて生きていました。
そんなある朝、子鹿が先に目覚め、母に起きるよう催促しました。

(´・ω・`)「遊ぼうよ」

母は寝たまま動かない。
子鹿はかわいい瞳をくりっと動かし、外に出かけました。
外は日が昇り、ぽかぽかと散歩日和で、お母さんも来ればいいのに、と子鹿は思いました。

小さな木の実を食んだり、小川の水を飲んだりしてるうち、いつもよりずっと遠い所まで来ました。
見た事のない岩場で休んでいると、どこからか声が聞こえます。



118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/08/09(日) 05:21:12.86 ID:ahJwyD+HO

川 ゚ -゚)「坊や、ひとりでどうしたの」

美しい毛並みの狐が出て来て子に問います。

(´・ω・`)「お母さんが寝たまま起きないの。だからひとりで遊んでるの」

川 ゚ -゚)「…お母さんは動いてるのかい?」

(´・ω・`)「ううん、動いてないの」

少し考えた狐は寂しそうに頷いた。

川 ゚ -゚)「そう…私を家に案内してごらん。私がお母さんをちゃんと葬ってあげるよ」

(´・ω・`)「ほうむるってなあに?」

川 ゚ -゚)「今はまだ知らなくていい。いつかは知る事だから」

(´・ω・`)「?」

彼は首を傾げましたが、狐は優しく笑うだけでした。



119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/08/09(日) 05:24:15.28 ID:ahJwyD+HO

子鹿は母の元へ案内します。
狐はゆっくり、それに続きます。

川 ゚ -゚)「坊やはもう木の実や葉っぱは食べれるの?」

(´・ω・`)「うん!ここ通った時に少し食べたよ」

川 ゚ -゚)「そう…なら良かった」

(´・ω・`)「なんで?」

川 ゚ -゚)「気にしなくてもいいよ、ひとり事だから」

(´・ω・`)「はーい」

狐のいう事を素直に聞く子鹿を、狐は哀れに思いました。



120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/08/09(日) 05:26:36.37 ID:ahJwyD+HO

(´・ω・`)「ここがお家だよ!」

川 ゚ -゚)「私が見てくるから、坊やはここで待ってなさい。見てはダメよ」

(´・ω・`)「はーい」

川 ゚ ー゚)「いい子ね」

狐は洞穴の奥へ消えていきます。
少しすると、子鹿にはえも言われぬ臭いが漂ってきました。
子鹿は臭いを嫌がり、少しだけ距離をおいて狐が出てくるのを待ちました。

どれほどの時間が経ったか…狐が土に塗れて出てきました。

川 ゚ -゚)「坊や、お母さんはね、遠い所へいったよ」

突然の狐の言葉に、首を傾げた小鹿は理解すると同時に顔を歪め、涙をポロリポロリと流して静かに泣きました。



121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/08/09(日) 05:28:18.31 ID:ahJwyD+HO

(´;ω;`)「僕は捨てられたの?」

川 ゚ -゚)「違う…お母さんは私に坊やを預けて遠い所へ出かけた。
     お母さんが帰って来るまで、私が親代わりよ」

(´ぅω;`)「狐さんが?」

川 ゚ -゚)「そう。ほら、泣きやみなさい。お母さんに笑われちゃうわよ」

(´ぅω;`)「うん…」

川 ゚ -゚)「いつまでも坊や、って呼ぶのもおかしいね。名前は?」

(´;ω;`)「ショボン」

川 ゚ -゚)「ショボン、私の事はクーと呼びなさい」

それが彼女との出会い。
二人目の母との出来事だ。



122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/08/09(日) 05:30:18.77 ID:ahJwyD+HO

それからクーは、種族の違う僕に、色んな事を教えてくれた。
生活の事や他の生物との付き合い方が主だったけれど、
時々彼女が話してくれた事で忘れられない話がある。

川 ゚ -゚)「ショボン私はね、昔子供を生んだ事がある。
     最初は大変だったけど、その子が愛しかった。
     だけど、一人前になる前に死んだ」

(´・ω・`)「死んだ?」

その頃には僕は死の事、クーの生活を知っていた。
ただ…母は生きていると信じていたが。

川 ゚ -゚)「狩りにいってる間に烏に襲われて。帰ってきたらその子は食われていた」

(´・ω・`)「…」



124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/08/09(日) 06:03:53.03 ID:ahJwyD+HO

川 ゚ -゚)「泣きも後悔もした。あの時の事は忘れられないよ」

(´・ω・`)「…」

その時、彼女が僕に話した事は理解出来なかった。
彼女は関節的に伝えてくれていたのだ。自分の辛い過去を隠れ蓑にして。
なぜ、彼女が僕を庇護してくれたのか、今なら分かる。
自分の子を重ねたからだ。

でなければ、僕は彼女に食い殺されていた筈だから。


彼女との別れは、僕に角の生え始めた時期だった。



125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/08/09(日) 06:06:13.43 ID:ahJwyD+HO

川 ゚ -゚)「もう、一人立ち出来るね」

(´・ω・`)「これが大きくなるの?」

川 ゚ -゚)「そうさ。途中痛いかも知れないが、ショボンは強いから大丈夫だね」

(´・ω・`)「うん。今までありがとう、クーさん」

川 ゚ ー゚)「いいや、こちらこそありがとう。楽しかったよ」

(´・ω・`)「じゃあ…行くね」

川 ゚ -゚)「良い奥さん貰うと良いな」

(´・ω・`)「…うん」

僕は彼女に見送られながら、一人旅立った。
山を越え、世界を見た。
幾つもの死を見た。そして幾つもの生を見た。

そして僕は親になった。
クーは、風の噂で死んだと聞いた。
それを聞いた日は涙が止まらなかった。
種族は違えど、彼女は母だった。



126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/08/09(日) 06:08:32.53 ID:ahJwyD+HO

僕も年老いた。
また、会える日は近い。

二人の母にありがとうと言いたい。




(´・ω・`)また会う日まで、のようです


終わり



[ 2009/08/10 19:35 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)


短いが胸に伝わるものがある
[ 2009/08/12 02:40 ] [ 編集 ]

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