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('A`)捧げるようです川 ゚ -゚)


126 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 1:2009/07/29(水) 20:25:41.48 ID:1iceQLrS0

某月某日
俺は恋をしている。
俺の恋のお相手である彼女は、美しい黒い髪をなびかせ、白い肌を日に
照らさぬよう、木陰で青い空を眺めていた。

こんなにも近いのに
美しい彼女は俺の方など見向きもせず、ただただ空を見上げていた。

その時の彼女の黒い瞳は
とても切なく感じた。

俺に何が出来るだろう。






('A`)捧げるようです川 ゚ -゚)








130 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 2:2009/07/29(水) 20:28:14.13 ID:1iceQLrS0

('A`)「ふぅ…」

某月某日
今日は帰りが一緒だった。
いや、正確に言えば「帰り道が同じなだけ」なんだが。
どっちとも一緒に帰ろうとは言わない。それに彼女が拒むだろう。

俺の二、三歩後ろを彼女が歩く。
俺が歩くたびに彼女の靴の音が聞こえてきた。

('A`)「……」チラッ

川 ゚ -゚)「……」

無言のまま、俺の後ろをややうつむきながら歩いてくる。
「後ろをついてきている」なんて俺の勘違いかも知れないので、あえて
そんな言い方はしない。
ただ俺の後ろに“いた”。それだけで充分だ。



133 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 3:2009/07/29(水) 20:31:07.51 ID:1iceQLrS0

某月某日
土砂降りだった。いわゆるゲリラ豪雨ってやつ。
信頼していた天気予報に裏切られ、俺の体はびしょぬれ。おまけに
不細工がもっと不細工になった。

('A`)「畜生……ん?」

川 ゚ -゚)「……」

豪雨の中、例の彼女は傘を地面に置きびしょ濡れになっていた。

('A`)「風邪引くぞ」

川 ゚ -゚)「…別に構わない」

('A`)「……」

傘が置かれた地面を見ると、小さな箱が置いて有り、そこには3匹の
子猫がうずくまっていた。



136 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 4:2009/07/29(水) 20:33:57.13 ID:1iceQLrS0

('A`)「……こいつらのために…か?」

川 ゚ -゚)「生憎…マンションなものでね」

川 ゚ -゚)「それに」

川 ゚ -゚)「一生懸命生きようとしてる子を、見捨てることは出来ない」

('A`)「……」

悲しくも悔しそうな黒い瞳は、ぼんやりと焦点を合わせぬまま、地面を
ボーッと目つめた。



137 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 5:2009/07/29(水) 20:36:50.12 ID:1iceQLrS0

某月某日
今日こそは彼女を散歩にでも誘ってみることにした。
なんだか避けられている気もしなくはないが、自分から行動は起こすべ
きだと思う。

川 ゚ -゚)「…断る」

('A`)「…」

川 ゚ -゚)「すまない…」

('A`)「いや、いいんだ」

川 ゚ -゚)「…」

あっさり玉砕した。
よし、今度こそだ。今度こそ距離が少しでも縮めばいいな。
珍しくポジティブじゃないか俺。…いや、ポジティブじゃないとやって
らんないんだろうな。



139 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 6:2009/07/29(水) 20:39:26.14 ID:1iceQLrS0

某月某日
ブラブラと散歩をしていると、彼女が重そうな荷物を抱えヨタヨタと
歩いていた。これはヤバイと思った俺はすかさず荷物を持ってやった。

('A`)「おい、大丈夫か」

川 ゚ -゚)「あ、あぁ…大丈夫だ」

川 ゚ -゚)「一人で持てる」

('A`)「…無茶すんなって」

川 ゚ -゚)「大丈夫だと言っているだろう」

('A`)「……」

寂しそうに彼女は笑う。これは彼女の癖だ。

結局俺が折れちまった。
何やってんだ…情けない…。
そんなことより、彼女は大丈夫だっただろうか。



142 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 7:2009/07/29(水) 20:42:33.61 ID:1iceQLrS0

某月某日
この前デートに誘った。頑張って誘った。
今の俺ならいける!って思ったんだよね。
そしたら彼女何っつったと思う。

川 ゚ -゚)「…いいぞ」

('A`)「え」

川 ゚ -゚)「いいと言ったんだ、聞こえなかったか」

(*'A`)「マジで!?」

やった!やったよ神様!
これで彼女と仲良く出来るだろうか。不安でたまらない。

この時の寂しそうな彼女の笑顔は、今でも忘れられない。



146 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 8:2009/07/29(水) 20:46:58.17 ID:1iceQLrS0

某月某日
彼女と手を繋いでみたがあっさりと振り払われた。
そりゃそうか…でもなんだかショックだ。

川 ゚ -゚)「……すまない…」

('A`)「あ…いや…」

('A`)「俺もごめん…」

川 ゚ -゚)「君が謝ることはない…」

('A`)「…」

川 ゚ -゚)「まだ…少し怖くてな…」

手を振り払われた…小さなことだが、俺にとっては重大な問題だった。
せっかく…恋人になれたのに。



149 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 9:2009/07/29(水) 20:49:50.99 ID:1iceQLrS0

某月某日
彼女とケンカをした。
構いすぎだのほっといてくれだの言われた。
確かに俺も構いすぎたのかもしれない、でもそれは彼女が本当に
好きだから、死ぬまでずっと傍にいたいからだ。

川 ゚ -゚)「君の思いは凄く嬉しい…」

川 ゚ -゚)「だけど…辛いんだ」

('A`)「…」

川 ゚ -゚)「思い出…が怖いんだよ…」

そう言って彼女は泣き崩れた。
俺はそんな彼女の頭をなでて、抱きしめることしか出来なかった。
彼女は泣きながら、俺の名前をつぶやいた。

そして、“ごめんなさい”と。



155 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 10:2009/07/29(水) 20:53:32.52 ID:1iceQLrS0

某月某日
やっと彼女の笑顔を久々に見た。

川 ゚ -゚)「君はすごいな」

('A`)「え?」

川 ゚ -゚)「私が悲しんでいると、君がとっさに気がついてくれる」

川 ゚ -゚)「ありがとう」

('A`)「い、いや、当然のことだよ」

川 ゚ -゚)「…ありがとう」

二度目の“ありがとう”は、何よりも重く聞こえた。
俺は、彼女のために何かできるのか。
心にそんな思いが芽生えた。



156 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 11:2009/07/29(水) 20:56:16.03 ID:1iceQLrS0

某月某日
真夜中に彼女とばったり出会った。
('A`)「よぉ」

川 ゚ -゚)「やぁ」

('A`)「…散歩か?」

川 ゚ -゚)「そんなところだ」

川 ゚ -゚)「夜というのは…なんだか落ち着く」

('A`)「奇遇だな、俺もだ」

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「夜は、寂しいな」

('A`)「…」



160 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 12:2009/07/29(水) 20:59:18.88 ID:1iceQLrS0

川 ゚ -゚)「だが、私はそれが好きだ」

川 ゚ -゚)「ぽっかりと空いた大きな黒い空間に」

川 ゚ -゚)「金色の月がいる」

川 ゚ -゚)「まるで、その穴を埋める様にな」

('A`)「クー…」

川 ゚ -゚)「そんな存在なんだろうな、君は」

('A`)「えっ」

川 ゚ -゚)「おしゃべりが過ぎたようだ、私は帰るよ」

くるりと後ろを振り返り帰っていく。
これで何度目だろう、彼女の美しい背中を見つめたのは。



164 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 13:2009/07/29(水) 21:02:43.61 ID:1iceQLrS0

某月某日
病院に俺は呼び出された。
どうやら彼女のことらしいが見当もつかない。一体何があったというのだ。

(-@∀@)「えーっと、ドクオさんですね?」

('A`)「はい…彼女に何かあったんですか」

(-@∀@)「うむ、前々からここには通っていたんですがね」

(-@∀@)「ちょっと大変な事態になりまして」

('A`)「…」

(-@∀@)「あなたに伝える勇気は無かった、だから私に伝えてほしかったようです」

('A`)「はぁ…それでクーは…」

(-@∀@)「素直さんは…



あと一ヶ月で死にます」




('A`)「…………え?」



168 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 14:2009/07/29(水) 21:07:06.59 ID:1iceQLrS0

某月某日
俺は恋をしている。
俺の恋のお相手である彼女は、美しい黒い髪をなびかせ、白い肌を日に
照らさぬよう、木陰で青い空を眺めていた。

こんなにも近いのに
美しい彼女は俺の方など見向きもせず、ただただ空を見上げていた。

その時の彼女の黒い瞳は
とても切なく感じた。

俺に何が出来るだろう。

('A`)「クー…」

川 ゚ -゚)「……空は…青いな」

('A`)「…」

川 ゚ -゚)「ドクオ……私のような者といて、楽しかったか?」

('A`)「…あぁ、幸せだった」

川 ゚ -゚)「そうか…よかった……」

川 ゚ -゚)「ありがとう」

('A`)「…」



171 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) 15:2009/07/29(水) 21:11:26.79 ID:1iceQLrS0

川 ゚ -゚)「少し…眠くなってきた………」






川 ゚ -゚)「おやすみ……ドクオ」







('A`)捧げるようです川 ゚ -゚)end







176 :('A`)捧げるようです川 ゚ -゚) :2009/07/29(水) 21:14:15.53 ID:1iceQLrS0

>>126 >>130 >>133 >>136->>137 >139
>>142 >>146 >>149 >>155-156 >>160
>>164 >>171
支援ありがとうございました。

ちなみにこの話は
帰り道シーン→病院シーン=過去→現在
となっております。
つまり、病院シーンから上に辿れば時系列通りに読めるようにしてます。
帰り道シーンから普通に最後まで読むと過去へ遡っている、ということに
なります。
最初と最後の同じシーンは一ヶ月経った日です。
書いててわけわかんなくなった。
でも夜中に書いたからちょっと自信ない。

では、拝読ありがとうございました。質問などありましたらどうぞ。







―――以下、補足的レス抽出―――

184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 21:22:01.93 ID:rLyVK0lI0

>>176
捧げるってのは心をって事かな?




185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 21:25:05.87 ID:1iceQLrS0

>>184
その通りですね。
でも心でくくらず、愛とか思い出とか恋愛に必要な
互いを捧げた…ってのもあります。




[ 2009/07/30 21:37 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)

ドックンドックン~!ふぅん!クーにゃーんにゃーん
クーにゃんもまた幸せだったろうな…
[ 2009/07/30 23:34 ] [ 編集 ]

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