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眉毛は汗を流すようです


246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/27(月) 03:14:41.98 ID:1chTJYUb0

投下します

お題:ピノ(アイス)・お神輿・雷雲

眉毛は汗を流すようです



247 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 03:15:44.24 ID:1chTJYUb0

暑さにたまりかねて目を覚ますと
どこか遠くから騒がしい声が聞こえてきた。
  _
(つ∀゚)「あー、そーいや今日お祭りだっけか」

体中にまとわりつくアルコールと煙草のにおいが気持ち悪い。
おまけに何か加齢臭が漂っている気がした。
べたつく汗とともに、すべてを洗い流しにシャワールームへと向かった。
  _
( ゚∀゚)「……ふぅ」

シャワーを浴び終え、身も心もさっぱりした途端
洗い流したはずのアルコールが恋しくなった。
……我ながらダメ人間だとは思う。

まあダメ人間なのは今に始まったことはない。
心のおもむくまま、冷蔵庫へ向かった。

――そのとき、とんでもない事態が発生した。



248 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 03:17:29.80 ID:1chTJYUb0
   _
Σ( ゚∀゚)「!?」

ない。
ない。
ない。
  _
( ;゚∀゚)「ビールがNEEEEEEEE!!!!!!11」

もちろん発泡酒もない。
第3のビールもない。
思わず冷蔵庫を閉じた。

胸に手を当てた。
深呼吸した。
もう一度、冷蔵庫を開けてみた。
  _
( ゚∀゚)「……やっぱり、ない」

せきをしてもない。
3歩進んで2歩下がってもない。
3べんまわってワンと鳴いてもない。



249 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 03:19:23.94 ID:1chTJYUb0
  _
( ゚∀゚)「……」

確かに、だんすぃは髪型のバリエーションがない
それがいかんのか?
そう思ってズラをかぶっても、やっぱりビールはない。
  _
从 ゚∀从「……」

なんとなく、鏡を見た。
  _
从 ゚∀从(あれ?もしかして俺様けっこうイケてね?)

そんな風に思ってしまう自分に絶望した。
それより何より――どこか見覚えのある顔。

とりあえず落ち着こう。
  _
( ;゚∀゚)「……ひっひっふー、ひっひっふー」

ズラを外し、深呼吸をした。
たしか妊婦用の呼吸法だった気がしたが、まあいい。

とにかくビールを買いにいこう。



250 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 03:32:12.45 ID:1chTJYUb0

大通りを歩いていると、向こう側から熱い漢たちが
固まりになって、こちらへ向かってきた。

一丸となって、リズムを合わせて叫ぶ。
汗をちらし、同じ歩調を保って
上下に揺れながら、同じ道を進む。

それは、ひとつの大きなうねりであった。


――俗にいう、お神輿である。


熱い漢たちにまじった、顔見知りに会釈しながら
そのままコンビニへと歩いていった。



252 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 03:35:08.52 ID:1chTJYUb0

いきつけのコンビニには、なじみの顔が待っていた。
  _
( ゚∀゚)ノ「おいすー」

('A`)ノ「おいすー」

まさに貧乏そのものを擬人化したような、不景気な面構え。
だが、こう見えてもこの男は立派な一国一城の主だった。

最初に就職した会社で、
いっしょにキチ○イ社長に苦しめられた同期。

とはいうものの、人生投げ放題な俺と違って
計画性のあったこの男はきちんと金を貯めてから退職して
このコンビニのオーナーになった。
派遣の俺とはえらい違いだ。

('A`)「この糞暑いのによく来たな」
  _
( ゚∀゚)「まーな。ほうびにビールをくれ」

('A`)「買え」
  _
( ゚∀゚)「くれよー」

('A`)「買えよー」



253 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 03:36:35.15 ID:1chTJYUb0
  _
( ゚ 3゚)「えー、ちょうだーい」

('A`)「そんな言い方してもかわいくないし」
  _
( ゚∀゚)「かわいかったらくれるのかよ」

('A`)「お前がかわいいということがありえん」

その言葉を聞いて、本当に後悔した。
――なぜ、ズラつけたまま来なかったのだろう。

そんなことを考えた自分に、もう一度後悔した。


ぼうっと考えていたら、ドクオの方から声をかけてきた。

('A`)「それはそうと……」
  _
( ゚∀゚)「?」

('A`)「それ、隠し子?」

ドクオの視線を追って振り向くと、
小さな子が俺のジーンズのすそを掴んでいた。

(*゚∀゚)



255 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 03:38:02.48 ID:1chTJYUb0
   _
Σ( ゚∀゚)「!」

(*゚∀゚)「?」
  _
( ;゚∀゚)「つーか、なんで俺のすそ握ってんのよ」

(*゚∀゚)「うーん……そこにすそがあるから?」

('A`)「ジョルジュも水くさいよな、子どもがいるならいるって――」
  _
( ;゚∀゚)「いやいやいやいや」

('A`)「今さらごまかさんでも。何をあわててんのよ」

(*゚∀゚)「だよな!もちつけっつーの」
  _
( ;゚∀゚)「つーか誰よお前」

(#゚∀゚)「あぁ?おめーから名乗れよ」

('A`)「その子が正しいな」

(*゚∀゚)「だろ?いい年して困った野郎だよなアヒャヒャ」


だんだん、何もかもがどうでもよくなってきた。



256 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 03:41:01.26 ID:1chTJYUb0
  _
( ゚∀゚)「おい坊主」

(#゚∀゚)「あぁ?オレのどこが男に見えるんだよ!」

('A`)「えっ」
  _
( ゚∀゚)「えっ」

白い、ぶかぶかのTシャツに短パン。
黒スニーカー。
どう見ても男の子です。本当にありがとうございました。

(#゚∀゚)「おい待て!そこの貧乏神まで!!」

('A`;)「び、貧乏神?」
  _
( ゚∀゚)「言われてみれば確かに……」

(*゚∀゚)「女に見えるだろ?」
  _
( ゚∀゚)「このおっさんは貧乏神にしか見えんな」

('A`#)「……」

(*゚∀゚)「そっちかよwwでもお前もそう思うだろアヒャヒャヒャ」



258 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 03:43:15.51 ID:1chTJYUb0

ふと、あたりが暗くなった。
どうやら外の雲行きがあやしくなってきたようだ。
  _
( ゚∀゚)「あっちゃー、こりゃ降ってきそうだな」

(*゚∀゚)「あっちゃー」
  _
( ゚∀゚)「おい貧乏神」

('A`#)「……」
  _
( ゚∀゚)「耳まで遠くなったか?童貞王」

(*゚∀゚)「どーていおう?何だそれ?」
  _
( ゚∀゚)「もてない貧乏神のこと」

(*゚∀゚)「そっかー」

('A`)「子どもに嘘教えんなって」

(*゚∀゚)「うそ?じゃあほんとはどーいうこと?」

('A`;)「えー……いや……その……」
  _
( ゚∀゚)「答えてやれよ童貞王」

(*゚∀゚)「そーだぞどーていおう」



262 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 04:00:28.59 ID:1chTJYUb0

('A`)「もう帰れよ眉毛」
  _
( ゚∀゚)「そーいや俺ビール買いにきたんだよ」

('A`)「さっさと買ってさっさと( ・∀・)カエレ!!」
  _
( ゚∀゚)「ひでー店主もあったもんだ」

('A`)「いや俺貧乏神だし」

(*゚∀゚)「やっぱり貧乏神かー」
  _
( ゚∀゚)「頼みがあるんだけど」

('A`)「だが断る」
  _
( ゚∀゚)「せめて聞くだけは聞けってw」

('A`)「聞いても断るよ眉毛」
  _
( ゚∀゚)「イジケンナヨー」



263 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 04:02:24.11 ID:1chTJYUb0

(*゚∀゚)「え、どーていおうはいじけてんのか?」

(;A;)「……」

(*゚∀゚)「いじめちゃダメだぞ眉毛」
   _
Σ( ゚∀゚)「え!俺?」

('A`)「そーだぞ眉毛」

(*゚∀゚)「どーていおうがかわいそうだろ?」

('A`)「……」

ふと外を見ると、とうとう降りだしてきた。
どしゃぶりの雨がざあっと大きな音を立てる。
  _
( ゚∀゚)「あーあ、降ってきちまったな」

(*゚∀゚)「きちまったなー」



265 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 04:06:03.85 ID:1chTJYUb0
  _
( ゚∀゚)「あ、そうそうドクオ。さっきの話だけど」

('A`)「……何?」
  _
( ゚∀゚)「客もいねーし、ここでモノ食ってもいい?」

(*゚∀゚)「ぎょうぎ悪いぞ眉毛」
  _
( ゚∀゚)「お前アイス食いたくね?」

(*゚∀゚)「食う!アイス食う!」
  _
( ゚∀゚)「俺が買うからいいだろ?ドクオ」

('A`)「しゃーねーな」
  _
( ゚∀゚)「それでこそ店長様でございますよ。話せますなあ」

(*゚∀゚)「ますなー」

('A`)「ビールは駄目だぞ眉毛」

(*゚∀゚)「だめだぞー眉毛」
  _
( ゚∀゚)「……」



267 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 04:09:09.12 ID:1chTJYUb0

無言のまま、俺はアイスのコーナーに向かった。
アイスをつかみ、ドクオへ差し出す。

小銭を渡してアイスを受け取ると、
床にぺたりと座り込んだガキの横に並んで座った。
  _
( ゚∀゚)「お嬢様アイス食いやがれでございますよ」

(*゚∀゚)「お!ピノじゃねーか!!これうめーんだよなー」

ガキはうれしそうに笑うと、ピノをひとつ口の中に入れた。
小さなピノひとつで口の中がいっぱいになっている。

(*゚∀゚)「まひゅひぇもえんひょひゅんな」
  _
( ゚∀゚)「ラテン語か?」

('A`)「いやコバイヤ語だろ」

(*゚∀゚)「???」

ラテン語はともかくコバイヤ語なんて幼児にわかるわけがない。
そんなことだから奴は童貞を捨てられないのだ。

実際、この若さで店主ができる甲斐性はあるのに
こういうところと……あとは顔のせいか?もてないのは。



268 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 04:11:36.90 ID:1chTJYUb0
  _
( ゚∀゚)「口の中のは食い終わったか?」

(*゚∀゚)「おぅ!」
  _
( ゚∀゚)「そうかそうか。で、何が言いたかったんよ」

(*゚∀゚)「眉毛もえんりょすんな」
  _
( ゚∀゚)「?」

(*゚∀゚)「ほれ、あーん」
  _
( ゚∀゚)「いや、いいって」

(*゚∀゚)「えんりょすんなよ眉毛」

('A`)「そうだぞ眉毛」
  _
( ゚∀゚)「うるせえ童貞王」

(*゚∀゚)「いいからいいから。ほれ、あーん」

プラスティックの楊枝に突き刺したピノを
ガキが突き出したとき、大きな雷が落ちた。



270 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 04:13:36.57 ID:1chTJYUb0

(;゚∀゚)「ひゃぁっ!!」

ガキがおれにしがみついた。
  _
( ゚∀゚)「ん?雷は怖いのか?」

(;゚∀゚)「おおおオレがそんなもん怖がるはずがががが」
  _
( ゚∀゚)「そうかそうか、偉いな」

気付かぬそぶりで、
震えるガキをそっと抱きしめた。

(;゚∀゚)「あ」
  _
( ゚∀゚)「?」

(li゚∀゚)「買ってもらったピノ……落としちまった」
  _
( ゚∀゚)「ん?ああ」

床に落ちたピノを拾い上げると、そのままぱくっと口に入れた。

(;゚∀゚)「きたねーって。無理すんなよ」
  _
( ゚∀゚)「3秒ルール3秒ルール」

(*゚∀゚)「……」



271 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 04:19:22.59 ID:1chTJYUb0

気がつくと、ガキの震えがおさまっていた。
おさまったのに、ガキはぎゅうっとしがみついて離さない。

まあ、いいか。

そのまま二人で座り込んでいると、
雨音がだんだん小さくなってきた。

やがて雨がやみ、晴れ間が見えると
ガキは立ち上がって、大きく背伸びをした。

(*゚∀゚)「晴れたなー」
  _
( ゚∀゚)「ああ、晴れたな」

('A`)「晴れたから客来るかなー」
  _
( ゚∀゚)「それはどうかな」

('A`)「縁起でもねえこと言わんでくれ」

(*゚∀゚)「そーだぞ眉毛」



273 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 04:21:19.13 ID:1chTJYUb0

そんなことを話していると、客がやってきた。

('A`)「いらっしゃいませー」

从 ゚∀从「……」

――見覚えのある顔。
  _
( ゚∀゚)「……高…岡?」

从 ゚∀从「え……ジョルジュ?」

高校のころ、ちょっといろいろあった女。
10年ぶりくらいの、意外な再会。

(*゚∀゚)「かーちゃん!」

从 ゚∀从「あ!つー!お前こんなとこにいたのか!」

……かーちゃん?
言われてみれば似てるか……

そうか、そうだよな。
お互いそういう年だよ。



275 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 04:23:20.54 ID:1chTJYUb0
  _
( ゚∀゚)「……子ども?」

从 ゚∀从「……ああ」

(*゚∀゚)「?」

从 ゚∀从「つー、どーした?」

(*゚∀゚)「かーちゃん、眉毛のこと知ってんのか?」

从 ゚∀从「うはwwwwwwまwwwゆwwwwwwwwげwwwwwww」
  _
( ゚∀゚)「……」

从 ゚∀从「どうやらうちの子が世話になっちまったみてえだな」
  _
( ゚∀゚)「そりゃ別にいいんだけど……旦那は?」

从 ゚∀从「結婚なんかしてねーし」
  _
( ゚∀゚)「……そーっすか」

从 ゚∀从「そーっすよ」

(*゚∀゚)「そーだぞ」

('A`)「……客3名で売り上げピノ1個か」



276 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 04:26:37.98 ID:1chTJYUb0

从 ゚∀从「まー、いろいろあったんよ」

(*゚∀゚)「あったんだぞー」
  _
( ゚∀゚)「ふーん」

从 ゚∀从「それはそうと、この辺に住んでんの?」
  _
( ゚∀゚)「まーな」

从 ゚∀从「んじゃ、そのうち今日の礼しねーとな」
  _
( ゚∀゚)「アイス1つくらい気にしなくていいよ」

(*゚∀゚)「えんりょすんなよ眉毛」

从 ゚∀从「だよなあ、つー?」

(*゚∀゚)「なー!」

('A`)「そうそう、遠慮しないでいっぱい買え」



278 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 05:00:46.13 ID:1chTJYUb0

ハインはドクオを無視して携帯を取り出し
俺の携帯を奪い取って操作した。

从 ゚∀从「はい送受信完了。んじゃ、あとで連絡するわ」
  _
( ゚∀゚)「ほんと気にしなくていいって」

(*゚∀゚)「えんりょすんなよ眉毛」

从 ゚∀从「そーwwwだぞwwwまwwwゆwwwげwww」
  _
( ゚∀゚)「……」

从 ゚∀从「まあ、いろいろとつもる話もあるしさ」

(*゚∀゚)「あるんだぞ」

(;A;)「遠慮……してください……ここは……俺の店……」



279 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 05:02:59.37 ID:1chTJYUb0

从 ゚∀从「じゃあ、あとで連絡するから。ほら、つー、行くぞ」

(*゚∀゚)「ちょっと待ってくれよかーちゃん」

从 ゚∀从「?」

(*゚∀゚)「眉毛、ちょっとすわれ」
  _
( ゚∀゚)「?」

言われるままに座ると、つーがぎゅっとしがみついてきた。
一度だけためらうと、俺の頬にそっと口づけた。
  _
( ゚∀゚)「えっ」

从 ゚∀从「えっ」

(*゚∀゚)「眉毛はオレのだからな!かーちゃんはえんりょしろ」
  _
( ゚∀゚)「えっ」

从 ゚∀从「えっ」

(;A;)「帰れよ……帰ってくれよ……」



280 :眉毛は汗を流すようです:2009/07/27(月) 05:04:51.33 ID:1chTJYUb0

(*゚∀゚)「じゃーな眉毛!また会うぞ!」

从 ゚∀从「おいこら、つー!待て!走るな!!」

すごい勢いで駆け出したつーを追って
ハインは去っていった。
  _
( ゚∀゚)「……」

('A`)「おい、眉毛」
  _
( ゚∀゚)「……ビールくれる?」

('A`)「24缶入りを3箱もってくるわ」
  _
( ゚∀゚)「……台車お借りしてもいいすか?」


雨上がりの蒸した空気に、ビールを積んだ台車の重み。
そんな帰り道で、背中に大量の汗が流れた。







投下された絵
240520.jpg



[ 2009/07/28 21:24 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)

ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
本来のアヒャキャラつーは久しぶりだな
[ 2009/07/28 22:52 ] [ 編集 ]

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