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('A`)遠くの音が聞こえるようです


322 :('A`)遠くの音が聞こえるようです1/12:2009/07/24(金) 20:47:39.69 ID:jKz1iu3d0

ニチャン市立ヴィップ高校。一年A組教室内。

('A`)「ふぁ~~ふ」

大欠伸をかましている学生がいた。多くの高校生が躓く数学の時間だというのに、
随分な余裕である。

川 ゚ -゚)「おい鬱田、聞いているのか?」

('A`)「聞いてないっす。サーセン」

ほぼ毎回、数学の授業に限らず、こんな感じである。

川 ゚ -゚)「こいつを解け、と言ったんだ」

('A`)「……x=y=1/2の時最大値1/4。最小値は無し」

川 ゚ -゚)「……正解だ」

その言葉が発せられたとたんに、鬱田と呼ばれた生徒の気がまた抜ける。

('A`)「……順風耳」

小声で彼はそう呟いた。彼の耳に、遠くからの音が昨日からの雨交じりに聞こえてくる。

ギシギシアンアン

('A`)(……順風耳使ってまでなんでこの音を聞かなきゃなんねーんだよ。
てかこの時間帯に何やってんだクソが)



324 :('A`)遠くの音が聞こえるようです2/12:2009/07/24(金) 20:48:55.26 ID:jKz1iu3d0

―――
(;^ω^)「おいすー! ドクオー」

('A`)「よおブーン、一時限目遅刻だな。ついでにズブ濡れなんだが」

(;^ω^)「大雨で電車が止まったんだお。だから……」

(;'A`)「まさか、走ったのか?」

(;^ω^)「当たりだお」

('A`)「……大雨って言えば、あの河も危険だよな」

高校より海抜が上のところに、河が流れている。夏にはそこで水泳授業をやるらしいが

( ^ω^)「あの河で水泳はやめた方がいいお」

('A`)「だよな。水が汚すぎ……ん?」

順風耳を使用した後も、遠くの音はかすかに聞こえる。

('A`)「……順風耳。もう一回発動」

大雨の音と、それによって流れの強さが増した河の音が聞こえる。が、その奥に、大木が
根こそぎさらわれるような音が、土砂が崩れ落ちるような音が、混じっている。

(;'A`)「ブーン、先生たちに伝えてくれねえか」

(;'A`)「多分、土石流が来る」



325 :('A`)遠くの音が聞こえるようです3/12:2009/07/24(金) 20:50:32.66 ID:jKz1iu3d0

(;^ω^)「ど、どういうことだお? 話がさっぱり掴めないお」

('A`)「距離を考えると、大体三時限目の半ば頃に土石流が到達する」

(;^ω^)「それを、先生方が信じるかお?」

从 ゚∀从「まあ、面白そうな話だが」

(;'A`)「……あ、高岡先生」

高岡と呼ばれたこの女性は、ドクオ達のクラスの現文を担当している。

从 ゚∀从「問題、土石流が来ると思われる理由を述べよ」

(;'A`)「……遠くの方で、土砂が崩れるような音がしたから」

从 ゚∀从「お前らしくないじゃないか。五点中二点だ。肝心の大雨を忘れている」

(;'A`)「あ」

从 ゚∀从「土砂が崩れる音がし、かつ、大雨が降り、河の水流が激しくなっているから」

从 ゚∀从「これが今の段階での完全答だろう」

从 ゚∀从「まあ、いいさ。俺は他の先生方と話をつけてくる」

(;^ω^)「ちょ、ちょっと待ってくださいお! 信じられるのですかお!?」

从 ゚∀从「正直、半信半疑だが、土石流は来るだろうと俺は踏んでいる」



326 :('A`)遠くの音が聞こえるようです4/12:2009/07/24(金) 20:51:39.22 ID:jKz1iu3d0

从 ゚∀从「自治体が、土石流に対する警報を発令した」

从 ゚∀从「時間に関しては、何も言ってないがな」

从 ゚∀从「……おっと、そろそろ二時限目だ」

そう言い、高岡はその場を去った。

('A`)「……次、何だっけ」

( ^ω^)「古典だお」

('A`)「ダリィ」
―――
( ^ω^)「そして三時限目なのですが」

('A`)「正確にはその前の休み時間、な」

( ^ω^)「……雨足、強くなってないかお?」

('A`)「言われてみれば確かに。……っ!」

( ^ω^)「どうしたお?」

(;'A`)「土石流が、予定よりも早く来る!」

(;^ω^)「な、なんだってーーー!」

川 ゚ -゚)「……騒々しいと思ったら、鬱田と内藤か」



327 :('A`)遠くの音が聞こえるようです5/12:2009/07/24(金) 20:52:46.87 ID:jKz1iu3d0

川 ゚ -゚)「そんなことくらいは考えてある。とっくに一階の主要なものは上の階に置き直した」

川 ゚ -゚)「鬱田、いつ来るか計算してみろ」

('A`)「……順風耳」

以前よりも近くなっている。土砂が混じった水が来るまで十分とかからないだろう。

('A`)「三時限目開始直後」

川 ゚ー゚)「上出来だ」
―――
( ・∀・)「うはwwww何もwwwwねえwwww」

一回、体育館の横に据え付けられた、用具室。そこにあったものはすでに避難されている。

( ・∀・)「隠れる場所wwwねえけどwww大丈夫だろwwww」

と、彼はポケットからタバコの箱とライターを取り出した。タバコを一本取り出し、手に
持つ。そして、それに火を

ノハ♯゚⊿゚)「見つけたぞおぉーーー!」

(;・∀・)y-「だあああーーーっ!?」

付ける前に、先生に見つかってしまったようだ。



328 :('A`)遠くの音が聞こえるようです6/12:2009/07/24(金) 20:54:39.34 ID:jKz1iu3d0

ノパ⊿゚)「で、何故ここにいる! モララー!」

( ・∀・)y-「見てわかんないっすか? ヒートせんせ」

ノパ⊿゚)「私が言いたいのはそんなことではない! 死ぬ気かっ!」

(;・∀・)y-「え? えええ?」

ノパ⊿゚)「土石流が来るぞ! 大方、お前は三時限目の間ずっとここにいるつもりだったろうが」

キーンコーンカーンコーン
―――
キーンコーンカーンコーン

(;'A`)「一階に人が、多分二人、います」

川;゚ -゚)「なん……だと……」

(;'A`)「……げっ、来やがった!」

その場の二人は、窓から外を見る。茶色く、大木を巻き込んだ水が、校舎にぶつかり、中
へと浸入した。

『えー、土石流が校舎内に侵入したようです。二階より上は大丈夫ですが、授業は念のため中止してください』



329 :('A`)遠くの音が聞こえるようです7/12:2009/07/24(金) 20:55:38.51 ID:jKz1iu3d0

川 ゚ -゚)「…………」

('A`)「……クール先生?」

川 ゚ -゚)「内藤は何処だ?」

('A`)「え? ……あ」

ブーンの姿は、ここには無い。チャイムが鳴るころにはいたのだが。
―――
ノハ;゚⊿゚)「……つまり、こういうことになる前に逃げろということだ!」

(;・∀・)「せんせ、言うの遅い」

ノハ;゚⊿゚)「……避難するぞ」

(;・∀・)「はい」

用具室の扉は開けっ放しである。そこから二人は出たものの。流れが強い。

ノハ;゚⊿゚)「とにかく、二階に行こう!」

(;・∀・)「そうします」

流れに逆らって無理やり歩いていく、と

(;^ω^)「お、いたお」

(;・∀・)「……なんでブーンがいるんだ?」



331 :('A`)遠くの音が聞こえるようです8/12:2009/07/24(金) 20:56:35.28 ID:jKz1iu3d0

ノパ⊿゚)「命を捨てに来たのか?」

(;^ω^)「その発言は教師としてどうかと思いますお」

ノパ⊿゚)「内藤、君がやっていることは、そのくらいのことだと言っているんだ!」

(;^ω^)「ところで、階段は向こうにもありますお。どうして流れに逆らってこっちに来たんですかお?」

ノハ;゚⊿゚)「…………」

(;・∀・)「いや、だって、せんせが先に行くから……」
―――
('A`)「……順風耳」

遠くで、水の音が聞こえる。かなり静かだ。同じ階からは、三人分ほどの足音が聞こえる。

('A`)「ブーンと二人は戻ってきます。多分、これ以上の土石流も来ないと……先生?」

川 ゚ -゚)「……静か過ぎる」

川д川「第二波の……前触れね……」

川;゚ -゚)「来たのなら声ぐらいかけてください。貞子先生」

川д川「あら、悪かったわクール先生」



332 :('A`)遠くの音が聞こえるようです9/12:2009/07/24(金) 20:57:40.28 ID:jKz1iu3d0

ピシ

('A`)(……え?)

順風耳を解除していなかったドクオには聞こえたようだ。

('A`)「……っ! 来る!」

刹那、ドクオの耳に爆音が響いた。

川д川「第二波……かしら」

(;'A`)「~~~っ! ダムが、決壊した……」

川;゚ -゚)「これまた厄介な……。ダムに溜め込む水量からして、二階まで水没するぞ」

川 ゚ -゚)「貞子先生、校内放送をお願いします」

川д川「わかったわ」
―――
川 ゚ -゚)「さて、鬱田、何故二回ともわかった?」

(;'A`)「集中すれば、遠くの音が聞こえます」

川 ゚ -゚)「成る程」

(;'A`)「……え? 普通に信じるんですか?」



334 :('A`)遠くの音が聞こえるようです10/12:2009/07/24(金) 21:00:09.49 ID:jKz1iu3d0

川 ゚ -゚)「この状況で嘘を吐く人間などいない」

川 ゚ -゚)「それに、先生も同じようなものだ」

(;'A`)「……え?」

川 ゚ -゚)「先生は遠くを見ることが出来る」
―――
ノパ⊿゚)「泥まみれだな!」

( ・∀・)「それはせんせも同じです」

( ^ω^)「……お?」

『えー、土石流の第二波が襲来するとの報告がありました。
生徒ならびに教職員は至急三階以上の階に避難してください』

ノパ⊿゚)( ・∀・)( ^ω^)「な、なんだってーーー!」

この放送が流れた直後、「な、なんだってー!」の声が各教室で聞こえたという。
―――
( ^ω^)「校舎破壊とか、マジでありえないお」

一階部分に大岩が衝突し、一部が損壊したらしい。校舎の強度が問われるところだが、そんなこ
とはどうでもいい。

( ^ω^)「ところで、先生」

从 ゚∀从「ん? なんだ? もしかしてあれか、盛りか」



335 :('A`)遠くの音が聞こえるようです11/12:2009/07/24(金) 21:01:23.53 ID:jKz1iu3d0

(;^ω^)「いやいや違いますお。これって、土石流と言うより、洪水……」

从 ゚∀从「…………」

从 ゚∀从「細かいことは気にしなくてよろしい」
―――
('A`)「先生」

川 ゚ -゚)「何だ」

('A`)「これ土石流って言うより、鉄砲水……むしろ洪水ですよね」

川 ゚ -゚)「…………」

川 ゚ -゚)「土石流(どせきりゅう)とは、土砂が水(雨水や地下水)と混合して、
河川・渓流などを流下する現象のこと。」(by:Wikipedia)

川 ゚ -゚)「鉄砲水(てっぽうみず)とは、河川などの非常に急激な出水・増水のこと。
水害の原因の1つ。広義には河川以外への水の急激な流出を指すこともあるが、
それらは洪水と呼ばれることが多い。」(by:Wikipedia)

川 ゚ -゚)「洪水(こうずい)とは、大雨・融雪が原因で河川の増水・氾濫により
引き起こされる自然災害(天災)の一種d」(by:Wikipedia)

(;'A`)「もうわかりましたからやめてください」
―――



338 :('A`)遠くの音が聞こえるようです12/12(終):2009/07/24(金) 21:03:18.07 ID:jKz1iu3d0

( ・∀・)「せんせ」

ノパ⊿゚)「なんだ」

( ・∀・)「服www透けてるwww」

ノハ;゚⊿゚)「まじか!」

(*・∀・)ハァハァ

ノパ⊿゚)「よし! この土砂の中に投げ落としてやろうか」

(*・∀・)「せんせwwwそれ虐待www」

ノパ⊿゚)「一向に構わん!」

(;・∀・)「な、なんだってーーー!」
―――
川д川「…………」

川д川「……さて」

川д川「千里眼や順風耳の使用者を消せなかったわけですが」

川д川「詰めが甘かったですかね、やはり」


('A`)遠くの音が聞こえるようです  \(^o^)/オワタ







341 :('A`)遠くの音が聞こえるようです あとがき?:2009/07/24(金) 21:07:06.44 ID:jKz1iu3d0

>>322>>324-329>>331-332>>334-335>>338

('A`)遠くの音が聞こえるようです

お題
前スレ>>950順風耳

最後に、一レス物を書いてみたいのでお題を一つくだしあ


[ 2009/07/25 22:37 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)

ドックンドックン~!ふぅん!クーにゃーんにゃーん
順風耳と千里眼といえば、柳と桃の精
[ 2009/07/26 15:26 ] [ 編集 ]

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