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(,,゚Д゚)連鎖のようです


762 :(,,゚Д゚)連鎖のようです 1/13:2009/07/14(火) 21:31:37.15 ID:wemj7FTe0

太陽が燦々と照り、一面に広がる田では風が穂を揺らす。
家畜の牛やヤギはこの暑さの中で草に寝転がり、日向ぼっこをしている。
季節は秋に差し掛かってはいたが、まだまだ気温は下がらぬまま。

田や畑ばかりの風景の中にポツンとあるのは小さな村。
その村では大人は畑仕事に精を出し、子供たちは元気に駆け回っている。


そんなのどかで平和な村に、一つだけ変わった風習があった――。



(,,-Д゚)「まだ朝なのに暑いな……」

齢は17,8といったところだろうか。
この男も畑で大人たちに混ざって仕事をしている。
この村ではこれくらいの歳で働くのは珍しくなく、同じくらいの年齢の青年たちも汗を流していた。



764 :(,,゚Д゚)連鎖のようです 2/13:2009/07/14(火) 21:32:57.42 ID:wemj7FTe0

「おーい! ギコー!」

(,,゚Д゚)「ん……? あ、どうした親父ー!」


男は自分が呼ばれたほうへ顔を向けて返事をすると、ギコに向かって父親が走ってきていた。

ミ,,゚Д゚彡「はぁはぁ……。俺は一旦帰るぞ」

(,,゚Д゚)「俺一人にここを任せるのかよ」

ミ,,゚Д゚彡「家でやり残したものがあったんだよ。すまないが、頼む。
      今、おっかあが昼飯作ってくれてるから、あと少し作業したら帰ってこいな」

(,,-Д゚)「しょうがねえな。わかりましたよ」

ミ,,゚Д゚彡「ああ、そうだ。明後日にはモララーが帰ってくるってよ」

(,,゚Д゚)「それは本当か!? 何ヶ月ぶりだろうか!」

モララーはギコとは四つ離れた兄で、近くの町へと出稼ぎに行っている。
たまに家族のもとへ帰ってきては、色々な話を聞かせてくれる人で、ギコは大好きだった。

ミ,,゚Д゚彡「あまりモララーの話に夢中になって寝不足になるなよ」

それじゃあな、と手を振る父親の背中に、舌を出して手を振るギコ。
そして、だるそうにまた鎌を持ち、畑に向かっていった。



766 :(,,゚Д゚)連鎖のようです 3/13:2009/07/14(火) 21:36:02.47 ID:wemj7FTe0

~~~~~~~~

(,,゚Д゚)「今日の昼飯は何かな~♪」

一、二時間ほど経ち、太陽が天辺まで昇った頃、畑仕事をしていた者たちは昼飯を食べるために家に帰る。
ギコも作業で痛くなった腰をあげ、帰路を歩いていた。

道の両脇には木が生い茂り、小鳥たちの鳴き声もよく聞こえてくる。
その中の大きな杉の木がギコの視界に入ったとき、一人の女の子が声をかけてきた。

lw´‐ _‐ノv「お、ギコ君ではないか」

(,,゚Д゚)「シューちゃん、こんにちは」

シューという子は、ギコがいつも畑仕事から帰る際に通る杉の木の下で読書をしている子だ。
顔つきは幼く、年齢はギコより二つか三つは下だ。
数年前から顔は知っていたが、会話をしたりするようになったのは数ヶ月前から。
しかし、仲はいいのだが、お互いの家や両親については知らず、杉の下だけの付き合いだった。

lw´‐ _‐ノv「米のために帰るのかい?米のために。米、米」

(;゚Д゚)「いや、米のためだけじゃないけどさ。
     暑くて読書にも集中出来ないんじゃないかい?」

lw´‐ _‐ノv「そうさね。暑くてたまったものじゃないよ。
       あ、アイスキャンディー食べるかい?」

少し――いや、かなり変わっていて、返答に困ることもある。
だが、ギコにとっては短くも楽しみな時間でもあった。



768 :(,,゚Д゚)連鎖のようです 4/13:2009/07/14(火) 21:38:46.42 ID:wemj7FTe0

(;゚Д゚)「お、ありがたい。
     もう少し話していたいけど、もうクタクタだし、おなかが減ったから帰るよ」

lw´‐ _‐ノv「うむ。それでは米のために駆け足で帰るがよい」

(,,゚Д゚)「はははっ。それじゃあな!」


lw´‐ _‐ノv「本当に駆け足で帰って行ったよ……。
       疲れていたんじゃないのかよ……」



息を切らせつつも家に着いた。
今すぐにでも飯を食べたかったギコは、すぐさま家の引き戸を開ける。





途端、絶句した。



770 :(,,゚Д゚)連鎖のようです 5/13:2009/07/14(火) 21:40:27.86 ID:wemj7FTe0

玄関には赤い点が飛び散っていた。
少し奥は薄暗くなっており、そこには見慣れた人、ギコの母親が倒れている。
否、見慣れてなどいない。ギコが知っている母親は、背中に鍬など刺さっていなかった。


(,,゚Д゚)「え、え、え? お、おっかあ? おっかあ――――!」

さっきまでの暑さが嘘のようにギコの顔が青ざめ、汗一つかいていない。
腰も砕け、その場に座り込んだ。

(,,゚Д゚)「そ、そうだ、親父は、親父はどこだ!?」

そうだ、と声を上げ、心当たりのほうへ顔を向け、体を崩しながらも立ち上がった。
家の納屋へ走り出す。汗がまた、滲み出していた。

家の裏手に周り、納屋へ全力で向かう。
そして納屋の中へ入って見つけた。先程舌を出して手を振ったその背中。
その背中は、鍬のせいで赤く染まっていた。


瞬間、ギコは崩れた。
涙と汗がごっちゃになり、手と膝をつき、何度も頭を地面にたたきつけた。

(,,゚Д゚)「夢だ夢だこれは夢だ、なんてタチの悪い夢だ、早く覚めろよ、早く、早く、はやくしろ――!」



772 :(,,゚Д゚)連鎖のようです 6/13:2009/07/14(火) 21:43:08.03 ID:wemj7FTe0

ギコの大きな声にびっくりした隣のおばあさんがギコに早足で近づいてくる。

从'ー'从「な、何してるのギコちゃ……きゃああああああああああああ」


そのおばあさんもギコの父親だったものへ目を向け絶叫した。
そして、ギコはショックのあまり気絶した。



~~~~~~~~~~~~

「ギ……ゃん……ギコ…ちゃ………」

(,,゚Д゚)「うわあああああああああああああああああああ」

从'ー'从「ギ、ギコちゃん。落ち着いて。お願いだから」

(,,゚Д゚)「わ、渡辺さん。ごめん、なんか悪い夢でも見てて」

从'ー'从「そ、それが……」

(,,^Д^)「あれ、もう夜か? これは親父やおっかあに怒られちまうなあ」


ははは、と笑うギコを見て、おばあさんは見ていられなかった。
もし、もしこれが夢ならば、とおばあさんも思っただろう。



774 :(,,゚Д゚)連鎖のようです 7/13:2009/07/14(火) 21:45:53.29 ID:wemj7FTe0

从'ー'从「ギコちゃん、よく聞いて。
     あなたのお父さんとお母さんは、お父さんとお母さんは……殺されたのよ」

(,,゚Д゚)「え……。夢じゃ、夢じゃなかったのかよ?
     渡辺さん、嘘、嘘だろ?」

从'ー'从「嘘じゃないの。犯人も捕まったわ。
     とりあえず行きましょう。あそこへ」

ギコは足取りもおぼつかないまま、おばあさんに手をとられて連れて行かれた。


村の外れの少し離れたところに、他の家とは雰囲気が違う、大きな屋敷があった。
そこは通称『仇討ち屋敷』と呼ばれ、家族が殺されたものだけが立ち入りを許されるところ。

昔からこの村では『仇討ち』というものが許されており、家族が殺されたものがここで手続きをとれば、誰でも仇討ちが可能となる。

从'ー'从「ギコちゃん。あなたが仇討ちを望めば、ここで手続きをしなさい。
     望まなければ、犯人にはそれ相応の罰が待っているわ。どちらか、選ぶのよ」


(,,゚Д゚)「俺は、俺は……“仇討ち”をする」

从'ー'从「そう……。私はここで帰るわね。私は入れないから」

(,,゚Д゚)「ありがとう、ございます」

おばあさんは踵を返し、今来た道を戻っていった。



776 :(,,゚Д゚)連鎖のようです 8/13:2009/07/14(火) 21:48:11.35 ID:wemj7FTe0

「ギコー! ギコくーん!」


聞きなれた、高い声でギコを呼ぶ声。
今のギコにはその声は救いだった。

(,,゚Д゚)「シュー! シューか!」

lw´‐ _‐ノv「もしかして、仇討ち……するの?」

(,,゚Д゚)「ああ。犯人が誰であろうと、俺には許せないんだ」

lw´‐ _‐ノv「やめて。そんなことはご両親も望んでないよ。
       私だってそんなこと……。だってそんなことしたら……。そんなこと」

(,,゚Д゚)「そんなこと!? 俺にはそんなことなんかじゃない」

lw´‐ _‐ノv「ご、ごめん。そんなつもりじゃ」

(,,゚Д゚)「もういい」

そう言うとギコは仇討ち屋敷へ入っていった。



779 :(,,゚Д゚)連鎖のようです 9/13:2009/07/14(火) 21:49:46.13 ID:wemj7FTe0

翌日。ギコの仇討ちはすぐさま執り行われることになった。
手続きといっても、本人の同意だけなので、すぐに行われることになった。

仇討ちは仇討ち屋敷が定めた場所で行われる。
そこは草一つ生えていない村の外で、周りには仇討ちの対象が逃げられないように柵が設けられている。
そこへ仇を討つものと討たれるものが二人きりとなり、実行される。
仇を為すための道具は、仇を討つものが自分で決められることが認められている。

ギコは、鍬を選んだ。


(;´∀`)「ひぃ」

(,,゚Д゚)「あれが俺の仇か」


( ФωФ)「仇討ちを執り行う。ギコ、入れ」


柵の一部が開き、ギコが入る。
そして柵の外から鍵が掛けられ、出入りが出来ないようになった。



781 :(,,゚Д゚)連鎖のようです 10/13:2009/07/14(火) 21:52:15.16 ID:wemj7FTe0

施錠した直後、仇討ち開始のサイレンが鳴り響く。
その瞬間、ギコは両親の仇となる男へと走り出した。
男も柵一杯まで走り出す。しかし逃げられるはずもなく、足を止めた。

(,,゚Д゚)「死ねえええええええええええええ」


鍬を目一杯振り上げ、その男の背中へ振り下ろした。
ギコの体にはたくさんの赤い点が飛び散り、地面には赤い水溜りが出来ていた。
男の背中には鍬が刺さっており、いつかの両親を思い出したのか、涙で顔を汚した。







また、サイレンが鳴った。







783 :(,,゚Д゚)連鎖のようです 11/13:2009/07/14(火) 21:54:34.21 ID:wemj7FTe0

カチ、カチ、と開錠されたのち、施錠された音が聞こえた。



(;゚Д゚)「えっ」

ギコは鍵が掛かっていた柵のほうへと目を向け、驚きの声をあげたときには既にギコの首に鍬が刺さっていた。


(,, Д )「な……ん、で」

lw´‐ _‐ノv「だから言ったのに……」

ギコが最後に見た彼女は、いつもの彼女と少し違った。
手には本ではなく、鍬を持っていた。



lw´‐ _‐ノv「ごめんね、ギコ君……
       その人ね、私のお父さんなの」



786 :(,,゚Д゚)連鎖のようです 12/13:2009/07/14(火) 21:56:47.27 ID:wemj7FTe0

lw´‐ _‐ノv「私、止めたよね。こうなったら嫌だから、止めたのに」

いいお友達になれたのに……。そんな言葉も、ギコには聞こえるはずもなかった。
突然シューは振り向き、尋ねた。

lw´‐ _‐ノv「ねえおじさん? ギコ君には他に家族がいらっしゃるの?」

( ФωФ)「たしか……兄がいたな」

lw´‐ _‐ノv「そう……」

シューは、もう一度ギコに向かって話し始める。
それは悲しく、寂しそうな目だった。

lw´‐ _‐ノv「私だって嫌。悲しいわ、こんなの。
       でもね、いざ家族が殺されると、どうにも出来ないの」

そう、悲しいのよ、と彼女は続けた。



788 :(,,゚Д゚)連鎖のようです 13/13:2009/07/14(火) 21:58:26.39 ID:wemj7FTe0

lw´‐ _‐ノv「こんなの、こんなこと、繰り返しちゃダメなの」


シューは手に持った鍬を振り上げた。
仇討ちはもう、終わっているはずなのに。






そして、シューの首に鍬が突き刺さった。






(,,゚Д゚)連鎖のようです END







790 :(,,゚Д゚)連鎖のようです:2009/07/14(火) 22:00:34.43 ID:wemj7FTe0

たくさんの支援ありがとうございました。
お題をくれた方、ありがとうございました。

文章を書くのは一年と半年振りなのですが、相変わらず難しいですね。
精進します。

最後にお題のおさらい。

■お題
・lw´‐ _‐ノv「だから言ったのに…」
・アイス

[ 2009/07/14 23:23 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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