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( ´∀`)は間食するようです。


919 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 00:03:49.67 ID:7IBIgQ0a0

 『特製ラーメン1kg、20分で間食したら代金無料』

( ^ω^) 「おっおっ、これはひどい誤字だお!wwwww」

( 'A`) 「確かにこりゃwwww」

 熱気の籠る小さなラーメン屋『ワカッテマス』で、学生風の二人の客が悪意のない笑い声をあげた。

( <●><●>) 「客寄せ企画でありながら、広告に誤字をしたのは分かってます。明日にでも貼り替えます。」

 店主がカウンター越しに対応しながら、てきぱきと麺を茹でる。

( ´∀`) 「んー……ラーメンランチ一つお願いしますモナ」

 店内にいる客は、常連客のブーンとドクオ。
 そしてサラリーマン風の大柄な男が一人。
 平和な午後であった。




  ( ´∀`)は間食するようです。


 


920 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 00:04:50.58 ID:7IBIgQ0a0

( 'A`) 「間食か。間食っつーのは、要はおやつのことでな。その語源は昔の八つ時(やつどき)に軽食を食べたことに由来して……」

( ^ω^) 「ドクオの解説癖は相変わらず鬱陶しいおwwww」

( 'A`) 「うっせぇピザwwwwわらびもちぶつけんぞwwwww」

( <●><●>) 「ラーメンランチおまちどうさまです」

( ´∀`) 「あ、どうもモナ。……ズズ。――む、こりゃ上手いモナ!」

( ^ω^) 「おじさんは味が分かる人だお! ワカッテマスは知る人ぞ知る名店だお!」

( 'A`) 「うむ。ワカッテマスのラーメンはそもそもスープと麺それぞれに独特の工夫があって(ry」

( ^ω^) 「解説厨ウザスwwwwwwwwwwww」

( ´∀`) 「ハハハ。いや、しかしこれは本当に美味しいモナ――ハム、ハム、ハフハフッ!!」

 サラリーマン風の男は、あっというまにラーメンランチを完食した。
 そして――



921 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 00:05:54.35 ID:7IBIgQ0a0


( ´∀`) 「では間食に、ラーメン1kgを頼みますモナ」



 とんでもないことを言い出したのである。

(  ゚ω゚) 「…………」

( 'A`) 「…………」

( <●><●>) 「あの、その張り紙の『間食』がミスなのは分かって――」

( ´∀`) 「分かっていますが、書いてある以上は従いますモナ」

(  ゚ω゚) 「い、いやいやおじさん、やめとく方がいいお!!」

( 'A`) 「そうだな、悪いことは言わない。ワカッテマスの特製ラーメンは麺の量が1kg」
( 'A`) 「トッピングも考慮すると(ry」
( 'A`) 「で更にラーメンランチが(ry」
( 'A`) 「でカロリー的に(ry 」

( ^ω^) 「ドクオ解説自重するおwwwwww」



923 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 00:07:36.53 ID:7IBIgQ0a0


 皆がこぞって止めた。が――


 男はただ静かに笑って、こう言ったのだ。




( ´∀`) 「 ポリスィーですから 」 




 そうして、男の戦いが始まった。



 


928 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 00:09:10.67 ID:7IBIgQ0a0
( <●><●>) 「おまちどうさまでした。」

 特製ラーメン。膨大な量のメンマ、もやし、いくつもの味玉、季節の野菜の千切りなどのトッピングに濃厚なスープ。
 麺は太めの縮れ麺。普通に挑戦するならば、大食い自慢の大半は攻略できるのではないだろうか。
 だが、男は既にラーメンランチ――すなわち昼食を食べた後であった。

( ;´∀`) 「いただきますモナ。――フー、フー……ズ、ズズズズズッッ!! ズズッッ!!」

 しかし男は、差し出された特製ラーメンに果敢に挑んでいく。
 両手を合わせると、まずは麺を猛烈な勢いで食し始めたのである。

(;'A`) 「すげぇ、あのオッサン手慣れてるぜ――」

( ;^ω^) 「知っているのかお、ドクオ!」

(;'A`) 「麺は時間が経つほどスープを吸って膨れ上がる。大食いをするなら、最初に食べ切るのが基本だ」
(;'A`) 「加えて食べ方にある種の品がある。そりゃ早食い要素もあるからマナーバッチリってわけじゃねぇが」
(;'A`) 「下品に汁を散らしたりしねぇし、店長がこだわる麺とスープへの敬意が感じられる味わい方だ。」

(;'A`) 「あのオッサン……本物だぜ」

( ;^ω^) 「ゴクリ……」

( <●><●>) 「…………」

( ;´∀`) 「ズズズ……ふぅ」

 次に男がとりかかったのは、トッピングであった。
 味玉。メンマ。もやし――落ち着いて箸を動かしていく。時計を一度、ちらりと確認した程度だ。



930 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 00:12:29.76 ID:7IBIgQ0a0

 だが、その動作が徐々に鈍っていく。咀嚼が増え、飲みこむのが傍から見ても辛そうなのだ。

( ;´∀`) 「う、ぷ……」

 残り時間7分を切った時点で、ついにその動きが完全に止まる。頬に汗も浮かび、苦しげだ。
 誰もが、もう駄目かと思った。

( ;^ω^) 「さ、流石にもうだめかもわからんね――」

(;'A`) 「ああ、だがハンデを背負いながらナイスファイトだったぜ――」

 二人がそう口にした時だ。動きを止め、息を整えていた男が顔を上げると、店主に視線を合わせた。
 残り時間、5分。

( ;´∀`) 「すみません、店長」

( <●><●>) 「…………」

( ;´∀`) 「…………」

 ついにギブアップか、と二人は思った。

 しかし――



933 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 00:14:18.83 ID:7IBIgQ0a0

( <●><●>) 「――あなたが何をするつもりかは分かっています」

( ;´∀`) 「…………っ!」

 店長が頷き、男が笑みを浮かべた。
 そして男は、調味料置き場に手を伸ばすと、具材に唐辛子をふりかけはじめたのだ!

(;'A`) 「そうか、その手があったか――!!」

( ;^ω^) 「知っているのかお、ドクオ!」

(;'A`) 「唐辛子をかけることで味を変えて、マンネリ感を誤魔化すと同時に辛味成分で消化を促進してる!!」
(;'A`) 「いわゆる『味変え』ってテクニックだよ!! しかも店長に謝罪して許可まで取る品の良さ!!」

 ドクオが解説をする間にも、男は具を次々と食べていく。
 だが、その勢いは徐々に落ち――スープを残して、残り1分。

( ;´∀`) 「……あとは、スープだけですね」

( <●><●>) 「スープまでは無理に飲まないでも、ここで達成ということで――」


( ;´∀`) 「 ……ポリスィーですから。」 


 男はただ、穏やかに笑うのみだった。



934 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 00:15:44.38 ID:7IBIgQ0a0

( ;´∀`) 「グビッ、グビ――」

( ;^ω^) 「苦しそうだお――」

(;'A`) 「そりゃそうだ! 多少熱が落ちたとはいえ、あの熱くて濃厚なスープをそのまま飲んでるんだ!」
(;'A`) 「世の大食い自慢の中にはお冷の氷を入れて温度を下げるなんて小細工をする奴がいるが、あのオッサン、真っ向勝負……!」

( ;^ω^) 「お、漢だお――でも、何があの人をそこまでさせるんだお?」

 ブーンはなんとなく店長を見た。店長はかぶりを振ると――温かい目で、男の姿を見た。

( <●><●>) 「たまにはわからないこともあります」

 だが、時間は無常だ。
 残り30秒。

( ;´∀`) 「グビッ、……ぷ、ぷは」

 残り20秒。

( ;´∀`) 「ぜぇ、ぜぇ――ゴク、ゴクゴク」

 残り10秒。



935 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 00:16:40.57 ID:7IBIgQ0a0

( ;´∀`) 「う、うぷ――う、うぅぅ……」

(  ゚ω゚) 「が、頑張るんだお――!!」

( 'A`) 「残りはわずかだ――!!」


 そして――


( ;´∀`) 「ジュル、ズズ――」

( <●><●>) 「タイムアップです」

( ;^ω^) 「 け、結果は――!? 」 ('A` )

 丼の底には――わずかなスープ貯まりと、いくらかの麺と具の切れはし。

( ;´∀`) 「申し訳ありませんモナ――」



 ――完食、失敗であった。

 


938 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 00:17:54.17 ID:7IBIgQ0a0

( ;^ω^) 「そ、そんな――」

(;'A`) 「あんなに頑張ったってのに……」

( ;´∀`) 「いえ。モナの修行不足でしたモナ。出直してまいりますモナ――お勘定を」

 落胆にくれる二人とは対照的に、男は穏やかであった。
 落ち着いて財布を取り出すと、店主に清算を求める。

( <●><●>) 「お代は結構なんです」

( ´∀`) 「…………お情けは不要ですモナ」

 店主の静かな言葉に、男の目が鋭くなる。

( <●><●>) 「お情けでは無いんです」

 そう言って、店主は店内の張り紙を指差した。

 『特製ラーメン1kg、20分で間食したら代金無料』

( <●><●>) 「あの張り紙には――『間食』したらタダとは書いてありますが、『完食』が必要だとは書いていないんです」

( <●><●>) 「ゆえに貴方は、代金を払う必要はありません。――美味しそうに食べてくださった姿、嬉しかったのです」



940 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 00:19:13.55 ID:7IBIgQ0a0

( ´∀`) 「フ、フフフ――!」

 男は思わず、笑いだしていた。親しみやすい、陽性の笑みであった。

( ´∀`) 「良い店ですモナ。是非また食べに来させてもらいますモナ――」

 そう言って、男は店を出て行った。
 春の日のそよ風のように、穏やかな歩みであった。

( ^ω^) 「凄かったお……」

( 'A`) 「見入っちまったぜ――ん?」

 と、ふとドクオが声をあげた。

( ^ω^) 「どうしたんだお?」

( 'A`) 「……『完食』しなくても『間食』すればタダ? 店長!! 俺にも特製ラーメンチャレンジを!!」

( ^ω^) 「あ、あああああっ!! 汚いおドクオ!! 店長、ブーンも頼むおおおおお!!!」

 そんな余韻をぶち壊すかのように、大騒ぎを始めた二人を見て。




942 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 00:19:55.45 ID:7IBIgQ0a0

 『特製ラーメン1kg、20分で/  ビリビリ /間/ ビリビリ  /食したら代金無料』


( <●><●>) 「毎度ありなんです」

 『特製ラーメン1kg、20分で/    /食したら代金無料』

 店長は無造作にポスターを引き裂いて、『間』の字をゴミ箱にほうり捨てた。

( ;^ω^) 「き、きたないお!!!!!!!!!!!!wwwwwwwwwwwwww」

(;'A`) 「ヒデェエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!?wwwwwwww」


( <●><●>) 「うるせえ、わらび餅ぶつけんぞ」


 小さなラーメン屋『ワカッテマス』は今日も平和であった。


                                ( ´∀`)は間食するようです。 Fin







943 : ◆5xFishXix2 :2009/07/09(木) 00:21:59.52 ID:7IBIgQ0a0

お題は、

・ラーメン1kg間食
・( ´∀`)ポリスィーですから
・( <●><●>)たまにはわからないこともあります
・うるせえ、わらび餅ぶつけんぞ

でした。温かいご支援、どうもありがとうございました。



[ 2009/07/09 22:41 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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