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兄者と変わった魔法使いのようです


686 :兄者と変わった魔法使いのようです:2009/06/12(金) 17:27:56.05 ID:3jdAeFUX0

とある王国の話です。

王様が星を窓から眺めていると夜空から突如雷が出てきました。

王様は雲がないのに雷が出たことにたいそう驚きましたが

「おい」

誰もいないはずなのに、後ろから声がしてさらに驚きました。

「お前の欲しいものは何だ」

冷静な王様は振り向かずに、はっきりと答えました。



兄者と変わった魔法使いのようです



l从・∀・ノ!リ人「こんにちはなのじゃ」

('A`)「あっ、こんにちは。本日今こちらの部屋の清掃を担当になったドクオです。どうもよろしくお願いします」

l从・∀・ノ!リ人「よろしくなのじゃ」

('A`)「さて、では掃除中は埃が舞いますのでどこか別の場所に遊びに行ってください」

l从・∀・ノ!リ人「無理なのじゃ」



689 :兄者と変わった魔法使いのようです:2009/06/12(金) 17:30:05.03 ID:3jdAeFUX0

('A`)「はて? それはなんでまた?」

l从・∀・ノ!リ人「外は危ないから妹者だけだと部屋から出ちゃダメなのじゃ。小さい兄者もいないと…」

('A`)「小さい兄者というと…」

バタンッ

(´<_` )「あぁ…もう清掃の時間だったか」

l从・∀・ノ!リ人「小さい兄者遅いのじゃー」

(´<_` )「すまんな、妹者。すっかり本読んでて遅れてしまった」

l从・∀・ノ!リ人「早く部屋から出なきゃなのじゃー」

(´<_` )「ぶっちゃけそんな頻繁に掃除しなくていいと思うんだけどな」

('A`)「いえいえ、そうなると私たちの仕事もなくなりますので」

(´<_` )「まぁ、そうなんだけどさぁ・・・」

('A`)「どうかいたしましたか?」

(´<_` )「いや、こう毎日毎日妹と自分の部屋の往復だけだとな」

('A`)「往復?」

l从・∀・ノ!リ人「妹者は一人じゃ部屋出ちゃいけないのじゃー。
        小さい兄者は妹者の部屋と自分の部屋以外出ちゃいけないのじゃー」



690 :兄者と変わった魔法使いのようです:2009/06/12(金) 17:36:33.83 ID:3jdAeFUX0

('A`)「いくら部屋が広いとはいえ外の空気を吸うことも大事ですよ。
   人間に生まれたからには動かないと」

(´<_` )「残念なことに王の命令でな」

('A`)「はぁ・・・。
   しかし、理由が気になるところですね」

l从・∀・ノ!リ人「兄者に聞いても教えてくれないのじゃー」

('A`)「ほう。左様でいらっしゃいますか」

(´<_` )「部屋を掃除されるより他人と話すほうが気分転換になるわ。
      掃除してるふりしてしばらくしゃべっていかないか?」

('A`)「そんなことをして、王にバレたら私がどんな目に合うか」

l从・∀・ノ!リ人「妹者もそうしたいのじゃー」

(´<_` )「兄者は妹者に甘いから多分バレても大丈夫だぞ」

(;'A`)「えー。では、私が飲み物を持ってきましょう。
    お二人がお召し上がりになられてる間だけ談笑する・・・とういうことでなら」

(´<_` )「あぁ、よろしく頼む」

l从・∀・ノ!リ人「妹者は抹茶オレがいいのじゃ」

(´<_` )「俺、オレンジジュース」



691 :兄者と変わった魔法使いのようです:2009/06/12(金) 17:39:28.20 ID:3jdAeFUX0

('A`)「はい、かしこまりました」

* * * * * * * * * * * * * *

( ´_ゝ`)「おい、そこの者」

('A`)「はい、なんでございましょう」

( ´_ゝ`)「なんで飲み物運んでるの?こっちの方角は妹と弟しかいないはずだが」

('A`)「はい、お二人に持ってくるよう言われてので」

( ´_ゝ`)「そうか」

(;'A`)「それより王様。一体何故こちらの方へ?
    こちらにはお二人の部屋の他には物置代わりの部屋くらいしかございませんよ」

( ´_ゝ`)「いや、その二人に会いに行こうと思ってだな」

('A`)「そうでございますか。
   王様はお二人のことを愛していらっしゃるのですね」

( ´_ゝ`)「当たり前だ。家族なんだから」

('A`)「それにしてはお二人とも外になかなか出ていらっしゃらないようで。
   少し健康に悪いのでは?」

( ´_ゝ`)「お前にそこまで口出しされる権利はない。
      どうしようと俺の勝手だろう。
      俺は二人のためを思ってやってるんだ」



692 :兄者と変わった魔法使いのようです:2009/06/12(金) 17:41:35.34 ID:3jdAeFUX0

長く続いている廊下には、いつもせわしなく

動き回っている召使いの姿はどこにも見当たりませんでした。


外の天気は崩れ始めたのか、太陽が雲に隠れて

廊下には灰色の光が差し込んできます。


('A`)「二人はペットではないんですよ」

( ´_ゝ`)「愛しい家族を囲ってでも守るのは当然じゃないか。何が悪い」

('A`)「愛しい家族ですか」

('A`)「噂を鵜呑みにするのはあまりよくないとは思いますが
   弟さんと妹さん、数年前に亡くなっていませんか?」

(#´_ゝ`)「な、何を言ってるんだ・・・!」

('A`)「なくしたくないからといってあまり縛りつけるのはどうかと・・・」

(#´_ゝ`)「お前に何が分かるというんだ!」

('A`)「いやね、私には愛する家族も親しい友も
   これだけ生きてきて今だに居たことはありません」

('A`)「しかし、あの二人が日々を楽しんでいないことくらい
   私でなくても分かりますよ」



693 :兄者と変わった魔法使いのようです:2009/06/12(金) 17:44:20.12 ID:3jdAeFUX0

(#´_ゝ`)「ふん、それだけの大口を叩くお前にはわからないだろうな。
      大事な物をなくしたときの絶望と再び手に入れた時の喜びを」

('A`)「その大事なものを籠に入れたままだとは、まるでおもちゃを扱う子供のようだ」

('A`)「一体何があなたをそこまでさせたのですか?」

('A`)「懺悔?いや・・・うーん」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

l从・∀・ノ!リ人「兄者ー! 兄者ー!」

( ´_ゝ`)「どうした妹者」

l从・∀・ノ!リ人「今日弟者と狩りに行くのじゃー!」

( ´_ゝ`)「へー、そうなのか」

l从・∀・ノ!リ人「兄者も一緒に行こうなのじゃ」

( ´_ゝ`)「ゴメンなー、妹者。兄者ちょっと忙しいんだ」

l从・∀・ノ!リ人「えー、兄者いつも遊んでくれないのじゃー」

(´<_` )「こら、妹者。兄者は国のトップなんだぞ。忙しくて当然だ」

l从・∀・ノ!リ人「でも、一回も兄者と遊んだことないのじゃー」

(´<_` )「当たり前だ。お前が生まれた時くらいから王様なんだからな」



694 :兄者と変わった魔法使いのようです:2009/06/12(金) 17:48:06.21 ID:3jdAeFUX0

l从・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ?兄者すごいのじゃー」

( ´_ゝ`)「すごいだろう。さぁ、狩りに行っておいで」

l从・∀・ノ!リ人「わかったのじゃー。行って来るのじゃー
         でっかいの獲ってくるのじゃ」

( ´_ゝ`)「期待してるよ」

(´<_` )「じゃあな、いつも感謝してるよ」

( ´_ゝ`)「なんだ急に気持ち悪い」

(´<_` )「いや、妹者に説明してたら兄者って案外すごいなと思って」

( ´_ゝ`)「案外ってなんだよ」

(´<_` )「はは、じゃあ本当に行ってくるよ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「あぁ、で。敵国にそこを狙われて死んだと」

「後悔かぁ・・・うーん、いや。別に後悔でも悪くはないんだけどなぁ」


Σ( ´_ゝ`)「うわっ、お前なんで俺の回想分かるの? エスパー? 気持ち悪っ!」 

('A`)「え?いやいや、エスパーじゃないよ」



695 :兄者と変わった魔法使いのようです:2009/06/12(金) 17:50:04.25 ID:3jdAeFUX0

('A`)「あと気持ち悪くもない」

( ´_ゝ`)「え?それは会った時から思ってたけど?」

('A`)「・・・・・・」

('A`)「まぁ、とりあえず二人を止められなかったとずいぶん後悔したね」

( ´_ゝ`)「それだけじゃない」

( ´_ゝ`)「何で遊んでやらなかったんだろうとか
      何でもっと話を聞いてやらなかったんだろうとか
      忙しくても二人に何かできたことがあったんじゃないかと」

( ´_ゝ`)「しても意味のない後悔ばかりしていた」

( ´_ゝ`)「二人は帰ってこないっていうのにな」



697 :兄者と変わった魔法使いのようです:2009/06/12(金) 17:53:15.37 ID:3jdAeFUX0

('A`)「でも、そのおかげで呼び出したじゃないですか?」

( ´_ゝ`)「呼び出した?」

('A`)「忘れたとは言わせない。
   雲のない夜空から雷の落ちた日。
   あなたは言ったはずだ」

( ´_ゝ`)「あぁ・・・」

('A`)「あの時言ったね。
   『死んだ二人を少しでも取り戻せるなら、なんでも……この命でさえもくれてやるよ』とかね」

('A`)「ということで」


「いただくよ」



698 :兄者と変わった魔法使いのようです:2009/06/12(金) 17:56:36.65 ID:3jdAeFUX0

王様はいたく後悔した。

自分が死ぬんでしまうことではなく、
自分がいなくなれば城どころか、
普通の生活でさえできなくなる二人のことを。


そして彼の中の何か重いものがストンと落ちていってしまった。

やがて視界は暗くなり・・・


l从・∀・ノ!リ人「あっ、兄者起きたのじゃ」

(;´_ゝ`)「えっ、いや。どうしたんだ?」

(´<_` )「それはこっちのセリフだ。忙しいのは分かるが心配させるなよ」

(;´_ゝ`)「へ?」

l从・∀・ノ!リ人「兄者部屋の前で倒れてたのじゃ。あとこれが一緒に落ちてたのじゃ」

( ´_ゝ`)「なにこれ、カード?」


『お代はいただきました。

           どくを』



701 :兄者と変わった魔法使いのようです:2009/06/12(金) 18:10:59.62 ID:3jdAeFUX0

* * * * * * * * * * * * * *

とある王国に


寂しさのあまり魔法使いと契約を交わしてしまった王様がいました。

彼は愛すべき家族を再び得て


(;'A`)「そこらにあった箱に入れてはみたものの」

(;'A`)「結構重いぞ、これ」

(;'A`)「てか普通、魔法使いなんだから瓶に入れたりとか・・・」




<ぎゃー! そこ抜けやがったー!



魔法使いはそれと引き返えに、王様の『後悔』を奪い去っていったと言います。







702 :兄者と変わった魔法使いのようです:2009/06/12(金) 18:13:27.26 ID:3jdAeFUX0

支援ありがとうございました。

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お題

抹茶オレ
みかん箱


[ 2009/06/12 23:34 ] 総合短編 | TB(0) | CM(5)

いいな
こういう雰囲気好きだ
[ 2009/06/13 15:05 ] [ 編集 ]

面白かった!ブラックじゃないとこがいい
[ 2009/06/16 22:39 ] [ 編集 ]

さいごにニヤニヤしてた私きめぇwwww
[ 2009/06/25 14:10 ] [ 編集 ]

兄者のカブとドクオのカブが上昇した
[ 2010/06/06 17:30 ] [ 編集 ]

(;A;)イイドクオダナー
[ 2011/03/30 03:11 ] [ 編集 ]

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