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後ろ手に回した手首に縄が痛むようです


161 :後ろ手に回した手首に縄が痛むようです:2009/06/09(火) 23:51:54.09 ID:JVlh8Aat0

それは昔のこと。とある山奥の農村に兄弟がいました。
2人は両親を早くに亡くしていましたがなんとか支え合って暮らしていました。



後ろ手に回した手首に縄が痛むようです



(*‘ω‘ *) 「おはようだっぽ」

兄弟の住む家の前に赤い着物を着た少女が立っていました。

( <●><●>)「おや、ちんぽっぽじゃあリませんか。珍しい」

(*‘ω‘ *)「ビロード、遊ぼうだっぽ」

( ><)「お兄ちゃん…」

( <●><●>)「そうですね、今日はそこまで仕事が多い訳ではないですし、
         それにちんぽっぽもたまにしか外に出られないし。しょうがないですね」

( ><)「やったなんです。お兄ちゃんありがとうなんです」

(*‘ω‘ *)「ぽっぽー」

*********



163 :後ろ手に回した手首に縄が痛むようです:2009/06/09(火) 23:54:46.49 ID:JVlh8Aat0

(*‘ω‘ *)「どこ行くっぽ」

( ><)「川へ行くんです!一緒に草船作るんです」

(*‘ω‘ *)「草舟?」

( ><)「これなんです」

(*‘ω‘ *)「・・・・・・確かに草だっぽ」

( ><)「これをこうして」

( ><)「できたんです」

(*‘ω‘ *)「あぁ」

( ><)「ほら。沈まないで流れていくんです」

(*‘ω‘ *)「沈まない・・・・・・」

(*‘ω‘ *)「草のくせしてすごいっぽ」

( ><)「今はまだ水が冷たいけど暑くなったら川に入ったりするんです」

(*‘ω‘ *)「なんだか気持ちよさそうだっぽ」

( ><)「はい。なんです」

少年は肩の辺りにかかるほどに長く伸びた彼女の髪に隠れた顔を覗き込むように言いました。



164 :後ろ手に回した手首に縄が痛むようです:2009/06/09(火) 23:57:27.37 ID:JVlh8Aat0

************

( ><)「また遊ぼうなんですー!」

(*‘ω‘ *)「わかったっぽ。いつになるか分からないけどまた来るっぽ」

( <●><●>)「気をつけて帰るんですよ」

( <●><●>)「・・・・・・ビロード」

( ><)「どうしたんですか」

( <●><●>)「楽しかったですか?」

( ><)「はい、なんです!」

( <●><●>)「それはよかったですね」

( ><)「お兄ちゃん」

( <●><●>)「なんですか」

( ><)「僕、髪伸ばそうと思うんです」

( <●><●>)「・・・・・・あなたが伸ばしてもあまり様にはならないと思いますよ」

( ><)「そんなことないんです!結ったら男らしくなるんです」

( <●><●>)「まぁ、好きにしなさい。それよりもうご飯ですよ」



166 :後ろ手に回した手首に縄が痛むようです:2009/06/09(火) 23:59:59.40 ID:JVlh8Aat0

( ><)「はいなんです」

*****

(*‘ω‘ *)「ビーロードー!」

(*><)「久しぶりなんですー!」

( <●><●>)「はいはい、今日はいいですから遊んでらっしゃい」

( ><)「はいなんですー!」

――――――――――――

―――――――

( ><)「うひゃっ、冷たいんです」

(*‘ω‘ *)「足しか入ってないのにずいぶん涼しくなったっぽ」

( ><)「足首冷やすと体冷えるってお兄ちゃん言ってたんです」

(*‘ω‘ *)「それっ!」

( ><)「ちょっ、水かけないんで欲しいんです! 着物濡れちゃうんです」

(*‘ω‘ *)「ビロード」

( ><)「はい」



168 :後ろ手に回した手首に縄が痛むようです:2009/06/10(水) 00:03:08.27 ID:7MsbtUti0

(*‘ω‘ *)「髪なんで伸ばしてるっぽ」

( ><)「それは・・・・・・」

( ><)「伸ばして一つに結んでかっこよくしたいんです! 男らしくなりたいんです!」

(*‘ω‘ *)「っぷ。あたしと背の高さ一緒なのに笑わせるっぽ」

(#><)「一緒じゃないんです! 僕の方が少しだけ高いんです」

(*‘ω‘ *)「はいはいだっぽ」

(#><)「ムキー!」

************

( <●><●>)「ビロード」

青年は茶箪笥からなにやら取り出して渡しました。

よく見てみると

( ><)「え?お金?」

( <●><●>)「髪を結う紐をそろそろ買わないとダメですからね」

( ><)「でも、ちょっと多いんです」

( <●><●>)「かんざしもついでに買ってきてください」



169 :後ろ手に回した手首に縄が痛むようです:2009/06/10(水) 00:05:54.93 ID:7MsbtUti0

(;><)「流石に結い上げたりはしないんです」

( <●><●>)「あなたにじゃありませんよ。ちんぽっぽです。
        秋ごろにまた来るでしょうからあなたが贈ってあげなさい」

( ><)「お兄ちゃん・・・・・・」

( <●><●>)「はい」

( ><)「意外と見栄っ張りですね」

( <●><●>)「あなたは歯に衣着せませんね」

************

(*‘ω‘ *)「何やってるっぽ」

( ><)「こうすると止まるんです」

そういうと少年の指先に引き寄せられるようにトンボが止まります。



171 :後ろ手に回した手首に縄が痛むようです:2009/06/10(水) 00:09:24.49 ID:7MsbtUti0

(*‘ω‘ *)「すごいっぽ」

( ><)「ちんぽっぽちゃんもやってみるんです」

少女も同じように指を立てると簡単にトンボはやってきました。

(*‘ω‘ *)「ずいぶん簡単だっぽ」

( ><)「はいなんです」

少女は手を少年の髪に手を伸ばしました。
急な動きにトンボはまたどこかへ飛んでいきました。

(*‘ω‘ *)「冬になったらあたしと同じくらいの長さになるっぽね」

( ><)「そんなことなんです」

少年は照れを隠すように手を軽く払いのけて言いました。

( ><)「きっとそれより早いです」

************


夜中にむくりと少年は起きました。

隣で寝る青年の寝息を確認すると衣装箪笥を開けて丸まっている着物を取り出しました。

そして茶箪笥を開いて少しの小銭を持つと静かに家を出ました。



173 :後ろ手に回した手首に縄が痛むようです:2009/06/10(水) 00:13:22.29 ID:7MsbtUti0

************

古い物置のような小屋に着くと少年は小声で言いました。

( ><)「ちんぽっぽちゃん」


返事はありません。


試しに壁を叩いてみます。


返事はありません。


かんざしを中へ投げてみます。

「痛っ」

どうやら起きたようです。



175 :後ろ手に回した手首に縄が痛むようです:2009/06/10(水) 00:16:49.13 ID:7MsbtUti0

( ><)「ちんぽっぽちゃん」

「ビロードかっぽ」

( ><)「はいなんです」

「何しにきたっぽ。見つかると怒られるっぽ」

すると少年は、持ってきた着物を中へ投げ入れます。

「これは・・・・・・」

( ><)「最後のお願いですから着てください!」

「わかったっぽ。着るから大きな声上げるなっぽ。みんな起きてしまうっぽ」

( ><)「着てくれれば大きな声出さないんです」

しばらく経つと布の擦れる音が聞こえなくなりました。
すると少年は言いました。

( ><)「落ちているかんざし持つんです」

「こうだっぽ?」

少女がそういうと扉が勢いよく開きます。

そこには今まで扉とは反対方向から声を出し続けていた少年の姿がありました。



176 :後ろ手に回した手首に縄が痛むようです:2009/06/10(水) 00:19:26.68 ID:7MsbtUti0

(*‘ω‘ *)「ビロード?」

少女がそう聞くのと同時に少年は、少女の手首を掴んで勢いよく外に引っ張り出したのでしたそして、入れ替わりに少年は中へ入ると扉を閉めました。

(*‘ω‘ *)「ビロード!?」

「いいですか、よく聞いてください」

とても静かで慎重な声でした。

「今からちんぽっぽちゃんは閂に横木を置いて扉を閉めるんです。

それから、僕がかんざしを投げ入れたところに巾着袋にはいったお金があります。

お兄ちゃんが使う分なら残してありますから安心してください。

少ないかもしれませんがそれでちんぽっぽちゃんは生きてください」

(*‘ω‘ *)「で、でも。ビロードは・・・」

「僕なら心配しないでください。言ったでしょ?

僕は男らしくなりたいんです。これくらい大丈夫なんです。

それといくつか先の町まで行けばきっと大丈夫ですから。しばらくしたら僕は必ずそのかんざしを探し出します。

だからそこまで行くんです」

(*;ω; *)「・・・・・・」



179 :後ろ手に回した手首に縄が痛むようです:2009/06/10(水) 00:22:03.19 ID:7MsbtUti0

「今から脱ぐんで僕の着物を取っていってもらえますか?

取った着物は羽織ってください。その格好で山を抜けるのはさすがに寒いんです。

それに、僕がちんぽっぽちゃんの着物着ればちょっと油断させることができるんです!」

それを聞き少女はうなずくと閂をかけ、
裏に投げられた着物と巾着袋を拾って言いました。

(*;ω; *)「必ず、必ず来るんだっぽ。見つけないと許さないっぽ」

そう言うと少女は山のほうへと駆け出しました。

************

( ><)「行ったみたいです」

少年は少女の遠のく足音を聞いて安心しました。

そして立ち上がると床に落ちている真っ赤な着物を身にまとい、
縛っていた髪を解いて、肩の辺りまで伸びた髪を少し手で梳くと
顔を覆い隠すほどの大きさ白い布が縫われている帯を額から頭に回し縛りました。

そして少年はもう二度としゃべることはありませんでした。

――――――――――――



180 :後ろ手に回した手首に縄が痛むようです:2009/06/10(水) 00:25:33.11 ID:7MsbtUti0

―――――――


闇がだんだん薄くなってきました。

三人の大人たちが扉を開けました。

少年は明かりが差し込んだのが分かると立ち上がりやがて大人たちに引かれていきました。

************

川につくと三人のうちの一人は、少年の腕を後ろに回し縄で縛ります。

縛り終えると少し背中を押されました。

少年はゆっくりと歩き始め、川へと浸かってゆきました。

厳しい冬が始まる時期に川の水は容赦なく体温を奪います。

後ろ手に回した手首が水を吸い込んだ縄のせいで痛みます。

やがて川の中腹ほどまで進むと底は少年の足がそこまで届かないほど深くなっていていました。

流されていく赤が摩り替わってるとは知らず、
三人は贄が神に捧げられたとゆっくりと踵を返したのでした。


[ 2009/06/11 22:08 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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