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('A`)ドクオたちは缶蹴りをするようです


238 :('A`)ドクオたちは缶蹴りをするようです:2009/06/03(水) 14:24:03.04 ID:Yy5K8xKY0

ざわざわと木の葉が擦りあい不穏な声をあげる。

生き物の音がしないのはやつらが息を殺しているから。

鬱蒼とした林の中で男は足を所定の位置まで持っていくとこう言った。

('A`)「ゲーム・・・スタートだ」



('A`)ドクオたちは缶蹴りをするようです



('A`)「・・・・・・」

流石にあちらもスタート直後に飛び出てくるほど間抜けではない。

しかし分かる。空気は張りつめているのは彼らがその時を待っているから。

ならばこちらから動くのが筋だろう。鬼の立場としてこのままではいささか卑怯だ。

どこから攻めてくるかはわからないのだからおびき寄せるのが定石。

ドクオは足を空き缶から降ろそうとした。


その時



239 :('A`)ドクオたちは缶蹴りをするようです:2009/06/03(水) 14:27:05.84 ID:Yy5K8xKY0

( <●><●>)「動くのはわかっていました」

後方へ振り返れば薄暗い木々の間からかすかにこぼれた光を全て反射するかのような刃。

かわせば缶は蹴られて負けが確定する。しかしそのまま受ければ命の保証はない。

選択は一瞬だった。

( <●><●>)「能力をつかうなんて卑怯な人だ」

('A`)「最初に武器使ってきたのはてめぇだろうが」

日本刀を受け止めていたのは直径5cmほどの細長い枝だった。

互いの力は均衡なのか剣と枝を持つ腕が微動するだけで後はどこも動くことはなかった。

( <●><●>)「このままでは埒が明きませんね」

少年はそう言うと同時に剣へそっと片手を当てた。
白刃から蜂の羽音に似た嫌な音と二人を強く照らす一瞬の光。

ドクオはあまりの光の強さに目を瞑った。

みぞおちにワカッテマスの膝蹴りが入る。


ドクオは膝から崩れ落ちるように地面へと倒れこんだ。



241 :('A`)ドクオたちは缶蹴りをするようです:2009/06/03(水) 14:30:11.52 ID:Yy5K8xKY0

( <●><●>)「この実用的かつ戦闘にも有効な『電気を扱う』能力を有する僕が勝利者なのはわかってます」

少年はまるで決まり文句であるかのように地を這っているドクオに饒舌に言ってみせた。

一方ドクオの方は先ほどの蹴りが急所にはいったのか口を必死に動かすも呼吸をすることは叶わず小さな嗚咽を漏らすことしかできなかった。

( <●><●>)「おや、すいませんでした。体術が得意なあなたならこれくらいなんてことはないと思ったのですけどね」

少年の唇は優越感を味わうように歪んでいた。

その光景を憎たらしく思うにもただただ地を這うことしかできなかった。

次第に酸素の回らなくなった脳のせいで視界がぼやけた。

缶へと近づくワカッテマスの足を止めることはドクオには不可能だった。

( ゚д゚ )「やりすぎだぞ、ワカッテマス」

あと一歩のところで声がした。

どうやら手に大きな本を持った男が木陰から出てきたらしい。

表紙の鮮やかさには見覚えがあった。

( <●><●>)「来る頃だと思っていましたよ」

鬼以外のものは缶を蹴った時点で勝利。
特別ルールを立てておいて本当によかった。

( <●><●>)「しかしミルナ。あなたの能力はこの場所で使うのは少し無理というものでしょう」



243 :('A`)ドクオたちは缶蹴りをするようです:2009/06/03(水) 14:33:27.75 ID:Yy5K8xKY0

刃先がミルナの首元へ向かう。わかりやすい脅しだが効果は十分だろう。

( <●><●>)「僕が勝利するのはわかってます」

( ゚д゚ )「・・・・・・」

二人は睨み合いながらも動かずにいた。

ミルナはワカッテマスの剣を恐れていた、
ワカッテマスは安易に姿を現したミルナに策があるのかと恐れていた。


あぁ、ありがたい。十分な時間稼ぎになった。


(;A`)「エッホォ、ゲッホォ」

肺の中に残った空気全てを吐き出して大きな咳をした。

目の前で対峙している二人がこっちを向いたが構わない。
精一杯空気を吸い込むと少し気管が痛んだ。

( <●><●>)「ドクオが復活しそうじゃありませんか。あなたのせいですよ」

人をゾンビみたいに言うな。
そう思うもまだしゃべることはできずにゼイゼイと声にならない声しかでなかった。

だがあともう少し。あともう少しで戦える。

ミルナの方へ期待を傾けるように視点を合わせた。



245 :('A`)ドクオたちは缶蹴りをするようです:2009/06/03(水) 14:36:54.25 ID:Yy5K8xKY0

( ゚д゚ )「・・・勝つのは俺だ」

・・・・・・へ?

林の中で戦っている今、ミルナが勝つのは無理というものがあった。

同じことを思ったのかワカッテマスがあざ笑うかのように言った。

( <●><●>)「それが叶わないことはわかってます」

( ゚д゚ )「俺にはドクオのように物を鋼鉄のように硬くさせる力もない。
    ワカッテマスのように電気を発生させる力もない。
    だが・・・・・・」

ワカッテマスがたじろいた。
それもそうだ。正直に言うと俺だってミルナが本気であるなら一刻も早く逃げ出したい。

( ゚д゚ )「俺にはこれがある」


手に持った本を開いた。
中からずるりと常識から反するものが飛び出す。

( ゚д゚ )「缶を蹴らなくてもお前たちを倒せば勝ちだろ?」


あ・・・・・・。まずい押しつぶされ

―――――――――――――――――――――



246 :('A`)ドクオたちは缶蹴りをするようです:2009/06/03(水) 14:39:07.84 ID:Yy5K8xKY0

―――――――――――――――

( ・∀・)「おー、盛大にやっとるなー」

|゚ノ ^∀^)「大丈夫ですかねー。ドラゴン召還しちゃったみたいですけど」

林を見渡せる丘に白衣を着た人間が二人はその光景を見て何をするでもなくのんきに言った。

( ・∀・)「君が缶蹴り提案したのにその口ぶりだと関係ないみたいな言い方だな」

|゚ノ ^∀^)「能力者と言っても少年ですからたまにはこれくらい派手にやらないと憂さが晴れないんじゃないですか」

( ・∀・)「研究対象のことをそこまで考えてるなんてレモナさんはすごい人だなー」

薄ら笑みで男はワザとらしく言った。

|゚ノ ^∀^)「私は優しい人間ですのでー」

皮肉を適当に返すと白衣を着た一人は立ち去ろうと踵を返した。

だがレモナが数歩歩いたところで男は言った。

( ・∀・)「裏切り者なのに?」

林を眺めながらまるで当たり前かのように軽く投げられかけた言葉。

どう出てよいのかわからないのか帰ろうと背を向けた状態のままでレモナは立ち止まった。

|゚ノ ^∀^)「だったらどうなんです?言いつけでもするんですか?」



247 :('A`)ドクオたちは缶蹴りをするようです:2009/06/03(水) 14:41:03.99 ID:Yy5K8xKY0

焦りを悟られまいとしたのだろう。いつもと変わらない口調で言った。

( ・∀・)「別に。ただやることがすごいなーと思ってるだけですよ」

モララーはレモナの方へ顔を向けた。
笑みを漏らすその表情からは意図がまるで読めない。

|゚ノ ^∀^)「・・・・・・」

レモナはモララーの林のある方向に体を振り向かせて言った。

|゚ノ ^∀^)「私はモナー君のためだったらなんでもするの」

レモナの表情はいつもと同じで、モララーは思わず笑ってしまった。

( ・∀・)「・・・知ってますよ。そんなこと」

そう言うと、モララーは数歩足を進めた。
レモナの右手に手を重ね、耳元で囁く。



248 :('A`)ドクオたちは缶蹴りをするようです:2009/06/03(水) 14:44:16.81 ID:Yy5K8xKY0

( ・∀・)「チクッたら殺されちゃいますもんね」

|゚ノ ^∀^)「・・・・・・」

レモナは銃に添えた手を離す。

それを見てモララーはまた歩を進めた。
林と真反対の方角へ向かうのだから研究所へと帰るのだろう。

( ・∀・)「それに言いつけなんて子供みたいじゃないですか」

飄々としたその口ぶりから本心がどこにあるのかわからない。
レモナは林をしばらく見つめて自分がどう動くべきかを考えた。

知れてしまったものは仕方がない。
あの男だけに知られているのであればまだ大丈夫だろう。
もみ消そうとすれば逆に怪しまれてしまう。


考え付いた先は通常通りに行動するというなんとも消極的な結論だった。

急いては事を仕損じる。

レモナは一回深呼吸して気持ちを落ち着かせた。

そして遊びつかれた少年達に、昼食の時間を告げるため林へと向かった。







250 :('A`)ドクオたちは缶蹴りをするようです:2009/06/03(水) 14:47:31.58 ID:Yy5K8xKY0

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お題

縦一閃
飛び出す絵本
空き缶



[ 2009/06/03 19:14 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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